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ランディ・ブレッカーのジャズが聴ける1枚

今日はランディ・ブレッカーのジャズが聴ける1枚です。ランディというとフュージョンの人というイメージですよね。弟マイケルはある時期からジャズに回帰していましたが、兄ランディーは相変わらずフュージョンの人というイメージで見ていた私。そこにこのアルバムが出てランディがやるジャズもなかなか良いなと思った次第。マイケルがまだ存命の時に出たアルバムです。

P3 マーク・コープランド、ランディ・ブレッカー『ボース/アンド』(2004年rec. nagel heyer)です。メンバーは、マーク・コープランド(p)、ランディ・ブレッカー(tp)、エド・ハワード(b)、ヴィクター・ルイス(ds)です。トランペットのワン・ホーン・カルテット。ストレート・アヘッドなアコースティック・ジャズ。

2人の名義になっているので双頭アルバムなんでしょうが、実質のリーダーはコープランドで、そこにランディがフィーチャされている感じです。コープランドが5曲、ランディが1曲、ガーシュインとリー・モーガンの曲が1曲づつ収録されています。

アルバム全体のイメージは抒情派ピアニスト、コープランドのヨーロッパ・ジャズというイメージです。黙って聴かせたら、誰もこのトランペットがランディだとは思わないんじゃないかと思います。コープランドの曲は適度に甘く哀愁を漂わせた美曲揃いで聴いていると落ち着きますね。ランディの1曲もクラシカルな雰囲気を漂わせた曲で全く違和感なしです。

ガーシュインの《アイ・ラブズ・ユー・ポーギー》のトランペットが泣かせます。甘さ控えめで淡々と愛を語るランディ。なかなかいかしてますよ。メロディーを大切にしながらフレーズを丁寧に積み重ねるランディ。この人のラッパって実はかなりまじめだったんだと認識しました。コープランドのピアノも甘さ控えめのリリシズムで美メロを奏でます。2人の甘さ加減と温度感は非常にマッチしていますね。いいです。

そんな中に問題の1曲。モーガンの《ザ・サイドワインダー》が入っています。全8曲中の4曲目。真中にです。ここまで格調高く進んできたのに、例のちょっと野暮なジャズ・ロックって、どうなんでしょ。この2人一筋縄ではいきませんでした。リズムは野暮な8ビートのままですが、メロディーが変。数小説ごとに少しづつ転調を重ねているのです。転調も効果的に使えば浮遊感があって気持ちがいいのですが、少しずつ強制的に転調するのは落ち着かず気持ちが悪いです。まっ、これは2人の遊び心として許せるか?許せないか?

前半はコープランド、ガーシュイン、ランディ、モーガンの曲が並びますが、後半の4曲は全てコープランドの曲。アルバムのイメージ、リリカルで落ち着いたトーンのヨーロッパ・ジャズです。ランディの落ち着いたクールなフレージング、甘さ控えめでクールに美しく迫るコープランド、意外と強靭なハワードのベース。軽快にスイングするルイスのドラム。快適です。

ヨーロッパのジャズって、強靭なベースがいると様になるんです。メロディーが美しく甘いと弱くなりがちなところを、強靭なベースで補うわけです。そこに派手なドラムを絡めるとまたガッツがあって面白いのですが、ルイスのように軽快で繊細なドラムを絡めるのも悪くはないです。アップ・テンポの曲もあり、ランディの気持ち良い吹奏も入っています。ランディの場合はパワーよりはスピード感で勝負かな。

ナゲル・ヘイヤーというドイツのレーベルから出たのも意外でした。このレーベルに対する私のイメージは中間派~オーソドックスなバップだったのです。このアルバムのようなコンテンポラリー寄りのジャズは出さないのかと思っていました。

ランディのトランペットがじっくり味わえる1枚。もちろんコープランドの美しいピアノも素敵です。オススメ。

アルバム名:『BOTH/AND』
メンバー:
MARC COPLAND(p)
RANDY BRECKER(tp)
ED HOWARD(b)
VICTOR LEWIS(ds)

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