しつこくヒップホップ系ジャズ(笑)
今日もしつこくヒップホップ系ジャズ。といういか今日はほとんどヒップホップ。こんなのも持っていました!昨年、「ディスクユニオン新宿地区合同出張大噴火バーゲン」で買った1枚。一応ジャズコーナーに置いてあったのですが、この手のやつは今時ジャズオヤジには無理なので、”大噴火バーゲン”送りとなったのではないかと思います(笑)。
マテリアルの『インタウナル-モリ-』(1999年、ビデオアーツ・ミュージック)です。マテリアルというのはベーシストのビル・ラズウェルのプロジェクト。
ビル・ラズウェルと言えば、ハービー・ハンコックのロック・イット・バンドの人で、アルバム『フューチャー・ショック』のプロデュースをした人です。私がジャズを聴き始めた頃はマテリアルの『メモリー・サーブス』が話題になっていました。翌年にはニューヨークのアンダーグラウンド・サウンドとして『ザ・ゴールデン・パロミノス』なんてアルバムも出ました。今見ると凄いメンバーが終結していたのがわかります。当時の私はついていってなかったです。
このアルバムの話に戻ります。ヒップホップのラッパーやDJをゲストに迎えたほとんどヒップホップ・アルバムです。メンバーは以下の帯を見て下さい。
私にはよくわからないのですが、結構凄いメンバーが集まっているみたいです。今から10年ほど前、21世紀を前に発表されたアルバムですね。御覧のとおり日本盤。サウンドとしてはハービー・ハンコックの『ディス・イズ・ダ・ドラム』(ラズウェルとハンコックのプロデュース)と共通のものです。ただしこちらは全編ラップ入り。トランペットはいませんが、マイルスの『ドゥー・バップ』とも近似。
ライナーノーツも読ますに聴いていて、これなかなかカッコイイな~と思ったのが《バーニン》。で、今日ライナーノーツを読んでみたら、ラッパーがパブリック・エナミーのフレイヴァー・フレイヴでした。何がカッコイイと思ったかと言えば、ラップのリズム(ビート)感。なるほどね~。パブリック・エナミー、ヤバさ”プンプン”です。低音がひときわ強調されているところも快感。
全て歌詞付きで、ご丁寧に日本語訳まで付いています。《バーニン》読んでみましたよ。ハッハッハッ!一言で言えば、”お下劣”(笑)。日本語訳は直訳していません。この歌詞まで含めてがパブリック・エナミーなんでしょうね。意味が分かるとしたら、とても大音量では聴けません(笑)。
ロック・イット・バンドに参加していたDJのグランドミキサーDSTも参加しています。今はDXTと名乗っているそうです。ビル・ラズウェルという人は、ジャズとヒップホップをつなぐ上で重要人物でもあります。この人が約10年前にヒップホップ・アルバムを作っていたのも興味深いところです。
このアルバム、普通のジャズファンは絶対聴かないでしょうね。普通でないジャズファンの方で興味があるようでしたら是非聴いてみてください。いきなりヒップホップを聴くよりはまだ身近に感じるかも?
張り付けられるアフィリはないのですが、Amazonには輸入盤がありますので、購入は可能です。
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コメント
『ゴールデン・パロミノス』のとこを読んで思い出した!このCDをある人に貸して、まだ返ってきたない!
LPは艶消しシルバーに赤と黒で馬の画像を刷り込んだお金をかけたジャケットでしたが、CDでは経費削減でショボイ色彩でしたね。
コレLPで聴いて当時はド偉いモノ買ってしまった!思いました。ワタシの想い出アルバムの一つです。
投稿: じゃこのめ | 2010年12月25日 (土) 01時44分
ぼくも
投稿: 雪丸 | 2010年12月25日 (土) 04時06分
じゃこのめさん
こんにちは。
>『ゴールデン・パロミノス』のとこを読んで思い出した!このCDをある人に貸して、まだ返ってきたない!
早く返してもらったほうがいいですよ。
でも忘れちゃうくらいだから、なるほど・・・。
>LPは艶消しシルバーに赤と黒で馬の画像を刷り込んだお金をかけたジャケットでしたが、CDでは経費削減でショボイ色彩でしたね。
私の持っているのはショボイCDのほうなんで、LPを見てみたいです。
>コレLPで聴いて当時はド偉いモノ買ってしまった!思いました。ワタシの想い出アルバムの一つです。
コレをリアルタイムで買ったじゃこのめさんは素晴らしい!
私なんかラジオで聴いて、これの良さがよくわからんということで、手は出しませんでした。
数年前に中古CDをみかけたので、もう一度聴いておかねばと思って買いました。
今はこれも面白いと思います。
投稿: いっき | 2010年12月25日 (土) 11時43分
すいませんm(__)m
コメント書いてる途中で寝落ちしました。
いつもブログ拝見させていただいてます。 雪丸といいます。
ヒップホップとJAZZの関係については僕も興味あります。
VIJAY IYERもちょっとヒップホップ入ってるんですね。気になっていたので早速注文してみました。
jason lindnerの入っているdaniel freedman trio
(FSNT)もヒップホップのノリが若干あってカッコいいですよ。
中山さんの商売っ気に関しては、中山さんが本を書いていようがいまいが、僕らJAZZファンには関係ないんじゃないですか?面白くなければ買わなければよいだけの話ですし。少なくとも僕はJAZZのこれからについてしか興味ありません。
そんなこと書きながらも、今年はブルーノートの中古盤ばかりを買ってました。新譜はDANILO PEREZしか買いませんでした
いっきさんの今年のベスト盤は何ですか?もしよかったら教えてください。
それでは失礼します。
投稿: 雪丸 | 2010年12月25日 (土) 11時46分
雪丸さん
こんにちは。
やはり思い出のアルバムでしたか。
これも当時は話題になりましたよね。
80年代はまだ多くの人で共有できるジャズ・シーンがありましたね。
投稿: いっき | 2010年12月25日 (土) 11時47分
あらまっ、途中でコメント返しちゃいました(笑)。
>ヒップホップとJAZZの関係については僕も興味あります。
気になりますよね。
中山さんは話題になっていそうでなっていなかった辺りを突くあたりが鋭いと思います。
「マイルスを聴け!」を読んだ時も、エレクトリック・マイルスのアルバムについて誰も言ってくれなかったこと、それは私が感じていたけれど話す相手がいなくて寂しかったこと、を言ってくれていたんで読んでいて嬉しかったですよ。
>jason lindnerの入っているdaniel freedman trio
>(FSNT)もヒップホップのノリが若干あってカッコいいですよ。
それ、聴いてみたいです。
>中山さんの商売っ気に関しては、・・・
全く同感です。
>そんなこと書きながらも、今年はブルーノートの中古盤ばかりを買ってました。
それもまた楽しいんじゃないでしょうか?
>いっきさんの今年のベスト盤は何ですか?もしよかったら教えてください。
『ダニエレ・サボ・トリオ・ミーツ・クリスポッター』
アントニオ・サンチェス『ライブ・イン・ニューヨーク』
クリス・ライトキャップズ・ビッグマウス『デラックス』
デイヴ・ホランド・オクテット『パスウェイ』
カート・ローゼン・ウィンケル・アンド・OJM『アワ・シークレット・ワールド』
ブラッド・メルドー『ハイウエイ・ライダー』
アヴィシャイ・コーエン『トリヴェニ』
ルドレシュ・マハンサッパ&スティーヴ・リーマン『ダブル・アイデンティティ』
と思い当たるままに、「ベスト盤大会」でかけるなら、アントニオ・サンチェスかデイヴ・ホランドかな?と思っていました。
投稿: いっき | 2010年12月25日 (土) 12時19分