« 自作スピーカーは順調にエージング中! | トップページ | これは説明不要の熱演 »

ちょっと変わったものを2枚紹介

この手のアルバムにはなかなか手を出しくいのですが、聴いてみると意外と面白かったりします。9月に行われたジャズ喫茶「いーぐる」の「合同新譜紹介イヴェント」でかかった2枚です。その時の模様はジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演を楽しむ。

これらを聴いて思ったことは、極一般のジャズ・ファンと少し乖離があるな~ということ。面白くてカッコいいジャズだと思うのですが、なかなか伝わらないだろうな~というのが悩ましいところです。

P182 まずはオウター・ヨノ『パストラミ・バゲル・ソシアル・クラブ』(2010年、TZADIK)です。メンバーは、デヴィッド・コノプニキ(fretles and fretted g)、ベルトラン・デローム(b)、シリル・グリムンド(ds)、スペシャル・ゲスト:フローレン・メリ(cl)、リック・アウドゥエオ(acc)です。泣く子も黙る?ジョン・ゾーンのツァディック・レーベル、ラジカル・ジューイッシュ・カルチャー・シリーズの1枚。

この”急進的なユダヤ文化シリーズ”、知ってはいるけれどなかなか手を出しにくいですよね。「いーぐる」のイヴェントでは八田真行さんが紹介していました。冒頭はクラリネットとアコーディオンでサーカス御一行様みたいな長閑なメロディー。こりゃダメだと思ったのですが、すぐにロッケンローな状態に突入(笑)。基本はギター&エレベ&ドラムのインスト・ロック・トリオなのでした。

この手のロッケンローなナンバーが好きな私は気に入ってしまいました。ギターはフレットレスも弾くので、上原ひろみのバンドで活躍するデヴィッド・フュージンスキーに似た感じのプレーになります。フレッテッドでのロック・ギターとフレットレスでの変態ギターが楽しめる、ギター・キッズにはおすすめの1枚なのです。

クラリネットとアコーディオンはあくまでゲスト参加。数曲でサウンドに味付けをしているだけです。では何が”ユダヤ文化”かと言うと、メロディーがユダヤ調(クレツマー)ということです。でもほとんどはユダヤというより哀愁漂う普通のロック曲なので、あまり違和感は感じません。ちょっと演歌が入っているメロディーもあり(笑)?日本のロックバンドがやりそうな曲です。曲はすべてギターのコノプニキが作曲。黙って聴かせれば、エスニックが軽く入ったロック・ギター・トリオという認識しかできないと思います。

大音量でロケンローなギター・トリオを楽しみましょう!ちなみに私はディスクユニオン通販ディスカウントで¥700で買いました(笑)。これ、やっぱり普通のジャズ・ファンには売れませんよね~。こんなのでもAmazonで買えます(笑)。

アルバム名:『PASTRAMI BAGEL SOCIAL CLUB』
メンバー:
David Konopnicki: Fretless And Fretted Guitars
Bertrand Delorme: Bass
Cyril Grimaud: Drums
Special Guests
Loïc Audureau: Accordion
Florent Mery: Clarinet

P183 続いてクリスチャン・ムースピール・ヨーデル・グループ『メイ』(2010年rec. material records)です。メンバーは、クリスチャン・ムースピール(tb,p,voice,loop)、ジェラルド・プレインフォーク(cl,b-cl,ss,as)、マシュー・ミッチェル(tp,flh)、フランク・トルティラー(vib)、ブラッド・ジョーンズ(el-b)、ボビー・プレヴィット(ds)です。トロンボーンのクリスチャン・ムースピールは、ギターのウォルフガング・ムースピールの兄だそうです。

さて、こちらも異色な1枚です。ヨーデル曲を素材にジャズをやっているんです。ヨーデルって、”アルプスの少女ハイジ”の主題歌”ヨーロ、レッヒ、レッヒッヒー”ねっ(笑)。ヨーデルでジャズができるんかいな?と思うでしょ。ちゃんとジャズしてます。「いーぐる」のイヴェントでは原田和典さん紹介していました。ディスクユニオンのジャズ雑誌「ジャズ・パースペクティヴ」でも原田さんのレビューのところにこのアルバムが入っています。

こちらの冒頭もいかにもヨーデル曲という感じのホーン・アンサンブルで始まります。アルプスの夜明けみたいなイメージです。そこから自由なホーンの交換になりヴァイブラフォンが入ると、何となくゲイリー・バートンのECMレーベル風ジャズになります。ヴァイブのクリスタルなサウンドは正にバートン。ゲイリー・バートン・グループ・ミーツ・ヨーデル?

エレクトリック・ベースとドラムはアメリカ勢、8ビート、4ビート共に得意な方々なので、なかなかドライブ感に溢れるビートを繰り出し、エキサイティングな場面を作り出しています。ヨーデル・ホーン・アンサンブルと各人の熱いソロが交互に出てきて上手い具合にブレンド。既存のジャズにヨーデルを組み合わせて出てきたものは、なかなか新鮮で爽快なジャズだったのです。1曲だけエレクトリックでスペイしーな演奏があって、異空間へ飛ばされるのもグッド。

クリスチャンのトロンボーンとミッチェルのトランペットは確かな楽器演奏力に支えらてストレートに吹かれていますね。プレインフォークのバスクラやクラリネットは結構フリーがかる場面があり、私はその勢いが好きです。トルティーラ=バートンです(笑)。アメリカから招待されたリズム陣は、ジャズを演じる上で重要な役割を担っているのがわかります。クリスチャン、ピアノも弾いていますが上手いです!

色ものではありません。きちんとしたジャズ・アルバムです。だまされたと思って聴いてみてください。いいですよ~ヨーデル・ジャズ!

アルバム名:『may』
メンバー:
Christian Muthspiel – trombone, piano, voice, vocoder, loops
Gerald Preinfalk – clarinet, bassclarinet, soprano/altosaxophone
Matthieu Michel – trumpet, flugelhorn
Franck Tortiller – vibraphone
Brad Jones – electric bass
Bobby Previte – drums

|

« 自作スピーカーは順調にエージング中! | トップページ | これは説明不要の熱演 »

ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

いっきさん、こんばんは。

ん〜。どこまでも行きたいみなさん、なかなか変態ですね(笑)。
コレクターというかマニアというか・・・?

そう言えば、先日ライブには行かない、ライブ録音は聴かないつーのもありましたね(笑)。

いろんな人がいますね。オイラ、そこまでは行けないなぁ〜〜〜。

投稿: tommy | 2010年12月20日 (月) 00時33分

tommyさん

こんばんは。

趣味の世界なんで、ある程度ディープな方向に進むのはしょうがないんじゃないでしょうか?
どこまで行くかはそれぞれの考え方によるでしょうね。
私はディープな人達の方が好きです(笑)。
だって、面白いもん!

投稿: いっき | 2010年12月20日 (月) 19時41分

ん〜。メジャーなメインがないサブカルみたいな・・・(笑)。

オイラ、最終的に分からない、文化が違い過ぎると思う。
ジャズじゃなくて、民族的なルーツに行ってしまうと思うな。

もうCD販売は細分化して、量産メディアじゃなくなっている。
ほぼ手売みたいなものだよね。

投稿: tommy | 2010年12月20日 (月) 22時25分

いろいろな考え方があっていいと思います。
分かる/分からないは、何においてもあると思いますよ。
いいんじゃないですか?
tommyさんはtommyさんだし私は私です。
もうこれは身体感覚の違いの問題です(笑)。

CD販売が量産メディアであろうがあるまいが、私にはそれほど大きな問題ではありません。
ダウンロードに移行するならそれで良いです。
私の関心事は音楽です。
何度も言ってますが、多くの人と盛り上がるのなら、ポップスでいいんじゃないですか?
ポップスが大衆音楽なんですから。
ジャズはニッチな音楽です。

投稿: いっき | 2010年12月20日 (月) 22時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ちょっと変わったものを2枚紹介:

« 自作スピーカーは順調にエージング中! | トップページ | これは説明不要の熱演 »