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廃盤/レア盤の1枚。結構お気に入り。

ディスクユニオンお茶の水ジャズ館移転セールで買った1枚。
「幻のCD廃盤/レア盤掘り起こしコレクション」に掲載されています。
この手の廃盤CDは普段買わないことにしているのですが、
25%OFFならということで買いました。
なぜ上記の本に掲載されている廃盤CDを買わないかと言えば、
ほとんどのものは内容が大して良くないからです。

P158 パトリック・ボーマン・セブン・ピース・マシン『pb7』(1999年rec. arietta DISCS)です。メンバーは、パトリック・ボーマン(b)、マグナス・ブルー(tp)、カール・マーティン・アンクヴィスト(ts,a-fl)、パー・”テキサス”・ヨハンソン(ts,cl,b-cl,contra bass-cl)、グナー・バーグステン(bs,fl)、ペーター・ノーダール(p)、イェスパー・クヴィバーグ(ds)、アルーン・フィリ(speaker)です。

これはディスクユニオンに再入荷?(2005年)した時に宣伝文を読んで買おうと思ったのに、買うタイミングを逸したらすぐに廃盤になってしまいました。レア本に掲載され値段が上がってしまうと、もう買う気にはなりませんでした。今回見たら値段は通常CDくらいで、25%OFFだったので買うことにしました。

メンバーがいいですよね。「アトミック」の硬派トランペッターのマグナス・ブルー、私が紹介した北欧ものにも登場するカール・マーティン・アンクビスト、後藤雅洋さん著「ジャズ選曲指南」(私のおすすめ本)コンプリート蒐集の最後のアルバムのリーダーであるパー・”テキサス”・ヨハンソン。魅力的です。

ジャケットは何か危ない感じなのですが中身は正統派バップ。4管の熱いアンサンブルを生かしつつ、各人のソロもきちんと聴かせてくれます。曲は全てボーマンが作曲しています。フリー系尖がり度はかなり低目。ちょっとレイジーなムード漂う懐かしサウンドを基調にジャズロックもあります。こういうサウンドを北欧の現代ジャズマンがやる面白さ。MOONKSが推薦するだけあってクラブジャズ方面にも受けそうな内容ですね。

バリトン・サックスがサウンド的にはかなり効いていて、”バリバリ”とソロをとる場面もあります。フルートの優しいアンサンブルがあったり、クラリネットやバスクラが良いアクセントになっている曲があったりと、サウンドもバラエティーに富んでいます。ブルーの逞しいトランペット・ソロも聴き応え十分。そして全編に渡ってノーダールのピアノが美しく快適。聴きどころは色々あるんじゃないでしょうか。

面白いのは最初と最後。まず冒頭にレコードの”プチッパチッ(溝でないところに乗せた針が溝に入る音をちゃんと入れてあります)”というスクラッチノイズが入っているので、一瞬「あれ、レコードをかけたっけ?」と錯覚します。最後はライブのように演奏しながらボーマンがメンバーを紹介します。更に演奏が終わるとまたレコードのスクラッチノイズ、ちゃんとレコード再内周の繰り返し”プチッ”音で終わっています。凝った演出がこの人達らしいと思います。

尖がり度控えめなのが誰にでもオススメできるところです。
演奏のクオリティーはしっかりしていて、現代的なセンスも感じられます。
北欧のバップ・ジャズは良いものが多いと思う私。
普通の価格で再発されるといいんですけどね~。

アルバム名:『pb7』
メンバー:
PATRIK BOMAN(b)
MAGNUS BROO(tp)
KARL MARTIN ALMQVIST(ts,as)
PER TEXAS JOHANSSON(ts,cl,bcl,cbcl)
GUNNNAR BERGSTEN(bs,fl)
PETER NORDAHL(p)
JESPER KVIBERG(ds)
AROON PHIRI(speaker)

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