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ド演歌、ガトー・バルビエリ!

ジャズ批評の今月号を読んでいたら、特集「20世紀CDコレクション」にガトー・バルビエリをあげている方がいました。「これ入れちゃうの?」と思ったのですが、私も持っていたので超久しぶりに聴いてみることにしました。はっ、嵌った(笑)!

P123 ガトー・バルビエリ『que pasa(邦題:ガトー・イズ・バック!)』(1997年、ソニー・ミュジック・エンタテインメント)です。メンバーは、ガトー・バルビエリ(sax)、フィリップ・セス(key,programming,drum programming )、プージ・ベル(dr,drum programming )、ヴァネッサ・ファラベラ(background vocal)、ロン・ジェンキンス(b)、マリオ・ロドリゲス(el-b)、シロ・バプティスタ(per)他、です。なんでこれを買ったのか全然記憶がありません。当時は真空管アンプ作りに熱が入っていた頃でジャズは疎かにしていました。

小川隆夫さんのライナーノーツによると、ガトーは最愛の奥さんが亡くなったり、自分が心筋梗塞で倒れたりして、アルバムを作るのは久々だったとのこと。小川さんのインタビューでガトーが色々語っています。心筋梗塞の手術を受け九死に一生を得たそうです。それが邦題の『ガトー・イズ・バック!』になっているのでしょう。ちょっと作為を感じるタイトル(笑)。

私のブログ・タイトルは”ド演歌”ですが、別にガトーが演歌をやっているわけではありません。南国トロピカルなイメージの甘い曲をやっているフュージョン・アルバムです。曲はガトーとフィリップ・セスが作っていて、1曲だけスティーヴィー・ワンダーの曲をやっています。

ではなぜ”ド演歌”なのか?それは基本的にセスが作った打込み主体のサウンドトラックの上で、ガトーがただひたすら例のコブシを効かせた鳴きのテナーを披露しているからです。曲の最初から最後までガトーの鳴きのテナーしかありません(笑)。これはもう都はるみの「あんこぉ~、つばき~ぃは~、あんこぉ~、つばきぃは、あ、あんっ、あ、あんっ、あ、あんあー、す~すりぃ~なぁ~き~」というコブシの効いた歌を聴くのと全く一緒なのです(笑)。

かなりしつこいのですが、ここまでやってくれると返って気持ちいい(笑)。色々なことを乗り越えた後のガトーのふっ切れた歓喜の叫びとでもいうようなものが、こちらの心に伝わってくるんです。亡くなった最愛の妻に捧げた《ザ・ウーマン・アイ・リメンバー》はベタな甘い曲で、もう日本の恋愛ドラマのテーマ曲にしても全く違和感なしです。ここまでストレートに愛を表現されると私なんかはちょっと恥ずかしいです(笑)。

今、これにかなり嵌っている私。聴き始めると全11曲ノンストップで約1時間聴いてしまうんだからかなりのものです。痛快アルバム!これを再認識させてくれたジャズ批評に感謝(笑)!

「20世紀CDコレクション」は今のご時世を反映してか、もう色々なものがごった煮状態で入っているので笑えます。で、それが意外と私の持っているものと被っているので、私のコレクションがいかにいい加減でごった煮状態なのかを再認識した次第。

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