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私にとってジャズ喫茶を感じさせる1枚

先週末にジャズ喫茶「いーぐる」へ行って聴いた『フライト・トゥ・ジョーダン』は、ジャズ喫茶という空間を強く感じさせる1枚なわけですが、これも私にとってはジャズ喫茶の音なのです。

P139 ソニー・クラーク『リーピン・アンド・ローピン』(1961年rec. BLUE NOTE)です。メンバーは、トミー・タレンタイン(tp)、チャーリー・ラウズ(ts)、アイク・ケベック(ts)、ソニー・クラーク(p)、ブッチ・ウォーレン(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)です。

なんでこれを買ったかというと後藤雅洋さん著「ジャズ・レーベル完全入門」に掲載されていたからです。実はこの本記載のアルバムもかなり買っている私なのです。だって後藤さん推薦アルバムと私は相性抜群だからです(笑)。

後藤さんから聞いたところによるとこの本は第2版も出ていて一部のアルバムを入れ替えてあるらしいのです。私の持っているのは初版なので第2版でどのアルバムが入れ替わっているのかとても気になっています。今度本屋へ行ったら確かめてみましょう。

話はアルバムに戻りまして、なぜこのアルバムがジャズ喫茶を感じさせるかというと、まずはメンバーでしょうね。ソニー・クラーク本人が日本で人気の通好みで、更にフロントの2管がチャーリー・ラウズとトミー・タレンタインという渋いメンバーだからです。ここでいう”渋い”というのは知名度は落ちるけれどジャジーさでは劣っていない人達。とは言え存在はやっぱりB級なんですよね(笑)。

ベースのブッチ・ウォーレンも美味しいウォーキング・ベースを弾いているし、気が付くと色々なところに顔を出し、小気味良い4ビートを叩いているビリー・ヒギンズもいます。そして、アイク・ケベックなんていうブルーノートならではの人(タレント・スカウト兼アシスタント・ディレクターをやっていたそうです)も1曲に参加しているというんですから堪りません(笑)。

そして次に曲がいいんです。哀愁マイナー調の佳曲が並んでいるところがジャズ喫茶にマッチすると思うのです。クラークの曲がやっぱりいいですね。クラークと言えば《クール・スラッティン》が有名ですが、このアルバムに入っている曲もなかなかだと思います。

レコードA面1曲目《サムシン・スペシャル》はミディアム・テンポで哀愁メロディーとリズムの躍動感が絶妙のバランス。ラウズ、タレンタイン、クラークのソロ、どれをとってもジャズの良さを感じさせるものです。2曲目《ディープ・イン・ア・ドリーム》はバラード曲で唯一ケベックが参加しています。ちょっと甘さ多めの曲で、ケベックの吹奏はもたれかかり気味ですが、クラークの程よい品が加わりいい塩梅となっています。

3曲目《メロディー・フォー・C》はクラーク作で私はこの曲が大好きです。この哀愁感と前向き感のミックスは最高です(笑)。こうなるとソロがどうこういうのではなく、この曲を聴いているだけで気分がウキウキしてしまいます。でもやっぱりクラークのソロは最高。この曲の良さを膨らませて紡ぎだされるメロディーはいいですね~。以上3曲がレコードのA面ですが、この流れが好きです。

レコードB面には、あのジョン・ゾーンが自身のアルバムで取り上げたクラークの曲《ヴードゥー》も入っていて、この陰影感は聴いていて妙に落ち着くものがあります。オタクのゾーンが選ぶだけのことはあるマイナー感(笑)。続くタレンタイン作《ミッドナイト・マンボ》はラテンリズムのテーマが心地よいですね。ソロは4ビート。B面も決して劣っているわけではありません。

ジャズ喫茶好き、ブルーノート好きには堪らないアルバムだと思います。

ところで、私が買ったレコードは販売権がキングに移る前の東芝EMIのレコードなのですが、この頃ってパートのお姉さんがカッティングしていたとかいうやつなんでしょうかね~?

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コメント

私も、このアルバム、超好きです。
なんでもない演奏内容の集積かもしれないけど、身体の内側から、こみあげてくる、このムズムズとしたワクワク感って何?
ハードバップ病?

投稿: 雲 | 2010年11月13日 (土) 01時16分

雲さん

こんばんは。
これいですよね~。

>身体の内側から、こみあげてくる、このムズムズとしたワクワク感って何?
>ハードバップ病?

なんなんでしょうね?
確かに病気なのかもしれません(笑)。

投稿: いっき | 2010年11月13日 (土) 01時31分

いつも拙著ご紹介いただき、ほんとうにありがとうございます。アルバム紹介本を書く時は、何を入れ何を外すか、かなり考えています。その結果を評価していただくのは、ジャズ喫茶冥利に尽きます。だって、ジャズ喫茶は選曲命ですからね。

投稿: 後藤雅洋 | 2010年11月13日 (土) 08時42分

後藤さん

コメントありがとうございます。

>いつも拙著ご紹介いただき、ほんとうにありがとうございます。

いえいえ、どういたしまして。
私の愛読書なので、多くの方に読んでいただきたいんです。

本の選曲は大変でしょうね。
私にとっては「いーぐる」選曲がジャズ喫茶選曲として一番しっくりきます。
本当は頻繁に「いーぐる」へ行って聴きたいところですが、地方在住ではそれもかなわないので、後藤さんの本が頼りです。
「ジャズ喫茶選曲」の妙をジャズ喫茶で多くの方に体験してほしいと私は思っています。

投稿: いっき | 2010年11月13日 (土) 13時41分

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