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マスメディアにはのらないけれど、面白いジャズはあるのです。

ディスクユニオンのお茶の水ジャズ館移転セールで買った1枚。
お店でPOP(宣伝文)を読んで買いました。当りでした!

P145_2 ザヌッシ・ファイブ『Alborado』(2006年rec. Moserobie Music)です。メンバーは、ペル・ザヌッシ(b,saw)、シェティル・メステル(ts,ss,cl,per)、ロルフ・エリック・ニストローム(as,ss)、アイリク・ヘグダル(bs,ss)、ペル・オッドヴァル・ヨハンセン(ds)です。

リーダーのザヌッシはノルウェーのベーシスト。メステルはノルウェーの硬派ジャズグループ「ザ・コア」の激熱サックス奏者。ヘグダルはトロンハイム・ジャズ・オーケストラのコンポーザー兼プレイヤー。というわけでノルウェーのなかなか強力なメンツが集合しているのです。やっているのはポスト・バップ~フリー・ジャズ。

レーベルがモーズロビーというスウェーデンの硬派レーベルなので、この辺りに詳しい方ならサウンドは察しがつくと思います。ディスクユニオンではここらへんの北欧ジャズを積極的に紹介、輸入しているのですが、マスメディアではなかなか紹介されないので、極一般のジャズファンには馴染みがないでしょうね。今月創刊のジャズ雑誌「JAZZ PERSPECTIVE」ではこのレーベルの紹介記事があるので読んでみて下さい。私も読んでみたいと思っています。

1曲目のアルバムタイトル曲から面白いサウンドです。ソプラノサックス、テナーサックス、バリトンサックスのアンサンブルが中近東風エスニックメロディーを静かに奏でる展開は気持ちを空中へと浮遊させる感じです。途中から3サックスが短いフレーズを自由に交わし、後半はドラムが激しく叩きだして3サックスが怒涛の咆哮。気分が解放されますよ。アレンジとアドリブの有機的な渾然一体感はこのグループならではです。

3管アンサンブルと個々のソロを聴かせるアップテンポのダイナミックな曲、1曲目のようなアンサンブル主体でミステリアスな曲。この手の曲ではザヌッシがソー(のこぎり)を弓で演奏している曲もあり、サックスアンサンブルと見事に融和していてミステリアス度を高めていたりするのが痛快です。サックス、ベース、パーカッションが全く自由に音響的な音を交わすフリー曲もあります。

全11曲で48分強、各3~6分程度の短めの曲が次々と展開していくのは、一連のドラマを見ているようです。音響系フリーの1曲だけが全員の曲、他は全てリーダーのザヌッシが作曲。なかなかの才能を持ったベーシストです。他のメンバーの腕も一流です。よく練られたアンサンブルを主体としつつ、各人の強靭なソロも楽しめるのがこのアルバム。知性と感情のバランス具合が私好みです。

こういうユニークな音楽性を持ったグループはアメリカや日本でもあまり思い浮かびません。こういうグループが出てくる環境が北欧ジャズの面白さです。このようなものを紹介できない日本ジャズのマスメディアやジャーナリズムは、私にとってはやっぱり面白くないということになってしまいます。そういう意味では新刊雑誌「JAZZ PERSPECTIVE」には期待しています。

アルバム名:『Alborado』
メンバー:
PER ZANUSSI(b,saw),
KJETIL MOSTER(ts,ss,cl,per)
ROLF-ERIK NYSTROM(as,ss)
EIRIK HEGDAL(bs,ss)
PER ODDVAR JOHANSEN(ds,per)

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