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優しくて強さも秘めた小粋なピアノ・トリオ

「桜座」で菊池成孔×南博『花と水』デュオライブを観た時に買ったCDです。

P90 南博トリオ『ザ・ガール・ネックスト・ドア』(2010年rec. ewe records)です。メンバーは、南博(p)、鈴木正人(b)、芳垣安洋(ds)です。ディスクユニオンの新譜情報で試聴してチェックしていました。ジャズマン・オリジナルやスタンダードを収録。ラスト1曲だけが南さんのオリジナルです。

優しくて強さも秘めたピアノだと思いました。最近は女性ジャズ・ピアニストの方がガンガン弾いて注目を集めるものだから、男性ジャズ・ピアニストにとってはなかなか大変な時代だと思います。そんな中にあって南さんのピアノは逆に優しさがあっていいのではないかと思いました。そして、男の強さも秘めた優しさなので女性には受けるんじゃないかと思いました(笑)。

1曲目、アルバムタイトル曲の優しさと美しいメロディーを聴いていたら、澤野工房から出たピアノ・トリオと言って聴かせても違和感は全くないと思いました。演奏全体からは優しい雰囲気が漂っていますが、ピアノのタッチそのものはしっかりしていて粒立ちの良いものです。小粋なリズム感で繰り出されるコロコロと転がるアドリブ・フレーズがとても心地よく感じます。

モンクの《バイ・ヤ》は8ビートと4ビートの混在するリズム処理がユニーク。南さんのピアノは単に優しいだけではなく、主張すべきところは主張してメリハリがあります。ドラムの抑揚のあるリズム感はなかなか素敵だと思います。ドラムが派手目なのに対してベースはどちらかというと控えめに堅実にサポートしています。

《バット・ノット・フォー・ミー》は南さんのピアノを中心にトリオ一丸で小粋にドライブする演奏が楽しいです。ベース・ソロ、ドラム・ソロともに勢いに乗っていく様が痛快。《アイ・ラブ・ユー・ポギー》は優しさ全開のバラード演奏。メロディーの展開が結構かわいかったりします。ライブで見た南さんは静かな方でしたがちゃめっけがある人だったので、そいうい部分が滲み出ている感じがします。

ショーターの《ネフェルティティ》はドラムとベースが比較的自由に絡む上で、ピアノが美しいフレーズを力強く重ねていく演奏。リズムもメロディーも難解になる手前のところで上手く曲の構造を残していて、この曲の持つ美を力強く聴かせているのがいいです。《ドキシー》は《バット・ノット・フォー・ミー》と同様のドライブ感に溢れる演奏。ここでもコロコロ転がるピアノが気持ち良いです。

《ブレイム・イット・オン・マイ・ユース》は優しくてしっとり美しいバラード。小細工なしにストレートに美しく語るところが粋。ミンガスの《グッド・バイ・ポーク・パイ・ハット》は曲そのものが持つ力強い美しさを際立たせる演奏になっています。私はこの曲が好きなので、いい演奏だと思いました。ラストは南さんオリジナルの《エピローグ》。終わりに相応しい哀愁感をたたえた優しいピアノ・ソロ。素敵です。こんなの聴かされたら女性はウットリでしょうね~(笑)。

このアルバムは特に女性にオススメします。
南さんの美の世界へエスコートしてもらえますよ!

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