マイケル・ブレッカーの金メッキCD
マイケル・ブレッカーのリーダー・アルバムは色々持っているのですが、これを持っていないことに気づき、Amazonで中古CDを購入したら、金蒸着CDでした!
マイケル・ブレッカーの『ナウ・ユー・シー・イット』(1990年、GRP)です。メンバーは、マイケル・ブレッカー(ts,EWI,key)、ヴィクター・ベイリー(b)、ドン・アライアス(per)、ジョン・ヘリントン(g)、ジム・ベアード(key)、アダム・ナスバウム(ds)、ジョーイ・カルデラッツォ(p)、オマー・ハキム(ds,per)、ジェイ・アンダーソン(b)、ミルトン・カルドーナ(per)、スティーヴ・ベリオス(per)です。曲によってメンバーの人数や構成が変わります。
Amazonの商品情報には金蒸着CDの表記がなかったし、値段も安かった(¥700+送料)ので、正に開けてビックリでした(笑)。発売翌年に再発された特別仕様のようで、定価が¥3,200。今や金メッキCDの価値はあまりないようですし、このアルバム自体人気がないようなので安かったのでしょう。金蒸着CDは音質的な意味があるのですが、見た目の高級感のほうに意味があるように思います(笑)。
このアルバム、人気がないとは言っても一部の強烈なマイケル・ファンには支持されているみたいです(笑)。マイケル・ブレッカーのリーダー・アルバムはとしては3作目。ここまでプロデュースを担当していたドン・グロルニックとの最後のお仕事というのがいいみたいですね。世間一般としては次作『ソングズ・フロム・ザ・ハドソン』のほうが人気があるし評判もいいです。アコースティック・ジャズ寄りに振られていることやオールスター・メンバーなのが受ける理由でしょうね。
さて、このアルバム。8曲中5曲でテナー・サックスとEWI(AKIのスタイナーホーン)を併用しています。中にはテナーとEWIを多重録音していたりする曲もあります。EWIの使用比率が高まった点は、オーソドックスなジャズ・ファンにとって抵抗があるんでしょうね。私はEWIに抵抗はありませんので、使うことによってサウンドに広がりが出ればいいんじゃないかと思います。また当然エレクトリック度も高いわけで、更に8ビートとくればダメな人にはダメでしょう。まっ、そんな人達にこのアルバムを聴いてもらわなくてもいいです(笑)。
ドン・グロルニックのプロデュースに話を戻しますが、グロルニックはれっきとしたジャズ・ピアニストなのに、マイケルのアルバムでは演奏しておらず、曲を提供するのみというのが興味深いところです。きっと客観的にサウンドをプロデュースしたかったのではないかと思います。その分シンセはジム・ベアードが、ピアノはジョーイ・カルデラッツォが良いプレイをしています。カルデラッツォのピアノが特に美しいです。
グロルニックの2曲、キメと陰影感の《ミンスク》、アフリカンで解放感がある《ドッグス・イン・ザ・ワイン・ショップ》(タイトルとサウンド・イメージがつながらない??)はいい曲だと思います。マイケルのテナーが映えます。さすがはプロデューサー。マイケルの良いところをきっちり引き出していると思います。
マイケルはいつものマイケル。テナーを気持ち良さそうに吹いています。EWIも吹いていますがあくまでサウンドの味付けでありメインはテナー。マイケルのテナーを存分に味わえますよ。フュージョン系の曲での軽やかなテナー、4ビートで疾走し咆哮するテナー、アフリカン・リズム曲でのスケールの大きいテナー、バラードでの哀感溢れるテナー、う~ん、この頃のマイケルはいいですね~。
最後にアルバム・ジャケットの話。上から下に鳥から魚に変化していくだまし絵?のジャケットが訳がわからなくて素敵!この絵は誰の絵かと思ったら、やぱりねっ。だまし絵と言えばこの人、エッシャーでした。
何でこれを今まで買っていなかったのかな~。今回入手できたのがレアな金蒸着CDというのもあり、私の中では高感度がかなりUPしました(笑)。
中古CDを見かけたら買ってやって下さいな。 m(_ _)m
新譜を買っていただければなお良し(笑)。
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明日はいよいよ”KOFU JAZZ STREET 2010”です。
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