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昨日のサンチェスを聴いてこっちも紹介したくなりました。

昨日、アントニオ・サンチェスの新譜がなかなかいいと書いたのですが、聴いているうちにジャック・ディジョネットの『スペシャル・エディション』が思い浮かびました。私が徘徊するジャズ・ブログにも同じ連想をした方がいました(笑)。私と同じような嗜好をお持ちの方なんです。

P87 『スペシャル・エディション』(1979年rec. ECM)。メンバーは、ジャック・ディジョネット(ds,p,melodica)、デイヴィッド・マレイ(ts,b-cl)、アーサー・ブライス(as)、ピーター・ウォーレン(b)です。ドラマーがリーダーでピアノレス・カルテットということで共通します。

1979年録音ですが発売は1980年で、当時絶賛されたグループです。ライナーノーツは悠雅彦さんが書いていて、冒頭から”凄い”を連発しています(笑)。残念ながら私はこれが出た時はまだ「JAPAN」や「Y.M.O.」を聴いていました。

私が最初に買ったスペシャル・エディション(アルバム名がグループ名になった)のアルバムは3作目『インフレーション・ブルース』。結構気に入って当時よく聴いていました。このアルバムのことは2年くらい前にブログにUP済。『スペシャル・エディション』を買ったのはその後だいぶ経ってからです。

さて、『スペシャル・エディション』と昨日のアントニオ・サンチェスのアルバムの共通点は何かというと、「知性と感情が好バランス、グループ表現と各人のソロが好バランス、熱いフロント2管、テクニシャンで音楽性が高いドラマー」といったところでしょうか。

一方で相違点もあります。「曲(メロディー)の色彩感(ディショネット:多彩、サンチェス:モノトーン)、リスム(ディジョネット:4ビート基調、サンチェス:変拍子、8ビート、4ビート混在)、2管のソロの取り方(ディジョネット:フリー系、サンチェス:トリスターノ系)」といったところでしょうか。

私はどちらが良いか安易に甲乙は付けられないと思います。時代の違いがありますからね~。なかなか難しいです。

『スペシャル・エディション』が出てもう30年も経つんですね!今聴いてもあまり古さは感じさせないし、十分瑞々しさを持った音楽だと思います。余談ですが、ディジョネットは1曲でピアノも少し弾いていて、これがかなり上手です。ディジョネットは凄いドラマーです。是非聴いてほしいアルバム。

さて、このアルバム、最近あまり話題に上らないですね。80年代のアルバムとしてはかなり重要だと思うのですが残念です。

話は少し変わりまして。
このアルバムが紹介されていないようなジャズセレクト本を、私はあまり信用できないな~(笑)。

P57_2 故油井正一さんの「ジャズ ベスト・レコード・コレクション」はもう何度も私のブログに登場していますが、未だにこの本に出ているアルバムを買うと、番号に×印をつけている私(笑)。カバーがもうボロボロでテープを張って補修していますがそれでもかなり傷んでいます。色もかなり黄ばんでしまいました。1985年までならこの本がベスト。24年前の本です。

この本には『スペシャル・エディション』がきちんと掲載されています。私が持っている本は多分初版だと思いますが、このアルバムが掲載されたページを見ると面白いです。1ページに3枚づつ紹介されていて、真中にこのアルバムがあり、右隣がジョー・サンプルの『虹の楽園』で、左隣がリッチー・コールの『ハリウッド・マッドネス』。フュージョンもエンターテインメント性が高いジャズもきちんと紹介するのが油井さん。ジャズ全体を色眼鏡なしで俯瞰できたジャズ評論家でした。

引き合いに出すのもなんですが、MOONKSの「JAZZとびっきり新定番500」には当然掲載されていません。この本がダメなのはこの辺のアルバムをきちんと押さえていないところにあると思います。

P8870~90年代のアルバムをチェックするなら、ジャズ批評No.83「ジャズ1970~90年代」がいいと思います。330枚ですが、非常にバランスよく網羅されていますよ。1994年までのものが掲載されています。まっ入手は難しいでしょうが、中古本を見つけたら是非ゲットして下さい。15年前の本です。

村井康司さんの「「フュージョン現象」とは、何だったのか」。後藤雅洋さんの「ジャズの正統、あるいは正統性の政治学」、織戸優さん(ジャズ喫茶マイルストーンのマスター)の「「バップ・リヴァイヴァル」とは」、寺島靖国さんの「ジャズの感動と力」、横井一江さんの「AACM その発展的軌跡を辿る」、原田和典さんの「ドロドロ・ジャズ図鑑」などなど、面白い読み物満載の1冊です。錚々たるメンバーが書いていますね。

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