« 優しくて強さも秘めた小粋なピアノ・トリオ | トップページ | 「JaZZ JAPAN」No.2、買いましたか? »

カート・ローゼンウィンケルのギターは気持ちいい。

新譜紹介。今回も私にしては比較的早めのUPです。

P91 カート・ローゼンウィンケル&OJM『アワ・シークレット・ワールド』(2009年rec. SONG X JAZZ)メンバーは、カート・ローゼンウィンケル(g)、オルケストラ・デ・ジャズ・デ・マトシニョス:OJMです。ポルトガルのビッグバンドとの共演作。アレンジャーは3人います。

ビッグバンドとギタリストの共演というと、今年の前半にジョン・スコフィールドの『54』がありましたが、本作もだいたい同じような感じです。ただしソロをとるのはカートだけなので、ビッグバンドは完全に伴奏のためのバンドと化しています。現代の個性的なジャズ・ギタリストと斬新なアレンジをこなすビッグバンドとの意欲作に仕上がっていると思います。

聴いて最初に思ったのは何といってもカートの曲がいいこと(笑)。去年あたりから遅ればせながらカートに完全に目覚めてしまったので、カートの曲が聴いていて心地よくて仕方ありません。カートの曲は独特の“美”を持っています。哀愁感や儚さや孤独感などが入り混じった”男の美学”とでもいいましょうか(笑)?そんな曲達をビッグバンドが華麗に彩ってくれるんだから堪りませんがな。

そしてビッグバンドをバックにカートが何とも気持ち良さそうにギターを弾いているのです。もうそれだけあればいいじゃありませんか?カートののびのびと歌うギターと美しい曲を楽しめばいいのです。

アレンジは色々凝っているとは思うけれど、どこかラフさが残っている感じで、緻密過ぎないところが躍動感につながっているように感じます。そして、それがカートのギタープレイにも共通した雰囲気だと思うので、カートとOJWの組み合わせは成功しているように思います。カートの音楽世界を広げるには良いんじゃないでしょうか?

曲のことについてちょっと。《ドリーム・オブ・ザ・オールド》のラストの繰り返しメロディーが、ジャコ・パストリアスの曲《スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット》のラストの繰り返しメロディーに似ていて、すぐに反応してしまった私。改めて私の美メロのツボを認識しました。こういう淡い色彩の曲が好きです(笑)。ラストの《パス・オブ・ザ・ハート》は物語性のある美しい曲で、アレンジがなかなか素敵だと思いました。

去年のギター・トリオ『リフレクションズ』もかなりお気に入りなのですが、本作もなかなか良いと思いました。カートはお気に入りなので、あまり客観的な評価ができないみたいです。ご容赦願います。

アルバム名:『OUR SECRET WORLD』
メンバー:
Kurt Rosenwinkel (g)
Orchestra de Jazz de Matoshinhos

|

« 優しくて強さも秘めた小粋なピアノ・トリオ | トップページ | 「JaZZ JAPAN」No.2、買いましたか? »

ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

カートの曲って楽譜にするとけっこう難しいんだそうですね。それをビッグバンドでやってしまって、比較的ストレートに聴かせているという意味では、彼のギターがメインで大正解だったんじゃないかと思います。

個人的には絶対的な満足度は高かったです。ただ、予想していたのとちょっと違ったくらいで。変な先入観を持たないで聴いた方がもっとよかったのかもしれません。

TBさせていただきます。

投稿: 910 | 2010年10月 7日 (木) 20時26分

910さん

こんばんは。

>カートの曲って楽譜にするとけっこう難しいんだそうですね。

そうなんでしょうね。
良く言われるような”C調”とは雲泥の差だと感じます。

>彼のギターがメインで大正解だったんじゃないかと思います。

はい、そう思います。
カートは今や押しも押されもせぬコンテンポラリー・ギタリストの雄なので、豪華なバックバンドを従えて独演するのを許してあげましょう(笑)。

>変な先入観を持たないで聴いた方がもっとよかったのかもしれません。

私はいい加減な人間なので、他の人のブログやお店の新譜コメントを読んでもあまり覚えていず。ほとんど先入観を持たずに聴けました。

カートのギターが気持ち良く聴けました。

TBありがとうございます。

投稿: いっき | 2010年10月 7日 (木) 20時53分

2年前の記事に失礼します。

カートって本当にいい曲作りますよねぇ。
コード的には難しいらしいですけど、ウェイン・ショーターみたいに生理的なレベルでに気持ちいメロディ書く名人ですよ。

独り舞台がやや批判的に受け入れられているようですが(もちろん考え方として正論です)、以前彼はジャズライフのインタビューで「今僕の耳に聴こえているのは、オペラだ。それがどういう形で世に出るのかは分からないけどね」と言っていたんです。なので私はこの作品がカート・ローゼンウィンケルという歌手のオペラ作品だと解釈して聴きました。(そんなこと気にしなくても十分楽しめる作品ですが;)

投稿: とっぽぎー | 2012年8月 4日 (土) 00時52分

とっぽぎーさん
こんにちは。
>2年前の記事に失礼します。
どうぞお構いなく。
>ウェイン・ショーターみたいに生理的なレベルでに気持ちいメロディ書く名人ですよ。
なるほど。私ショーターの曲もかなり好きです。
>独り舞台がやや批判的に受け入れられているようですが
私は批判的には受け取っていないつもりですが。
>以前彼はジャズライフのインタビューで「今僕の耳に聴こえているのは、オペラだ。それがどういう形で世に出るのかは分からないけどね」と言っていたんです。
カートは面白いことを言ってますね。
>なので私はこの作品がカート・ローゼンウィンケルという歌手のオペラ作品だと解釈して聴きました。
その解釈、上手いと思います。なるほどなるほど。

投稿: いっき | 2012年8月 4日 (土) 12時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カート・ローゼンウィンケルのギターは気持ちいい。:

» アワー・シークレット・ワールド/カート・ローゼンウィンケル&OJM [ジャズCDの個人ページBlog]
カート・ローゼンウィンケルの新作は、ポルトガルのオルケストラ・デ・ジャズ・デ・マ [続きを読む]

受信: 2010年10月 7日 (木) 20時21分

« 優しくて強さも秘めた小粋なピアノ・トリオ | トップページ | 「JaZZ JAPAN」No.2、買いましたか? »