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ベースの低音を満喫する。

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「日本人ベーシスト特集」でした。
ゲストはキングレコード低音シリーズのプロデューサー森川進さん。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります(ない時もあります)。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

「低音特集Part2」のはずが「日本人ベース特集」に変わったとか。
前回、森川さんはご自分がプロデュースしたアルバムより
好きなミンガスの曲をかけて熱く語っていました。
さて、今回の日本人ベーシスト特集ではいかに?

先行森川さん。
森川さんがプロデュースしたアルバムから
納浩一『琴線』から《ドナ・リー》

アコースティック・ベースとドラムのデュオ。
低音シリーズだけあっていい音に録れています。
演奏はテクニカルながらスインギーで気持ち良いものです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

「お疲れ様でした。エレキでも難しいのにアコースティックでよくここまで。
かなり練習を重ねて体調を整えて臨んだ感じ。
「ジャコを意識した部分もある演奏。」と雲さん。

雲さん選曲。
まったり系。池田芳夫『シルエット・ダンス』からタイトル曲
池田さんはtommyさんのベースの先生です。
池田さんはゲイリー・ピーコックにベースを習っています。
「ミンガスにピーコックの知性が入った感じ。」と雲さん。
tommyさんは池田さんからいつも「ベースは下半身で弾きなさい。」
と言われるそうです。

ギターとピアノとのトリオです。
これは腰の据わったベースです。
派手さはありませんが、「これがジャズベースだ。」って感じです。
ギターもジャジーでいい感じ。
ピアノも雰囲気を上手く引き立てています。

「腰入ってましたね。」と雲さんとtommyさん。
「下半身で弾いてますね。この世代の方はズシーンとしたベースが多い。」
と森川さん。
tommyさんによると、池田さんはサム・ジョーンスが好きで、
ベースをピーコックに習い、ミロスラフ・ヴィトウスの追っかけをして
コピーしたとか。

森川さん選曲。
中山英二&ドン・フリードマン『カンバセイション ミーツ・ドン・フリードマン』
から《メモリーズ・オブ・スコッティ》
中山さんは森川さんのベースの師匠だそうです。
ちょっと重いけれど、スコット・ラファロに捧げた演奏。
アルコ(弓弾き)から入るが、中山さんは日本では少数派の”フレンチボー”を
使っているからということで、森川さんは中山さんに師事したとか。
ドン・フリードマンとのデュオ。

出だしのメロディーが何となく小林旭の《熱き心に》似ているかも?
落ち着いた枯れた感じのアルコから入ります。
ベース・ソロもちょっと枯れた感じかな。
ドン・フリードマンが美しいです。
二人の静かな語らいと言った雰囲気の演奏。

「アルコがいい音でしたね。」と雲さん。
ここで森川さんからジャーマンボーとフレンチボーにまつわる小話(笑)。
「IQ29」の話。私には良く分かりません??
ベーシストは会うと皆この話をするそうです。
もう一つは弦の話だそう。

雲さん選曲。
雲さんのベースの師匠。
ウッド・ベースの鳴りが良いやつ。
池田達也『たつやせっしょん(1)』から《カム・オナ・マイ・ハウス》

ベースの音がファットで良い音です。
個性的な女性ボーカルとのデュオで始まります。
ベースはオーソドックスなウォーキング。
途中から人力ドラムンベースのドラムが加わり
アップ・テンポでグルーヴします。面白い演奏です。

レッド・ミッチェルが使っていたチロリアン・ベースを弾いています。
江戸時代に作られたものだそうです。
「ベースの音だけ聴いていたい。」と雲さん。

ここまでで師匠シリーズは一段落。

森川さん選曲。
せっかくですからGONさんを。
水橋‘GON'孝さんの『ワルツ・フォー・デビー~ビルエバンスに捧ぐ』から
《ワルツ・フォー・デビー》
ビル・エバンスの《ワルツ・フォー・デビー》のピアノ・パートを
ベースでやっているそうです。

水橋さんの愛称が”GON”さんだというのを初めて知りました。
ギター/ピアノ/ベース/ドラム・カルテット。
ベース・ソロ部はなかなかカワイイ感じの演奏です。
なるほどこうして聴くとエバンスのピアノのラインてカワイイんですね。
新たな発見でした。
その後のギター・ソロとピアノ・ソロはジャジーでスインギー。
エバンスの世界をメルヘンチックにした演奏だと思いました。

「聴きお覚えのあるライン。ハイ・ポジションの音程が正確。
こんなに上手いのにこんなに遊んじゃって。」と雲さん。
「やりたかったんでしょうね。」とtommyさん。
「耳コピーしたんでしょうけれど、説得力がある。」と雲さん。
「たくさん練習しているでしょうね。」と雲さんと森川さん。
「ハイ・ポジションの1弦のドとかレの音がジャストでびっくりした。」と雲さん。
「こういう人達を再評価してほしい。」とtommyさん。

雲さん選曲。
北川潔さん。剛腕ベーシスト。
雲さんはこのCDをオフィシャルページで申し込んだそう。
Amazonでは売っていないけれど、オフィシャルページから購入できます。
北川潔『ソロ』から《ポルカ・ドッツ・アンド・ムーン・ビームス》

これは確かに剛腕ベース。
甘さ控えめ男の渋いベース・ソロ。
高倉健さんのような感じとでも言いましょうか(笑)。

「いい演奏ですね。」と皆さん。
「曲の選び方もいい。」と森川さん。
「この曲をやってみたくなる。」と雲さんと森川さん。

藤原清登さんと”チン”さんこと鈴木良御さんの『ベース&ベース』から
《スカイ&シー》

ベース・デュオでタンゴ/クラシック風な演奏。
ソロは高音弦で、低音弦のベースが伴奏。
ソロはギターのような弾き方も交えています。
落ち着いた雰囲気の良い演奏です。

「こんなに澄んだ演奏。タイトルどおり”空と海”という感じ。」と雲さん。
「ピッチの良さ悪さでどっちのソロかわかる。」と雲さん。
ボーッと聴いていたらベース・ソロが入れ替わったのがよく分かりませんでした。

チンさんのベースはイタリアのヴィンテージ。
藤原さんのベースも名器だとか。
チンさんがガット弦で藤原さんがスチール弦を使っているそうです。

「ブライアン・ブロンバーグの宣伝をしなくて大丈夫なんでしょうか?」と雲さん。
森川さんは今回も商売抜きで良い演奏を紹介してくれました。

ベテランから中堅まで、日本人ベーシストもいいですね。
今日はベースの低音の魅力がたっぷり味わえました。

いよいよ来週は「高野 雲の快楽ジャズ通信」の最終回!
私の番組レポートもラスト1回を残すのみとなりました。

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コメント

いっきさん
お礼遅れてすいません。
今回もありがとうございました。
いよいよ次週は最終回。実質45分程度で収録した「手抜き(?)」回です(いやいやいや)。どうぞお楽しみに!

投稿: | 2010年9月21日 (火) 23時02分

雲さん

>お礼遅れてすいません。

お構いなく。

>今回もありがとうございました。

いえいえどういたしまして。
今回を楽しく聴きました。

>いよいよ次週は最終回。

お疲れ様でした。

>実質45分程度で収録した「手抜き(?)」回です(いやいやいや)。どうぞお楽しみに!

セシル・テイラー特集。とても楽しみです。

投稿: いっき | 2010年9月21日 (火) 23時15分

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