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やっぱりホランドはいいですね。

これも今更ながらのデイヴ・ホランドの新譜です。
やっぱりホランドの新譜はさすがの出来です。
ディスクユニオン円高還元セール(既に終了)で購入。

P57 デイヴ・ホランド・オクテット『パスウェイズ』(2009年rec. Dare2 RECORDS)です。メンバーは、アントニオ・ハート(as,fl)、クリス・ポッター(ts,ss)、ゲイリー・スマリアン(bs)、アレックス・”サシャ”・シピアギン(tp,flh)、ロビン・ユーバンクス(tb)、スティーブ・ネルソン(vib,Marimba)、デイヴ・ホランド(b)、ネイト・スミス(ds)です。精鋭メンバー集結。ニューヨークのバードランドでライブ録音しています。音質がこもり気味なのが残念。もう少しクリアに録ってほしいところです。

前作『パス・イット・オン』はトランペット、トロンボーン、サックス(アントニオ・ハート)のフロントにピアノ・トリオというセクステットでした。今回はバリトン・サックスを加えクリポタが復帰しピアノを排してヴァイブラフォンが復帰という構成。実は『パス・イット・オン』は買っていなかったので、今回慌てて注文。やっぱり聴いておく必要はありますね。

収録曲はホランドが5曲、クリポタが1曲、シピアギンが1曲の計7曲で、曲によって3人くらいがソロをとっています。5管の厚いハーモニーを生かした曲構成と間に挟まれる各人のソロが聴きどころです。ヴァイブが作り出すクールネスと浮遊感が良い香辛料として作用していると思います。ホランドは真ん中でガッチリ支えつつバンドをリード。スミスの多彩で瞬発力のあるドラミングが演奏をグイグイとドライブさせる様は圧巻。

1曲目《パスウェイズ》はホランド作。ちょっとミステリアスな雰囲気でサビは広がりを感じさせる展開の6/8拍子曲。ホーン・アンサンブルはバリトン・サックスがリード。そのままスマリアンの熱いバリトン・ソロ、ホランドの曲のイメージを膨らませるソロ、シピアギンのキレのあるトランペット・ソロが続きます。

2曲目《ハウズ・ネヴァー?》もホランドの曲。ベース・ソロからベースとドラムのデュオへの導入部がブルージーでカッコいいです。お得意の変拍子。ハートの力強いアルトが徐々に盛り上がって咆哮する展開はなかなかです。ホランドのソロ~スミスとの掛け合い~スミスのソロへの展開では鋭いレスポンスとパワーのドラムが爽快。カッコいい曲です。

3曲目《シー・オブ・マーマラ》はクリポタの曲。ゆったりした牧歌的なバラード。ホーンの絡みの上でクリポタがソプラノ・サックスで奏でるメロディーは美しいです。そのままソプラノのソロへ。やっぱりクリポタのソロの構成力は素晴らしいですね。続くのは曲の美しさを生かしたヴァイブ・ソロ。この曲は何となくハービーの《処女航海》に通じるものがありますね。いい曲です。

4曲目《エブ・アンド。フロー》はホランドの曲。ラテン調で変拍子のホランドお得意曲。こういう曲調ならもちろんトロンボーン・ソロから。スミスのドラムに煽られてユーバンクスの熱いソロが盛り上がります。続くベース・ソロは骨太。待ってました!ここでやっとクリポタがテナーを持って登場。ウネウネ・フレージングが炸裂。クリポタ・ファンは感涙(笑)。アルバムのハイライトです。

5曲目《ブルー・ジーン》もホランドの曲。ラテン調のバラード。バリトンとヴァイブが怪しげに迫ってきます。《東京ナイトクラブ》って感じです(笑)。それほど下世話ではないですけどね。これがアルバム全体のなかで結構いい感じ。バリトンのまったりソロからシピアギンの品の良いフリューゲルホーンのソロへ。熱さとクールな視線の程よいミックス。続くのはマリンバ・ソロで曲のイメージを上手く膨らませます。この曲はホランドのセンスの良さを表していますね。

6曲目《ウインド・ダンス》はシピアギンの曲。どことなくマッコイの《フライ・ウィズ・ザ・ウィンド》を感じさせますが、もっと落ち着いた曲。フルートがテーマを奏でているのが一因かも。タイトルの”ウインド”繋がりからもわるようにイメージは”風”。モーダルでモダンな響きの曲です。シピアギンのフリューゲルホーン・ソロのバックではスミスがガンガン煽ります。この人のフリューゲルは結構フレディ・ハバートの影響を受けているかも?続いてトロンボーン・ソロ。モダンなトロンボーンがスミスに煽られ燃えます。

ラスト《シャドウ・ダンス》はホランドの曲。エルビン・ジョーンズ風アフリカン・ポリリズムの12/8拍子で後半は4ビート。ハートのアルトが熱く迫ってきます。この人のアルトはかなり気合が入っていて気に入りました。4ビートにチェンジしたところでクリポタ登場。マイケル・ブレッカーから飛躍したテナー・ソロはカッコいいの一言。ラストはスミスのドラム・ソロ。これがまたカッコいいのであります。その後のアンサンブルからエンディングへの流れも素敵。

全7曲、メンバーのソロも上出来でグループとしてのまとまりも秀逸。
これ、ライブ録音ですよ。ホランド・バンドは現代屈指のグループです。
現代ジャズをフォローしている人は必聴でしょうね。

アルバム名:『Pathways』
メンバー:
CHRIS POTTER(ts,ss)
ANTONIO HART(as)
GARY SMULYAN(bs)
ALEX SIPIAGIN(tp)
ROBIN EUBANKS(tb)
STEVE NELSON(vib,marimba)
DAVE HOLLAND(b)
NATE SMITH(ds)

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コメント

リーダー作を出しているようなメンバーを集めてのライヴ、けっこう興奮しました。何管になっても、デイヴ・ホランドのグループのサウンドになっているところがいいですね。

次はグループとして何が出るか(「Hands」というスパニッシュ・ギターとのデュオが最近出ていますが)、どういう編成になるのか、が楽しみになってきました。

TBさせていただきます。

投稿: 910 | 2010年9月 3日 (金) 23時38分

要チェックリストいれておきました

投稿: | 2010年9月 4日 (土) 01時03分

910さん

こんばんは。

>何管になっても、デイヴ・ホランドのグループのサウンドになっているところがいいですね。

いいですよね。ホランドにしかできないサウンド。
編成に関係ないというのは、作曲や編曲やメンバーの使い方を完全にものにしているんでしょうね。

「Hands」はミュージックバードでちょっと聴きましたが、さすがにここまではフォローできません(笑)。

次も楽しみですよね。

TBありがとうございます。

投稿: いっき | 2010年9月 4日 (土) 01時49分

雲さん

こんばんは。
これ、オススメです。
是非聴いてみて下さい。

投稿: いっき | 2010年9月 4日 (土) 01時51分

ホランド閣下のおかげで、変拍子にもびくともしない身体になりました。(嘘)
何とも、無機質な感じが好き。(爆)この人たち、絶対、アンドロイドだと思います。。

蜘蛛の糸ありがとうございました。

投稿: すずっく | 2010年9月 4日 (土) 12時31分

すずっくさま

こんばんは。
今日は上京していたので、すっかりお返事が遅くなってしまいました。

変拍子も慣れれば結構気持ち良いですよね。
私はパット・メセニーとM-BASEで変拍子に目覚めました。

>何とも、無機質な感じが好き。(爆)

なるほど無機質ですか。
確かにそういう感じがするようにも思います。

>この人たち、絶対、アンドロイドだと思います。。

アンドロイド(笑)。
懐かしいところで”新造人間キャシャーン”とか(笑)。
結構好きでした。

>蜘蛛の糸ありがとうございました。

いえいえ、こちらこそトラバありがとうございました。

投稿: いっき | 2010年9月 5日 (日) 00時31分

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