ジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演を楽しむ。
昨日はジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演に行ってきました。
秋葉原で買い物を済ませた私はJR四谷駅で降り「いーぐる」へとしばし歩きます。午後3時過ぎ、あっあっ暑い!今年の残暑は厳し過ぎますよね。
今回は「合同新譜紹介イヴェント」。ウェブマガジン com-post のメンバーが勢ぞろいして新譜を持ち寄って紹介してくれるというものです。今回は新趣向としてcom-postクロスレビューで賛否が分かれた2枚のアルバムを聴いての討議もあります。
お店に入って席に着くと、後藤さんから「よく似てるよね。」と声をかけられました。例の「いーぐる」の壁にかっていたCDを、よく似たジャケットの別のCDとして紹介してしまった事件?(笑)の話です。この記事です⇒「味わい深くモダンなサックス・トリオ。」 しばし談笑。
イヴェント開始前に本日かかる曲のレジュメが配られるのですが、そこには全くしらないジャズマンの名前がちらほら。う~む、さすがはcom-postメンバーの皆さん、一筋縄ではいきません(笑)。ちなみにイヴェント前にかかっていたCDはビル・フリゼールの新譜『BEAUTIFUL DREAMERS』でした。いつ聴いても「いーぐる」のオーディオの音は心地いいんですよ。私にとっては妙に安心して聴ける音なのです。
いよいよイヴェント開始。村井康司さんの司会進行です。かけた順序とは異なりますが、かかったアルバムについて軽く紹介しましょう。詳しくは ジャズ喫茶「いーぐる」 の「diary」にUPされると思いますのでご覧下さい。
後藤さんのヒジェイ・アイアと益子さん(欠席、寄せられたコメントを紹介)のジェイソン・モランはこれまで益子さんがやってきた「NYダウンタウンを中心といた新譜紹介」に沿うもので、現代進行形ジャズに詳しいジャズ・ファンならお分りの人達だと思います。
林さんのデヴィッド・シルビアンと村井さんのブライアン・ウィルソンはジャズとは言えないと思いますが面白いものでした。林さんがデヴィッド・シルビアンというのは意外ですが、com-postのクロスレビューで聴いて気に入ったとのことでした。私は「JAPAN」の時からシルビアンは好きで、今回のやつも彼らしい出来だと思いました。
村井さんのブライアン・ウィルソンはビーチ・ボーイズの元リーダー。ガーシュインの楽曲を再創造した話題の新譜です。村井さんがおっしゃった「20世紀のアメリカ音楽がここにある。」というのには納得です。後でタワーレコードに寄ったらジャズ売り場にも置いてありました。
さて、残りの3人が紹介したのが、非常に面白かったです。須藤さんが紹介した現代ニューオリンズ・ジャズ、八田さんが紹介したジョン・ゾーンのツァディック・レーベルのラジカル・ジューイッシュ・カルチャー・シリース、原田さんが紹介したヨーデルを素材にしたジャズ。ニューオリンズ(古臭い)、ラジカル・ジューイッシュ・カルチャー(近寄り難い)、ヨーデル(なんじゃそりゃっ)、私にとってはそんなイメージ。一般の方もだいたいそんな感じではないでしょうか?
いざ曲を聴いてみると皆いいんですよ。上記の特色はあるものの、かけた曲はどれもノリの良いリズムの上で、良いソロが展開され、独自の味を醸しだしたものでした。テイストの差こそあれ、カッコいいと感じているものは3人同じなのではないかと思いました。非常に面白いではありませんか?「いーぐる」に集う皆さんに存在する”ツボ”があぶりだされたように思いました。今回は1曲だけしか聴いていないので、アルバム全体としてどうかよく分りませんが、それでも聴いてみたいと思いましたよ。また普通のジャズ・ファンには想像がつかないと思われるこういうものを見つける臭覚には脱帽です。
今回紹介したものは多くの方の耳に届くようにしていただきたいというのが私のお願いです。ジャズはまだまだ面白い!
com-postで賛否が分かれたブラッド・メルドーの新譜とスティーブ・コールマンの新譜。曲をかけた後の討議では、意見に差異はあるものの、結局意見がある方向に集約されていくように感じました。その集約された問題点を全体のバランスの中でどの程度重視するかが賛否なのだろうと思いました。
今回のイヴェントでの選曲。全部とは言いませんが、極一般のジャズ・ファンと少し乖離があるな~ということも素直な実感です。悩ましい。
とても楽しいイヴェントでした!
お店の打上げにも参加させていただきました。私はここまでで皆さんとお別れ。
「東京jazz circuit」を見にいくことに。6時半だというのに外は暑い!
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