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ジャズに出会った頃の強烈体験

昨日のジャコの映像を見ていてら当時の思い出が湧いてきました。
私がジャズに出会った頃の体験を書きます。
こんな感じでジャズに出会ったので当時は楽しくてしょうがなかったです。
今ジャズを聴いても当時のワクワク感はないですね(涙)。

まずは、マイルスでしょう。
休止前の『パンゲア』、復帰後の『ウィー・ウォント・マイルス』を聴いて、
”ジャズの怖さ”みたいなものを痛感したのです。
『パンゲア』のようなことをやっていたら活動休を休止せざるを得ないと思ったし、
復帰後の新宿西口広場のライブをテレビで見てこんな状態なのかと驚き、
それでも演奏から漂うテンションの高さは感じとったわけです。
ジャズをやるってことは半端なことではないと思ったわけです。

こちらはその翌年1982年のマイルス。

マイルスはほとんど吹いていませんが、オーラがバンドを支配しています。

続いてウェザー・リポート~ジャコ・パストリアス体験。
ジャコがウェザー・リポートを脱退して自分のバンドを作った頃です。
「ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンド」、当時賛否両論凄いことになりました。
私は「オーレックス・ジャズ・フェスティバル」に登場したのをTVで見たんです。
この時が動くジャコ初体験。強烈なインパクトで脳裏に焼きつきました。

動画は埋め込みができませんので下記をクリックして下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=RJfiYdQcQtc

当時私もこのオーケストラ形態が良いのか悪いのかよくわかりませんでした。
でもジャコのカッコ良さと凄さはわかりました。
オセロ・モリノウのスティール・ドラムもインパクトが強かったです。

そして問題のこの映像。
昨日UPした1984年の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」の演奏です。
「ギル・エバンス・オーケストラ・ウィズ・ジャコ・パストリアス」。
初めて見る人やジャコ・ファンには辛い映像なのかもしれません。

当日雨が降り、泥を体に塗りたくってステージに登場したんです。
演奏もヘロヘロ。演奏中ソロの後ろで色々いたづらしているみたいです(笑)。
こんな状態で演奏させてしまったというのが凄いし、TV放映したことも凄い。
ジャコを横目に平然と演奏をすすめるギル。
ハンニバル・マービン・ピーターソンの循環呼吸によるソロが壮絶。

この来日時の狂行、奇行の数々は最早伝説となっています。
このTV番組、当時私も見たはずなんですが記憶がかなり薄れていました。
「見てはいけないものを見てしまった。記憶から消し去りたい。」
と私の中で思ったんでしょうか?
今にして思えば、ジャコ体験というのは強烈です。
私的には、リアルにチャーリー・パーカーという天才ジャズマンを
体験したに等しいと思います。
”ジャズの怖さ”を天才ジャコから体験したわけです。

山梨県民文化ホールで新生ウェザー・リポートを見たのも同1984年です。
ウェザー・リポートは新メンバーを得て輝いていました。
その時やった曲が前年1983年の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」出演時と
ほとんど同じような流れだったのっで、ちょっと残念だった記憶があります。
この時既に新生ウェザー2作目の『ドミノ・セオリー』が出ていたので、
内容が反映されているものと思ったからです。
ちなみに1983年の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」の演奏は
ラジカセでエアチェックしたものを今でも持っています。

1983年のウェザー・リポート。
私が見た時の楽器セッティングもほぼ同じでした。

マイルスやジャコのような古いジャズ感を象徴する人達を体験した一方で
ウィントン・マルサリスが登場してきました。品行方正ジャズマンです。
ウィントン自身が”ジャズマンは品行方正たれ”と思っていたわけです。
アート・ブレイキーとやっていた頃は驚異の新人と思っていたわけですが、
その後、「これは何か違うぞ。」という違和感が私の中に湧いてきました。

1983年のマルサリス・クインテットです。

どこか冷めた感じでよそよそしいんです。当時も賛否両論ありました。
ウィントン支持派と不支持派に分かれて論争も起きました。
私に一応の回答を与えてくれたのが後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」。
”ジャズをいったんカッコにくくる””メタな視線”
この時の問題は、2000年以降のジャズの分かりにくさにまで及び、
未だに議論されているけれど、まだ決着はついていません。

そして、日本で爆発的にヒットしたマンハッタン・ジャズ・クインテット。
これも問題になりました。
エセ・ジャズ?ということでジャズ喫茶から猛反発の声が上がりました。

動画(音声のみ)は埋め込みができませんので下記をクリックして下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=gKYKRpScT88

演出としてのジャズなんでしょうね。
この頃から”ジャジーでいいじゃん。”ということになっていくのです。

スティーブ・ガッドのドラミングも問題になりましたね。

4ビートとしてはとにかく軽い。バック・ビートも何もあったもんじゃない。
ドラム・ソロはカッコいいですね。お得意のカウベルも出てきます。
これってやっぱりフュージョン(ロック)ドラミング以外の何物でもありません。

ジャズを聴き始めて3年くらいの間にこれらの体験をしたのです。
ここにあげたことは象徴的なことだけですが他にも色々ありました。
80年代、ジャズは勢いがなくなったと言われますが、
私としては消化しきれないくらい色々な事が起こっていました。
あれから四半世紀以上経って振り返ると、濃密な体験だった気がします。

そしてこの時の体験が今の私の”ジャズ聴き”を支えているのです。
一方で個々の体験を自分の中に位置付けていくうちに、
”めんどくさいジャズオヤジ”になってしまったのだと思います(笑)。

そしてジャスとオーディオのつながりで言えば、
ジャズ界の動向が面白かったこの頃、
オーディオとジャズは別物になって行った気がします。
オーディオも盛んにやっていましたが、
オーディオ・ソースは故長岡鉄男さんの『外盤A級セレクション』やフュージョン。
ジャズを聴くこととオーディオとはある程度線を引いていました。

その後私がジャズ聴きから離れてジャズ界の動向に疎くなり、
またジャズに戻った時のとっかかりがオリジナル盤や輸入CD。
寺島靖国さんの一連のジャズ・オーディオだったように思います。
そしてジャズ喫茶「いーぐる」に行くようになり、
またジャズ界の動向を気にするようになってからオーディオはさぼり気味。

私の中ではジャズとオーディオに深いつながりはないことがわかってきました。
今の私のオーディオはオリジナル盤再生や真空管アンプ作りであり、
ジャズ聴きとは一線を引いているように感じます。
だから”ジャズ・オーディオ”という言葉が私には”ピン”とこないんでしょう。
別に高級オーディオで聴こうがiPodで聴こうが私にはあまり興味なし。
私には今どういうジャズがあるのかが興味の中心なのです。
それらを私の中にどう位置付けるかが関心事。
合間には過去のジャズの再位置付けもあります。

今日は私のジャズ聴きについて思いつくままに書きました。

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コメント

いっきさん、こんばんは。

自分のジャズ史が、明確にあるのは幸せなことだと思います。
「なぜ、自分はジャズに魅かれるのか」は、なかなか答えが出ないテーマですよね。

オイラは必修科目だったことと、そういう時代だったので、
'70年代は聴くという努力をした記憶はありません。聴く努力は最近ですね。

オーディオも自分がスキだった、若い頃の音を追い求めているだけです。もう、それは誰にでもできることではないと思っています。でも、その感覚には封印しないで、ジャズとオーデォオを混ぜてしまうと、両方ダメになる気がするんだよね(笑)。当然、今でもいい音で聴いて欲しいとは、かなり思ってはいますがね。

まぁ、まずは音楽(ジャズ)だと思っています。
ジャズが好きな人が増えることでしか、いいミュージシャンは出てこない気がするんですよ。難しいですがね。

投稿: tommy | 2010年9月25日 (土) 22時10分

tommyさん

こんばんは。

>自分のジャズ史が、明確にあるのは幸せなことだと思います。

そう思います。

>「なぜ、自分はジャズに魅かれるのか」は、なかなか答えが出ないテーマですよね。

私、それあまり気にならないです。私にとってはテーマじゃないかも(笑)?

私も80年代は”聴く努力”はしていません。
ジャズという未知の音楽に出会えた喜びで聴きまくっただけです。

>聴く努力は最近ですね。

私もそうです。ここ5年くらいです。

>、その感覚には封印しないで、ジャズとオーデォオを混ぜてしまうと、両方ダメになる気がするんだよね(笑)。

なんとなくわかります。

>当然、今でもいい音で聴いて欲しいとは、かなり思ってはいますがね。

私の場合、オーディオ・ファンの立場に立つといい音で聴いてほしいです。
ジャズ・ファンの立場に立てば、まずはなんでもいいから聴くことだろうと思います。

私だってジャズを聴き始めた頃はレコードなんてそんなに持っていないわけですから、ラジカセでFM番組を聴いたり、それをカセットに録音して聴いたりしたのが半分くらいですよ。

>ジャズが好きな人が増えることでしか、いいミュージシャンは出てこない気がするんですよ。難しいですがね。

オーディオも、好きな人が増えることでしか、いいオーディオは出てこないと思いますか?
悩ましい問題です。

投稿: いっき | 2010年9月26日 (日) 00時38分

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