ベニー・ライドが好きだ!
誰も知らないかもしれない。
特価在庫処分されたのかもしれない。
でも、それが何だっていうのだ!
ベニー・ライドはカッコいい。素敵だ。好きだ。文句あるかっ(笑)!
と、冒頭から力が入っていますが、お気に入りの1枚を紹介します。
ベニー・ライドの『エスケーピング・シャドウズ』(2009年、Concord)です。メンバーは、ベニー・ライド(as,key)、リチャード・パドロン(ag,eg)、パブロ・ヴァーガラ(p,rhodes,key)、ダニエル・・ルーミス(b,el-b)、ケニー・グロースキー(ds)、ジェフ・テイラー(vo)、ライアン・フィチ(per)です。
前作ファースト・アルバムの『ファインディングス』がお気に入りだったのに、この2作目が発売されたことに気づいていなかった私。今も開催中のディスクユニオン通販限定期末決算¥980セールのリストの中に見つけて慌てて買いました。
前作につてはブログで紹介しています。こちら:「お店で聴いて購入した2枚」
このアルバムは一昨年夏、ジャズ喫茶「いーぐる」納涼盤持ち寄り大会で私がかけました。爽やかなこの人のアルト・サックスが納涼向きだと思ったからです。なのに2作目が出たことを見逃していたとは、いやはや情けない。昨年秋にディスクユニオンに入荷したようです。あんまり売れなかったんでしょうね。¥980とは・・・(涙)。
『ファインディングス』はピアノがアーロン・ゴールドバーグ、ベースがリューベン・ロジャース、ドラムがアントニオ・サンチェスという錚々たるメンバーを従えていたのですが、今回は知らない人達ばかりになってしまいました(涙)。
ライドの良さはその爽やかな曲とアルト・サックスの音色の抜けの良さです。
まず曲。今回メセニーの1曲以外はライドが作曲しているのですが、爽やかでお洒落で都会的な曲ばかりです。サウンドはメセニーのブラジル色が強かった頃のサウンドにとても近いものがあります。ヴォーカルのスキャットが特にそれを感じさせます。メセニーのブラジル系サウンド。私が大好きなサウンドです。ということでコンテンポラリー・ジャズですね。でもレーベルが「コンコード」なのが面白いところ。
そんな曲に乗ってライドの抜けの良いアルト・サックスが全編で大活躍。抜けが良くて音が太いのがいいところです。決して軽くない音なのです。フレージングも変な癖がない割には”ライド節”といえるものがあります。アルトの音を聴いているだけでもかなりの気持ち良さであることは間違いなし。
今回はメンバーがちょっと見劣りしますが、ライドのサウンド世界はきちんと表現されています。テクニック的にも問題はありません。とにもかくにもライドのアルトが主役であり、あとのメンバーはサポートという感じですから、この人選でいいのだと思います。面白いのはギターのパドロンで、意外とメセニーには似ていません。まっ、このサウンドにメセニーそっくりなギターだとさすがに興ざめなので、似ないように意識しているのかも知れませんね。
全10曲の9曲目にメセニーの《オールウェイズ・アンド・フォーエバー》が入っていて、アルトでしっとり歌いあげた後、ラスト10曲目にライド作のタイトル曲《エスケイピング・シャドウズ》が登場するのですが、これがモロにメセニー(笑)。《ミヌワノ(68)》にかなり似ています。シンセはライルメイズにかなり似ているし、ベースもスティーヴ・ロドビーしているし、曲の展開具合(パーカッションとオーケストラルなシンセの挿入など)も似ています。ライドはメセニーが大好きなんだろうというのがよくわかりますよ(笑)。ここまでやればアッパレです。
メセニー・サウンドがこんなにもアルト・サックスにマッチするとは驚きなのです。
メセニー・サウンドが好きな人にはとにかく絶対にオススメの1枚。
黙って買うべし!
アルバム名:『ESCAPING SHADOWS』
メンバー:
Benny Reid(as,key)
Richard Padron(g)
Pablo Vergara(p,Fender Rhodes,key)
Daniel Loomis(b)
Kenny Grohowski(ds)
Jeff Taylor(vo)
Ryan Fitch(per)
*
ファースト・アルバムはこちら。
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コメント
いっきさん、こんばんは。
ここまで、いっきさんが入れ込んでいる「ベニー・ライドとは何者?」
早速、音源を探して聴いてみました。
http://www.bennyreid.com/
《New Days》は5分くらい聴けましたよ。後は、2分くらいの試聴。だいたいの感じは分かりました。
育ちのいい音ですね。音楽教育をちゃんと受けた楽器の音色。
〜上手いアルトサックス奏者だと思いました。
ちょっと奇麗過ぎない?という感じはしますが、今時のミュージャンなんでしょうね。ブロウはしない、クールさ加減。
'80年代ならフュージョンのエリアですね(笑)
分かりやすいので、若い人にもオススメです。
こういう人はライブで観たいですね。豹変する気も・・・。
オイラ、ギターのリチャード・パドロンが好きです。
チョーキングで泣かないサンタナのような音色がツボ!!(笑)。
投稿: tommy | 2010年9月29日 (水) 20時16分
tommyさん
こんばんは。
メセニー・サウンドの後継者はギタリストでもいそうでいないので、ベニー・ライドの存在は貴重です。
《New Days》はアルバムの中で一番ギターが活躍している曲ですね。
この人の良さはきれいだけれど個性がちゃんとあることで、サンボーンやグローバー・ワシントンJr,などフュージョン界のスターを感じさせないのも良いところです。
今はフュージョンと言わずコンテンポラリー・ジャズって言います(笑)。
ライブはどうなんでしょうね~。豹変しないと思いますよ。
私はギターにはあまり魅力は感じないですね~。悪くはないですが、これといって惚れるところはないです。
投稿: いっき | 2010年9月29日 (水) 22時46分
リチャード・パドロンはロックなギターなんです(笑)。
ラリー・コリエルに近いかも知れません。
オイラ、コリエル好きだから。
サンボーンやグローバー・ワシントンJr.は、ブロウするんですよ。コブシが回る。ソウル&ファンクの要素が入る。
ベニー・ライドはコブシを回さないので、クラシックのような、奇麗な管の音が特徴ですね。ジャズではあまりいないタイプです。
投稿: tommy | 2010年9月30日 (木) 00時08分
私、もうファンク系のフュージョン・サックスは聴き飽きました(笑)。別に嫌いじゃないですよ。好きだから散々聴いたのです。今は違うタイプのライドに惹かれます。
投稿: いっき | 2010年9月30日 (木) 01時02分