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2010年9月

このアルバムには言いたいことがある。

アルバムとの出会いには色々な物語があります。

最近 tommy さんのブログにこのアルバムが掲載されていました。
このアルバムを見たら書かねばならないことがあります。

P84 ジョー・ザビヌル『マネー・インザ・ポケット』(1966年、Atlantic)。メンバーは、ジョー・ザブヌル(p)、ブルー・ミッチェル(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、クリフォード・ジョーダン(ts)、ペッパー・アダムス(bs)、サム・ジョーンズ(b)、ボブ・クランショウ(b)、ルイス・ヘイズ(ds)、ロイ・マッカーディ(ds)です。メンバーからは黒さとB級感が匂ってきます(笑)。

全員一緒にやっているわけではなく、ザビヌル、ミッチェル、ジョーヘン、アダムス、ジョーンズ、ヘイズというセクステットで4曲、ザビヌル、ミッチェル、ジョーダン、クランショウ、マッカーディというクインテットで1曲、ザビヌル、ジョーンズ、ヘイズというトリオで2曲、ザビヌルのピアノ・ソロで1曲。全8曲が収録されています。

私が持っているのはステレオのオリジナル盤。上京した時に時々寄るジャズ喫茶 「マイルストーン」 で買いました。ここは店内で古本を売っているし、レコードも200枚くらい売っているんですよ。本は店内で自由に読むことができて、気に入れば買うことができます。売っているレコードもマスターにお願いすれば聴かせてくれます。

さて、このアルバムをなぜ買ったかと言えば、《ミッドナイト・ムード》という曲が入っていたからです。この曲、後期ビル・エバンスが好んで弾いていた曲で、私が初めて買ったエバンスのレコード『シンス・ウィ・メット』( マイナー盤。次に買ったのが有名な『ワルツ・フォー・デビー』 )に収録されていて、一番気に入った曲なのです。で、作曲者をみたらザビヌルだったので、当時ウェザー・リポートが好きだった私の中にザビヌルの名曲として深く刻み込まれたのでした。タイトル通り”真夜中の雰囲気”をたたえた哀愁のワルツ曲です。

数年前にジャズ喫茶「マイルストーン」でこのアルバムをみつけた時、感激したことは言うまでもなく、オリジナルの演奏がどんなものなのかどうしても聴いてみたくなって買いました。

《ミッドナイト・ムード》、このアルバムではセクステットで演奏しています。ミッチェルのトランペットがテーマを吹いていますが、”セツネ~”です。ジョーヘン、ミッチェル、アダムスとソロを回します。それぞれがいい味を出しています。この3管渋すぎますよね(笑)。ザビヌルのピアノ・ソロも”せつね~”です。ベースがtommyさんの好きなサム・ジョーンズ。B級グルメの味(笑)。この曲をエバンスが演奏すると格調が上がるんですよ。

A面1曲目のザビヌル作タイトル曲はダサいです(笑)。この曲だけがジャズ・ロック。頭にこの曲を持ってくる辺りが当時の売れ線なんでしょうね。ミッチェル&ジョーダンのクインテット演奏はこの1曲だけです。たぶん8ビートということでベースにボブ・クランショウを起用。このメンバーのB級度は際立っていますよ(笑)。キャノンボール・アダレイ・グループで鍛えたザビヌルのファンキーなピアノが聴けます。

ピアノ・ソロの《マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ》を聴くと、当時のザビヌルがオーソドックスなジャズピアニストであったことがよくわかります。メロディーの歌わせ方は素直でありつつちょっぴりドラマチックな展開も見せるところがいいと思います。

B面1曲目《サム・モア・オブ・ダット》はサム・ジョーンズの小粋なワルツ曲で、結構キャッチーないい曲だと思います。私はA面1曲目のダサいザビヌルの曲よりはこの曲のほうが好きですね。程よい粘りと黒さを見せるザビヌルのピアノがいいです。サム・ジョーンスの曲はもう1曲《デル・サッサー》もあります。これがなかなかいい曲で、私は好きな曲です。サム・ジョーンズはなかなか作曲センスがあります。

ジョー・ヘンダーソンの《イフ》もやっているし、結局ザビヌルのオリジナルは3曲だけです。前述のタイトル曲、《ミッドナイト・ムード》ともう1曲が《リヴァーベッド》。この曲は可もなし不可もなしといった感じです。ザビヌルって結構曲の当たり外れがあると思います。

ピアノ・トリオで2曲やっていますが、《シャドウズ・ワルツ》からは何となくエバンス的な香りがします。やっぱりザビヌルはエバンスからも影響を受けていたんですね。テンションはエバンスほど高くなく、代わりにエンターテインメント性が加わっているのがザビヌル的。もう1曲のトリオ演奏は前述の《デル・サッサー》。アップ・テンポでスインギーに演奏しています。突出した特徴とかはないですが楽しい演奏。

まあ色々な演奏(ザビヌルのピアノ自体も)が混在していて、とっちらかり気味のこのアルバムですが、それでもB級アルバムとして”萌えポイント”は多々あると思います(笑)。

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ベニー・ライドが好きだ!

誰も知らないかもしれない。
特価在庫処分されたのかもしれない。
でも、それが何だっていうのだ!
ベニー・ライドはカッコいい。素敵だ。好きだ。文句あるかっ(笑)!

と、冒頭から力が入っていますが、お気に入りの1枚を紹介します。

P83 ベニー・ライド『エスケーピング・シャドウズ』(2009年、Concord)です。メンバーは、ベニー・ライド(as,key)、リチャード・パドロン(ag,eg)、パブロ・ヴァーガラ(p,rhodes,key)、ダニエル・・ルーミス(b,el-b)、ケニー・グロースキー(ds)、ジェフ・テイラー(vo)、ライアン・フィチ(per)です。

前作ファースト・アルバムの『ファインディングス』がお気に入りだったのに、この2作目が発売されたことに気づいていなかった私。今も開催中のディスクユニオン通販限定期末決算¥980セールのリストの中に見つけて慌てて買いました。

前作につてはブログで紹介しています。こちら:「お店で聴いて購入した2枚」

このアルバムは一昨年夏、ジャズ喫茶「いーぐる」納涼盤持ち寄り大会で私がかけました。爽やかなこの人のアルト・サックスが納涼向きだと思ったからです。なのに2作目が出たことを見逃していたとは、いやはや情けない。昨年秋にディスクユニオンに入荷したようです。あんまり売れなかったんでしょうね。¥980とは・・・(涙)。

『ファインディングス』はピアノがアーロン・ゴールドバーグ、ベースがリューベン・ロジャース、ドラムがアントニオ・サンチェスという錚々たるメンバーを従えていたのですが、今回は知らない人達ばかりになってしまいました(涙)。

ライドの良さはその爽やかな曲とアルト・サックスの音色の抜けの良さです。

まず曲。今回メセニーの1曲以外はライドが作曲しているのですが、爽やかでお洒落で都会的な曲ばかりです。サウンドはメセニーのブラジル色が強かった頃のサウンドにとても近いものがあります。ヴォーカルのスキャットが特にそれを感じさせます。メセニーのブラジル系サウンド。私が大好きなサウンドです。ということでコンテンポラリー・ジャズですね。でもレーベルが「コンコード」なのが面白いところ。

そんな曲に乗ってライドの抜けの良いアルト・サックスが全編で大活躍。抜けが良くて音が太いのがいいところです。決して軽くない音なのです。フレージングも変な癖がない割には”ライド節”といえるものがあります。アルトの音を聴いているだけでもかなりの気持ち良さであることは間違いなし。

今回はメンバーがちょっと見劣りしますが、ライドのサウンド世界はきちんと表現されています。テクニック的にも問題はありません。とにもかくにもライドのアルトが主役であり、あとのメンバーはサポートという感じですから、この人選でいいのだと思います。面白いのはギターのパドロンで、意外とメセニーには似ていません。まっ、このサウンドにメセニーそっくりなギターだとさすがに興ざめなので、似ないように意識しているのかも知れませんね。

全10曲の9曲目にメセニーの《オールウェイズ・アンド・フォーエバー》が入っていて、アルトでしっとり歌いあげた後、ラスト10曲目にライド作のタイトル曲《エスケイピング・シャドウズ》が登場するのですが、これがモロにメセニー(笑)。《ミヌワノ(68)》にかなり似ています。シンセはライルメイズにかなり似ているし、ベースもスティーヴ・ロドビーしているし、曲の展開具合(パーカッションとオーケストラルなシンセの挿入など)も似ています。ライドはメセニーが大好きなんだろうというのがよくわかりますよ(笑)。ここまでやればアッパレです。

メセニー・サウンドがこんなにもアルト・サックスにマッチするとは驚きなのです。
メセニー・サウンドが好きな人にはとにかく絶対にオススメの1枚。
黙って買うべし!

アルバム名:『ESCAPING SHADOWS』
メンバー:
Benny Reid(as,key)
Richard Padron(g)
Pablo Vergara(p,Fender Rhodes,key)
Daniel Loomis(b)
Kenny Grohowski(ds)
Jeff Taylor(vo)
Ryan Fitch(per)

ファースト・アルバムはこちら。

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スイング感が爽快です。

最近めっきり涼しくなりましたね。
猛暑が早く終わってほしいと思っていたけれど、
こう涼しくなると何か寂しい気分になるから不思議です。

新譜紹介いってみよう。

P82 アナ・コーエン『クラリネットワーク ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』(2009年rec. Anzic Records)です。メンバーは、アナ・コーエン(cl)、ベニー・グリーン(p)、ピーター・ワシントン(b)、ルイス・ナッシュ(ds,vo)です。アナ・コーエンはトランペッターのアヴィシャイ・コーエンのお姉さんです。テナー・サックスやアルト・サックスも吹くのですが、本作はクラリネット1本に絞っています。

ディスクユニオンの宣伝文を読んで、HMVのマルチバイ特価で買いました(笑)。たまにはクラリネットもいいですよ。ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブを収録しています。クラリネットということもあり、トラディショナル寄りのものもありますが、モダン・クラリネットのハード・バップという括りで良いのではないかと思います。

1曲目《スイート・ジョージア・ブラウン》は中間派の演奏という感じですが、徐々に盛り上がりなかなかのドライブ感でクラリネットが舞い踊ります。ピアノのグリーンがいいんですよ。寺島靖国さんがこの人の顔を見て、ジャズをやる人の顔じゃないとか言っていたので、私は勝手に偏見を持っていたのですが、スインギーでいいピアノを弾きますね。

続く《ララバイ・オブ・ザ・リーブス》も小粋な演奏。《あなたと夜と音楽と》が引用されているように聴こえるのですが、コード進行が似ているのかな~?とてもスインギーな演奏です。グリーンのピアノ・ソロがいい(笑)。楽しく聴かせてくれます。

《セント・ジェームス・インファーマリー》はブルージーなバラードで、コーエンは適度なダーティーさも持ちながらちょっぴりベタな感じのするロングトーンや繰り返しフレーズを交えつつじっくり聴かせてくれます。女性っぽくないですね。ピアノのグリーンが結構コテコテにブルースします。顔に似合わず”どジャズ”(笑)。いいと思います。

《アフター・ユーブ・ゴーン》はコーエンがアップ・テンポで飛ばす飛ばす!軽やかにスインギーに”ヒラヒラ”とフレーズを繰り出してきます。なかなかのテクニシャンですね。続くグリーンのピアノ・ソロがこれまたかなりスインギー。軽くならず充実感満載の演奏です。ナッシュのドラム・ソロもスインギー楽しいものです。

《セント・ルイス・ブルース》はミディアム・テンポの軽快なブルース演奏。例のテーマが出てこないので何の曲かわかりません。しばらくしてテーマが出てくるのですが、テーマが終わるとまた最初の雰囲気に戻ります。グリーンのピアノ・ソロから。いやっ、この人のブルースはいいですね。しっかり地に足がついていてスインギー。コーエンのソロもそつなく進みます。続くベース・ソロはオーソドックスで堅実に。ラストにはナッシュのスキャットまで飛び出します。なかなかの上手さで小粋でいい味出してますよ。

《ボディ・アンド・ソウル》はバラード演奏。グリーン、コーエンともにしっとり聴かせてくれます。特にグリーンの語り口がいいです。やさしく愛を語りかけてくれます。コーエンはユーモアがありつつ結構情熱的。肉食系女子(笑)?

ラスト《ホワット・ア・リトル・ムーンライト》も中間派の演奏。グリーンのピアノ・ソロが先発。クラスター奏法のようなものもチョロッと交えてドライブ感満載。コーエンもその流れを受け継いで快適にスイング。グリーンに煽られながら一気に吹き抜けていきます。ドラムそろはやっぱりスインギー。

ヴィレッジ・ヴァンガードの日曜夜は楽しい雰囲気に包まれていました。

アルバム名:『CLARINET WORK : LIVE AT VILLAGE VANGU』
メンバー:
ANAT COHEN(cl)
BENNY GREEN(p)
PETER WASHINGTON(b)
LEWIS NASH(ds)

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「快楽ジャズ通信」は今回の放送が最終回(涙)

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「セシル・テイラー特集」でした。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります(ない時もあります)。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

今日はいきなりオープニング曲がセシル・テイラーでした。
2年間続いた「快楽ジャズ通信」も今回で最終回。
雲さんによると、最終回は晩年のパウエルかドルフィーかセシル・テイラーを
やろうと決めていたとか。
もうパウエルとドルフィーはやっているのでセシル・テイラーになったそうです。
番組初回がビル・エバンス特集。
エバンスは1956年にファーストアルバムを出しています。
セシルも同年にファースト・アルバムを出しています。
番組の最初と最後が1956年にアルバムを出したピアニストで、
その後のジャズ界の重要人物というのがいいと思ったそうです。

雲さんはセシル・テイラーが大好きです。
tommyさんはセシル・テイラーに会っているそうですよ。
フレンドリーな人だったとか。

最初はピアノ・ソロ。
『サイレント・タン』から《アビス》
初心者はライブ盤を聴くといいとのことです。
聴衆がわかっていてキメで拍手をするそうなので、
聴衆の反応を聴いて演奏の聴きどころをつかめるそうです。

フリー・ジャズのピアノ・ソロ。
私はあまり考えず音に身を委ねるのが良いように思います。
キレと集中力は凄いと思います。
全く脈絡がないわけではないので、それほど難解ではないです。
たまに聴くのはいいけれど、しょっちゅう聴く気にはならないです(笑)。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

「結構聴きやすいでしょ。」と雲さん。
「久しぶりに聴くとアバンギャルドではない。慣れちゃった。
今時この手やつは演奏途中に入れている。」とtommyさん。
「音を聴いていると流れに引き込まれていくものはある。」と雲さん。
「タッチとかニュアンスとか凄い。」とtommyさん。
セシルはバレー(ダンス)をやっていたので体の使い方が柔軟だそうです。
「ストイックですね。」と雲さんとtommyさん。

カフェモンマルトルのライブ演奏。
『ライブ・アット・ザ・カフェ・モンマルトル』から。
雲さんはこのアルバムが好きなので、
サイトの名前を”カフェ・モンマルトル”にしたんだとか。
ピアノ、アルト、ドラムのベース・レス・トリオ。
ベースのヘンリー・グライムスがヨーロッパに来られずトリオ演奏になったそう。
定速ビートを弾くベースがいないのでリズムが自由になります。
もっともジャズっぽい演奏ということで《ホワッツ・ニュー》

これはかなり聴きやすいです。
ホワッツ・ニューという曲をやっていますからね。
アドリブのアプローチがいわゆるバップより少しフリーなだけです。
音の隙間具合が私はいいと思います。
理知的なジャズですが、熱気をはらんでいるので冷たくはないです。

「これは品がいい。まとまっている。」とtommyさん。
「4ビートの名残が残っている。他はもっと4ビートが崩れている。
この辺りから低速ビートが崩れていく。」と雲さん。
「ビル・エバンスやR&Bを聴いたあとに聴けば難解かもしれないが、
これだけ聴けばそれほど難解ではない。」と続けます。
「最近のヨーロッパのピアノ・トリオはこういうアプローチもする。」とtommyさん。

セシルの醍醐味は大人数でやっているもの。
暴力的、途中で頭痛がする長尺ものがあるけれど、今回はわかりやすいもの。
ブルーノート(レーベル)なので、一定の枠には入っている演奏。
雲さんはこれを初めて聴いてセシル・テイラーを好きになった思い出があるそう。
『コンキスタドール』からタイトル曲

定速ビートがなくわかりやすいテーマもないので難解とも言えますが、
やっぱりこれも脈絡がないわけではないので聴きやすいほうだと思います。
各人ソロのキレも素晴らしいです。
これも理知的なジャズですが冷たくはないです。
これはかなりカッコいいですよ。

時間の都合で途中フェード・アウト。
「やっぱり久々に聴くといいな~。」と雲さん。
「最近のセシルのアルバムは耐えられないものもあるが、
音楽は体験なので聴いてみるといいと思います。」と雲さん。

「リスナーの皆さんどうもありがとうございました。」と雲さん。

最後はtommyさんから宣伝。
沖縄市胡屋にあるジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」へ是非来て下さい。
雲さんからも宣伝。
ブログ「快楽ジャズ通信」、ホーム・ページ「カフェ・モンマルトル」を
どんどん更新していくのでよろしくお願いします。
ブログへ来てコメントを下さい。

最後に「ジャズ・ファン、ジャズ・マニアの皆さんありがとうございました。」
とのことでした。

高野 雲さん、2年間本当にお疲れ様でした!
tommyさんもお疲れ様でした。
番組を聴いて益々ジャズが好きになりました。
ゲストに来た皆さんからも色々教えていただきました。
私は毎回レポートしたわけですが、とにかく楽しかったです。
私も2回ゲストに呼んでいただき、貴重な体験をさせていただきました。
どうもありがとうございました。

ということで、見事コンプリート番組レポート達成 sign03 イェ~イsign01 happy01

<追伸>
今度は是非「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演して”喝”を入れて下さい(笑)。
その時は「快楽ジャズ通信」の番組裏話なんかもしていただけると嬉しいです。

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空や雲を眺めるのが好きです。

理屈ばかりこねていても疲れるので、たまには自然を感じましょう(笑)!

私はベランダから空や雲を眺めるのが好きなのですが、
時には写真に撮っておくことがあります。
今回はそんな写真を貼りますので和んでくださいませ。
写真をクリックして拡大して見てね。
1枚目の写真は以前ブログにUPしました。

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誰も知らないかもしれないけれど、ベースがいいのだ!

今日はまずオーディオの話から。

私が愛読している雑誌「Analog」に、オーディオ評論家の大御所菅野沖彦さんのコラムが連載されています。それを読んでいたらオーディオ界も大変な状況だといのがわかりました。若い人のオーディオ離れが進んでいると書いてあります。”オーディオを趣味にできない時代”とも書かれていました。でも、この雑誌の記事の読者はわかっているだろうからということで、ウェブマガジンにも掲載するということです。

ウェブの記事はこちら : http://www.phileweb.com/magazine/sugano/
バックナンバー : http://www.phileweb.com/magazine/sugano/archives/2010/07/14.html
1ヶ所訂正要。
「自動車の件もその時間いたわけです。」×:ウェブのミス
「自動車の件もその時聞いたわけです。」○:雑誌は正しく記載

オーディオファンの私としては納得できる内容です。「古臭い。小難しい。」とかおっしゃる方もいらっしゃるでしょうね。オーディオ文化の変化。時代とともに変化して当然だと思います。でも、失ってはいけないものもあるのではないでしょうか?新しい考え方を良しとする人、古い考え方を良しとする人、それぞれの言い分もあるでしょうけれど、私はどちらも大切にすべきで、両立は可能だと思いたいです。

さて、アルバム紹介。「日本で何人が買ったんでしょう?」シリーズ(笑)。

P81 ジョナサン・ロビンソンの『スペシャル・ステイシス』(2006年rec. itm)です。メンバーは、ジョナサン・ロビンソン(b)、グレック・バーク(p)、イグナツ・ディーネ(as,ss)、ジャン-オラフ・ロット(g)、ジョンB.・アーノルド(ds)です。ディスクユニオンの輸入盤をチェックしているような方なら、ピアニストのバークやアルトのディーネの名前は聞いたことがあるんじゃないでしょうか?私はアルトのディーネ買い。

実はいつものディスクユニオン通販特価(円高還元セール)で買った1枚です(笑)。ディスクユニオン・ジャズ館のサイトで4曲試聴できます。

1曲目《ウィズアウト・ア・ネット》の冒頭を聴いた瞬間思わずニンマリ。ベースの音が”ゴリゴリ”強靭!快感です。ドラムとベースでしばらく自由な掛け合いが続くのですが、このベース音の逞しさにはウットリです。録音もちょぴりベース強調で弦の音が良く録れています。ベースの音だけで気持ち良くなれるCDに久々遭遇。途中から現れるディーネのアルトも”グリグリ”とエグイですし、ギターもなかなか不穏にウネウネやってくれます。ピアノもアルトとギターのバックで鋭いキレをみせてくれています。この曲はモーダルでちょっとエスニックなメロディーがいい感じ。

《DERNZ》《スペシャル・ステイシス》など、ベース、ギター、ピアノ、アルトなどが音を自由に重ね合うような自由度の高い曲もあります。この手の曲ではメンバーもよく心得ていて、自由度を上手く活かしてサウンドを構築していきます。空間への音の散りばめられ加減がいい塩梅。その真中にはいつも”ゴリゴリ”ベースがふてぶてしく居座っているのが◎。《バット・ゼン・アゲイン》のような美しいバラードもあります。アルトを中心にギターとピアノが自由に絡む展開が妖しくも美しい。

《ニュース》はモーダルでやっぱりちょっとエスニックな雰囲気が漂うメロディー。この曲は比較的オーソドックスにソロを回します。アルトのソロ、ピアノのソロともに硬派でありつつ美しさが薫るもので、私的にはビター/スイートさがちょうどいい塩梅。ベース・ソロが小細工はかまさずに”ゴリゴリ”歌わせて気持ち良いことこの上なし。《ボトムレス・ボックス》はちょっとフュージョン風でありつつ捻りも効いた曲で、ディーネのソプラノ・サックスが爽やかに気持ち良く歌います。ピアノも美しくて力強いです。

全曲ロビンソンが作曲。どの曲も作曲とアドリブが有機的に絡み合っている展開が多いです。曲によってアドリブをとる人も変わります。硬派ジャズですがしなやかさを兼ね備えていて解放感があるのが良いと思います。

私的にはかなりオススメ度が高いのですが・・・、とにかくマイナー盤(涙)。
良いオーディオで音量を上げて聴けばベース音の快感はかなりのもの!

アルバム名:『Spatial Stasis』
メンバー:
JONATHAN ROBINSON(b)
GREG BURK(p),
IGNAZ DINNE(as,ss)
JAN-OLAF RODT(g)
JOHN B.ARNOLD(ds)

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ジャケットを勘違いしたアルバム

1ヵ月ほど前、ジャズ喫茶「いーぐる」の壁に飾られていたアルバムを、良く似た別のアルバムと間違えて紹介してしまいました。

その時の記事 : 「味わい深くモダンなサックス・トリオ。」

間違えたままでは終われません(笑)。何て言ったって天下のジャズ喫茶「いーぐる」の壁に飾られていたアルバムなんですから。リベンジします。このアルバムが飾られていたのです。

P80 ジョン・アバークロンビー・カルテット『ウェイト・ティル・ユー・シー・ヒア』(2008年rec. ECM)です。メンバーは、ジョン・アバークロンビー(g)、マーク・フェルドマン(vln)、トーマス・モーガン(b)、ジョーイ・バロン(ds)です。ヴァイオリンの参加がミソですね。私は初めて買ったのですが、アバークロンビーのヴァイオリン入りカルテットとしては本作が4作目とのことです。

写真を比較してわかったのですが、間違えたアルバムに写っている橋とは異なる橋であることが判明しました。橋脚の形が異なっています。撮るアングルの違いだけではなかったようです。ニューヨークのマンハッタン島にかかる橋がいくつかあるので、それらの中の1つを写したものでしょう。

本アルバム、ECMならではのフュージョン寄りのジャズ。ヴァイオリンの音を生かしたノスタルジック・サウンドで幕を開けます。チャーリー・ヘイデンの『ノクターン』のような郷愁感が強いサウンドです。収録された演奏は、フリー寄りのものあり、丁寧に丁寧に音を綴っていくものあり、メセニーのような爽やかなものあり、バロンがマレットを叩くちょっぴりスピリチュアルなものあり、ヴァイオリンが抜けてギター・トリオでの演奏ありと、色々趣向が凝らしてあります。

ロジャー&ハートの1曲を除く7曲がアバークロンビーのオリジナル曲。落ち着いたトーンの美しい曲が並んでいます。アバークロンビーの繊細なギター・ワークをじっくり味わうような作りになっています。ポール・モチアンのバンドで活躍中のモーガンがヘイデンのような語り口(音はもっと締まっています)のベースを弾いていて、モチアン系のニュアンス溢れるドラムを叩くバロンとは相性抜群。バロンのドラムはモチアンより躍動感がありますけどね。フェルドマンのヴァイオリンも落ち着いたものです。

今日のような涼しい秋の夜にマッチしたサウンドになっていると思います。
虫の鳴き声をB.G.M.にしながらじっくり音に浸りたいですね。

アルバム名:『WAIT TILL YOU SEE HER』
メンバー:
JOHN ABERCROMBIE(g)
MARK FELDMAN(vln)
THOMAS MORGAN(b)
JOEY BARON(ds)

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ジャズに出会った頃の強烈体験

昨日のジャコの映像を見ていてら当時の思い出が湧いてきました。
私がジャズに出会った頃の体験を書きます。
こんな感じでジャズに出会ったので当時は楽しくてしょうがなかったです。
今ジャズを聴いても当時のワクワク感はないですね(涙)。

まずは、マイルスでしょう。
休止前の『パンゲア』、復帰後の『ウィー・ウォント・マイルス』を聴いて、
”ジャズの怖さ”みたいなものを痛感したのです。
『パンゲア』のようなことをやっていたら活動休を休止せざるを得ないと思ったし、
復帰後の新宿西口広場のライブをテレビで見てこんな状態なのかと驚き、
それでも演奏から漂うテンションの高さは感じとったわけです。
ジャズをやるってことは半端なことではないと思ったわけです。

こちらはその翌年1982年のマイルス。

マイルスはほとんど吹いていませんが、オーラがバンドを支配しています。

続いてウェザー・リポート~ジャコ・パストリアス体験。
ジャコがウェザー・リポートを脱退して自分のバンドを作った頃です。
「ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンド」、当時賛否両論凄いことになりました。
私は「オーレックス・ジャズ・フェスティバル」に登場したのをTVで見たんです。
この時が動くジャコ初体験。強烈なインパクトで脳裏に焼きつきました。

動画は埋め込みができませんので下記をクリックして下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=RJfiYdQcQtc

当時私もこのオーケストラ形態が良いのか悪いのかよくわかりませんでした。
でもジャコのカッコ良さと凄さはわかりました。
オセロ・モリノウのスティール・ドラムもインパクトが強かったです。

そして問題のこの映像。
昨日UPした1984年の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」の演奏です。
「ギル・エバンス・オーケストラ・ウィズ・ジャコ・パストリアス」。
初めて見る人やジャコ・ファンには辛い映像なのかもしれません。

当日雨が降り、泥を体に塗りたくってステージに登場したんです。
演奏もヘロヘロ。演奏中ソロの後ろで色々いたづらしているみたいです(笑)。
こんな状態で演奏させてしまったというのが凄いし、TV放映したことも凄い。
ジャコを横目に平然と演奏をすすめるギル。
ハンニバル・マービン・ピーターソンの循環呼吸によるソロが壮絶。

この来日時の狂行、奇行の数々は最早伝説となっています。
このTV番組、当時私も見たはずなんですが記憶がかなり薄れていました。
「見てはいけないものを見てしまった。記憶から消し去りたい。」
と私の中で思ったんでしょうか?
今にして思えば、ジャコ体験というのは強烈です。
私的には、リアルにチャーリー・パーカーという天才ジャズマンを
体験したに等しいと思います。
”ジャズの怖さ”を天才ジャコから体験したわけです。

山梨県民文化ホールで新生ウェザー・リポートを見たのも同1984年です。
ウェザー・リポートは新メンバーを得て輝いていました。
その時やった曲が前年1983年の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」出演時と
ほとんど同じような流れだったのっで、ちょっと残念だった記憶があります。
この時既に新生ウェザー2作目の『ドミノ・セオリー』が出ていたので、
内容が反映されているものと思ったからです。
ちなみに1983年の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」の演奏は
ラジカセでエアチェックしたものを今でも持っています。

1983年のウェザー・リポート。
私が見た時の楽器セッティングもほぼ同じでした。

マイルスやジャコのような古いジャズ感を象徴する人達を体験した一方で
ウィントン・マルサリスが登場してきました。品行方正ジャズマンです。
ウィントン自身が”ジャズマンは品行方正たれ”と思っていたわけです。
アート・ブレイキーとやっていた頃は驚異の新人と思っていたわけですが、
その後、「これは何か違うぞ。」という違和感が私の中に湧いてきました。

1983年のマルサリス・クインテットです。

どこか冷めた感じでよそよそしいんです。当時も賛否両論ありました。
ウィントン支持派と不支持派に分かれて論争も起きました。
私に一応の回答を与えてくれたのが後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」。
”ジャズをいったんカッコにくくる””メタな視線”
この時の問題は、2000年以降のジャズの分かりにくさにまで及び、
未だに議論されているけれど、まだ決着はついていません。

そして、日本で爆発的にヒットしたマンハッタン・ジャズ・クインテット。
これも問題になりました。
エセ・ジャズ?ということでジャズ喫茶から猛反発の声が上がりました。

動画(音声のみ)は埋め込みができませんので下記をクリックして下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=gKYKRpScT88

演出としてのジャズなんでしょうね。
この頃から”ジャジーでいいじゃん。”ということになっていくのです。

スティーブ・ガッドのドラミングも問題になりましたね。

4ビートとしてはとにかく軽い。バック・ビートも何もあったもんじゃない。
ドラム・ソロはカッコいいですね。お得意のカウベルも出てきます。
これってやっぱりフュージョン(ロック)ドラミング以外の何物でもありません。

ジャズを聴き始めて3年くらいの間にこれらの体験をしたのです。
ここにあげたことは象徴的なことだけですが他にも色々ありました。
80年代、ジャズは勢いがなくなったと言われますが、
私としては消化しきれないくらい色々な事が起こっていました。
あれから四半世紀以上経って振り返ると、濃密な体験だった気がします。

そしてこの時の体験が今の私の”ジャズ聴き”を支えているのです。
一方で個々の体験を自分の中に位置付けていくうちに、
”めんどくさいジャズオヤジ”になってしまったのだと思います(笑)。

そしてジャスとオーディオのつながりで言えば、
ジャズ界の動向が面白かったこの頃、
オーディオとジャズは別物になって行った気がします。
オーディオも盛んにやっていましたが、
オーディオ・ソースは故長岡鉄男さんの『外盤A級セレクション』やフュージョン。
ジャズを聴くこととオーディオとはある程度線を引いていました。

その後私がジャズ聴きから離れてジャズ界の動向に疎くなり、
またジャズに戻った時のとっかかりがオリジナル盤や輸入CD。
寺島靖国さんの一連のジャズ・オーディオだったように思います。
そしてジャズ喫茶「いーぐる」に行くようになり、
またジャズ界の動向を気にするようになってからオーディオはさぼり気味。

私の中ではジャズとオーディオに深いつながりはないことがわかってきました。
今の私のオーディオはオリジナル盤再生や真空管アンプ作りであり、
ジャズ聴きとは一線を引いているように感じます。
だから”ジャズ・オーディオ”という言葉が私には”ピン”とこないんでしょう。
別に高級オーディオで聴こうがiPodで聴こうが私にはあまり興味なし。
私には今どういうジャズがあるのかが興味の中心なのです。
それらを私の中にどう位置付けるかが関心事。
合間には過去のジャズの再位置付けもあります。

今日は私のジャズ聴きについて思いつくままに書きました。

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ジャコ・パストリアスの命日

今日はジャコ・パストリアスの命日だったんですね~。

まっ、このブログを更新している今は翌日ですが(笑)。

ココログの時計が6時間くらい遅れていて直せないんですよ。

実はまだジャコを聴いていません。

これから何か聴こうかな~。

聴くならやっぱりこれかな~。

ジャコの最高傑作はこれですよね。

冒頭《クライシス》の衝撃!

続く《スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット》の美の極み!

このデジタル感覚と情緒的メロディーの同居。

ジャコはブッ飛んでました。

デジタル感覚と情緒的メロディーの同居は上原ひろみの《BQE》に通じます。

当時ジャコのベースはなんで傷だらけなんだろうと思っていたのですが、

じゃこのめ さんのブログにUPされていたこの映像を見て納得。

ベースがボロボロになるはずです。

自分の楽器を大事にするのがミュージシャンだと思っていたのですが、

こういうところがジャコらしいと言えばジャコらしいのです。

1983年のライブですが、もうこの頃は奇行が凄かった頃ですよね。

でも当時のファンはジャコの奇行も含めてカリスマ視していたわけです。

こちらは1984年のライブ・アンダー・ザ・スカイ。

ギル・エバンス・オーケストラ・ウィズ・ジャコ・パストリアスのステージ。

確かバンドの演奏が終わったあと、ジャコが演奏し続けたとかで、

当時かなり話題になったやつだと思います。

ギル・エバンスが日本に来たこと自体、今思うと凄いです。

そのうえジャコとの共演っていうんだからもう・・・。

このライブを観た人が羨まし過ぎます。

いっちゃってるジャコ(笑)!

そんなジャコを愛していた日本のファン。

投げたベースはその後キャッチしたのでしょうか?

そして、ジャコとザビヌルが拮抗して作り上げたこれでしょう。

ポップな仕上がりですが、良く聴くと凄いことやってます。

ジャコに触発され、ザビヌルの尖がり具合も凄いことになっています。

ジャコ・パストリアス、凄いベーシストでした! 合掌。

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大西順子さんの新譜、なかなか良いと思いました。

大西順子の新譜は前から気になっていたのですが、日本盤に比べて輸入盤はかなり安いようだったので、輸入盤が買えるようになるまで待っていたら購入が遅くなってしまいました。HMVのマルチバイ特価で買ったら¥1,000以上安かったです(笑)。

P79 大西順子『バロック』(2010年rec. UNIVERSAL CLASICS)。メンバーは、大西順子(p)、ニコラス・ペイトン(tp)、ジェームス・カーター(ts,as,b-cl,flt)、ワイクリフ・ゴードン(tb)、レジナルド・ビール(b)、ロドニー・ウィテカー(b)4曲、ハーリン・ライリー(ds)ローランド・ゲレロ(cga)です。ニューヨークの中堅現代バッパー集合といった感じのメンバー。今回から所属レーベルが変更になり心機一転での本作ということになります。

この手のメンバーがやる現代バップとしてはなかなか良い出来だと思いました。大西のピアノの個性はなかなか掴めないというのが正直なところですが、大西”らしさ”は打ち出されていると思います。何となくふっ切れたものを感じます。ジャズ界の第一線への完全復帰をしっかりアピールできたのではないでしょうか?

ジャケット写真やタイトルについても話題になりますが、私から特に加えるべきことはありません。前半は大西のオリジナル曲、後半はジャズマン・オリジナルとスタンダード曲という構成で、各パートのラストにピアノ・ソロがあります。

1曲目《トゥッテイ》。コンガを加えたアフロキューバン的なリスムに乗って”ガラガラ”とピアノを弾き始める冒頭を聴いただけで、大西の意気込みは伝わってきました。カーターのテナー、ペイトンのトランペット、ゴードンのトロンボーン、各々のソロは快調。私的にはゴードンのソロが特に良かったです。大西はコンピング(伴奏)でもしっかり存在感をアピール。ピアノ・ソロもなかなかガッツ入ってます(笑)、1曲目にこういうクラブ・ジャズ受けも考慮したと思われるキャッチーな曲を持ってくる辺りにしたたかさを感じますね。

2曲目《ザ・マザーズ(ホエア・ジョニー・イズ)》は大西らしい曲だと思います。私は大西のアルバムをたくさん聴いたわけではありませんが、このメロディーには大西節を感じます。ゴードンのトロンボーン・ソロはかなり気合が入った良い演奏。続くピアノ・ソロもしっかり立ち位置は示していると思います。私はこの路線で突き進めばいいんじゃないかと思うのですが・・・。

3曲目《ザ・スリーペニー・オペラ》。20分弱の大作です。ツイン・ベースによる長いイントロから何やら思わせぶり(笑)。しばらく続いた後でピアノが入ってテーマーが始まります。このテーマのスロー部分は、ミンガスの《オレンジ・ワス・ザ・カラー・オブ・ハー・ドレス・・・》に似た雰囲気で、3管の自由な合奏はミンガス色濃厚。カーターの豪快なバスクラ・ソロ、ゴードンの大らかで力強いトローンボーン・ソロと続き、その後はピアノを主体に緩急つける展開。途中でカーターが何やら叫ぶ辺りもミンガス・バンドを意識してのことでしょう。ピアノのみで演奏するソロ部は、ジャッキー・バイアードの楽譜を元にしていて、ストライド・ピアノと格調高いクラシック調を交える演奏。このソロ、曲後半のアクセントとして面白いと思いました。冒頭以外ツイン・ベースの効果はあまりなし。ミンガス・ラブな曲ですが、色々工夫が凝らされていてなかなか良い出来だと思いました。

4曲目《スター・ダスト》。ピアノ・ソロはなかなか聴かせてくれます。ちゃんと大人の雰囲気を感じさせる辺りに成長を感じます。やっぱりジャズが好きなんだと思いますよ。何かを狙っているわけではないと思います。

私はここまでの前半4曲の流れが気に入っています。

5曲目ミンガスの《メディテーションズ・フォー・ア・ワイアー・カッタース》。テーマからモロにミンガス・バンドしてますね(笑)。トランペット・ソロからピアノ・ソロへ、こういうソロを弾かれると”個性はどこに?”ということになってしまうところがちょっと辛いところなのかも?しっかりしたソロではあるんですけどね~。

6曲目《フラミンゴ》。これもかなりミンガス・バンドを意識したバラード演奏。テーマ部のアンサンブル(短いトロンボーン、トランペット・ソロ含む)とピアノ・ソロを聴かせる曲になっています。テーマーのメロディーを美しく発展させていくピアノ・ソロの展開はなかなか良いと思います。

7曲目《ザ・ストリート・ビート~52丁目のテーマ》はストレートなバップ演奏。古いスタイルのサウンドです。ストレートなトランペット・ソロ、奔放で豪快なテナー・ソロ、冒頭ミュートを上手く使った後豪快に吹き切るトローンボーン・ソロと続き、ピアノ・ソロへ。左手の強い低音を基調としつつ剛腕を聴かせるピアノ・ソロはなかなか痛快。3管&ピアノが短いソロを回した後、3管入り乱れての自由な咆哮は楽しいです。この曲ではツイン・ベース効果も少し感じられます。

ラスト《メモリーズ・オブ・ユー》。これもピアノ・ソロです。過去のジャズ・ピアノからクラシック的なものまでいろんな要素が混じり合っているのが、この人のピアノ・スタイルなんでしょうね。もう一皮剥ければ何か見えてくるのかもしれません。と言いましたが、なかなか聴かせてくれていますよ。

個々の曲について詳しく書いてみると、頭のクラブ・ジャズ系バップ、続く大西節(ミンガスかな~?)、”ミンガス・バンド愛”な3曲、ラストの古いスタイルのバップ、それにピアノ・ソロ2曲と盛りだくさんであり、色々楽しめる半面、一貫性に欠けるきらいが無きにしもあらず。それでも大西順子バンドとしてはメンバーの一体感を感じますし、大西のリーダー・シップも発揮されていると思います。

総括すれば、現代バップとしてはなかなか良い出来であろうと思います。
大西順子は完全復帰し、いよいよこれからなのだろうと感じます。

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ベースの低音を満喫する。

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「日本人ベーシスト特集」でした。
ゲストはキングレコード低音シリーズのプロデューサー森川進さん。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります(ない時もあります)。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

「低音特集Part2」のはずが「日本人ベース特集」に変わったとか。
前回、森川さんはご自分がプロデュースしたアルバムより
好きなミンガスの曲をかけて熱く語っていました。
さて、今回の日本人ベーシスト特集ではいかに?

先行森川さん。
森川さんがプロデュースしたアルバムから
納浩一『琴線』から《ドナ・リー》

アコースティック・ベースとドラムのデュオ。
低音シリーズだけあっていい音に録れています。
演奏はテクニカルながらスインギーで気持ち良いものです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

「お疲れ様でした。エレキでも難しいのにアコースティックでよくここまで。
かなり練習を重ねて体調を整えて臨んだ感じ。
「ジャコを意識した部分もある演奏。」と雲さん。

雲さん選曲。
まったり系。池田芳夫『シルエット・ダンス』からタイトル曲
池田さんはtommyさんのベースの先生です。
池田さんはゲイリー・ピーコックにベースを習っています。
「ミンガスにピーコックの知性が入った感じ。」と雲さん。
tommyさんは池田さんからいつも「ベースは下半身で弾きなさい。」
と言われるそうです。

ギターとピアノとのトリオです。
これは腰の据わったベースです。
派手さはありませんが、「これがジャズベースだ。」って感じです。
ギターもジャジーでいい感じ。
ピアノも雰囲気を上手く引き立てています。

「腰入ってましたね。」と雲さんとtommyさん。
「下半身で弾いてますね。この世代の方はズシーンとしたベースが多い。」
と森川さん。
tommyさんによると、池田さんはサム・ジョーンスが好きで、
ベースをピーコックに習い、ミロスラフ・ヴィトウスの追っかけをして
コピーしたとか。

森川さん選曲。
中山英二&ドン・フリードマン『カンバセイション ミーツ・ドン・フリードマン』
から《メモリーズ・オブ・スコッティ》
中山さんは森川さんのベースの師匠だそうです。
ちょっと重いけれど、スコット・ラファロに捧げた演奏。
アルコ(弓弾き)から入るが、中山さんは日本では少数派の”フレンチボー”を
使っているからということで、森川さんは中山さんに師事したとか。
ドン・フリードマンとのデュオ。

出だしのメロディーが何となく小林旭の《熱き心に》似ているかも?
落ち着いた枯れた感じのアルコから入ります。
ベース・ソロもちょっと枯れた感じかな。
ドン・フリードマンが美しいです。
二人の静かな語らいと言った雰囲気の演奏。

「アルコがいい音でしたね。」と雲さん。
ここで森川さんからジャーマンボーとフレンチボーにまつわる小話(笑)。
「IQ29」の話。私には良く分かりません??
ベーシストは会うと皆この話をするそうです。
もう一つは弦の話だそう。

雲さん選曲。
雲さんのベースの師匠。
ウッド・ベースの鳴りが良いやつ。
池田達也『たつやせっしょん(1)』から《カム・オナ・マイ・ハウス》

ベースの音がファットで良い音です。
個性的な女性ボーカルとのデュオで始まります。
ベースはオーソドックスなウォーキング。
途中から人力ドラムンベースのドラムが加わり
アップ・テンポでグルーヴします。面白い演奏です。

レッド・ミッチェルが使っていたチロリアン・ベースを弾いています。
江戸時代に作られたものだそうです。
「ベースの音だけ聴いていたい。」と雲さん。

ここまでで師匠シリーズは一段落。

森川さん選曲。
せっかくですからGONさんを。
水橋‘GON'孝さんの『ワルツ・フォー・デビー~ビルエバンスに捧ぐ』から
《ワルツ・フォー・デビー》
ビル・エバンスの《ワルツ・フォー・デビー》のピアノ・パートを
ベースでやっているそうです。

水橋さんの愛称が”GON”さんだというのを初めて知りました。
ギター/ピアノ/ベース/ドラム・カルテット。
ベース・ソロ部はなかなかカワイイ感じの演奏です。
なるほどこうして聴くとエバンスのピアノのラインてカワイイんですね。
新たな発見でした。
その後のギター・ソロとピアノ・ソロはジャジーでスインギー。
エバンスの世界をメルヘンチックにした演奏だと思いました。

「聴きお覚えのあるライン。ハイ・ポジションの音程が正確。
こんなに上手いのにこんなに遊んじゃって。」と雲さん。
「やりたかったんでしょうね。」とtommyさん。
「耳コピーしたんでしょうけれど、説得力がある。」と雲さん。
「たくさん練習しているでしょうね。」と雲さんと森川さん。
「ハイ・ポジションの1弦のドとかレの音がジャストでびっくりした。」と雲さん。
「こういう人達を再評価してほしい。」とtommyさん。

雲さん選曲。
北川潔さん。剛腕ベーシスト。
雲さんはこのCDをオフィシャルページで申し込んだそう。
Amazonでは売っていないけれど、オフィシャルページから購入できます。
北川潔『ソロ』から《ポルカ・ドッツ・アンド・ムーン・ビームス》

これは確かに剛腕ベース。
甘さ控えめ男の渋いベース・ソロ。
高倉健さんのような感じとでも言いましょうか(笑)。

「いい演奏ですね。」と皆さん。
「曲の選び方もいい。」と森川さん。
「この曲をやってみたくなる。」と雲さんと森川さん。

藤原清登さんと”チン”さんこと鈴木良御さんの『ベース&ベース』から
《スカイ&シー》

ベース・デュオでタンゴ/クラシック風な演奏。
ソロは高音弦で、低音弦のベースが伴奏。
ソロはギターのような弾き方も交えています。
落ち着いた雰囲気の良い演奏です。

「こんなに澄んだ演奏。タイトルどおり”空と海”という感じ。」と雲さん。
「ピッチの良さ悪さでどっちのソロかわかる。」と雲さん。
ボーッと聴いていたらベース・ソロが入れ替わったのがよく分かりませんでした。

チンさんのベースはイタリアのヴィンテージ。
藤原さんのベースも名器だとか。
チンさんがガット弦で藤原さんがスチール弦を使っているそうです。

「ブライアン・ブロンバーグの宣伝をしなくて大丈夫なんでしょうか?」と雲さん。
森川さんは今回も商売抜きで良い演奏を紹介してくれました。

ベテランから中堅まで、日本人ベーシストもいいですね。
今日はベースの低音の魅力がたっぷり味わえました。

いよいよ来週は「高野 雲の快楽ジャズ通信」の最終回!
私の番組レポートもラスト1回を残すのみとなりました。

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サブスピーカーのエッジに穴が・・・(涙)。

今日がっかりする事件が起きました。
サブスピーカーのエッジに穴を開けてしまったのです(涙)。

冬になると陽射しが伸びて部屋の中に差し込みます。
そうすると片側のスピーカーに直射日光が当たり、
スピーカーの前面にネットがあるものの透過するようで、
スピーカーのエッジが劣化してきていることに最近気付きました。
なので、直射日光が当たらないもう片方のスピーカーと入れ替え、
エッジの劣化を左右で同じくらいになるように企みました。

P78_2

この写真は購入直後のものですl。

入れ替え作業中に悲劇が・・・。
メインスピーカーの上に乗っているサブスピーカーを降ろそうとした時、
近くの壁にスピーカーをぶつけてしまい。
前面ネットが外れ落下しそうになりました。
慌てた私は、体をスピーカーに寄せてネットが落下するのを防いだのです。
防いだまでは良かったのですが、ネットをスピーカーに固定するタボが
ウーファーのエッジにブスリッと刺さったのでした。
エッジに穴が(涙)!

P76_3

中途半端に穴が開いたので、切れ端を取り除いたら御覧の有様です。
劣化が少ない方のスピーカーなんですよ。トホホッ。
劣化していないように見えましたが、結構脆くなっていました。
これだからウレタンエッジは困るのです。
赤のエッジがカッコいいのに。ア~アッ!

今更後悔してもどうしようもありません。
当分このまま使用するしかありません。
音を出すとそれほど影響はないようですが、穴からは空気漏れ。
バスレフ動作には少なからず影響はあると思います。

そのうちスピーカーの修理業者に依頼してエッジを張り替えてもらいましょう。
修理するなら 「オーディオラボ・オガワ」 に出そうと思います。
ここは「真空管オーディオ・フェア」に出店していた時に知り、
一度コーラルの古いツイーターH-1をオーバーホールしてもらい、
とても良心的な対応をしてもらったことがあります。

今回ウーファーを外してみました。
かなりガッチリ作られているものだということがわかりました。

P77_2

特にフレームの強固さはかなりのものです。
鉄ではなくアルミで製なのが○。
マグネットも結構大きいものです。
これはいいウーファーだと思います。
一方、内部配線の細さとネットワークの安っぽさはかなりのものでした(笑)。
ちなみにツイーターはプラスチックフレーム。
ウーファーとエンクロージャー(箱)に金がかかっていそうなのが、
いかにもアメリカ製スピーカーらしいと思います。

サブスピーカー遍歴を重ねてきた私ですが、
これは今お気に入りのスピーカーなので、修理しても使いたいのです。

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モーダルな現代ハードバップ

新譜が何枚か溜まっているのでソクソクッと紹介していきましょう。

P75 スカンナム・カルテット『アトランティック・ブリッジ』(2009年rec. CONNECTIVE RECORDS)です。メンバーは、フレドリク・クロンクヴィスト(as,ss)、ソレン・モラー(p)、モーテン・ラムスボル(b)、ジェイソン・マルサリス(ds)です。ワン・ホーン・カルテット。

ディスクユニオンの宣伝文によれば、「フレッドリク・クロンクヴィストというサックス奏者をご存知でしょうか?スウェーデンのアルトサックス奏者で、まるでケニー・ギャレットのような熱いプレイで人気を博しつつも、一時期からアルバムの入手が困難になってしまったプレイヤーです。」とのことでした。確か数年前にチェックしつつも買いそびれた人だったので、今回は迷わす買いました。ドラマーはマルサリス兄弟のジェイソンが務めています。

グループ名の”SCAN-AM”はスカンジナビア ― アメリカの略。スカンジナビアとアメリカのミューシャンによるグループということでしょう。アルバムタイトルが”大西洋の橋”スカンジナビアとアメリカにかかる橋といった意味なのでしょう。

クロンクヴィストの曲が4曲、ジェイソンの曲が4曲、モラーの曲が2曲の全10曲が収録されています。いづれもモーダルな今時な曲ばかりですが、難解/不可解なメロディーはないので、バップ・ファンの方に安心してお薦めできます。ジェイソンの曲の中には古き良きアメリカン・メロディーが色濃い曲もあります。

名前から見てアメリカ・サイドはジェイソンだけですが、提供した曲といい、スインギーでドライブ感溢れるドラミングといい、カルテットのサウンドにアメリカのジャズを上手く盛り込んでいると思います。さすがはマルサリス兄弟といった感じですね。

クロンクヴィストは宣伝文のとおり熱いプレーを繰り広げています。スピリチュアルな曲ではコルトレーンのように熱くブローし、バラードではペッパーのように切々と歌いあげ、私としては期待にそぐわぬプレーでした。ピアノもベースもレベルは高く、全員で現代ハードバップを好演していると思います。

名前こそあまり知られていない人達のアルバムですが、内容は決して劣るものではありません。モーダルな現代ハードバップで良い演奏を探している方には是非聴いてもらいたいアルバムです。

アルバム名:『ATLANTIC BRIDGES』
メンバー:
FREDRIK KRONKVIST(as)
SOREN MOLLER(p)
MORTEN RAMSBOL(b)
JASON MARSALIS(ds)

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落ち着いて聴けるギター・トリオ

今日も新譜紹介。
これも発売されてから3か月くらい経っています。
8月下旬に買ってこのタイミングになってしまいました。

P74 スティーブ・カーデナス『ウエスト・オブ・ミドル』(2009年rec. Sunnyside)です。メンバーは、スティーブ・カーデナス(g)、ベン・アリソン(b)、ルディ・ロイストン(ds)です。現代ジャズ・ギター・トリオ。カーデナスはポール・モチアンのエレクトリック・ビバップ・バンドに加わって注目されたギタリストで、リーダー作も何枚か出していますが、私はカーデナスのリーダー・アルバムは初めて買いました。

8曲のカーデナスのオリジナル曲とキース・ジャレットの1曲の計9曲が収録されています。約41分と短めの収録時間。オリジナル曲はナチュラルでソフトでメローなものが多く、ほとんど8ビートでそれほど凝った構成の曲もありませんので、とても聴きやすいです。じわじわ熱く迫ってくる場面もありますが、決してギンギンになることはないので、聴いていると気分は和みつつホンワカ温かくなってきます。

ギターの音はジョン・スコフィールドに似ているように感じますが、フレージングはジョンスコほど灰汁は強くないです。フォーク系爽やか曲での演奏はパット・メセニーにも似ているように感じますが、メセニーのようにテクニックでスラスラ弾くかんじではなく、一音一音味わいながら音を綴っていきます。最近流行りのカートのような浮遊感は少なめ。

アリソンはベースを力強く弾きつつも、自分が目立ち過ぎることはなく、あくまでカーデナスに寄り添って演奏に熱気を与えています。2人の音楽的なカラーには近いものを感じますので、マッチングは非常に良いです。ロイストンはこれと言って凄いというものは感じませんが、必要十分なリズムを堅実に叩いていると思います。

派手さはありませんが落ち着いて聴くことのできるコンテンポラリー・ジャズ・ギター・アルバムとしてオススメの1枚。管の音やバップに飽きた時などにも、手軽に聴けて充実感も味わえるアルバムです。

アルバム名:『WEST OF MIDDLE』
メンバー:
STEVE CARDENAS(g)
BEN ALLISON(b)
RUDY ROYSTON(ds)

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60年代モード/現代モード

今日紹介するのはデヴィッド・ビニーの新譜。新譜とは言っても3月くらいに発売されたものです。ビニーは新譜が出るたびに買っていたのですが、今回はちょっと様子見。そうこうしているうちに半年くらいが過ぎ、なんで今のタイミングで買ったかというと、いつものあれですよ(笑)。ディスクユニオンの通販限定特価(円高還元)セール。ちなみに、まだ¥1,800で”在庫あり”なので、興味が湧いた方はどうぞ。

P73 『アリソ』(2009年rec. CrissCross)です。メンバーは、デヴィッド・ビニー(as)、ウェイン・クランツ(g)、ジェイコブ・サックス(p)、ジョン・エスクリート(p)3曲のみ、アイヴィン・オプスヴィーク(b)、ダン・ワイス(ds)です。ニューヨーク先端ジャズ系の精鋭揃いです。ギターのウェイン・クランツが異色な感じです。CrissCrossレーベルへの録音は約3年ぶりだとか。

私的には、CrissCrossレーベルは金太郎飴のように似たような現代ジャズばかりで面白みに欠けるきらいがあると思っているのですが、そうは言っても気になるミュージシャンのものは買うようにしています。今年に入ってからではアレックス・シピアギンもなかなか良かったですしね。

さて本作、演奏が2つの趣向に分かれます。まずはいつもの変拍子や8ビートのクールで無機的な感じのオリジナルを演奏しているものが4曲。こちらにはロック志向のクランツのギターが入っているので、これまでのビニーのサウンドに別な風味が加わった感じです。

そしてもうひとつの趣向が、最近のオリジナル志向だったビニーにしては珍しく、ウェイン・ショーター、サム・リバース、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンクの曲を計5曲演奏しているものです。ショーター、リバース、コルトレーンというモーダル・テナーの曲を取り上げているのが面白いですね。コルトレーンの曲以外はワン・ホーン・カルテットで4ビート曲を演奏していて、後戻りした感はありますがこれがいい具合なのです。

2つの趣向が合わさっているところが中途半端だとも言えますが、2つの美味しい趣向がカップリングされたと見ることもできるわけで、私は後者のようにとらえています。それにしても今回、何か吹っ切れたように気持ち良さそうにアルトを吹いているビニーを聴いていると、非常に気持ちいいです。

ビニーのオリジナル曲では、ミディアム・スローの《ア・デイ・イン・ミュージック》の演奏がいいですね。無機的ではありますが深みのある曲で、気持ち良さそうにブリブリ/スラスラ吹いているアルト・ソロを満喫できます。ここでのクランツのギター・ソロはロック色控え目で、現代ジャズ・ギターとしての捻り味を楽しめます。《バー・ライフ》はいかにもビニー節。エスクリートの美しくも力強いピアノ・ソロとクランツのロック系ギター・ソロがいい感じですね。

ショーターの曲は2曲やっていて、ミステリアスな美曲《トイ・チューン》ではビニーのアルト・ソロもさることながら、ジェイコブのフレッシュで美しくも力強いピアノ・ソロやバッキングが素晴らしいです。バラード曲《テル》では美しさが際立っていて、ビニーのアルト・ソロはこの曲の美を抽出しつつ醸し出す響きには現代を感じさせます。

リバースの《フューシャ・スイング・ソング》はかっ飛び4ビート。こんなにもストレート・アヘッドなビニーのアルト・ソロが聴けたのは非常に嬉しいです。この曲でのウォーキング・ベースを聴いて、オプスヴィークの4ビートの上手さにも改めて気付かされました。ジェイコブのピアノ・ソロもキレキレで抜群のドライブ感。ワイスのドラムも至る所に小粋なアクセントを入れつつプッシュしています、ビニーやオプスヴィークは、普段4ビートはあまりやりませんが、4ビートのバップをやらせても超一流だったんですね。当り前か。

モンクの《ティンク・オブ・ワン》は、テーマ演奏後、ドラムとベースの自由な掛け合いからピアノがチャチャを入れつつピアノ・ソロへと続く展開が面白いです。ジェイコブのピアノはきちんとモンクを解釈。ビニーのアルト・ソロもなかなかのキレとパワー。モンクをきちんと消化た演奏です。

ラストはコルトレーンの《アフリカ》。これが当然の如くこの人達にしては意外や意外のスピリチュアル・ジャズ!エスクリートがピアノでマッコイ・タイナーのような和音をゴツゴツと弾き、オプスヴィークもベースをゴリンゴリン、ワイスはうねりのドラミング。その上でビニーがウネウネとモーダルなソロを力強く展開し迫ってきます。ピアノ・ソロは熱く黒く迫りつつもクールネスを残しています。この人達、普段はクールネスを装っていますが、こういう熱い演奏もできるんですね~。

クランツはバッキングをほとんどやっていませんが、ソロでは個性全開。ベース・ソロのような低音系フレーズとエレクトロニクス系エフェクト音を絡ませて静かに展開していき、ギンギンのロック・ギターへと移行。アルトが咆哮しピアノがガンガン来て更に盛り上がり、ギターのエフェクト音で静かに宇宙へと消え去って終焉。このアルバムの中の私的一押しがこの曲。

ビニーの現代モード曲も良いのですが、60年代モード名曲を今時の感覚で演奏するのも良いですね。後者の方が聴き慣れているので、正直に言えばやっぱり聴き所が分かりやすいし、のめりこみやすいのです。

色々考えさせられますが、ビニーのアルトはどの曲でも気持ち良く鳴っていることは間違いないので、聴いてみて下さい。

アルバム名:『Aliso』
メンバー:
DAVID BINNEY(as)
WAYNE KRANTZ(g)
JACOB SACKS(p)
JOHN ESCREET(p:M1,7,9)
EIVIND OPSVIK(b)
DAN WEISS(ds)

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アンプ改造終了。

しばらく前にR120真空管アンプが故障したので改造すると書きました。R120の1本が異常放電を起こすようになったからです。

P70 R120という真空管はフランス製で、アメリカ製2A3に似た特製の3極管ですが傍熱管です。写真のとおり管形にも特徴があります。膨らんだ部分がかなり上部にあるため、一般的なG管に比べてスマートに見えます。

故浅野勇さんの名著「魅惑の真空管アンプ、下巻」にもこの真空管を使った製作記事があり、”ゆったりとした奥行きのある再生音には、2A3にない優雅さが内包されているように思います。”と書かれていたので、私はその言葉に惹かれてアンプを作ったのです。

P154 それがとうとう故障してしまったのでした。音も気に入っていたので残念。私が今持っている自作真空管アンプの中で最も前に製作したものでした。15年くらい前に作って他のアンプと交代させながら使っていたので、もう十分楽しんだと言って良いでしょう。

壊れた真空管は1本なので、プッシュプルアンプの片チャンネルだけ新しい真空管に交換すれば良いのですが、そうなると交換した真空管と今生きている真空管で音質に差が生じてしまい、あまり気分がよろしくありません。R120自体最近見かけないし値段も高いので、ここは思い切ってアンプを組み換えることを決意したというわけ。

組み換えるにあたり、回路をあまり変えずに出力管だけを変えたかったので、しばらくの期間悩んで6L6GCというありきたりの真空管に変えることにしました。先々週上京した際に秋葉原で現行普及品(EH/スベトラーナ製)6L6GCを購入。コストはかなり抑えられました。

P71_3出来上がった外観はご覧のとおり。GT管ばかりなのでデザイン的にアクセントが乏しいですが、それほどバランスが悪いわけではないので良しとしましょう。もともとオーソドックスでさっぱりした部品配置だったので、これはこれでスッキリデザインになっていると思います。

回路の変更は4点。

P72 ①出力管のB電圧を上げるためにデカップリング抵抗を小さい値に変更。②出力管のカソード(バイアス)抵抗を6L6GC用に変更。③ウルトラリニア接続用にスクリーングリッドをトランスのUL端子に配線。④NFB抵抗を変更(NFB=-10dB)。簡単な変更なので作業は1時間くらいで終了。

変更作業後に発信機とオシロスコープで特性を確認しつつNFB抵抗を選択。B電圧が低めなので、最大出力は17Wしか得られませんでした。6L6GCなら20W以上は楽に出るかと思っていたのですが、プレート電圧が低いとやっぱりダメみたいですね。ウルトラリニア接続だからということもあるでしょう。まあ、今の私の聴き方では5Wもあれば十分なので問題なし。NFBを-10dBかけると方形波に軽くリンギングが出たので、コンデンサで軽く微分補正をかけておきました。(その後、高域の発信現象があることがわかり、補正コンデンサは取り外しました。)

音については、最近細かいことはあまり気にならないんですよね(笑)。明るめの音で低音もよく出ていると思います。ちょっと硬めで軽めな感じですが、新品の球ですのでエージングすれば落ち着くのではないかと思います。

とりあえず、時々出る”オーディオいじりたい病”はこれで少し治まりました(笑)。エージングのためサブのパワーアンプは当分こいつを使います。

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ジャズ友の面白い記事。

最近はジャズミーティングもなく、ジャズ友交流は少なめですが、

ブログでのコメントやりとりやツイッターでの緩い会話は頻繁にしているので、

それはそれでO.K.

時にくっ付いたり、時に離れたり、適度な距離感がグッドだと思います。

さて、tommyさんと雲さんが面白い記事を書いているので、

今日はそれらを紹介。

先攻、tommyさん。

ジャズの「直感聴き」と「閃き聴き」

面白い考察だと思います。

「CDの演奏」の聴き方と「ライブの演奏」の聴き方が違うとの考察もユニーク。

鈍い私にはまだ判然としないですが、なんとなく分かる気がしています。

tommyさんの記事に中途半端なツッコミを入れた私はアホでした。

ごめんなさい。

これから「戯言」はシリーズ化されるそうなので、今後の展開が楽しみですね。

後攻、雲さん。

Linda Oh『Entry』評

私がいまいち上手く紹介できなかったのに、上手く紹介していますね。

いつもながら雲さんの聴くセンスには感心します。

私が”いいな~”と思ったものを気に入ってもらえて嬉しいです。

ほぼ毎日1枚アルバム評を書いているのは凄い!

雲さんのホームページ:カフェ モンマルトル

「ジャズ批評」全て掲載されていますので要チェックです。

それにしても、冒頭の”甲斐のJAZZ虎・いっきさん”が嬉恥し(笑)。

甲府に住んでいるので、”甲斐の虎、武田信玄”にかけているのでしょうが、

実は私、”寅年”ではなくその次の”うさぎ年”生まれなんです。

実態は”甲斐のJAZZうさぎ”くらいだと思います(笑)。

今日はお手軽更新(笑)。

Googleの”ジャズブログ”検索でまたトップになってます。ビックリ!

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「シネ・ジャズ」を雰囲気聴きする。

今夜の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「シネ・ジャズ特集」

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります(ない時もあります)。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

今日のテーマは「シネ・ジャズ」=「シネマ・ジャズ」。

最初はリスナーからのお便り。全番組を録音されている方からです。
松本茜さんのピアノレッスンの回をひきあいに、ベースに関する話。
「ジャズがわかっている方ですね。」とtommyさん。

今回はtommyさんがやろうと言った企画。tommyさん主導で進めます。

まずはtommyさん選曲。
FM東京のラジオ番組FM25時シリーズの「男の心、女の心」のテーマ曲。
tommyさんはこのテーマ曲が凄く好きで、かけたかったそう。
CDが出ているが探しにくいので、聴いている人は是非録音してほしいそうです。
「最後の晩餐」というマルチェロ・マストロヤンニ出演の下品な映画?から。
tommyさんはこのアルバムを探すのに35年かかったとか。

映画「La Grande Bouffe(最後の晩餐)」のテーマ曲で《最後の晩餐》

う~む、これジャズなのかな~?
これは思い出がないと良さがわかりませんなー。(笑)
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

精神科の女医さんが質問を受けるラジオ番組だったとか。
「深夜にアダルトな感じで良かった。ムンムン大人の色香が良かった。」
と雲さん。

次は雲さん選曲。
雲さんは、アダルトの逆。
映画「スイングガールズ」が好きなので、映画のサウンドトラックから
《ムーンライト・セレナーデ》

映画の一場面のセリフから入ります。
なるほど、アレンジが簡単になっているんですね。
一応高校生がやれそうにリアルに作ってあります。
雰囲気聴きです。短い演奏。

「音だけ聴くと若さの勢いに溢れ、まったりした感じが薄れ気味。
でもそれも良い感じ。」と雲さん。
tommyさんはこの曲だと「グレンミラー物語」に行っちゃうそう。
「この映画は出演者全員が本当に楽器を演奏しているのが凄くて、
ここまでできればいい。」と雲さん。

tommyさん選曲。
ここまで2曲がゆるかったので、もっとジャズっぽい曲。
サヒブ・シハブ『サヒブズ・ジャズ・パーティ』から《シャレード》

クラブ・ジャズ方面から脚光を浴びることになったアルバムですね。
シハブのアーシーなフルートとラテン・リズムがいい感じです。
なかなか躍動的で踊れる曲。

「これに入っていると思わなかった。リズムが気持ちいい。
ちょっとしょぼい感じがいい。」と雲さん。
「こういうしょぼさもいいかな。へたなハービー・マンみたい。」とtommyさん。

雲さん選曲。
これも映画のサウンドトラックから。
映画はかっこいいが、音だけ聴くとちょっと装飾過剰かな?という演奏。
映画「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」から。
内容もいい映画。オープニングにかかる曲《ジャックのテーマ》

トランペットのミュートがいい感じのフュージョン曲ですね。
テナーはアーニー・ワッツでしょうか?
ちょっと大甘なので、これだけ聴くとね。
デジタル・シンセの”チャラリン”音もチョロッとあります(笑)。
ストリングスはシンセで出しているのかな~。

「エコー過多、シンセ装飾過剰。」と雲さん。
実はデイヴ・グルーシン他錚々たるメンバー。
ハービー・メイソン、アーニー・ワッツ、ブライアン・ブロンバーグなどが参加。

tommyさん選曲。
映画「タクシー・ドライバー」から。
《タクシー・ドライバーのテーマ》
こちらもエコーがかかっているけれど、さっきよりは気にならない。
トム・スコットのアルト・サックス。

映画音楽にはフュージョンが似合います(笑)。
こちらにもミュート・トランペットが参加。
この手のサウンドは取り出して聴くとちょっとね~。
フュージョンとしては一流です。
そうか~、映画のサウンドトラックってB.G.M.ですよね。
”フュージョン=B.G.M.”
路線ってサウンドトラックから始まったのかも?

雲さんはこの辺リアルタイムではないそう。
tommyさんによるとめちゃくちゃ売れたそうです。
普通シングルでは買わないけれど、これはシングルも買ったとか。
そのシングル、tommyさんからプレゼントされて、私のところにあります。
「エコーのかかり方が映画。」と雲さん。

雲さん選曲。
映画「ラウンド・ミッドナイト」から。
ボビー・マクファーリンのボーカルがあるからこの映画の幕開けに相応しい。
《ラウンド・ミッドナイト》

ボニー・マクファーリンのトランペットを真似たボイス(スキャット)が面白いです。
この人は歌を超えたボイスで話題になった人。
新生ブルーノートで大々的に売り出したのに今はどうしているんだろう?
こちらは一流のジャズです。続くピアノ・ソロもいい感じでした。
このバスドラはトニー・ウィリアムスでしょうか?

「ピアノはtommyさんが好きなハンコック。凝ったピアノ・バッキングをしてる。」
と雲さん。
何の予備知識もなしに初めてこれを聴いた雲さんは
最初の声のような感じのトランペットの音が不思議に感じたそうです。
「音楽もいい映画。」とtommyさん。
ジャズの大物もたくさん出ているそうです。

tommyさん選曲。
新しいアルバムで去年出たアルバム。B級のやつ。
デヴィッド・ニューマン『ザ・ブレッシング』から《アズ・タイム・ゴーズ・バイ》

なるほどすすり系の渋いテナー。
こういう寛いだ演奏もいいですよね。
”ボーッ”とジャズの雰囲気に浸るには最高です。

「ムード・ミュージックですね。」と雲さん。
「BGMでした。」とtommyさん。

雲さん選曲。
わりと新しめの演奏。ミッシェル・ルグランの《シェルブールの雨傘》
守屋純子さんが弾くとどうなるか?アルバム『プレイグラウンド』から。

ピアノ・ソロですね。
色々工夫が凝らしてある演奏。
何か格調高くなっていますね。
こういう演奏は寺島靖国さんとかが嫌うのです(笑)。
そこを良しとするか悪とするか?
私は悪いとは思いませんが、良いかと言われるとちょっと微妙かな?

「ショパン風。」と雲さん。「クラシックでしたね。」とtommyさん。

ラストは雲さんのリクエストを最初にtommyさんがかけたアルバムから。
日本未公開映画。雲さんが聴きたいと言った曲。
《L'Histoire De Pierra(愛の遍歴)》
スタンゲッツとエディ・ルイスの組み合わせでやっています。

これは渋いな~。
枯れまくったゲッツのテナーにほのかにルイスのオルガンが被さります。
雰囲気ありまくりの演奏。

「これいいな~。切ない。締め付けられる。」と雲さん。

「シネ・ジャズは難しい。年代が違うと見た映画が違う。
自分の見た映画からなので、選曲範囲が狭められる。」とtommyさん。
今日、tommyさんは35年探した曲がかけられたからいいそう。
雲さんはスイングガールズをかけられたからいいそう。
お二人は男の本懐?を遂げられたそうですよ(笑)。

いや~っ、映画をほとんど見ない私は、
今日話題に上った映画を全て見たことがありません!
お二人の思い入れトークが一番楽しかったです(笑)。

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ポール・モーリアの次がABBAだったのです。

しばらく前に最初に買ったLPレコードがポール・モーリアであると書きました。
その次に嵌ったのがABBA(アバ)です。
本当は2番目の”B"の向きが反対。左右対称なロゴでした。
最初に買ったアルバムは『グレイテスト・ヒッツ24』

まずはABBAと言えばこれでしょう。日本で大ヒット!
《ダンシング・クイーン》

スウェーデン出身の男女グループ。
ビョルン&ベニーという男性デュオに女性二人が加わってABBAを結成。
ABBAは名前の頭文字を並べたものです。

ANNIFFRID LYNGSTAD(アンニフリッド・リングスタッド)茶髪女子
BENNY ANDERSON(ベニー・アンダーソン)ピアノ男子
BJORN ULVAEUS(ビョルン・ウルヴァース)ギター男子
AGNETHA FALTSOG(アグネッサ・フォルツホッグ)金髪女子

活躍当時、ベニーとフリーダ、ビョルンとアグネッサは結婚していて、
その後、離婚しています。
結婚はファミリーチームとして売るための戦略の匂いがしますね。

中学生になった頃の私にとっては、スウェーデンや名前の読みにくさは
ちょっとしたカルチャー・ショックでした(笑)。
ビジュアル的にはオバサンとオジサン(笑)。歌がよければそれでよし!

英語を勉強し始めた頃なので、英語の歌詞もかなり覚えました。
今でも口から出てきます。
あの頃の記憶力は素晴らしい。今はもう全然覚えられません(涙)。

私が好きだっだ曲の筆頭はこれ。《ザッツ・ミー》

当時からこういうメロウな哀愁メロディーが好きだったわけで、
それは今も全く変わりません(笑)。

衣装を見ると”和”も感じさせますよね。
アメリカで売るための”異国情緒”風味なんだろうと思います。

今こうしてABBAを見ていると、当時大ヒットした日本の”ピンク・レディー”への
影響が見てとれます。
ピンク・レディーの《ウォンテッド》の衣装がABBAのパクリだったのは有名。
一部のABBAファンから顰蹙をかったらしいです。
《マネー・マネー・マネー》

これです。ミニスカートではありませんがこれはパクリでしょう。
当時ABBAの衣装を参考にしていたのはピンク・レディーも認めているとか。

でも影響は衣装だけにとどまっていなかったようにも感じます。
《S.O.S.》という名前の曲はピンク・レディーも歌っています。

ピンク・レディーはこのサイド・スリットのミニスカ衣装も参考にしてますよね。
それにしてもこの衣装はダサい(笑)。《ウォータールー》

ピンク・レディーはABBA同様トータルでのエンターテインメントを
目指していたのではないかと思います。
発想がそれまでの単なるアイドル歌手とは違っていたと思うのです。
なので、当時似たようなアイドル・グループはたくさんあっても、
ピンク・レディーのような売れ方をしたグループはなかったのだと思います。

その後ピンク・レディーがアメリカへ行ってそこそこ活躍したのは、
上記のようなエンターテインメント志向によるところがあり、
アメリカでのABBAの成功というのがあってのことなのかもしれません。

私はアルバム『ヴーレ・ヴー』まで聴いてABBAを卒業。
その後が”JAPAN”や”Y.M.O.”と脈絡のない展開となるのです(笑)。
《ヴーレ・ヴー》

この頃になると衣装もかなり改善されました(笑)。

『ヴーレ・ヴー』1曲目のこれが好きでした《アズ・グッド・アズ・ニュー》

リズミックで明るさの中にほのかな陰りがある曲。

紹介したい曲はたくさんあるのですが、キリがないのでおしまい。

それにしても、当時見ることができなかった映像が
今簡単に見られるというのは感激もの。

Voulez Vouz Music Voulez Vouz

アーティスト:Abba
販売元:Polydor
発売日:2002/02/01
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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この曲が懐かしいのだ!

我々40代後半の人は特に懐かしいだろうこの曲!

まずはNHK-FMで午後4時からやっていた「軽音楽をあなたに」のテーマ曲。

スタッフ《いとしの貴女(あなた)》原題は《マイ・スウィートネス》。

リチャード・ティーのトレモロをかけたフェンダー・ローズが美しい。

番組は月~金、夕方4時~6時にやっていました。

学校から帰ってきてこの番組を聴いていたのです。

この曲を聴くとなぜか胸が”キュン”となります。

当時はまだ”FMエアーチェック”全盛期。

”FMエアーチェック”というのはFMラジオの番組を

ラジカセやステレオでカセットテープに録音することです。

「FMレコパル」「FM fan」など番組表が載った雑誌が売れていました。

もちろん私も買っていましたよ。

番組を録音とは言っても、かかった曲を録音するわけです。

「軽音楽をあなたに」はNHKの番組なのでCMがないので安心して聴けました。

甲府の場合はFM東京がほとんど入らないので、FMはNHKのみ。

民放なんてもちろんありません。

ないならないなりにやっていけた当時が懐かしい。

続いてシャカタク《ナイトバーズ》

当時爆発的なヒットを記録し、しょっちゅう耳にしました。

この曲は哀愁のメロディーが素晴らしいの一言に尽きます。

ビル・シャープのアコースティック・ピアノによる旋律が特に印象的ですね。

ラストのピアノ・ソロがもう少し長いのが本バージョン。

これはベスト盤に収録されていた短縮版のほうだと思います。

大みそかにやっていたNHK-FMの年末カウントダウン番組で、

この曲を自分の部屋で一人で聴いていた思い出があります。

その時家族は居間で紅白歌合戦を見てました。

B.G.M.フュージョンだとは思いますが、この曲は特に好きでした。

最近、私のブログへのアクセス数がちょっと増加したみたい。

ず~っと、増えなかったのにどういうことなのでしょう?

まっ、より多くの方に見ていただけることはとても嬉しいことです。

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ビール会社が作ったジャズ・アルバム

現代ハードバップが聴きたくて買ったアルバム、新譜紹介です。

P68 『ザ・ブラザー・セロニアス・クインテット』(2009年rec. NCBC MUSIC)です。メンバーは、ヘレン・サング(p)、アラン・ハンプトン(b,vo)、ジェームス・オルサンダーズ(ds)、ウェイン・エスコフェリー(ts)、アンブローズ・アキンムシーレ(tp)、グレッチェン・パーラト(vo、1曲のみ)です。

「ブラザー・セロニアス」はビールの名前とのこと。ジャケットはそのビールのラベルらしいです。このアルバムはそのビール会社が制作したアルバム。セロニアス・モンクへのトリビュート・アルバムですが、メンバーのオリジナルも4曲入っています。

メンバーは全員非営利の教育団体「セロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズ」の卒業生。ヘレン・サング、ウェイン・エスコフェリー、アンブローズ・アキンムシーレはリーダー・アルバムを出していますよね。私もヘレン・サングのアルバムは持っています。私にとって今回のお目当てはトランペッターのアキンムシーレ。原田和典さんや益子博之さんが推薦するトランペッターで、この人が参加しているとついつい買いたくなってしまいます。

モンクの曲が6曲、サング、エスコフェリー、ハンプトン、アキンムシーレがそれそれ1曲ずつ提供して、計10曲が収録されています。モンクの曲は全てサングのアレンジ。メンバー・オリジナルはそれぞれ作曲者がアレンジしています。

サングのモンク曲アレンジは新しさを感じさせるものの、尖ったものはなく小粋なものになっていると思います。ピアノ・トリオとサックス・トリオの演奏も1曲ずつあります。メンバーは腕達者なので演奏のクオリティーは高いです。ただ一方でメンバー一丸となって燃えるような演奏というのはなく、熱いブローもあるのですが全体的には比較的こじんまりまとまているような気がします。

モンクの曲はそれなりにいい出来として、私はメンバーのオリジナルが結構気に入りました。サング作のモーダルでクールで微哀愁漂う曲《ブラザー・セロニアス》。エスコフェリー作の熱いブローが映えるモーダルでスピリチュアルな曲《カーペ・ディム,ヴィタ・ブレヴィス》。ハンプトン作の長閑でフォーキーで優しい曲《ヘイルーム》。アキンムシーレ作で自身のトランペットがクールに歌い上げる郷愁感溢れるワルツ・バラード曲《ヘニャ》。皆いい曲と演奏です。

ラストの《アグリー・ビュティ/スティル・ウィー・ドリーム》が素晴らしい出来だと思います。サングのピアノだけを伴奏にグレチェン・パーラトのニュアンス溢れるボーカルで始まり、途中からアキンムシーレがトランペットで優しく寄り添ってくる展開は聴いていて”ゾクッ”とします。後半のピアノとトランペットのデュオも情感豊かです。このバラード演奏を聴いてアキンムシーレに惚れ直しました。この3人でアルバムを作ってほしい!

結局上記の5曲が私のオススメで、間のモンクの曲はまあいいんじゃないという感じになってしまいました(笑)。メンバーの中ではやっぱりアキンムシーレの出来がいいように私は感じます。ベースのハンプトンの強靭でドライブするベースも良いと思います。

ちょっと散漫な感じがなきにしもあらずですが、なかなか良い出来だと思います。

アルバム名:『THE BROTHER THELONIOUS QUINTET』
メンバー:
Helen Sung(p)
Wayne Escoffery (ts)
Ambrose Akinmusire (tp)
Alan Hampton (b, voice)
James Alsanders (ds)
Gretchen Parlato (vo : truck 10)

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ということで超マイナーなこれ。

こんなのもありますということで、興味がある方はどうぞ。

P67_2 マニュエル・メンジス・グルップ6『ダルシト・クラッシュ』2008年rec. hatOLOGY)です。メンバーは、マニュエル・メンジス(tp)、レト・スーナー(as,a-cl)、ローランド・フォン・フルー(ts,b-cl)、フロ・ストッフナー(el-g)、マーセル・スタルダー(el-b)、ライオネル・フリードゥリ(ds)です。カタカナ読みは参考程度。スイスのコンテンポラリー・ジャズ・グループです。このグループの3枚目のアルバム。

ハットロジー・レーベルのジャケットは白黒写真にオレンジ色の字で統一されていて、ジャケットを見ても内容が全くわからないのがポイント(笑)。中には難解系のフリー・ジャズが含まれていて、どうも近寄り難いものがあります。千数百枚CDを持っている私ですが、このレーベルのCDはたった3枚しか持っていないのです。このCDとこのグループのファースト・アルバムとジョン・ゾーンの『ニュース・フォー・ルル』の3枚だけ(笑)。

今回このCDを買ったのはファースト・アルバムを聴いて良かったからです。とはいうものの、実はいつものディスクユニオン通販特価セールで購入(笑)。サウンドとしては躍動的な8ビートを基調としたロック的な演奏。エレクトリック・ギターがチープな感じでガレージ・ロックの匂いを漂わせています。全曲リーダーのメンジスが作曲。トランペットが3管をリードする構成が多く、曲によってサックスやギターのソロが入ります。

単純なテーマでソロを回す演奏というよりは楽曲重視。バラードでは哀愁漂うメロディーをトランペットが切々と歌い上げつつ熱く展開していきます。中にはギターがかなりロックしつつ、3管がフリーな咆哮をするアグレッシブな曲もあります。メンジスのトランペットは音色・奏法ともにデイヴ・ダグラス似。サックス陣もテクニシャンでソロになれば熱くブローしています。今時の無機的な部分が少ないのも良いところです。

スイスのグループなのですが、何の予備知識もなければアメリカのグループに聴こえるはずです。ロック・テイスト濃厚なコンテンポラリー・ジャズとしてはなかなかの出来だと思います。

アルバム名:『Dulcet Crush』
メンバー:
Manuel Mengis(tp)
Reto Suhner (as, a-cl)
Roland von Flüe(ts, b-cl)
Flo Stoffner(el-g)
Marcel Stalder(el-b)
Lionel Friedli(ds)

またパソコンの調子が悪いよ~。
3か月前に起きた現象が再現。一体なんなんだろう。
またリカバリーしなきゃならないのか?憂鬱です(涙)。

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分る人には分るし、分らない人には分らない?

私がアルバムを紹介するとき、基本的には読む相手が誰かは想定しません。そもそも私が想定して紹介したって、相手がどう受け取るかわからないからです。こちらの想定を押しつけてもしょうがないと思っています。メジャー/マイナーもあまり関係ないです。それより私のブログをたまたま見てくれた方が興味を持ってくれたらそれで良いのです。ブログなんてそういう緩い情報発信で良いと思っています。

そこから何かコミュニケーションが発生すれば良いのだと思います。別にコメントをもらはなくても私のブログを読んで、「お前の言うとおりだ。」「お前の言うことは間違っている。」と思ってもらえればコミュニケーションは成立していると思います。そこから緩い広がりができていけば良いではありませんか?

紹介の仕方も好き嫌いはもちろんありますが、それよりここにある音楽の内容を伝えたいと思っています。私がカッコいいと感じているところはどこなのかを伝えたいのです。一応客観的になるように(ん?結構主観は入り込みますが、笑)伝えたい気持ちはあるので、単なる感想とも違うじゃないかと思います。批評というほど分析的な視点もありません。そもそも世の中曖昧な物だらけなんですから、無理に白黒つける必要はないと思いますよ。適当でいいんじゃないですか?

そしてカッコ良さを伝えたいのですから、自ずとカッコ悪いものを伝える度合いは減ります。ないとは言いません。カッコ悪いものを紹介してもしょうがないと思うのですが・・・。私にすれば、カッコ悪いものをウダウダ言うこと自体がカッコ悪いしめんどくさいです。カッコ悪い/嫌いなことを考えるより、カッコ良い/好きなことを考えるほうが体にもいいと思いますよ(笑)。

なお、私がカッコいいということが全ての人にとってカッコいいとも思いません。でも、不思議と同じようなカッコ良さを感じる人はいるもので、例えば”ジャズのカッコ良さ”、分る人には分るし、分らない人には分らないものなのです。これが何なのか?説明するのは難しいです。皮膚感覚です。何だかよく分らないけれど、カッコ良さが伝わっていけばいいんじゃないでしょうか?

まっ、あんまり考えずに適当にブログをやっているということですな。
もちろん今回も誰が読むかなんて想定していませんよ(笑)。
また戯言を書いてしまいました。駄文ご容赦。m(_ _)m

高野雲さんから私の記事をフォローする長文コメントをいただきました。
「コメント」をクリックして是非ご一読を。

お口直しにはマイルスの『ビッチェズ・ブリュー』でもお聴き下さい(笑)。

色々出ますね~。私はオリジナル盤を持っています。自慢(笑)!

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ジャズ喫茶「いーぐる」後藤雅洋さん登場!

今回の「高野 雲の快楽ジャズ通信」
「ジャズ喫茶いーぐるマスター後藤雅洋氏を迎えて」
後藤さんの新刊本『一生モノのジャズ名盤500』にまつわるトークです。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

売れ行き好調とのことで、早くも重版になったそうです。
多くの方に読んでほしい本です。

いよいよ「快楽ジャズ通信」も今月9月分の放送4回を残すのみ。
終了してしまうのは残念ですがしょうがありません。
雲さん、tommyさん、お疲れ様でした。

今回の放送、tommyさんがUSTREAMで既にほとんどそのまま流しました。
音楽はかけなかったのですが、今思うにそのまま流して大丈夫だったのかな~?

いや~っ、かけた曲はたったの2曲。
ひたすらトークなので、私の速記では追いつけません(涙)。
エッセンスは何とか入っているだろうと思います。
最初より後半のほうが調子が上がり、取りこぼしは少ないと思います。

冒頭いきなり「怖い先輩が来ちゃったね~。」と雲さんとtommyさん(笑)。
20年以上前、雲さんはジャズ喫茶「いーぐる」でバイトしていました。
tommyさんはご自分のジャズ喫茶「スコット・ラファロ」をオープンする時に
後藤さんからアドバイスをいただいています。
後藤さんの読者が活字から受ける印象は硬派な頑固マスター。
今日は生の声を聴いて本当の姿を知ってほしいそうです。

まずは新刊本の話。
日々営業でお店でかけている曲からセレクト。
聴いた感じをポイントにして分類。
お店に来る普通のお客さんは聴いた感じでカテゴライズしているそう。
ジャズ喫茶の選曲はあるプログラムに基づいていて、
その基準になっているのが”聴いた感じ”。
選曲プログラムについて説明していましたが、聞きとりが追いつかす。
といいうわけで、後藤さんの本「ジャズ選曲指南」を参照願います。

今回、”聴いた感じ”を18に分類。
ジャズ・ファンの悩みは、多いジャズアルバムから何を選んでいいか分らないこと。
で、解決策として18分類を一通り聴いたうえで、自分の好みをみつけていただく。
18分類の代表の1枚は極々代表的なアルバムです。
一方で気に入った分類から聴いて行けば横の並びがみつかる。

ジャズを聴き始めた人は効率的に好きなアルバムをみつけることができます。
お金的にも時間的にも節約できます。
今までありがちな人物分類や年代分類と違うのが今回の工夫です。
ジャズ喫茶の選曲のノウハウをジャズを聴き始めた人のガイドラインに生かす。

最初の章は「これがジャズだ!」そこからかけます。
アート・ブレイキー『バードランドの夜』から《クイック・シルバー》
今回は曲を聴いての感想は書きません。

店でよくかかるそうです。
分りやすくて演奏もいい。
普通の人がジャズに抱くイメージ。

tommyさんによると本の帯にあるアルバムが「いーぐる」でかかっていたそう。
「人にかけてもらうのがいいのよ。」とtommyさん(笑)。

後藤さんがジャズを聴き始めた頃の話。
「高校生の時に初めて聴いて今でも聴いている。飽きずに長く聴いているよね。」
と後藤さん。
大学時代にジャズ喫茶を始めたそう。
普通はジャズ喫茶のオヤジは自分の好みばかりかけることになるが、
後藤さんは当時まだジャズを良く知らなかったので、
最初はお店にたむろしていたジャズ・マニアにアドバイスをもらい。
次の段階ではジャズ喫茶のオヤジの集まりで鍛えられたそうです。

ジャズ喫茶のオヤジ同士で飲みに行った時など、
かかっている曲に「これは誰か?」と後藤さんは質問されたそう。
当時のジャズ喫茶のオヤジ達は
「ブラインド(フォールド・テスト)をできないやつはジャズ喫茶をやるな。」
というようなプライドがあったそうです。
そういうのは本を読んで得た知識ではなく聴いて分ること。
後藤さんはかなり聴きこんで勉強したとか。
「知識ではなく感覚の問題。注意深くよく聴きこまないとダメ。」と後藤さん。
そういう聴き方をしたからジャズが好きになったんではないかとのことでした。

オーディオ・ブームの話。
後藤さんはオーディオ・マニアだが、店は自分好みにチューニングしていないそう。
好みのマクリーンが良く鳴るようにするとECM(レーベル)がよく鳴らない。
ブルーノート(レーベル)がよく鳴るようにバイアスをかけたりしないそうで、
ブルーノートもECMも程々に鳴るようにして、
後はお客さんが自分の耳にバイアスをかけて聴いてもらうようにするそうです。

アナログとCDも両方そこそこ鳴るようにしているとのこと。
「「いーぐる」ではCDとアナログの差があまり変わらない。」とtommyさん。
後藤さんはそこに凄く気を使っているそうです。

今はあまりやっていないが、昔はオーディオに凄く気を使ったそう。
スピーカーの裏の空間に置く物の量によって音がかわるので、
置く物の量を調整したりもしたそう。
後藤さんは機材マニアではないそうです。
「オーディオというのは実際は使いこなしで決まる。」と後藤さん。
CDプレーヤーの下のボードを2枚重ねてボンドで貼りつけたりしているそうです。
1枚から2枚にすると全然音が違うんだそうで、
ボンドが固まる過程でも音が変わっていったそう。
「オーディオはそういう繊細なもの。」と後藤さん。

最近「いーぐる」の床を張り替えたら凄く音が変わったそうで、
最初は「何だこりゃ?」という音になったそうですが、今は落ち着いたとか。
その際、スピーカーのアッテネータはかなり調整したそう。
「オーディオは手間暇がかかる。根気が必要。」と後藤さん。
一度に何か所も変えずに、一か所ずつ変えるのが肝心。
スピーカーのアッテネータは3つあるが、1個づつ変えて何日か様子をみて
メモも取って調整したそうです。

チェック用のCDはあるそう。
この本の中にはそういうチェック用CDはないとのこと。
チェック用としてはブルーノートのハードバップ、ECM、エレクトリックもの。
エレクトリックは、ウェザーリポートやマイルスの『ドゥ・バップ』。
『ドゥ・バップ』では低音のダンピングを確認するそうです。
このアルバム夜中に大音量でかけるとガラスが”ビリビリ”鳴るほど凄い低音。
あんまり低い方まで伸ばすとダンピングが悪くなるそうです。。
『ドゥ・バップ』がいいとチャーリー・ヘイデンのベースが上手く鳴らないとか。
バランスが難しいそうです。

ここで曲。名盤中の名盤。
「これが気に入らなかったら他の音楽を聴いたほうがいい。」と後藤さん。
ウェス・モンゴメリー『フル・ハウス』からタイトル曲

tommyさんから後藤さんに質問。
tommyさんのお店「スコット・ラファロ」はセッションをできるようにしているそうで、
そうすると楽器をやる人が来るが、アルバムはあまり聴かないんだとか。
「「いーぐる」はライブが出来る広さなのにやらないのはなぜ?」とtommyさん。
「それは役割分担。ライブはライブハウスでやればいい。」と後藤さん。

「ライブに来てくれるお客さんは普段お店にきてくれない。」とtommyさん。
「ライブ・ファンとアルバム・ファンは違うからね。」と後藤さん。
「どちらかに偏るのはよくない。要はバランス良く聴くことです。」と続けます。
「CDを聴いてジャズの聴きどころが分ったうえでライブを観てほしい。」
とtommyさん。

「いーぐる」はライブはやっていないがイヴェントはたくさんやっています。
「「連続講演」はある意味ライブ。」と雲さん。
毎週やっていてもう17,8年続いているそうなので凄い回数をやっているそうです。
最初は自分で始めて、途中からは色々な方に依頼しているそう。
目的は若手評論家を育てることと自分も勉強するためとのこと。

雲さんは2度やって凄く緊張したそうです。
「レベルが高いですよね。」と後藤さん。
講演をやるとジャズレベルがバレてしまうそうですよ。
講演者は最初は緊張するが3回もやればレベルが上がるとのこと。
「やるほうも聞いている方(お客さん)や私も勉強になる。」と後藤さん。
情報発信はジャズ喫茶の役目でもあるそうです。
中にはダメだしする場合もあるそうで、
何を言ってもかまわないが、分る説明をしてほしいとのことでした。

「いーぐる」では昼間は私語禁止。
「ジャズを聴く張りつめた空気がある。」と雲さん。
後藤さんによれば、仕事をさぼって来ているような人も、
時々アルバムを手にとったりして、ただ流し聴きをしているだけじゃないことが
分ったりするそうです。

「そんなジャズ喫茶「いーぐる」へ行きたいけれど行けない地方のファンは
『一生モノのジャズ名盤500』を読んで気分を味わってほしい。」と雲さん。

今日の番組、私にとってはいつもの後藤さんでした。
昨日もお話してきたばかりですからね。
面白い話をたくさん聞くことができました。
ありがとうございました!

今日は怒涛の3回更新。疲れました。明日は更新を休みます。

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東京JAZZ CIRCUITも観てきました。

ジャズ喫茶「いーぐる」を出た私が向かったのは東京JAZZ CIRCUIT
”東京JAZZ”の一環で無料でジャズが楽しめるイヴェントです。
東京国際フォーラム地上広場丸ビル1Fマルキューブで行われています。
私が向かったのは東京国際フォーラム地上広場。
事前にネットでプログラムを見ていたもののよく覚えていないまま向かいました。

東京駅から歩いて会場へ。
7時間近だというのに暑い!
会場に到着するとピアノ・トリオが演奏していました。
ピーター・ビーツ・トリオがラストの曲を演奏中。
アッというまに終了。残念!

P62ここで行われていたのはネオ屋台村スーパーナイトの
「ダッチ・ジャズ・ガーデン2010」
ドイツのジャズマンが演奏するイヴェントです。
次の演奏を掲示板で確認。
40分ほど間が開くので会場をブラブラ。

P63上記写真のようなスクリーンとステージがありました。
これにはホールでのライブが映し出されたりするのかな?
ネオ屋台村は老若男女でご覧のような賑わい。
お祭り気分はいいものです。
お腹がすいたので焼きサバどんぶりを食べハイネケンを1杯。

P64 そんなことをしていると次のステージの開始時間。
ヨーロピアン・ジャズ・トリオです。
日本の普通のジャズ・ファンや
「たまにはジャズでも聴いてみようか。」な人達にはピッタリ。
ステージ前には椅子も用意されているのですが、
並ぶのが面倒だったので私は立ち見。

P651曲目からポップな曲でした(タイトル失念)。
スインギーな演奏が続きます。
ジャジーで快適快適。
合間にはマーク・ヴァン・ローンの日本語も交えたMC。
ファン・サービスも忘れません。
バラード演奏中にステージ後ろを救急車が走る一幕も。
会場はいい雰囲気に包まれていました。

P66 ラストはビートルズの曲(タイトル失念)。
単なる酔っ払い状態で聴いていたので記憶が・・・(笑)。
終わるとアンコール。
アンコール曲は?
アルバム『ジャパネスク~日本の詩情』に収録されている
《川の流れのように》。あははっ。
演奏が終わると前の方の数人がスタンディングオベーション!
いいじゃありませんか?気分良く聴いたんでしょうから(笑)。
3人は深々と頭を下げてお辞儀。
こういうイヴェントは気分がいいものです。

「いーぐる」でのマジ聴き vs 野外ライブでの雰囲気聴き
好対照のジャズ・イヴェントを満喫しました。

帰りの電車までに時間が余ったので、新宿タワレコへ。
「いーぐる」で聴いた面白かった3枚はやっぱり売っていませんでした。
タワレコはポイントがつくけれど高いし。
視聴機には私が面白いと思うようなものはないし。
ネット通販で買えば良いのです。
それでも買ったのがゲイリー・バーツ・ントゥ・トゥループの
『アイヴ・ノウン・リヴァース・アンド・アザー・ボディーズ』¥1,100の1割引き(笑)。

ジャスの現在を体験する1日となりました。

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ジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演を楽しむ。

昨日はジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演に行ってきました。

P60_2 秋葉原で買い物を済ませた私はJR四谷駅で降り「いーぐる」へとしばし歩きます。午後3時過ぎ、あっあっ暑い!今年の残暑は厳し過ぎますよね。

今回は「合同新譜紹介イヴェント」。ウェブマガジン com-post のメンバーが勢ぞろいして新譜を持ち寄って紹介してくれるというものです。今回は新趣向としてcom-postクロスレビューで賛否が分かれた2枚のアルバムを聴いての討議もあります。

お店に入って席に着くと、後藤さんから「よく似てるよね。」と声をかけられました。例の「いーぐる」の壁にかっていたCDを、よく似たジャケットの別のCDとして紹介してしまった事件?(笑)の話です。この記事です⇒「味わい深くモダンなサックス・トリオ。」 しばし談笑。

イヴェント開始前に本日かかる曲のレジュメが配られるのですが、そこには全くしらないジャズマンの名前がちらほら。う~む、さすがはcom-postメンバーの皆さん、一筋縄ではいきません(笑)。ちなみにイヴェント前にかかっていたCDはビル・フリゼールの新譜『BEAUTIFUL DREAMERS』でした。いつ聴いても「いーぐる」のオーディオの音は心地いいんですよ。私にとっては妙に安心して聴ける音なのです。

P61 いよいよイヴェント開始。村井康司さんの司会進行です。かけた順序とは異なりますが、かかったアルバムについて軽く紹介しましょう。詳しくは ジャズ喫茶「いーぐる」 の「diary」にUPされると思いますのでご覧下さい。

後藤さんのヒジェイ・アイアと益子さん(欠席、寄せられたコメントを紹介)のジェイソン・モランはこれまで益子さんがやってきた「NYダウンタウンを中心といた新譜紹介」に沿うもので、現代進行形ジャズに詳しいジャズ・ファンならお分りの人達だと思います。

林さんのデヴィッド・シルビアンと村井さんのブライアン・ウィルソンはジャズとは言えないと思いますが面白いものでした。林さんがデヴィッド・シルビアンというのは意外ですが、com-postのクロスレビューで聴いて気に入ったとのことでした。私は「JAPAN」の時からシルビアンは好きで、今回のやつも彼らしい出来だと思いました。

村井さんのブライアン・ウィルソンはビーチ・ボーイズの元リーダー。ガーシュインの楽曲を再創造した話題の新譜です。村井さんがおっしゃった「20世紀のアメリカ音楽がここにある。」というのには納得です。後でタワーレコードに寄ったらジャズ売り場にも置いてありました。

さて、残りの3人が紹介したのが、非常に面白かったです。須藤さんが紹介した現代ニューオリンズ・ジャズ、八田さんが紹介したジョン・ゾーンのツァディック・レーベルのラジカル・ジューイッシュ・カルチャー・シリース、原田さんが紹介したヨーデルを素材にしたジャズ。ニューオリンズ(古臭い)、ラジカル・ジューイッシュ・カルチャー(近寄り難い)、ヨーデル(なんじゃそりゃっ)、私にとってはそんなイメージ。一般の方もだいたいそんな感じではないでしょうか?

いざ曲を聴いてみると皆いいんですよ。上記の特色はあるものの、かけた曲はどれもノリの良いリズムの上で、良いソロが展開され、独自の味を醸しだしたものでした。テイストの差こそあれ、カッコいいと感じているものは3人同じなのではないかと思いました。非常に面白いではありませんか?「いーぐる」に集う皆さんに存在する”ツボ”があぶりだされたように思いました。今回は1曲だけしか聴いていないので、アルバム全体としてどうかよく分りませんが、それでも聴いてみたいと思いましたよ。また普通のジャズ・ファンには想像がつかないと思われるこういうものを見つける臭覚には脱帽です。

今回紹介したものは多くの方の耳に届くようにしていただきたいというのが私のお願いです。ジャズはまだまだ面白い!

com-postで賛否が分かれたブラッド・メルドーの新譜とスティーブ・コールマンの新譜。曲をかけた後の討議では、意見に差異はあるものの、結局意見がある方向に集約されていくように感じました。その集約された問題点を全体のバランスの中でどの程度重視するかが賛否なのだろうと思いました。

今回のイヴェントでの選曲。全部とは言いませんが、極一般のジャズ・ファンと少し乖離があるな~ということも素直な実感です。悩ましい。

とても楽しいイヴェントでした!

お店の打上げにも参加させていただきました。私はここまでで皆さんとお別れ。
「東京jazz circuit」を見にいくことに。6時半だというのに外は暑い!

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今日は東京で遊んできました。

今日はジャズ喫茶「いーぐる」の”「com-post」プレゼンツ、秋の新譜試聴会”へ行ってきました。私なんか想像もしていなかった新譜がいくつかかかり、それが皆カッコいいという嬉しい収穫がありました。明日レポートします。

さて、せっかく東京へ行くんだからということで、「いーぐる」へ行く前に秋葉原で買い物をしてきました。

P154 私は自作した真空管アンプをいくつか持っています。先日、そのうちの1台R120PPアンプがとうとう故障してしまいました。真空管の1本から火花が!異常放電を起こしてしまったのです。古い真空管を結構長時間使ったので寿命がきたのでしょう。いい音でお気に入りの一台だったのに(涙)。

さて、故障した真空管を交換すればいいのですが、このR120は結構高価なのです。15年くらい前に買った時はペア¥46,000でした。それに最近ではこの真空管を売っているのを見かけません。もう十分楽しんだからということで、違う真空管を使ったアンプに組み換えることにしました。出力管だけを変えて他の回路はそのまま使えるようにします。

色々検討した結果、6L6GCにすることにしました。R120から6L6GC。真空管好きならわかると思いますが、フランス料理フルコースからカレーライスになったような感じです(笑)。それくらい俗な真空管に変えるということです。

P59_2 というわけで、秋葉原の「クラシックコンポーネンツ」で6L6GCを購入してきました。色々と悩んだ挙句、これがまた安い球を買ってしまいました(笑)。electro-harmonix(EH)ブランドの現行普及品。セールで1割引き。ペア2組で¥6,480也(プッシュプルステレオアンプなのでペア管2組が必要)。出力管のお値段は¥92,000から¥6,480になってしまいました(笑)。

真空管の変更に伴って交換が必要な部品はカソード抵抗。ここにはデールの巻線抵抗をおごります。「オーディオ専科」で購入。どちらのお店も昔はしょっちゅう買いに行っていました。両店は真空管アンプ自作派を支えてくれている数少ないお店なのです。

ついでに秋葉原にある真空管パーツのお店をパトロール。一応全店健在でした。「キョード」が「東京ラジオデパート」内に移転していました。昔「鈴蘭堂」があった場所です。その他、新しいビルが完成していたり、ミツウロコビルが解体されてしまっていたり、秋葉原はどんどん変化しています。

電気街秋葉原、好きな街です。真空管関連のお店には頑張ってもらいたいです。

気分良く買い物を済ませた私はジャズ喫茶「いーぐる」へと向かうのでありました。

う~ん、東京は暑いです。汗が噴き出します。

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ユーロジャズもなかなか良いのです。

何の脈絡もなく適当にアルバムを紹介するのが好きです。
FM東京の山下達郎さんのラジオ番組「サンデーソングブック」で、特にテーマを決めずに放送する時にやっている「棚から一掴み」みたいな感じ。CD棚から適当に掴んで紹介するんです。

P58_2 アルド・ロマーノ『コーナーズ』(1998年rec. Label Bleu)です。メンバーは、ミッシェル・ベニタ(b)、ティム・ミラー(g)、マウロ・ネグリ(cl)、ロニー・パターソン(p)、アルド・ロマーノ(ds)です。タイトルから想像できるように、様々な国々の街角を想像させる曲を収録したアルバムです。ジャケットの半分が東京の街というのが興味深いですね。”ファミリア”(マツダの自動車名)の文字がみえるところからすると昭和の写真。

このアルバムを買ったのは杉田宏樹さん著「ヨーロッパのJAZZレーベル」を読んだから。ヨーロッパのジャズに全く疎かった7,8年前、私はこの本を読んで色々情報を入手しました。

いきなり街角で語り合う人々の声から始まります。いかにもヨーロッパな哀愁感が漂う曲からスタート。クラリネットとギターの響きがエレガントに響きます。ネグリのクラリネットはさすがヨーロッパと言える音色と鳴らしっぷり、基礎がしっかりしていないとこうは鳴らせないでしょう。クリーンで力強いです。

ミラーのギターは結構ブルージーな感じで、ジョン・スコフィールドから灰汁を取り除いたような感じです。結構聴く人の耳を惹きつけるものがありますよ。パターソンのピアノは端正でしっかりした響きです。ベニタのべースはガッチリ。ロマーノは緩急自在でフレキシブルなドラミング。雰囲気作りが上手です。

かなりの部分が作曲されていると思わせる曲は映画のサウンドトラックのようです。一方アドリブ重視の曲も入れているところがジャズ度を高めています。ジャズ度の高いものからエスニック・サウンドまで、緩急織り交ぜて短めの曲が15曲収められています。続けて聴いても飽きないですよ。まるで世界の街角を旅しているような気分になります。

クラリネットとギターの2フロントは決して柔にならず、しっかり主張をしているところがいいです。演奏を聴かせるということを心得たパワーがあります。ちょっとフリーがかったかなり激しい演奏もあります。そこからは、単なる雰囲気抒情演奏を収めただけの軟弱アルバムではないことがわかっていただけると思います。しっかり作られたコンセプト・アルバムです。

ジャズは全世界へ波及しました。アメリカのジャズだけがジャズではないということを知るには面白いアルバムだと思います。ラベル・ブルーというフランスのレーベル。苦手な人もいるみたいですが、私は結構好きなレーベルです。

アルバム名:『CORNERS』
メンバー:
MICHEL BENITA(b),
TIM MILLER(g),
MAURO NEGRI(cl),
RONNIE PATTERSON(p),
ALDO ROMANO(ds)

明日はジャズ喫茶「いーぐる」の新譜特集へ出かけます。
暑いんだろうな~明日も(涙)。

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やっぱりホランドはいいですね。

これも今更ながらのデイヴ・ホランドの新譜です。
やっぱりホランドの新譜はさすがの出来です。
ディスクユニオン円高還元セール(既に終了)で購入。

P57 デイヴ・ホランド・オクテット『パスウェイズ』(2009年rec. Dare2 RECORDS)です。メンバーは、アントニオ・ハート(as,fl)、クリス・ポッター(ts,ss)、ゲイリー・スマリアン(bs)、アレックス・”サシャ”・シピアギン(tp,flh)、ロビン・ユーバンクス(tb)、スティーブ・ネルソン(vib,Marimba)、デイヴ・ホランド(b)、ネイト・スミス(ds)です。精鋭メンバー集結。ニューヨークのバードランドでライブ録音しています。音質がこもり気味なのが残念。もう少しクリアに録ってほしいところです。

前作『パス・イット・オン』はトランペット、トロンボーン、サックス(アントニオ・ハート)のフロントにピアノ・トリオというセクステットでした。今回はバリトン・サックスを加えクリポタが復帰しピアノを排してヴァイブラフォンが復帰という構成。実は『パス・イット・オン』は買っていなかったので、今回慌てて注文。やっぱり聴いておく必要はありますね。

収録曲はホランドが5曲、クリポタが1曲、シピアギンが1曲の計7曲で、曲によって3人くらいがソロをとっています。5管の厚いハーモニーを生かした曲構成と間に挟まれる各人のソロが聴きどころです。ヴァイブが作り出すクールネスと浮遊感が良い香辛料として作用していると思います。ホランドは真ん中でガッチリ支えつつバンドをリード。スミスの多彩で瞬発力のあるドラミングが演奏をグイグイとドライブさせる様は圧巻。

1曲目《パスウェイズ》はホランド作。ちょっとミステリアスな雰囲気でサビは広がりを感じさせる展開の6/8拍子曲。ホーン・アンサンブルはバリトン・サックスがリード。そのままスマリアンの熱いバリトン・ソロ、ホランドの曲のイメージを膨らませるソロ、シピアギンのキレのあるトランペット・ソロが続きます。

2曲目《ハウズ・ネヴァー?》もホランドの曲。ベース・ソロからベースとドラムのデュオへの導入部がブルージーでカッコいいです。お得意の変拍子。ハートの力強いアルトが徐々に盛り上がって咆哮する展開はなかなかです。ホランドのソロ~スミスとの掛け合い~スミスのソロへの展開では鋭いレスポンスとパワーのドラムが爽快。カッコいい曲です。

3曲目《シー・オブ・マーマラ》はクリポタの曲。ゆったりした牧歌的なバラード。ホーンの絡みの上でクリポタがソプラノ・サックスで奏でるメロディーは美しいです。そのままソプラノのソロへ。やっぱりクリポタのソロの構成力は素晴らしいですね。続くのは曲の美しさを生かしたヴァイブ・ソロ。この曲は何となくハービーの《処女航海》に通じるものがありますね。いい曲です。

4曲目《エブ・アンド。フロー》はホランドの曲。ラテン調で変拍子のホランドお得意曲。こういう曲調ならもちろんトロンボーン・ソロから。スミスのドラムに煽られてユーバンクスの熱いソロが盛り上がります。続くベース・ソロは骨太。待ってました!ここでやっとクリポタがテナーを持って登場。ウネウネ・フレージングが炸裂。クリポタ・ファンは感涙(笑)。アルバムのハイライトです。

5曲目《ブルー・ジーン》もホランドの曲。ラテン調のバラード。バリトンとヴァイブが怪しげに迫ってきます。《東京ナイトクラブ》って感じです(笑)。それほど下世話ではないですけどね。これがアルバム全体のなかで結構いい感じ。バリトンのまったりソロからシピアギンの品の良いフリューゲルホーンのソロへ。熱さとクールな視線の程よいミックス。続くのはマリンバ・ソロで曲のイメージを上手く膨らませます。この曲はホランドのセンスの良さを表していますね。

6曲目《ウインド・ダンス》はシピアギンの曲。どことなくマッコイの《フライ・ウィズ・ザ・ウィンド》を感じさせますが、もっと落ち着いた曲。フルートがテーマを奏でているのが一因かも。タイトルの”ウインド”繋がりからもわるようにイメージは”風”。モーダルでモダンな響きの曲です。シピアギンのフリューゲルホーン・ソロのバックではスミスがガンガン煽ります。この人のフリューゲルは結構フレディ・ハバートの影響を受けているかも?続いてトロンボーン・ソロ。モダンなトロンボーンがスミスに煽られ燃えます。

ラスト《シャドウ・ダンス》はホランドの曲。エルビン・ジョーンズ風アフリカン・ポリリズムの12/8拍子で後半は4ビート。ハートのアルトが熱く迫ってきます。この人のアルトはかなり気合が入っていて気に入りました。4ビートにチェンジしたところでクリポタ登場。マイケル・ブレッカーから飛躍したテナー・ソロはカッコいいの一言。ラストはスミスのドラム・ソロ。これがまたカッコいいのであります。その後のアンサンブルからエンディングへの流れも素敵。

全7曲、メンバーのソロも上出来でグループとしてのまとまりも秀逸。
これ、ライブ録音ですよ。ホランド・バンドは現代屈指のグループです。
現代ジャズをフォローしている人は必聴でしょうね。

アルバム名:『Pathways』
メンバー:
CHRIS POTTER(ts,ss)
ANTONIO HART(as)
GARY SMULYAN(bs)
ALEX SIPIAGIN(tp)
ROBIN EUBANKS(tb)
STEVE NELSON(vib,marimba)
DAVE HOLLAND(b)
NATE SMITH(ds)

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