スタン・ゲッツはいいな~と思った1枚。
昨日はお墓参りとお盆を迎える準備、今日はお坊さんにお経をあげていただきと、お盆は定例の行事があるため、家でのんびりしています。
7年前、これを聴いてスタン・ゲッツはやっぱりいいな~と思った1枚。
スタン・ゲッツの『ボッサ・アンド・バラッズ ザ・ロスト・セッション』(1989年rec. Verve)です。メンバーは、スタン・ゲッツ(ts)、ケニー・バロン(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、ヴィクター・ルイス(ds)です。7年前に出たゲッツの未発表アルバム。録音当時A&Mの方針で『アパッショナード』制作のために発表が棚上げにされたんだそうです。プロデューサーはトランペッターのハーブ・アルパート。
これを聴くまでは漠然と「ゲッツはいいな~。」と思っていたのですが、これを聴いてやっぱりこの人の表現力は素晴らしいと思うに至ったアルバム。年齢的にこういう落ち着いた演奏がわかるようになったというのもあるかもしれません。私は落ち着いた演奏よりは”ノリノリ”元気な演奏のほうが好きだったのですが、これを聴いた頃からはバラードをじっくり聴くのも悪くないと思い始めました。
力むことなくじっくり吹くゲッツ。だけどそこからは何とも言えない味わい深い情感が溢れているのです。この人の音の持つ説得力には恐れ入ります。ケニー・バロンがまたいいピアノを弾くんですよ。ゲッツにさりげなく寄り添い華を添えていきます。自分のソロになればげゲッツのソロのニュアンスを持続させて聴かせる技も素晴らしいです。ケニー・バロンとのコンビでは後に遺作の『ピープル・タイム』という名作を生み出します。
ベースのムラーツ、ドラムのルイスも大人の心地よいスイングを生み出し、ゲッツとバロンをしっかりサポートしています。この4人では『ヴォヤジ』もありますが、こちらは『ヴォヤジ』から3年後なので、より演奏にまとまりがある気がします。私は冒頭のケニー・バロン作《サンシャワー》とサム・リバース作《ビートリス》が特にお気に入りです。2曲とも極めて美しいと私は思います。
ちなみにこのアルバムがお蔵入りする原因となったフュージョンぽいオーケストラをバックにゲッツが吹く『アパッショナード』でも、ゲッツの表現力は全く遜色ありませんので是非聴いて見て下さい。まあ、いかにもデジタル・シンセという音が多用されていますので、この手の音が苦手な人はダメかもしれませんね(笑)。
ゲッツのテナーは素晴らしい!
アルバム名:『BOSSA AND BALLADS:THE LOST SESSIONS』
メンバー:
STAN GETZ(ts)
KENNY BARRON(p)
GEORGE MRAZ(b)
VICTOR LEWIS(ds)
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