今更のアレックス・シピアギン。
最近どうもブログ更新する時間が遅くなりがちです。深夜になっちゃう。
いまいち気分がのらないせいかもしれません。
そして今日紹介するアルバムも今更ながらのやつです。
私が徘徊するブログではおおむね評判が良い1枚。
アレックス・シピアギンの『ジェネレーションズ デディケイテッド・トゥ・ウディ・ショウ』(2010年rec. Criss Cross)です。メンバーは、アレックス・シピアギン(tp,flh)、アダム・ロジャース(g)、ボリス・コスロフ(b)、アントニオ・サンチェス(ds)です。なかなか渋いメンバー。
シピアギンはロシア出身で、秋吉敏子さんの娘Monday満ちるさんの旦那さんです。満ちるさんが日本とアメリカ(チャーリー・マリアーノ)のハーフでロシア人のシピアギンと結婚して息子さんがいるそうなので、その息子さんはワールド・ワイドなクオーターということになりますね(笑)。凄いのはジャズの血を受け継ぎまくっているということ。将来ジャズマンになるのかな~?
余談はこのくらいにして。シピアギンはこれまであまり聴いたことはありません。数年前のリーダー・アルバム『プリンツ』(サイドメンのクリポタ買い)しか持っていません。今回のアルバムはジャズブロガー間で話題の1枚だったのですが買いそびれていました。しばらく前に吉祥寺ディスクユニオンの店内にこれがかかっていてなかなか良かったのでネット通販購入。
シピアギンはテクニックは素晴らしいのですが、堅実で地味なイメージです。で、今回のアルバムは地味なウディ・ショウに捧げているということなので地味づくし(笑)。通して聴いてみたらやっぱり地味でした。ショウの曲が4曲にラリー・ヤングの曲が1曲、どれも地味な曲ばかり(笑)。その中にシピアギン作の4曲が混入しているのですが違和感なし。シピアギンはショウのことがかなり好きなんでしょうね。
地味と言いましたが、渋い通好みと言い直したほうが良いかもしませんね。派手さはないもののどこをとっても堅実でしっかりしたトランペットが聴こえて、結構きれいなハイ・ノートもあるし、フレージングも聴かせるものがあり飽きさせるようなことはありません。そこに渋いロジャースのギターが絡むのですが、この人のギターは完全に現代仕様なので、サウンド全体が新鮮に響いてきます。浮遊系のフレーズを弾くギターとモノ・トーンなフレーズを吹くトランペットが絶妙に溶け合っていますね。
そしてそこには軽さはなくむしろドッシリしたものが横たわっているように感じます。ロジャースのギター・ソロもたっぷりあるので、ロジャース・ファンにとっても嬉しいアルバムになっていると思います。サウンド傾向としてはNYの現代ジャズだと思います。”モーダル”と”変拍子”がキー・ポイント。パッと聴いた感じ皆同じように聴こえる傾向がなきにしもあらず。
コスロフのベースはあまり特徴は感じませんが堅実にかつ結構強靭にリズムを刻んでいます。サンチェスのドラムはやっぱりいいですね。この人の複雑なのにフレキシブルなリズムと絶妙な煽りが、演奏全体を引き締めているのと同時に、ドッシリ感も生み出しているのかもしれません。このカルテット、それぞれがきちんと役目をこなした上で、グループとしてのまとまりもよくとれていると思います。
全編オープンでミュートを使用していないのは結構珍しい感じがしますが、シピアギンはミュートを吹かない人なんでしょうか?
最初から最後まで比較的同じようなトーンが続くのですが、その割にあまり飽きさせない仕上がり。きっと各局面においてシピアギン、ロジャースのソロが聴かせるものになっているからだろうと思います。それとサンチェスが時々入れる小技が耳を話さないようにさせている気がします。
なかなか良いアルバムだと思いました。違いが分る男の(女の)1枚!
アルバム名:『Generetions Dedicated to Woody Shaw』
メンバー:
Alex Sipiagin(tp,flh),
Adam Rogers(g),
Boris Koslov(b),
Antonio Sanchez(ds)
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コメント
このアルバム、ギター入りのピアノレスクァルテットなので、浮遊感満載で、変拍子の曲もあって、しかもアダム・ロジャースの露出度が高いところも周りにはウケているんじゃないかと推測します。ある意味ブロガーさんウケのいいアルバムかも? 今回の発売の中でこれだけ買ったという方も多かったようでした。
ウディ・ショウへのトリビュートになってますけど、気にしないでも楽しめた感じです。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2010年8月15日 (日) 12時59分
910さん
こんにちは。
このアルバムが受ける理由としてあげられたポイントはおっしゃるとおりだと思います。
>ある意味ブロガーさんウケのいいアルバムかも?
そうだと思います。
>今回の発売の中でこれだけ買ったという方も多かったようでした。
正に私です(笑)。
>ウディ・ショウへのトリビュートになってますけど、気にしないでも楽しめた感じです。
そうですね。
それにウディ・ショウと言っても普通の人はピンと来ないでしょうから、気にせず聴いたほうが良いと思いました。
TBありがとうございます。
私もTBさせていただきます。
投稿: いっき | 2010年8月15日 (日) 14時31分
これも、面白かったですね。
>凄いのはジャズの血を受け継ぎまくっているということ
あ、そうですねl。気がつかなかった。(爆)
今時、ちょっとだけ、ショウにもはまりました。
投稿: すずっく | 2010年9月 1日 (水) 18時29分
すずっくさま
いいアルバムですよね。
気にいりました。
Monday満ちるさんはジャズ界のサラブレットです(笑)。
ご本人はジャズはやってないですけどね。
>今時、ちょっとだけ、ショウにもはまりました。
ショウはあまり目立たず渋いですが、B級グルメ的な部分に惹かれます。
トラバありがとうございます。
私からもトラバさせていただきます。
投稿: いっき | 2010年9月 1日 (水) 22時06分