ナタリー・ロリエがお気に入り。
昨年ナタリー・ロリエの『モーメンツ・ド・エタニティ』を買って聴き、すっかり気に入ってしまいました。アルバム紹介記事 「センスが良く、味わいもある。」 には、ブログ仲間の すずっく さまからコメントとトラックバックをいただき、そのトラックバックの記事には『TOMBOUCTOU』が紹介されていました。それも聴いてみたくなった私はHMV通販で購入したんですが、いつになっても入荷せず、しびれを切らせてキャンセルしてしまいました。
半分忘れかけていたら、ディスクユニオンの通販限定円高還元セールの中にこのアルバムを発見。早速注文してしまいました。
ナタリー・ロリエ・トリオ+イクステンションズの『TOMBOUCTOU』(2002年rec. DEWERF)。メンバーは、ナタリー・ロリエ(p)、サル・ラ・ロッカ(b)、ハンス・ヴァン・オーステラウト(ds)、ローレント・ブロンディアウ(tp,flh)、フランク・ヴァガニー(as)、カート・ヴァン・ヘルク(ss,ts)です。カタカナ読みは参考程度。
ロリエのピアノ・トリオに3管が加わって、演奏に彩りを添えています。3管はあくまで拡大メンバーです。ピアノ・トリオのバックに3管アンサンブルを加えるのが主な役目で、曲によっては中の一人がソロをとる場合もあり、ソロをとらない場合もあります。
前曲ロリエが作曲と編曲をこなしています。まずうれしいのがロリエの作曲センス。 モーダルを基調にしつつ凝った構成の曲もありますが、決して難解にならなず聴きやすいのです。聴きやすいと言っても単なる美メロではありませんよ。陰影感を感じさせ深みと品が漂っているのが素晴らしいです。1曲ちょっとフリーがかった演奏もありますが、アルバム全体の中のピリ辛香辛料程度の刺激です。とても楽しげな曲や爽快でカッコいい曲もあります。
ロリエのピアノのタッチは円やかにしてクリアで芯があります。響きは力強くて心地よし、管のソロのバックに回ってもしっかり存在感を示しています。そしてフリーがかったちょっと難しそうな曲も程よく緩和してしまいます。バックのベースは結構”ゴリゴリ”弾いていたり、ドラムもシンバル”ガシガシ”切れ味鋭いのですが、ロリエの円やかタッチによりコクのあるトリオへと料理されます。そんな感じなのでバラード演奏も濃厚な味わい。
ホーン陣も腕達者揃い。厚みがあり安定感のあるアンサンブルを提供。いざソロをとるとなれば力強い吹奏で演奏を盛り上げていきます。ピアノ・トリオに3管を加え、自身の音楽に彩りとコクを加味して料理して聴かせる技はなかなかものです。個人的にはワルツ曲《Ente chien et loup》がかなりお気に入り。いいアルバムだと思いました。
¥1,500。在庫あり。セールは明日までです!
実はピアノ・トリオの『サイレント・スプリング』も買ってしまいました(笑)。
アルバム名:『TOMBOUCTOU』
メンバー:
Laurent Blondiau (tp/flh)
Frank Vaganee (as)
Kurt Van Herck (ss/ts)
Sal La Rocca (b)
Hans Van Oosterhout (ds)
Nathalie Loriers (p)
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コメント
すずっく1500円ですかぁ!
って、わたしは随分楽しみましたので、文句は言いません。
>ダルを基調にしつつ凝った構成の曲もありますが、決して難解にならなず聴きやすいのです。聴きやすいと言っても単なる美メロではありませんよ。陰影感を感じさせ深みと品が漂っているのが素晴らしいです。
わたしもそうに思います。
わたし的には、、これをこえるアルバムがなかなかこなくて、寂しいです。
投稿: すずっく | 2010年9月 1日 (水) 18時23分
すずっくさま
>1500円ですかぁ!
円高のおかげです。
CDはどんどん円高還元してほしいです。
>って、わたしは随分楽しみましたので、文句は言いません。
そんなに楽しんでしまったのですか?凄い。
私はこれから元をとれるくらい楽しみます。
>わたし的には、、これをこえるアルバムがなかなかこなくて、寂しいです。
確かにこれにはナタリーの旨味がたっぷり詰まっていますね。
なかなか超えるものは出ないかもしれません。
トラバありがとうございました。
投稿: いっき | 2010年9月 1日 (水) 20時48分