今日は新譜紹介しまっせー。
サッカーワールドカップが終わったので、そろそろ新譜紹介しないとねっ。
新譜じゃなくなってしまったかもしれませんがご容赦。
オランダ×スペイン決勝戦はなかなか面白かったです。
点の取り合いになると思ったのですがなりませんでした。
あのレベルでぶつかればそんなに点は取れないんですね。
相手の良いところをつぶしにかかりますから。
決定的なところを外してしまう場面もいくつかありました。
特にロッベン!あんたって人は(笑)。キーパーの好セーブでしたが。
サッカーの難しさと面白さを見せてもらいました。
もし日本がパラグアイに勝ってスペインと戦っていたら、良い経験になったのになぁ、
勝負に”たられば”はないのですがそれだけが残念でした。
*
さて、新譜紹介です。
ルドレシュ・マハンサッパ&スティーヴ・リーマンの『デュアル・アイデンティティ』(2009年rec. clean feed)です。メンバーはルドレシュ・マハンサッパ(as)、スティーヴ・リーマン(as)、リバティ・エルマン(g)、マット・ブリューワー(b)、デミオン・リード(ds)です。ポルトガルのブラガ・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音。
ポルトガルのクリーン・フィード・レーベルはニューヨークの先端ジャズをたくさん録音している現代重要レーベルです。まっ、懐古趣味で保守的なジャズ・ファンには無縁のレーベルだとは思いますが(笑)、私はこのレーベルから出るアルバムには注目しています。
このアルバム、現代要注目アルト・サックス奏者2人が夢の共演をしています。2人ともニューヨーク・ダウンタウン系先端ジャズで、似たような傾向のジャズをやっています。寺島靖国さんが最も敵視するジャズ(笑)。私は面白いと思うんですけどね~。それから「今はアルト・サックスにいい人がいない。」とかアホなことを言っている人達がいますが、そういう井の中の蛙な人達は無視することにしています(笑)。他のメンバーも同傾向の人達です。ブラガ・ジャズフェスって凄いな~、こういう人達を呼ぶんだから。日本じゃあり得ません。
この2人はスティーブ・コールマンM-BASE(ブルックリン派)に連なる人達です。トリスターノ系ウネウネなアドリブ・ラインとモード調が特徴だと思います。曲はマハンサッパが4曲、リーマンが5曲、ギターのエルマンが1曲作曲していて、ラストの1曲のみはマハンサッパとエルマンの即興デュオ。全11曲。マハンサッパとリーマンの曲がほぼ交互に並びますが、似たような傾向です。
耳馴染みの良いメロディーだとは思いませんが、この手のメロディーに慣れてしまえば不快とも思えません。エルマンの曲はミステリアスな雰囲気を湛えたスロー曲で、マハンサッパとリーマンの似たような曲のまん中(6曲目)に入っていていい味を醸し出していると思います。なかなかの美しさです。
2人のアルトは似ているのですが、内ジャケット写真のとおり向かって左がリーマンで右がマハンサッパだと思います。音はリーマンのほうがブライト、マハンサッパはちょっとダーク。温度感はリーマンの方が高めだと思います。数学者でもあるマハンサッパのほうがちょっぴりクールなプレイだと感じるのは単なる私の思い込みでしょうか?ラストに入っているそんな2人の即興デュオは壮絶です。
エルマンはロック系歪サウンドのギター。基本的にはバックでサウンドを支えていますが、ソロではなかなか尖がった不穏なサウンドを聴かせてくれます。ベースとドラムはかなり強靭です。この人達の特徴である変拍子をビシビシと決めるドラマーはまさに現代的リズム感。
ここでの変拍子ですが、私はM-BASEが採用していたファンク・リズムの変拍子の発展系だと思っています。ファンク・リズムというのは腰にくるリズムなので、パッと聴きポキポキしたここでのリズムとは水と油のように思うかもしれませんがさにあらず。打込み経由の複雑なリズムは乗れないようで結構乗れるのです。頭で考えずそのウネリに身を任せれば気持ちいいですよ。そういう意味でも腰にくるリズムの延長だと思うのです。
M-BASEの先に位置する現代ニューヨーク・ダウタウンのジャズ。私はカッコいいと思います。ここにはニューヨークのジャズの歴史が脈々と流れています。表面上フォーマットだけでジャズとつながる人達とは根本的に違うジャズです。
こういうジャズを聴く人がほとんどいないのが日本のジャズ・ファン。
それこそがジャズをダメにしてしまっているんだと私は思います。
アルバム名:『DUAL IDENTI』
メンバー:
Rudresh Mahanthappa (as)
Steve Lehman (as)
Liberty Ellman (g)
Matt Brewer (b)
Damion Reid (d)
*
今日は何か熱いですね~、私(笑)。
今の私は地動説を唱えたガリレオ・ガリレイの気分です。
私に反論を唱え、「お前の考え方は間違っている。」と言って、
私を宗教裁判にかけようとするような人達の意見は一切聞き入れません。
そういう人達は保守的な価値観を守ろうとする宗教信者です。
私は「それでも地球は回っている。」と言うだけ(笑)。
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コメント
いっきさん、こんばんは。
今日も熱いですね~。
んじゃ、オイラがイチャモンをつけておきますね(笑)。
日本で5〜6人ぐらい(笑)しか聴いていないアルバムを
いいと言われても、チョ〜マニアック過ぎませんか?
ライブハウスで手売している自主制作アルバムの方が、まだ聴かれているのではないでしょうか?
前はHMVでも売っていたでしょうが・・・
今はユニオンくらいでしか扱っていないでしょう?
国内盤が出る可能性は、極めて低い。
入手方法も明記するべきだと思います。
これは、探して試聴するまでが至難の業ですよ。
それと、この手のアルバムの紹介は、音付きじゃないと分らないと思います。
"新しいジャズを聴く"のには異論はありませんが、
まずは、音が聴ける方法も模索する必要はあると思います。
また、ネットで音源を探すにしても、アルバムタイトルを英文表記して頂けると、海外のサイトでも探せるかも知れません。
http://www.youtube.com/watch?v=M95SMNbmVpo&feature=player_embedded#!
いっきさんのアナログオリジナル盤自慢は大好きですが(オイラも欲しい!)。こういう新しモノ自慢(笑)は、手に入れ難そうな(日本全国では)、聴いたこともないアルバムをベタボメされたからと言って試聴もせずに、買うのは危険だと思うのですが・・・。
いっきさんは、当然試聴して買ったと思いますけど。
「ルドレシュ・マハンサッパ&スティーヴ・リーマン」で検索すると、いっきさん、ユニオン、com-postくらいしか出てきませんよ(泣)。
>私を宗教裁判にかけようとするような人達の意見は一切聞き入れません。
>そういう人達は保守的な価値観を守ろうとする宗教信者です。
は、いいのですが(笑)。
"保守的な価値観"を正す以前に、みんなが聴ける分けではない問題が大きいのではないでしょうか?
多少なりとも、音のフックの提示は必要だと思います。
本日は、ガリレオいっきにイチャモンをつけてみました。
投稿: tommy | 2010年7月14日 (水) 01時59分
>tommyさん
とりあえず、いくらなんでも「日本で5〜6人ぐらい」は言い過ぎでしょう(笑)。
私は某国内チェーン店に勤めていますが、当社店舗内だけでも30枚以上は売れていますよ。
あまり内部情報を漏らすのもまずいので、指摘だけして失礼します。
投稿: ブログ愛読者です | 2010年7月14日 (水) 11時03分
>ブログ愛読者さん
ご指摘ありがとうございます。
30枚以上とは明るい兆しです。
全国に隠れガリレオが30人以上は確定ですね(笑)。
投稿: tommy | 2010年7月14日 (水) 11時56分
tommyさん
イチャモンをつけて下さりありがとうございます(笑)。
このアルバムはそれほどレア盤ではないと思います(笑)。
スイングジャーナル7月号の「輸入盤情報」にものっていますよ。
ブログ愛読者さんがおっしゃって下さっているとおりで、この辺をフォローしている人は少ないながらも一定の勢力は維持しているはずです(笑)。
あの~、探して視聴するんじゃなくて、私の推薦文を呼んでご購入下さるようお願い申し上げます(笑)。
なお、視聴はディスクユニオン、ジャズ館のサイトでできます。ココ↓
http://diskunion.net/jazz/ct/detail/CF172CD
私は視聴して買ったわけではありませんよ。
フォローしているスティーヴ・リーマンの新譜だから通販で買ったんです。
山梨には売っていませんからね(涙)。
なお英文表記は以前からの懸案事項だったので実施したいと思います。
ブログ愛読者さん
今回の件、フォローして下さりありがとうございます。
ショップの店員さんが愛読して下さっているなんて、とてもうれしいです。
で、緊張してしまいます。
こういうアルバムを輸入して販売しているお店の皆さんには頭が下がります。
マスメディアになかなかのらないものを売るのは大変ですよね。
頑張っていただきたいです。
投稿: いっき | 2010年7月14日 (水) 22時46分
ウワッ、なんかナットクだなぁ〜。
イチャモンになってね〜じゃん(笑)。
>フォローしているスティーヴ・リーマンの新譜だから通販で買ったんです。
>山梨には売っていませんからね(涙)。
それ以前に聴いている系譜があるツーのが大切なのは分かる。
行動努力なしにジャズ・ガリレオ教なしつーのはスバラシイ。
全国で5〜6人ならまだしも、全国で一定の勢力がありそうな
アルバムを敵に回すのも、見誤ったなぁ〜(笑)。
今夜のところは退散だ!
またイチャモンつけに来るぜ!!(笑)。
投稿: tommy | 2010年7月14日 (水) 23時14分
それにしても、
>あの~、探して視聴するんじゃなくて、私の推薦文を呼んでご購入下さるようお願い申し上げます(笑)。
その自信タップリな態度が気にいらねーな。
近いうちにボコボコにしてやるぞ!(笑)
投稿: tommy | 2010年7月14日 (水) 23時20分
tommyさん
>その自信タップリな態度が気にいらねーな。
>近いうちにボコボコにしてやるぞ!(笑)
おー、怖!(笑)
tommyさんがおっしゃっていたじゃないですか?
「最近のブログはつまらない。」って。
だから私のキャラには合わないけれど無理して挑発してみたんですよ(笑)。
投稿: いっき | 2010年7月15日 (木) 00時27分