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今日も新譜紹介ですよー。

最近滞っていた新譜紹介をサクサクとしていきましょう。

P19 クリス・ライトキャップズ・ビッグマスス『デラックス』(2008年rec. clean feed)です。メンバーはクリス・ライトキャップ(b)、クリス・チーク(ts)、トニー・マラビー(ts)、クレイグ・テイボーン(wurlitzer,p)、ジェラルド・クリーバー(ds)、アンドリュー・デアンジェロ(as):3曲のみ参加、です。このアルバムも昨日と同じくクリーン・フィード・レーベルです。これもまたニューヨークの先端ジャズ。

ライトキャップの前リーダー作はFSNTから出ました。アルバム名は『ビッグマウス』。フロントはトニー・マラビーとビル・マケンリーの2管、ドラムはジェラルド・クリーバーのカルテットでしたが、今回はエレクトリック・ピアノ/ピアノを加えマケンリーをチークに変えてきました。デアンジェロも3曲に参加しています。前アルバム名がグループ名になっていますね。ジャケットのアメ車が”デラックス”でカッコいいです。

このアルバムはマラビー買いです。これは正解でした。マラビー大活躍!更にチークがいてデアンジェロがいます。エレピがテイボーンでドラムがクリーバーでしょ。これは”デラックス”な布陣としか言いようがありません(笑)。

リーダーのクリス・ライトキャップはまだ認知度は低いかもしれませんが、漢(オトコ)のベースを弾く人です。ミキシングの具合なのかもしれませんが、真ん中に太いベースが”デン”と座って揺らぎません。そこにクリーバーの堅実なドラムがからんで音楽のベースを構築。テイボーンはエレピ(フェンダーローズでなくウーリッツァ)とピアノでセンス良くサウンドに色彩を加えます。

全曲をライトキャップが作曲。難解な曲はなくわかりやすいと思います。ソロ・オーダーや曲構成にも工夫をこらしていてなかなかの作曲センス。この人達はアメリカの色々な音楽経由でジャズをやっているので、いわゆるジャズだけでは括れないサウンド。私は単にジャズと言っていいと思うのですが、色々うるさい年寄りがいますので、一応断わりを入れておきます(笑)。

1曲目《プラットホーム》は懐かしくどこか不安で素朴なテーマの変拍子曲。曲とテイボーンのエレピがよくマッチしています。マラビーとチークの2管。テイボーンのエレピ・ソロはテーマのイメージを拡張し熱く迫ってきます。チークのソロも同傾向。マラビーは相変わらず独特のフレージングと展開で異次元に引き込んでくれます。

2曲目《シルバートーン》は8ビートのバラード。デアンジェロのアルトが加わった3管編成です。ドラムとベースだけの出だしの後に出てくるテーマは郷愁感漂うもの。前半はチークが切々と歌いあげ、ベースの落ち着いたソロをはさんで、後半のデアンジェロとマラビーの掛け合いが壮絶な展開となります。この部分は鳥肌もの!

3曲目《ティング》は6/8拍子のエキゾチックな響きを持つフォーキーな曲。これもフロント3管。デアンジェロのソロが大きくフィーチャ―されています。デアンジェロはキレキレで熱くてパワーがあります!短いベース・ソロから一挙にフェード・アウトするのが面白い。

4曲目《イヤー・オブ・ザ・ルースター》はスローで重厚なベースのテーマから始まります。そこにエレピが絡むとドリーミーになり、更に2管が加わって色彩を増やします。ミディアム・テンポのリズムの上でゆったりしたテーマ―が続き、ソロがないままテーマに沿った自由な2管のからみが続いて終了。

5曲目《ザ・クラッチ》はメカニカルな感じの曲。ミディアム・テンポの6/8拍子です。テイボーンはこの曲でピアノを弾き演奏を引き締めています。フロント2管が加わってしばらくすると8ビートにチェンジしてカントリーな雰囲気が漂ってきます。チークとマラビーがゆったり絡みながら進んでいくのが素敵。

6曲目《トゥ-フェイス》はスローなテーマから入り、跳ねるベース・ラインを軸に断片的なフレーズのピアノが絡みます。チークのソロからマラビーのソロへと展開。マラビーのソロ部ではフリーになります。バックではテイボーンのピアノがキレキレで、その上でマラビーが”ボ~~~ッ”と咆哮する場面はエキサイティング。短いテーマがあって終了。

7曲目《デラックス・バージョン》は断片的フレーズが重なりエレピがクラシカル。そこからメキシコ音楽のようなメロディーとリズムへ移行し、マラビーが先発して自由に舞い踊ります。テイボーンのソロはクールとホットの程よいブレンド。テーマを挟んでチークが熱いソロを展開して終了。

ラスト《ファズ》はアコースティック・ベースがエレクトリック・ベースのように鳴る8ビートのヘビー・ファンク曲。私はこういうのが大好き。テーマは3管でリフを奏でます。ファンク・グル―ヴの上で3管がやりたい放題。ラストに”ロッケンロー”なこの曲をもってくるところがにくいです!(笑)

録音は2年前ですが、マラビーってやっぱり凄い!
自分がリーダーのアルバムよりわかりやすい内容なので、
マラビーを聴いてみたい人にはこのアルバムをオススメしておきます。

アルバム名:『DELUXE』
メンバー:
Chris Lightcap (b)
Chris Cheek (ts)
Tony Malaby (ts)
Craig Taborn (wurlitzer, p)
Gerald Cleaver (ds)
Andrew D'Angelo (as on "Silvertone", "Ting" and "Fuzz")

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コメント

いつきさん、こんにちは。

今日はイチャモンではありません(笑)。

そう、いっきさんが紹介している"現在進行形ジャズ"を、
大枠でいいので、グループつーか流れつーか解説して頂けると嬉しい。
また、リーダー的存在は誰なのか?

オイラは'70年代のロフトジャズとダブルんだよね。
その違いも含めて大枠で知ることができたら、
もっと聴く手助けになると思っています。

もし本が出ていたら紹介ください。ヨロシク!

投稿: tommy | 2010年7月15日 (木) 15時29分

tommyさん

私にはうまく解説できないです(涙)。
残念ながら人脈の相関関係とか流れとか背景とかってあまり興味がないので、きちんと把握できていません。前にも言ったことがあると思いますが、そこに鳴っている音が興味の中心。

重要人物としてはポール・モチアン、トニー・マラビー、ジム・ブラックかな~。この人達のグループとそこに参加するメンバーのアルバムあたりをとっかかりにして聴いていくしかないかと・・・。

文字で把握するなら、益子さんがcom-postに書いているアルバム・レビューや”ニューヨーク放浪記”から読み取っていただくしかないと思います。

あとは原田さんがディスクユニオンのサイトに書いている”JAZZ徒然草”。時々書かれているこの周辺のエッセイが参考になります。

文章として残っていないのが残念なのですが、私は「いーぐる」での益子さんの連続講演「21世紀のジャズ~」と新譜特集に通いつめ、アルバムを買って音も聴いてやっとわかってきた感じです。聴き始めてからもう4年目くらい(笑)。

投稿: いっき | 2010年7月15日 (木) 20時37分

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