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今日はライブ・アルバムを2枚紹介。

今夜はサッカーワールドカップの準決勝。
ウルグアイ×オランダ戦です。
3時からなので見ません。
明日朝結果がわかればいいや。
たぶんオランダが勝つでしょう。
で、オランダとドイツで決勝なんじゃないかという気がします。

さて、今日はライブ・アルバムを2枚まとめて紹介してしまいましょう。

P6 シーマス・ブレイク『ライブ・アット・スモールズ』(2009年rec. SMALLS LIVE)です。メンバーは、シーマス・ブレイク(ts)、ラーゲ・ルンド(g)、デヴィッド・キコスキー(p)、マット・クロヘシー(b)、ビル。・スチュアート(ds)です。ベースのクロヘシーはよく知りませんが、他は中堅の名手揃いです。

最近の直球メインストリームといった感じの演奏で安心して聴いていられます。曲はシーマス作4曲とスタンダード1曲の計5曲が収録されています。シーマスの曲は現代的な佳作揃いで難解な曲はありません。

まずはシーマスの力強い王道テナーが気持ちいいですね。そこに現代フレイバーの王道ジャズ・ギターのルンドがからみ、現代的だけれど美しさを常に意識する敏腕キコスキーがバッキングとソロで冴えた技を見せる展開。これは文句のつけようがありません。

ベースのクロヘシーも力強く弾いていますし、”キレキレ”ドラマーのスチュアートが、時に熱いスティックさばきや時に繊細なブラッシュ・ワークを見せるという、これは堪らない演奏になっていると思います。ライブならではの現場での音の交換と一体感がヒシヒシと伝わってきます。

録音は決してハイファイではありませんが、あまり加工せずに録りっ放しなのが、返って現場の雰囲気をリアルに伝えていると思います。アメリカの小クラブで繰り広げられる今のジャズを、自宅に居ながらにして味わえるのは嬉しい限りです。

アルバム名:『LIVE AT SMALLS』
メンバー:
SEAMUS BLAKE(ts)
LAGE LUND(g)
DAVID KIKOSKI(p)
MATT CLOHESY(b)
BILL STEWART(ds)

P7 次はバティスト・トロティニョン『スイート...』(2009年rec. naive)です。メンバーは、バティスト・トロティニョン(p)、マーク・ターナー(ts)、ジェレミー・ペルト(tp)、マット・ペンマン(b)、エリック・ハーランド(ds)、1曲のみ、トーマス・ブラメリ(b)、フランク・アグローン(ds)です。現代ジャズ精鋭部隊によるライブ演奏ですよ。

トロティニョン作の8部からなる約50分の《スイート(組曲)》+1曲に加え、別な場所で録音されたスタンダード《アイ・フォール・イン・ラブ・トゥ・イージリー》が収録されています。ラストの曲は蛇足なんじゃないかな~?スタンダード好きへのサービス??

トロティニョンはジャケットのとおりの端正な甘いマスクの色男です。「快楽ジャズ通信」に西山瞳さんがゲストで来てこれをかけた時、雲さんが「フランスの”ニョン様”」と言っていました。上手いこと言いますよね(笑)。

50分に及ぶ《スイート》は最初こそ静かに始まりますが、すぐに盛り上がりかなりのハイテンションのままラストまで突き進みます。途中少しはスローな部分もありますが、概してハイテンション。テーマのメロディーは広大な広がりをイメージさせるような曲で、ちょっと大袈裟かな~?と思ったりします。基本的には良い曲だと思います。

全編ドラムのハーランドが煽りまくっています。それにのってトランペットのペルト、テナーのターナーが熱いソロを繰り広げます。とにかくパワーで押すことを全面に出した演奏です。トロティニョンもソロの途中で山下洋輔ばりに鍵盤を”ガシーン”と叩く場面まで出てきます。私が抱いていたこの人のイメージとかなりかけ離れていて、そこに違和感を感じてしまい未だに馴染みきれません(笑)。う~ん、この人意外と個性がないような気もします。

ライブでこのテンションは聴く方も疲れたことでしょう(笑)。曲も緩急あるのですが、通してきくと意外とこれが残らない・・・。事前に頭で考えた組曲と現場での勢いを重視した体の演奏が有機的にからんでいないようなところが気になるところです。しっかりできた曲なのに演奏のツメが甘いような気がしなくもない。

ターナーもペルトも組曲の演奏というより、自分のいつもの演奏をそのまま出しているだけのような気がします。この2人ですからプレイそのものはいい出来なんですよ。でも全体をとおして聴くと組曲にした意味は?となってしまいます。このメンバーで組曲。ちょっと期待が大きすぎたのかもしれませんね(笑)。

そういう意味で”蛇足”?の《アイ・フォール・イン・ラブ・トゥ・イージリー》が、一番トロティニョンらしく聴こえてしまうところがどうも・・・(涙)。

アルバム名:『SUITE...』
メンバー:
BAPTISTE TROTIGNON(p)
MARK TURNER(ts)
JEREMY PELT(tp)
MATT PENMAN(b)
ERIC HARLAND(ds)
THOMAS BRAMERIE(b):1曲のみ
FRANCK AGULHON(ds):1曲のみ

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