西藤ヒロノブさんのギターにカールトンを感じた私。
お待たせ致しました!
今回の「高野雲の快楽ジャズ通信」のテーマは「パット・マルティーノ」。
ゲストはジャズ・ギタリストの 西藤ヒロノブ さん。
番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。
西藤さんは番組前からギター/ウクレレをかかえていてそのまま収録。
まずは西藤さんのニューアルバムから。
西藤さんは「フレッシュ・サウンド・ニュー・タレント」から3枚のアルバムを
出しています。2作目が『ザ・シー』。
今回も海のイメージなので、番組収録時は『シー・2』という仮題だったようです。
西藤さんは海が好きなんだそうです。
今回のアルバムは、サーフィンを始めて海に入るようになってわかった気持ちも
込められているそうです。
それでハワイへ行ったりするので、南の島のイメージで
「アイランド・ジャズ」なんだそう。
tommyさんのジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」にも似合いそうとのことでした。
『リフレクションズ』から《リフレクション・イン・ザ・ウェイヴ》。
フュージョンですね~。
もっと尖がったNYのギターを弾く方なのかと思っていました。
波の音などサウンド・エフェクトも入っています。
確かにトロピカルな感じですね。
私は西藤さんのギターにラリー・カールトンの匂いを感じました。
結構フレージングはブルージーですよ。
後半のラテン・パーカッションが気持ちいいです。
シンセのソロはオルガン風でジョーイ・デフランセスコ(笑)?
(以降緑字は曲を聴いての私の感想などです。)
「気持ち良かった。」とtommyさんと雲さん。
「少しづつ盛り上がっていく高揚感がいい。」と雲さん。
西藤さんが好きなギターリストはパット・マルティーノ。
雲さんもマルティーノは好きだそうです。
二人のおすすめで、『デスぺラード』から《オレオ》。
西藤さんのCDはマルティーノのサイン入りだそうです。
「バリバリ男らしく生系の音がいい。」と西藤さん。
昔雲さんは先輩にこれを無理やり聴かされて好きになったとか(笑)。
「ストイックな感じが好き。妥協を許さない職人資質。
好きなベーシストのアンソニー・ジャクソンに通ずる。」と雲さん。
このポクポクした粒立ちの揃った音がいいんですよね~。
凄いドライヴ感を感じます。
フレージングはスケール・オタク?を基調にしつつ多彩。
この人に近いフレージングなのが同じパットでもメセニーだと私は思います。
この優しい音でキレがあるのがいいんです。
「コシがあるのにキレがある。」ってどこかのビールのCM(笑)。
tommyさんはこういうちょっとエフェクトがかかった音が嫌い。
なのでジョンスコが嫌い。でもマルティーノの太い音はいいそうですよ。
「大理石のピックを使っているからかもしれない。」と雲さん。
西藤さんはぼろぼろのマルティーノのギター教則本2冊を持ってきていました。
西藤さんはバークリー当時、ビ・バップ・ギターが好きで
軟派なものはダメだったそうです。で、マルティーノを聴いていたそう。
持ってきた教則本についての難しい音楽話に突入。
西藤さんはギターで実演しつつ、雲さんとtommyさんに講義!
残念ながら私にはチンプンカンプン(笑)。内容は割愛させていただきます。
う~ん、西藤さんはかなりのギター小僧です(笑)。
西藤さんがよく聴いたアルバム。
初期のビ・バップの要素が強くホーン・ライクなアプローチが好きだそう。
『エル・ホンブレ』から《ア・ブルース・フォー・ミッキーO》。
オルガン・トリオ+コンガ。
かなりブルージーでコテコテなジャズですね~。
西藤さんが言うとおり、ホーン・ライクなアプローチ。
後半オクターブ奏法が出ます。
後期のテクニカルなマルティーノしか知らない私としてはちょっと驚き!
オルガン・ソロも素敵。いや~っ、これはいいですね。
「リラックスしてオルガンが気持ちいい。オルガンがツボ。」と雲さん。
西藤さんによると、教材としてはとっつきやすいく入門するのに良いとのこと。
体に染みるまでやると地となり肉となるそうですよ。
ギター・ソロの響きと入口の低音”ボーン”が大好きだそうです。
『ストーン・ブルー』から《アップタウン・ダウン》。
エリック・アレキサンダー(エリアレ)が参加。ドラムはケンウッド・デナード。
このアルバムは私も持っています。
エリアレが入っているんで買ったんだと思います。
これはマルティーノ節全開ですね。
このメカニカルなフレーズが最高にカッコイイ。
私も結構このアルバムは好きなんですよ。
エリアレも快調です。
「スマートでクールですね。」とtommyさんと雲さん。
西藤さんが好きな部分は雲さんもよくわかったそうです。
次は雲さんの選曲でtommyさんが好きそうな曲。
『フットプリンツ』から《ロードソング》。
頭からオクターブ奏法全開。
これはウェス・モンゴメリーかと思いましたよ。
「セツネ~」なメロディーです。
これ、絶対tommyさんは好きだと思います(笑)。
ソロはいつものマルティーノ節ですね。
この曲は私も凄く気に入りました。
ウェス・モンゴメリー好きなtommyさんに感想が聞きたくてかけたそう。
「ソロはいいけど、テーマにブルースがなかった。」とtommyさん(笑)。
「テーマはウエスを意識しすぎたかも。」と雲さん。
最後の曲、西藤さんのニュー・アルバムから。
6ストリングス・ウクレレを弾いているそうです。
「音色がいいですね。」と雲さん。
「ハリのある音なんです。」と西藤さん。
『リフレクションズ』から《たそがれ》。
こちらはアコースティックな響きからアール・クルーを思い浮かべてしまった私。
ウクレレの音は透き通ってきれいな高音です。
曲は”たそがれ”を感じさせる微哀愁漂うもの。”和”も感じさせます。
これも曲構成が凝っていて、ソロは満を持して後半に登場。
私はこのソロにもやっぱりラリー・カールトンの匂いを感じました。
西藤さんの新譜『リフレクションズ』は6月23日発売。
西藤さんのギターとマルティーのギター、楽しかったです。
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コメント
いっきさん
こんばんは。今回もレポートありがとうございました。
>西藤ヒロノブさんのギターにカールトンを感じた私。
言われてみれば、たしかにそうですね。
西藤さんは、マルティーノのマイナーコンバージョンを血肉として消化しつつも、新しい表現手法を模索している姿を感じました。
ちなみに、マイナーコンバージョン・メソッドといえば、最近アンソニーのプロフィールを調べていたら、なんとアンソニーもこのメソッドをマスターしているのだそうです。
番組では、2人のストイックで音への眼差しの厳しさが共通していると感じたことから「似ている」と言いましたが、その時は、まさかアンソニーもマルティーノ研究をしていたとは知りませんでした。
さすが、「自分は自分の楽器をベースだと思ったことは一度もない。私の楽器は低音パートを担うギターだ」と公言している“低音ギタリスト”アンソニー・ジャクソンのことはあります。
スティーヴ・スワロウもギタリストの運指を徹底研究しているように、エレクトリックベーシストは、ギターの奏法を研究している人が多いのかもしれません。
私はエレクトリックベースのことを“電気コントラバス”と認識しているので、運指はウッドベースの教本から学習をしているので、発想がギタリスト的にはどうしてもなれません。
だからこそ、逆にアンソニーやスワロウのようなベーシストが気になるのかもしれません。
投稿: 雲 | 2010年6月 4日 (金) 01時11分
いっきさん、こんばんは。いつも、ありがとうございます。
西藤ヒロノブさんのナイロンガットは、ウクレレではありません。
"6ストリングス"といって、ヤマハの商標でいうところの"ギタレレ"。
通常のギターの5フレットのチューニングのミニギターです。
オイラは、ヤマハの"ギタレレ"を持っているのですが、音が全然違い
ます。
確かボディ材は「ハワイアンコア」を使用しているとのことで、
響きがナチュラルで、軽やかに通るクリーンな音がします。
ミニギターだとどうしても、痩せた音になるのですが、
素晴らしい響きの"6ストリングス"で、欲しくなりました。
それから、"Mr.335"ラリー・カールトンを感じたのはよく分かります。
西藤さんが、レギュラーで使っている特注の青いギターが、サイズ的にも335に似ているんですよ。ギターシンセも付いていましたが、最近は使わないそうです。
音色も似ているのではないでしょうか?
西藤さんのアルバムは、フュージョンだと思いますが、ジャズギターのテクニックを徹底的に学んだ後で、スッキリさせて自分の表現をしていると感じました。
ステージでは、テクニックを研究しようと、ギター小僧たちが最前列に集まることも多いそうです。
もう少しすると、ラルフ・タウナーの「オレゴン」の時のような、スチール弦での表現も出てくるのでは?と、今後が楽しみです。
サーフィンが好きなようなので、自然回帰し過ぎてウクレレ弾きになってしまうかも?それだけが心配です(笑)。ヒロ・西藤!
投稿: tommy | 2010年6月 4日 (金) 02時09分