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今聴くと結構これはこれでしっかりしています。

今日は久々にフュージョン・アルバム紹介。
これ、昔は軟弱フュージョンとバカにしていたんだけれど、
今聴くとそれなりにしっかり出来ています。

P176 アール・クルー『フィンガー・ペインティング』(1977年、Blue Note/キング)です。アール・クルーは末期のブルーノート・レーベルのミュージシャンです。メンバーは、アール・クルー(ac-g)、デイヴ・グル―シン(rhodes,syn)、スティーヴ・ガット(ds)、リー・リトナー(g)、アンソニー・ジャクソン(b)、ルイス・ジョンソン(b)、ハーヴィー・メイソン(ds)、ラルフ・マクドナルド(per)、他です。

このアルバムに収録されている数曲は耳タコでした。なぜかって?YBSラジオのB.G.M.にアール・クルーが頻繁に使われていたからです。テスト勉強なんかの時に深夜放送を聞くわけですが、番組の合間にクルーの曲がしょっちゅう流れていたんです。多分深夜はスポンサーが付かず、間がもたないのでアルー・クルーの曲で空いた時間を埋めていたんだと思います。当時は誰の曲かなんて全く知りませんでした。とにかく深夜たくさん流れていましたよ。

その後アール・クルーの名を知るわけですが、その時は完全にB.G.M.曲の人としてバカにしていました(笑)。ちなみに、マイルスやウェザー・リポートは当時から私の中ではジャズです。このアルバムはジャズを聴き始めてだいぶ経ってから、フュージョン・コレクションの一環として買った中古レコード。フュージョンを過去に葬り去ってはいかんのです(笑)。最近はジャズもフュージョンと同じ運命になりつつあって悲しいです(涙)。

で、思ったのがB.G.M.になると音楽が軽んじられるんじゃないか?ということ。B.G.M.となった時点で内容はどうあれ鑑賞音楽圏外へとまっしぐら。今やジャズがどこへ行ってもB.G.M.となって流れていることが、ジャズをダメにした要因なのではないかと急に思えてきました。私が若いころフュージョンをB.G.M.としてしか認識していなかった事態が、今や若者のジャズ認識。

上記の考えに至ったのは、このアルバムを久しぶりに聴いたからです。やっぱりフュージョンなのでメロディーやサウンドは聴きやすいのですが、よく聴くとクルーのギターそのものは結構しっかりしているのです。今のジャズ・ギタリストでここまできっちり弾ける人はそんなにいないんじゃないかと思い始めているくらい。バックのグル―シンやアンソニーやガットだってしかり、当然のことですがプレイの質は高いんです。

なんか最近の自分の耳が疑わしくなってきたぞっ(笑)?A面ラスト《パレッタのテーマ》なんかは、ルイス・ジョンソンのチョッパー・ベースが唸るかなりビートが効いたファンキー曲。ギターがちょっと捻ったリフを繰り返すテーマ部も異色。ソロもかなりファンキーでパワフル。クルーってやっぱり黒人なんだと再認識しますよ。カッコイイ!

人間の感覚なんていいかげんなものです。音楽そのものを聴いているようで、実は意外と聴いていません。聴き流していると音楽そのものの質なんてわからないのです。

で、更に思うことは、最近はジャズにカテゴライズされる”私に言わせればフュージョン”も80年前後のフュージョンと比較するとだいぶ質が落ちているということです。

別に何も知らなければどうってことはないのですが、こういうことに気付いてしまうジャズ・マニアとしては、色々複雑な心境にならざるを得ない今日この頃(笑)。

今日は戯言全開! 皆さんは軽く読み流して下さいな(笑)。


告知です。

今週末、いよいよ高野 雲さんの新企画がスタートするそうです!

いよいよ今週スタート、「高野 雲のジャズ聴き会」

面白そうですよ。

私は行けないのが残念です。

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フュージョン・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

いっきさん、こんばんは。

いっきさんもそう思いますか?
実はオイラも気になるところなんですよ。

当時のフュージョンって、ちゃんと根っこにジャズが見え隠れしているんですよね。
んで、ジャズファンとして軽視する傾向は、リアルタイムで、もっと面白いジャズがあったからだと思うんですよね。マイルスとか、ウェザとか・・・それとの比較なら、まだ分かる(笑)。

でも、時間が経っちゃうと単品になるので、「あれっ、そう悪くもないじゃん」って気持ちになるのではないでしょうか?

『フィンガー・ペインティング』は発売時に買って聴いていましたよ。特に、その時は完全にBGMとしてバカにした記憶はないです。
'80年代になってからだと思います。みんなに飽きられてから(笑)。

ここは勇気を持って、"世界のナベサダ"も聴いてみてはどうでしょう?(笑)。
オイラは、かなり聴いていたので、ナベサダの評価が高くないことは、四谷のジャズ喫茶に行くようになってから知った(笑)。
評価は今も昔も同じです。オイラには大切な日本のジャズです。
「これはジャズじゃない」は、世代交代をしながら、ジャズの伝統として受け継がれていることなんですよ(笑)。

投稿: tommy | 2010年6月 2日 (水) 01時21分

rommyさん。こんばんは。

>でも、時間が経っちゃうと単品になるので、「あれっ、そう悪くもないじゃん」って気持ちになるのではないでしょうか?

それもありますし、今はもっと冷静に音に向き合えるようになっていると思います。

>その時は完全にBGMとしてバカにした記憶はないです。
>'80年代になってからだと思います。みんなに飽きられてから(笑)。

やっぱり世代が違うと感じ方が違うんですね。

>ここは勇気を持って、"世界のナベサダ"も聴いてみてはどうでしょう?(笑)。

私は80年代からフュージョンとして普通に聴いていましたよ。
デヴィッド・サンボーン、グローバー・ワシントンJr.、ナベサダは同列です(笑)。
それぞれの『ストレイト・トゥ・ザ・ハート』、『インサイド・ムーヴス』、『ランデヴー』は当時の私のフュージョン愛聴盤です。
その後はメイン・ストリーム回帰した頃の「ブラバス・クラブ」のライブを渋谷に観に行った記憶が強いです。当時のライブ盤も1枚待っていますよ。それなりに評価しています。その後はほとんど聴いていませんが。
3年前ですが、後藤さんが「男の隠れ家」で紹介していた『チャーリー・パーカーに捧ぐ』を聴いて、ビ・バッパー・ナベサダを見直しました。

「これはジャズじゃない」について。

私は「これはジャズじゃない」≒「これはフュージョンだ」≒「ダメなジャズ」というのが大嫌いです。
そういう人達は、エレクトリック・マイルス、マイケル・ブレッカー、ジョンスコ、メセニー、今なら上原ひろみ&ソニックブルームなどを上記の理由によって、悪評価するからです。私の偏見かもしれませんが(笑)?

私は時々「ジャズのフォーマットだが、中身はフュージョン」と揶揄しますが、上記のような人達へわかりやすくするためです(笑)。

私の中では、ジャズでもフュージョンでも音楽の中身がしっかりしてさえいればそれで良いのです。

と、熱く語ってしまいました(笑)。

投稿: いっき | 2010年6月 2日 (水) 20時38分

いっきさんとオイラの「これはジャズじゃない」の定義がだいぶ違います(笑)。

いっきさんの「これはジャズじゃない」は'80年代的な「これはジャズじゃない」です。確かに、これにはオイラも疑問があります。

オイラがいう「これはジャズじゃない」は、ホントにジャズじゃない音楽が、ジャズとして売られている現実の話。
インストミュージックをジャズのカテゴリーに入れて売っているアルバムやミュージシャンのことなんです。
また、ジャズカテゴリーでプロモーションもしています。レコード会社の都合でジャズ。現実に多いと思います。
「ジャズに根ざしていない音楽」とでもいうかな(笑)。
ホントにジャズなら、何の問題もありません。

そういう判断まで、否定している部分があるように思えます(笑)。
同じ「これはジャズじゃない」でも、今と昔は意味が違います。

投稿: tommy | 2010年6月 2日 (水) 21時28分

tommyさんのおっしゃることはだいたいわかっていましたよ。
妹尾さんが「快楽ジャズ通信」にゲスト出演した時にそう思いましたから。
でも、実際ジャズに興味がある人達で私くらいの年代なら、「これはジャズじゃない」と言われれば、それこそ偏見に満ちた発言と取られる方が多いと思います。
私としては「これはジャズじゃない」は慎重に発言すべきものだと考えます。
ジャズ周辺の人にとって「これはジャズじゃない」は差別発言だと私は思います(笑)。

投稿: いっき | 2010年6月 2日 (水) 22時24分

いっきさんに同感です。

投稿: 雲 | 2010年6月 2日 (水) 22時44分

まぁね、そういうのもジャズとして了解できる人もいますからね(笑)。

でも、差別じゃないよ区別だよ。
自分が好きなマイルスやコルトレーンとの区別(笑)。

そう思う音楽に対して「これはジャズじゃない」って言えないなら、
ジャズ聴きも、面白くないと思うんだけどなぁ〜。何でもジャズ(笑)。

投稿: tommy | 2010年6月 2日 (水) 22時47分

う~ん、私はtommyさんが好きなので、おっしゃることはよくわかります(笑)。
でも、客観的に見ると前述の通りだと思います。
言っていいと思いますが、自分の発言の意図は「これこれである。」と説明してから言ったほうが良いんじゃないかと考えます。
一旦誤解されてしまうと「面白い/面白くない」では済まなくなるんじゃないでしょうか?

投稿: いっき | 2010年6月 2日 (水) 23時16分

「これはジャズじゃない」は、ジャズ談義のいいテーマなのになぁ〜。
'80年代〜ジャズ聴きには重い言葉ようですね。
オイラにとっては、それほど重いもんじゃないんだけどなぁ。
他のジャズ聴きは、そうは思わない言葉ツーことだね。

そうだね。その議論は、もう止めましょう。
これは、それぞれが持っているジャズ観や思いの違いだからね。
その辺が難しいね(笑)。

投稿: tommy | 2010年6月 3日 (木) 00時09分

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