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「PCMジャズ喫茶」のゲストは星野秋男さん(前編)。

昨日のサッカーワールドカップ、オランダ戦。
最小失点での負けはよく頑張ったいうところでしょう。
後はデンマーク戦で勝つか引分けるかで1次リーグ突破。
スッキリしましたね。勝ちを期待しましょう。
前回ドイツ大会の生殺し的中途半端さとは比べ物にならないスッキリ感!
気分がいいです。
フランス、イギリス、スペインは大丈夫でしょうか?

さて本題。昨日の「PCMジャズ喫茶」のゲストはヨーロッパジャズ研究家の星野秋男さんでした。星野さんと言えば泣く子も黙る?「ヨーロッパ・ジャズ黄金時代」の著者です。星野さんは最初はボーカルの人だったそうです。今でもヨーロッパ・ジャズと同時並行的にボーカルも聴いているとか。

寺島さんがいきなり「あなたのアイデンティティは?」と質問。前回マイク・モラスキーさんがゲスト出演した時に、岩浪さんのアイデンティティは”正当”、対する寺島さんのアイデンティティは”正当なるもの(寺島さんに言わせると)への反発”なんて話があったのでそれにからめての質問です。

星野さんは「アメリカ(のジャズ)とヨーロッパ(のジャズ)、どっちをとるか?と言えばアメリカ。」と答え。それに対して寺島さんは「でも星野さん=ヨーロッパというイメージがあるのはいい。中山=マイルス、藤岡=コルトレーン、杉田=キース・ジャレットのようにね。」と言い。岡島さんは「ヨーロッパの星野と言われるのは嫌。ジャズ・ファンであり、ヨーロッパは私のジャズ聴きの一部。本家(アメリカ)ほど分家(ヨーロッパ)は素晴らしくない。でもちょっと紹介してみようと思った。」と答えていました。なるほど。

ここで岩浪さんが星野さんの本にかみつきました(笑)。「ヨーロッパ・ジャズの黄金時代はいつなんですか?過去なんですかそれとも今ですか?」と。星野さんは「1960年代~1970年代初頭。」と回答。これについては「ヨーロッパ・ジャズ黄金時代」に書かれていますので読んでみて下さい。私はだいぶ前に買いましたがまだ読み終わっていません(笑)。

寺島さんが「『ヨーロッパ・ジャズ黄金時代』はおかしい、『ヨーロッパ・ジャズ の 黄金時代』が正しい。」なんて言ってました。まっ、どうでもいいことだと思います(笑)。岩浪さんはこの本を出版した青土社が嫌いだそう。前衛ジャズばかり持ち上げるからだそうで、青土社が出している「ユリイカ」もけなしていました。青土社の高橋さんに「ジャズを難しくしたのはあなただ。」と言ったことがあるんだとか。アメリカのアーシーな黒人ジャズを愛する岩浪さんらしいご意見だと思いました。

ヨーロッパ・ジャズとは何?という話になります。岩浪さんは「パウエルやパーカーを真似して謙虚な頃は良かったが、最近のヨーロッパは変に自信を持って、スイングしないジャズをやり、そういうオリジナル曲を作って、それが一部に受けているが、それがジャズをダメにした。」と強気の発言。う~ん、今日の岩浪さんもなかなか元気です。寺島さんは「いいですね~。そういうことをどこかで書きましたか?そういうことを書かないとダメですよ。」と返していました。あははっ、いつものセリフですね。

「そういうイメージを覆す選曲をお願いします。」と寺島さん。星野さんは「今日はスイングするのばかり持ってきました。」と返事。星野さんはレジュメを作ってきたそうで、寺島さんによるとこれが二つ目だとか。一つ目は前園さん(現Zonotone、元オルトフォン・ジャパン)で、10枚くらい持ってきたんだとか。星野さんは1枚の半分くらいだからそれくらいならいいという話をしていました(笑)。実は私も「快楽ジャズ通信」にゲスト出演する時、安心のために資料を十数枚作って持っていきます(汗)。

ガトー・バルビエリ『トゥ・ピクチャーズ・イヤーズ 1965~1968』から《Una Bella Grinta》をかけます。当時のイタリアの精鋭を集め、ちょっとコルトレーン・スタイルが入るとのことでした。

確かにちょっとコルトレーンが入っていました。なかなかいい感じでしたよ。

寺島さんは「まともに吹けば良い。」と言っていました。岩浪さんは「今でもイタリアがすばらしい。ニューヨーク以上。アメリカで活躍したジャズマンの大半はイタリア系とユダヤ系。」なんて言っていました。イタリアの保守的なジャズが岩浪さん好みだというのはわかります。私にとってはそこが物足りなさ。

寺島さん選曲で今一番買っているデンマークのヤン・ハルベック。《プティット・フルール(小さな花)》をかけようとしたのですが、岩浪さんのリクエストもありタンゴの《ラロジータ》。「テナーをズ~ンと下げて、グッと歩調を下げて吹きます。」と寺島さん。キターッ、いつものセリフですね(笑)。

イントロからしてムード歌謡?これね~っ、今の私はまだこれを良しとする心境には至っていません(笑)。

「渾身の1曲。さて、どうですか?星野さん。」と寺島さん。「コールマン・ホーキンスの超名演で聴いちゃったので。」と星野さん。「それはフェアな言い方じゃない。(ハルベックは)ホーキンスに感銘を受けてやったんですよ。」と寺島さん。「自分で仕掛けて良く言われないと怒る。山中千尋から名指しで言われたが、どうしようもないやつですよね。」と続けます。星野さんにはやっぱり受けなかったようです。寺島さんは気分を害したみたいですね。でも笑っていましたよ。で、そんなところを山中さんに突かれたことに対しても悔しがっています(笑)。

山中さんの話が出て、「PCMジャズ喫茶」は聴けないはずなのに、どうして番組で悪口を言っているのがわかったのか?誰かが番組を聴いて電話をしているんじゃないか?なんて話もありました。まさか私のブログを見ているんじゃないでしょうね?というのは前にも書きました(笑)。う~ん、気になります。寺島さんは「名前を出して悪口を言うのは相手に敬意を払っている。リスペクトがある。」なんてことも言っていました。寺島さんの「悪口言ったけ?」の問いに、ディレクターの太田さんは「性格的なきつさに触れたことがあるくらい。」と返事をしていました。まあ、何が悪口かというのは人それぞれ差はあるでしょうね。岩浪さんが「スイングジャーナルで(山中千尋さんが)言っているのは寺島さんのことじゃないみたいだよ。」なんて発言もありました。それって、今月号のエッセイで言っている村上春樹さんに対する皮肉のこと?

ジャズ批評誌の「黒人テナー特集」で星野さんがたくさん書いているなんて話もありました。それに対して「岩浪さんのほうがたくさんかいていますよね。」と返されていました。星野さんはレスター・ヤングが大好きだそうです。

ここで寺島さんから「星野さんはジャズ・ジャイアンツ10人(聴けば良い)という一派ですか?ジャズ・ジャイアントの好みも含めその演奏が最高とっなると発展がない。そういう一派はいますか?」と質問があります。星野さんは「(そういう一派は)最近いないよね。無名でも良い演奏する人はいますよ。」と回答していました。岩浪さんからは「モラスキーさんが最近の若い人は皆一列にしてピック・アップして聴くと言っていた。」なんて話も出ました。

星野さんは「いいものはいい。良くないものは良くない。個人の耳に強く入ってくるかどうか。」と言い、寺島さんは「名前が先にあり、この人がやっていればいいというのがある。」と返します。星野さんは「聴くうちに10年、20年、1000枚、2000枚になれば、ジャズの歴史はどうか興味が湧いてくる。耳も肥えて欲が膨らんできて、本も読んでいき、これも素晴らしいもっと聴いてみたいとなり、知識が広がって歴史に行きつくんではないか?ジャズ界の地図にも興味が湧かないってのはないはず。もっともっと聴きたい。もっともっと知りたいとなる。」と言います。

寺島さんは「色々聴いていくとコールマン・ホーキンスに行きつき、それが良い(他は聴かなくて良い)という聴き方になる。」と言います。星野さんは「究極的にはいいものはいい。つまらないものもいくつもある。体系的に聴くのがいいんではないか?パーカーはバップ、ハンコックはモードとかいうように、今日はモード、今日はデキシー、今日はヨーロッパを聴くという感じ。ミュージシャンは自然に分類される。曲名で選択することはめったにない。」と言います。

寺島さんはジャス・ジャイアンツ聴きに対して文句があり、星野さんもしくはその周辺(四谷派あたりを想定?)でそういう聴き方があれば批判しようとしていたようでした。ところが、星野さんは私に言わせると典型的な好奇心旺盛タイプ。その好奇心から聴く物はどんどん広がり、歴史や地図にも自然と興味が湧くというタイプでした。そして聴き方としては体系でセレクトする方法をすすめたということでしょうね。寺島さんの意図とは違う方向へ話は行ってしまったようです(笑)。私も星野さんに近い好奇心聴きなので言っていることはよくわかりました。

星野さんはハービー・マンの『メンフィス・アンダーグラウンド』やジャズ・メッセンジャーズから入ったという話もありました。意外とコテコテだったんですね。

岩浪さん選曲。黒人テナー特集の話が出たということでボン・フリーマン。チコ・フリーマンの父親です。岩浪さんによれば息子はどうしようもないと。寺島さんによればチコ・フリーマンは一時期人気があったけれどだから消えていったと。このCDのライナーノーツは小川隆夫さんが書いていて、岩浪さんはボン・フリーマンの解説が気に入らなかったようですが、寺島さんによれば小川さんの書いていることは合っているとのことでした。《オール・アバウト・ロニー》をかけました。

安心して聴いていられますね。でもこのフガフガの音が微妙に苦手な私(笑)。

「ボン・フリーマンはいい。久しぶりの好選曲。」と寺島さん。「黒人テナーはバラードしか吹いちゃいけない。速く吹くと聴いていて疲れる。」と続けます。岩浪さんが「イリノイ・ジャケーとかいいじゃないですか?」と言うと、寺島さんは「草食系日本人にはダメ。アメリカ人が良いというからといって、日本人に良いということはない。国民性がある。」と主張していました。出ました!いつものきめつけ発言。この手のお騒がせ発言は敢えてやっているので、目くじら立ててどうこう言ってもしょうがありません(笑)。

人妻Aさん登場。ヨーロッパ・ジャズの大家星野さんにお会いできて光栄ですとのことでした。ここでまた「ヨーロッパのイメージを付けたのはいい。」と寺島さん。「アメリカ・ジャズの大家とは言われない、そういう意味でヨーロッパ・ジャズは傍流のイメージがある。」と星野さん。

Aさん選曲。星野さんが「ヨーロッパ・ジャズ黄金時代」で「『ヨギ・ジャズ』が最高。これを超えるものはない。」と書いていたので選曲。寺島さんは「名前もジャケットの顔も全て嫌い。」と言っていました(笑)。「”ヨギ”って何?」という話が出ましたが星野さんにもよくわからないそうです。《キラー・ジョー》をかけました。「長い歴史の中で、奇跡。」と星野さん。

澤野工房から再発盤が出ています。
私はこのアルバムが好きです。この独特のサウンドに惹かれます。

「なかなかのもんですよ。」と寺島さん。「アルバムで一番地味な曲。」と星野さん。「ドイツ風にソフィストケイトされている。こういうのもあっていいい。」と寺島さん。「悪くない。真似してもこのくらいなのがいい。」と岩浪さん。「いみじくも模倣しているのがいい。」と寺島さん。

星野さんから「1970年頃ヨーロッパ・ジャズがたくさん出た時があり、ライナーノーツはほとんど岩浪さんが書いていていて、他は油井さんや悠さんが書いていた。岩浪さんが『1950年代までは真似の頃、1960年代中盤以降は前向きな前進意欲がある。』と書いていて、当時は数少ない理解者だと思った。いソノてルヲさんは的外れのことを書いていた。」というような話がありました。寺島さんが「岩浪さん当時わかってたの?」と質問して、岩浪さんは「わかっていなかった。」と笑って答えていました。

岩浪さんはとにかく色々なライナーノーツを書いてますよね。私は岩浪さんの「当時はわかっていなかった。」発言は謙遜だと思います。今読み返してみると結構的を射た発言もしていますよ。他のジャズ評論家がやらなかったことをやり、当時なりにちゃんと仕事をしたいた岩浪さんには敬意を表したいです。

いソノさんの的外れに対しては、寺島さんが「つまらないもののライナーノーツ依頼が回ってきても、次の依頼を考えると断れない。そんなときは敢えて的外れにせざるを得ない場合もある。」なんて言っていました。それに対して岩浪さんは「寺島さんのライナーノーツは参考にならないがエッセイとして読めば良い。」と言い、それを聞いた寺島さんは「参考にならないってどういうことですか?」と突っこみ。岩浪さんは「曲の解説とかがないから参考にならない。」と弁解し、寺島さんは「この曲は誰々作で何々形式とか書くのは、お金をもらて書くことではない。俺は絶対にそういうことは書かない。」と反論。いつものお二人のライナーノーツ観の違いを論じていました(笑)。

岩浪さんからは「小川隆夫のライナーノーツはいいかげんなものが多い。対人的に嫌い。」なんて爆弾発言も。岩浪さんは小川さんが嫌いだったんですね~。ジャズ評論家間にも色々な人間関係があるのです(笑)。

今日はこのくらいで終わりにしておきます。残りは後日。

星野さんの口調はなんとなく行方さんに似ていました。持っているものは確固としたものがありますが、比較的おっとりした口調ゆえ、あまり”俺が俺が”というものは感じなかったですよ。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

なお、楽しみにされている方もいらっしゃるところ申し訳ありませんが、
「高野雲の快楽ジャズ通信」のレポートは明日UPします。

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