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鈴木勲さんのライブは楽しかったです。

昨日、甲府「桜座」で観てきた鈴木勲さんのライブ・レポートです。

P172_2 今回はピアノ・トリオでした。
メンバーは、鈴木勲(b)、ヤヒロ・トモヒロ(per)、田中裕士(p)。
鈴木勲さんは今年77歳。
歳を感じさせないパワフルなプレーには参りました。

開演前についつい生ビールを中ジョッキ1杯飲んでしまったので、ほろ酔い気分です(笑)。鈴木さんのファッションがHIP!白髪なのですが、照明に照らされるとこれが”銀髪”!神々しい。サングラスをかけた仙人(笑)。

ベースが独特のものです。ビオラ・ダ・ガンバにエレクトリック・ベースの弦を張っていることは知っていましたが実物を見るのは初めて。普通のアコースティック・ベースより一回りくらい小ぶりのボディ。エレキギター用のピックアップがボディから浮かせて弦間近に1個付けられていて、そこにプラグを接続してギター・アンプで音を出す仕掛けです。

1曲目は《オール・ブルース》。まず上記のベースの音が独特。ウネリからみつく感じのものでしたが、CDで聴いていた音ほど強烈ではありませんでした。鈴木さんは音数多めですね。フレッドを激しく上下しつつ4弦全てをいったりきたり、途中弦を叩いたりしながら軽めのグルーヴです。ヤヒロさんはパーカッションなので、木箱を叩いたりしながらのちょっと変わったノリ。田中さんのピアノは爽やか系。ということで、普通のピアノ・トリオとは異なる音の肌触りで独特のグルーヴでした。鈴木さんは最初椅子に腰かけて弾いたのに、すぐに椅子を片付けてしまい、そこからはずっと立って弾いていました。

ここで田中さんからメンバー紹介の軽いMC。2曲目は鈴木さんのオリジナルで《ミステリアス》。タイトルどおりの雰囲気の曲でした。続けて3曲目もオリジナルで《オーバー・チェア》、サンバ風リズムの曲でした。何となくチック・コリアのスペインを感じさせるもの。後ではっきりわかったのですが、田中さんのピアノが結構チック系だったのでそれによる印象だったのかもしれませんし、田中さんがスペイン音楽に造詣が深いとのインフォもありますので、そのせいかもしれません。

4曲目はバラード。《イン・ア・センチメンタル・ムード》を田中さんのピアノとデュオでした。独特の歌心でベースを弾く鈴木さんを田中さんが見守りながら寄りそうようにピアノを弾いていました。ピアノ・ソロはきれいな音でライト・グルーヴ。5曲目のタイトルは?ヤヒロさんのパーカッションをフィーチャー。パーカッション・ソロから入りました。ジャングルの鳥の声のような音を出す楽器が面白かったです。アフリカ的な感じで始まりサンバ系ラテン・パーカッションへと展開。テーマが何となくトニー・ウィリアムスの《シスター・シェりル》に似ていたような?

P173 ここで1部終了。休憩中は鈴木さんがカフェ・スペースに出てきて、お客さんと握手や軽く会話をしていました。そのファン・サービスに驚き。演奏中もピアノ・ソロやパーカッション・ソロが終わると拍手をさらりと促したりと、フレンドリーな演出もしていましたよ。お客さんは20人弱。中年の男女で夫婦が数組いました。意外と女性が来ているところが最近の傾向。ジャズのライブは決してオジサンだけのものではないのです。

2部はピアノ・ソロから。曲名紹介はなかったです。前半はどこかで聴いたことがあるメロディー。チック・コリアの『ピアノ・インプロビゼーションVol.1』の《ヌーン・ソング》のような・・・?で、チックのピアノに似ているな~と思ったわけです。そうしたら、後半は《スペイン》。やっぱりそう来ましたか(笑)。

次はヤヒロさんのパーカッション・ソロ。上の写真でパーカッション群の真ん中にある青と茶のアフリカン・ドラムが独特でした。叩く位置で高音と低音を出すことができ、躍動感のあるリズムを生み出すことができます。片足首に”シャカシャカ”発音する楽器を巻いてリズムを刻んだり、タンバリンでサンバ・リズムをやったり、ラストは頬を手で叩いて人間パーカッションをやったりと、多彩で楽しかったです。

3人登場して《ポインシアーナ》。この曲と言えばアーマッド・ジャマルの『バッド・ノット・フォー・ミー』での演奏が思い浮かぶのですが、これがトニーの《シスター・シェりル》に似たイメージ。1部ラストの曲からの共通性を感じました。途中4ビートになるのですが、ウォーキング・ベースを素直にやらず独特のグルーヴ。ここに鈴木さんの個性を強く感じましたね。

ここでめったにやらないという無伴奏ベース・ソロ。曲は《ラヴ・イズ・オーバー》。渋いっす。鈴木さんの個性全開。表出される独特の世界と味に聴き惚れてしまいました。こういう音は若い人には絶対に出せません。オリジナルで《アヴェニュー》。何となくハービー・ハンコックの《処女航海》?モード曲でした。こういう曲には田中さんの爽やか系ピアノがマッチします。ラストはタイトル?サンバ調のリズムで明るく楽しく終了。

アンコールは《家路》。「これを聴いたら家へ帰りましょう。」という感じで哀愁漂う味わいのあるもので、これが本日一番ブルージーな演奏でもありました。拍手に応えて何度もお辞儀する鈴木さんの人柄に惚れてしまいました。で、びっくりしたのは、鈴木さんがすぐに控室から出てきてライブ・スペースを出るお客さん一人一人と握手して「ありがとうございました。」とお礼をしたことです。こういうサービスっていいですね。またライブに来たくなります。

P174 気分が良かったのでCDを買うことに。『ソリチュード』は持っていたので、その前のアルバム『OMA SOUND(オマ・サウンド)』を買いました。これ、鈴木さんが若手とやっている同名グループのCDです。このグループのサウンドが好きですし、スガ・ダイローさんが入っていたのでこれに決定。もちろんサインしていただきましたよ。ジャケットにサインがピタリと嵌まってカッコイイでしょ。サイン後に握手したら「今後ともよろしくお願いします。」と鈴木さん。私も思わず「よろしくお願いします。」と返事(笑)。鈴木さんのレコードを持ってきてサインしてもらっていた方もいました。レコードを持って来るのも良いのですが、ここはCDを買って今後のジャズ界発展に貢献するのが正解(笑)?

鈴木さんの個性的なベースを存分に楽しめるライブでした。

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コメント

いっきさん、こんばんは。

たまにはライブもいいですよね。
オイラも鈴木勲さんのベースは好きなので、何度か聴いたことはありますが、エレクトリック・ベースの弦の鈴木さんはまだ聴いたことがないです。
鈴木さんは昔からフレンドリーな感じですよ。何度か遭遇しています。
最近の大御所たちって殆どそうじゃないかな?特に地方では。
ライブを大切にしないとならない状態が続いているのだと思います。
また、ライブハウス側との関係もかなり変化してきていると聞いています。ギャラで呼べるライブハウスは少なくなり、チャージバックに変わったことも影響しているんでしょう。
「客を呼べないミュージシャンは次はない」がリアルなのかも?
CDも、ライブでの手売リの方がよく売れるのだそうです。
もう少し、お客さんが来てくれるといいですがね。厳しい〜。

ラファロもギャラのライブは、断っています。
チケットが売れた分が、ミュージシャンフィー。お客さんが呼べないミュージシャンは、次のライブはありません。
ミュージシャン側のノルマは20人。それ以上に客が入ったら100%のチャージバックです。20人以下の場合は、基本80%のバック。
20人しか客が来ないのなら、リハの時間も考えるとライブはしないで通常営業をした方が楽でいいと思うからです・・・厳しいでしょう?
ライブのお客さんって、それ程、飲み食いしてくれないんですよね。

今回、いっきさんは、いいお客さんだったと思います(笑)。

投稿: tommy | 2010年5月29日 (土) 20時29分

tommyさん。こんばんは。

>たまにはライブもいいですよね。

はい。月1回くらいは観に行きたいです。
地元の安いやつですけどね(笑)。

>鈴木さんは昔からフレンドリーな感じですよ。

なるほどそうでしたか。
ほんとに自然に振舞っているのにフレンドリーでしたよ。
あざとさはなかったです。人柄なんでしょうね。

>ライブを大切にしないとならない状態が続いているのだと思います。

前回の「PCMジャズ喫茶」の時に話題が出ましたが、ライブは接客業でもありますからね。
私は別にフレンドリーである必要はないと思いますが、フレンドリーにされれば悪い気持ちはしないですね。応援したくなります。

>「客を呼べないミュージシャンは次はない」がリアルなのかも?

そうなのでしょうね。
でも甲府の場合はミュージシャンが来てくれる時点で、ある意味慈善事業みたいなところがあると思いますし(笑)、桜座もほとんどボランティアみたいな感じなので、私はとてもありがたいと思っています。

>CDも、ライブでの手売リの方がよく売れるのだそうです。

甲府はあまり売れませんね~。
なかなか厳しいと思いますよ。

>もう少し、お客さんが来てくれるといいですがね。厳しい〜。

ほんとにそう思います。
それには景気がもっと回復しないと。

「スコット・ラファロ」のライブ状況も厳しいですね。
それが現実なのでしょう。

>今回、いっきさんは、いいお客さんだったと思います(笑)。

はははっ、そうなのかもしれません。
私はただできるだけ色んなミュージシャンを観たいだけです。
で、観るからには楽しんじゃおうということです。
私の場合は日本人だからどうこうとかはないですしね。

実は6/2ゲイリー・バートンと小曽根真のデュオが県民文化ホールに来るのですが、ホールで観る気にはならないんですよね~。S席¥5,000、A席¥4,000。

投稿: いっき | 2010年5月29日 (土) 22時47分

ラファロは、それ程ライブに積極的ではありません。
時々、お客さんサービスって感じでライブかなぁ?
ライブやっても、普段より儲かる分けではありませんから・・・(笑)。
それとライブの客は、普段は来ない客なんですよ(笑)。

普段、コーヒーやビールを飲みに来てくれる客を大切にしています。
ライブをメインにしている店がつぶれているのが多い。
週末の金土しか営業できないから。

ゲイリー・バートンと小曽根真のデュオのホールかぁ〜。
パット・メセニーとのデュオなら行くのにね(笑)。

投稿: tommy | 2010年5月29日 (土) 23時33分

tommyさん。

>ライブをメインにしている店がつぶれているのが多い。
>週末の金土しか営業できないから。

そうなんですか。
カフェよりはライブハウスのほうが入りが良いと思っていたのですが・・・。
確かに毎日ライブをやってもこの不況じゃあお客さんは来ませんよね。
辛い時代です。

>パット・メセニーとのデュオなら行くのにね(笑)。

はい、メセニーなら絶対行きます(笑)。

投稿: いっき | 2010年5月30日 (日) 00時40分

ねぇ、いっきさん。

なぜ?みんな「トラックパック」して貰いたがるの?
リンクしていろんな人に読んで貰いたいから?
イイ内容の記事ななら、自然に紹介するよね。

投稿: tommy | 2010年5月30日 (日) 12時55分

tommyさん。こんにちは。

ブロガー間の共感ツールになっているんじゃないかと思います。
サイレント・マジョリティ相手だとブログをやっている実感が希薄になるので、トラックバックはそれを補っているのではないでしょうか?

投稿: いっき | 2010年5月30日 (日) 16時05分

なるほど!サンキューです。

コメントを表に出すオイラには必要ないよね(笑)。
ほら、お便りを頂きました〜みたいなものでしょう?

「TBお願いします」って、オイラは言えない。
相手が決めることなので、ちょっとハズカシイ〜(笑)。

投稿: tommy | 2010年5月30日 (日) 20時56分

tommyさん。

「TBお願いします」ってありますか?
私はお願いしたことはないですし、今のところお願いされたこともありません。
トラックバックが入っていなかったり、間違えて消してしまった場合は除きます。

投稿: いっき | 2010年5月30日 (日) 23時22分

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