「PCMジャズ喫茶」問題発言アリ(笑)!
今回の「PCMジャズ喫茶」は問題発言アリ(笑)!
ゲストは荻窪のライブハウス 「ルースター」 の店主佐藤ヒロオさん。
ユニークな方でした。
最初にお店での佐藤さんの「前説」の自演があり、なかなか面白かったです。
店主自らミュージシャンを紹介して盛り上げるそうです。
休憩時間には、独りで来るお客さん(ジャズは多いとか)が飽きないようにと
マジックショーをするなんて話も。
演奏中に携帯で写真を撮ったりしないように、前節でさりげなく注意喚起するとか、
色々気遣いをされているそうです。
寺島さんからは「演奏がつまらないとお客さんが携帯を見る傾向があるので、
ミュージシャンはそうならないようにしてほしい。」というような話もありました。
1曲目、恐怖のブラインド・フォールド・テスト(笑)。
「この演奏は日本人のクインテットで、自分の店でやりたいか?を聞かせて。」
ということでした。佐藤さんはかなり困りつつもテスト開始。
市原ひかりグループの新譜『ムーヴ・オン』から《やみくろ》。
人力ドラムンベースのリズムとクラブ・ジャズを意識したカッコイイ演奏。
アルトの浅井良将がなかなか良いです。私は結構好き。
さて曲が終わって寺島さんの質問に対する佐藤さんの答えは?
「お店に出演してもらうには基準があり、今の演奏はいいけれど、
あとはお店のコンセプトに合うかどうか?」とのこと。
回答しづらい質問ですよね。
佐藤さんは「ブラインドなんて、地獄のような番組。」と言っていました(笑)。
寺島さんが期待するような回答ではなかったようで、かなりしつこく問い直し。
で、しびれを切らした寺島さんが言った言葉は、
「「メグ」では出てもらわない。こういう演奏はダメ。
市原ひかりが自分で音楽を作って独りよがりになっている。」というようなこと。
いつもの寺島さんの持論です。というより単に寺島さんが嫌いな新主流派&モード
をやっているからダメなんじゃないでしょうか(笑)?いいのかな~。問題発言!
曲はいいけど全体がこんな感じではきつい。音楽性は高いが3ステージはきつい。
なんてことも言っていました。
「ルースター」ではジャズにエンターテインメントが加わるそうです。
「ジャズがわからない。」が多くの方の基本。
小難しいけれど理解してくれではなく、小難しいけれど楽しいものも入れたうえで
聴いて下さいという姿勢が大事という話になりました。
通り一遍のメンバー紹介の功罪の話へ。
寺島さんは、何度も拍手をしなければならないのが辛いとのこと。
佐藤さんは、自分でするメンバー紹介で拍手を誘い心をつかむとのこと。
佐藤さんは以下のようなことを言っていました。
「ジャズの聴き方には2通りある。
新宿ピットインの昼の部のようにお客さんが腕組みして聴くものと、
ニューオリンズ的陽気な雰囲気の店で遊園地のように盛り上がるもの。」
下のようなお店では何度拍手しても盛り上がり、
盛り上がっていれば拍手も自然に出るそうです。
なるほどね~。エンターテインメント・ジャズを目指す佐藤さんでした。
次は佐藤さんらしい選曲ということで、
水口誠 さんの『ジャパニーズ・パロディー・ジャズ・ソング』から
《キャンディー(幹事)》。
水口さんはサラリーマン。2号店のジャズ・セッションに参加するうちに、
元々は歌っていなかったジャズを歌うようになり、替え歌ジャズになったとか。
これが荻窪「ルースター」の本質だそうです(笑)。
”キャァ~ンディ~” が ”かぁ~んじ~” になってしまい、サラリーマンらしい
幹事の憂鬱を歌った歌詞が面白かったです。
岩浪さんは昔の”あきれたボーイズ”のようだと言い、
感想を求められたディレクター太田さん(「快楽ジャズ通信」のディレクター兼)も
面白いと言っていました。
寺島さんは「カルチャースクール」で和ませる時にかけたいと言っていました。
「ジャズ人口が年々減っているので、歌謡曲を聴いている人達にも気軽に
聴いてほしい。」と佐藤さんは言っていました。
それもありですが、それって結局はジャズじゃなくて歌謡曲です(笑)。
佐藤さんは聴かせるジャズ喫茶にも行くそうで、高田馬場「マイルストーン」は
近くに用事で行くことが多く、寄って休憩するとのこと。
佐藤さんはジャズ喫茶全盛期は知らないとのことでした。(私の一歳上)
佐藤さんにとってはニューオリンズやシカゴへ行った時の思い出が強いそうで、
設備や接客は日本に劣るけれど、ライブの楽しみ方がまるで違うそうでした。
日本のジャズ喫茶全盛期は後で本を読んで知って、
当時のジャズ喫茶に憧れがあるそうです。
歳が近いだけにジャズ喫茶に対しては私と同じような思いがあるみたいですね。
前回番組でかけられなかった曲。
ジョン・ウィンドハースト・カルテットの
『ジャズ・アット・コロンバス・アヴェニュー』から《ホエン・ユア・スマイリン》。
ディスクユニオン系レーベルから再発されたもの。
ニューオリンズ風ジャズ。私は”ボケ~ッ”と聴いていました(笑)。
こちらの演奏は「ルースター」に出てほしいとのことでした。
今度は気楽に回答できると言っていました(笑)。
佐藤さんはここら辺が好きだそうです。
腕組みしてじっと聴かなければいけないのよりこういうのが好きとのこと。
ここで番組半分。ゲスト:人妻Aさん登場。
ここでまた寺島さんの問題発言が!
ライブでお客さんの顔を見れば楽しんでいるかどうかわかるそうで、
山中千尋が速いのをやっている時、お客さんは皆下を向いていたとのこと。
出ました!いつもの山中千尋ネタです!
山中さんから岩浪さんにスイングジャーナル誌の原稿〆についてちょっとした
問い合わせがあったそうで、その時山中さんが
「ラジオで悪口を言っているそうですが、もっと言うように寺島さんに言って
おいて下さい。」と言ったそうです(笑)。
佐藤さんから山中さんの印象を聴かれた寺島さんは、
「ラジオに読んだらコテンパンですよ。」と楽しそうに言っていました。
両者公認の悪口合戦ということで(笑)。
スイングジャーナルがなくなっちゃうけれど山中さんはどこで攻撃するんだろう?
6月号のエッセイでも相変わらず寺島さんを攻撃していました(笑)。
佐藤さんがかけたい現代のニューオリンズ・ジャズ。
現代のサッチモと言われるカーミット・ルフィンズの《タイガーラグ》。
歌も歌っています。私は今のところ興味なしです。m(_ _)m
寺島さんは迫力があって楽しかったそう。
人妻Aさんも楽しいそうで、野外でビールを飲みながら聴くといいとのことでした。
次は人妻Aさん選曲。
「メグ」で「ジャズ批評」の「ジャズオーディオ・ディスク大賞」のアルバムを聴く会が
あり、そこで聴いて、女性で日本人とは思えず、男性で北欧だと思ったそうで、
こういう人がいるのかと衝撃だったとのこと。
マキコ・ヒラバヤシの『ハイド・アンド・シーク』からタイトル曲。
私は結構気に入りました。買ってもいいかも?と思っています。
佐藤さんは自分のハートにこないそう。
「計算されパターン化され、本来のジャズはやっていないと。
メロディーはわかりやすい。冷めた感じ。」というような話でした。
寺島さんは「これが彼らの情熱的な演奏。」とちょっと弁解。
ディレクターの太田さんは好きだそうで、自分の家で何かしながら聴きたいそう。
そういう状況では冷たい音楽が合うとのこと。ライブには行かないとも。
それ、B.G.M.に良いってことですよね(笑)。
人妻Aさんは「どこが冷たいのかわからない?カッコイイ。」と。
寺島さんは「ノリがスポンティニアスじゃない。悪いとは一概に言えない。」と。
「ドラムがいい。女性だけれど”なよっ”としていない強さがいい。
バッド・プラスの女性版、計算された構築型。」とかも言っていました。
この方達の意見、私にはわかるようでよくわかりません(笑)。
佐藤さん選曲。ニューオリンスだけしか聴かないわけじゃないということで、
ラッキー・ピーターソン・カルテットの《ライディーン》。
オルガン・カルテットです。
ピーターソンはシカゴの黒人でブルース畑からジャズに歩み寄る人だそう。
コテコテのブルースでした。
岩浪さんはこういうオルガンが好きです。
寺島さんはさっきのピアノ・トリオのほうが良いそうです。
これはまあお二人の好みの問題。
佐藤さんは「日本盤がないけれど、多くの人に聴いてほしい。」とのことでした。
岩浪さんからは、最近プレスティッジのオルガンものレコードが高値という話。
寺島さんからは、オルガンとコンガが入ると昔はジャズじゃないと言われた話。
これまたお決まりのネタ(笑)。
佐藤さんがご自分のレーベルから『ライブ・アット・ルースター』というCDを出した
なんて話もありました。ジャスではないそうです。
岩浪さん選曲。
マイロン・ウォルデンの『モメンタム』から《オフ・スリー・ワールズ》。
いつもの「ジャズ批評」「内外新譜」でレヴューしているものです。
ディスクユニオンでは結構プッシュしている人。
現代ハードバップです。エレピも入っています。
寺島さんは「近代構築物。ドラムはいい。現代ハードバップがこうなっていくと、
ゆゆしき問題。」と言っていました。
寺島さんの常套句。ドラムにしか耳がいかないんでしょうか(笑)?
市原ひかりもマイロン・ウォルデンもダメのようです(笑)。
佐藤さんは本も出したそうです。
以前「荻窪ルースター物語」という本を出していて、今回は
「ライブハウスオーナーが教える 絶対盛り上がるライブステージング術」。
ライブは接客業とのこと。
「ルースター」 のページにこの本のリンクもあります。
物書きも読者を喜ばせるというのは似たところがあるとか、
ミュージシャンと作家は威張っているとか、まあそんな話がありました(笑)。
佐藤さんとはだいぶジャズの聴き方が違う私です。
色々あっていいと思います。
寺島さんは今回も相変わらずでしたねっ(笑)。
*
本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバードの
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」を
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。
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