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ケニー・ドーハムは渋いっす。

今日の「高野雲の快楽ジャズ通信」のテーマは「ケニー・ドーハム」

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

最初はtommyさんがよく言うセリフ「セツネ~」話から。
雲さんにとっての「セツネ~」はケニー・ドーハム。
ドーハムと言えば、『静かなるケニー』『アフロ・キューバン』『ウナ・マス』ばかりが
話題になるので、今日はそれ以外から選曲したいとのこと(笑)。

最初は生きのいいドーハムから。
微妙にセツネ~人選モブレーやワトキンスが参加した演奏。
『ザ・ジャズ・メッセンジャーズ・アット・ザ・カフェ・ボヘミアvol.1』から《ザ・テーマ》

雲さんらしいですね。掴みはO.K.
勢いがある演奏は聴いていて楽しいです。
ドーハム、モブレー、いいですよね~。渋いっす。
ホレス・シルバーのピアノもいいです。
ブレイキーのドラム・ソロ。最高(笑)。
(以降緑字は曲を聴いての私の感想などです。)

バッパー、ケニー・ドーハムでした。
雲さんによるとスースー息がもれる感じが「セツネ~」。
「音が滑らか。」とtommyさん。

雲さん的ケニー・ドーハムのド真ん中。今度はバラードで。
『ザ・ジャズ・プロフェッツVol.1』から《ドント・エクスプレイン》

これは正に「セツネ~」です。
黄昏と枯れた感じが漂うところが、う~ん、やっぱり渋いっす(笑)。
マイルスのクールで都会的なミュートなんかと比べるとこちらは素朴です。
ディック・カッツのピアノも音数少なめで上手くマッチしています。

「マイルスのバラード表現と全然違う。」と雲さん。
「トランペットで暖かい音を吹けるのがドーハム。」とtommyさん。
「バラードはフリューゲルホーンというイメージ(アート・ファーマー)だが、
トランペットでもこんな風に吹けるのがいい。」と続けます。
雲さんは「音色が魅力。マイルスやハバートのような存在感はないが、
アンサンブルに溶け込む音色。」と言います。

過激なメンバーの中でのドーハムの存在感を聴きましょう。
アンドリュー・ヒル『ポイント・オブ・デパーチャー』から《ニュー・モナスタリー》

先発ソロで、モノクローム的な渋いソロをとります。
続くドルフィーがいつものぶっ飛び方で気持ち良いです。
で、ヒルのダーク・ビューティー。私はこの音使いが好きです。
ジョーヘンのウネウネソロへと。
4人の個性がバランス良く構成されていると思います。

「メンバーをちょっと入れ替えればドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』になる。
ハバードでなくてドーハムでも成り立つんじゃないか。」と雲さん。
「ハバードはもっと尖がったところもある。」とtommyさん。

ドーハム以外のトランペッター。tommyさんの選曲。
ロブ・マズレク『サウンド・イズ』から《シナモン・ツリー》

これ、私が「ジャズ批評」誌で2009年ベスト盤にあげた1枚。
ヴァイブのサウンドが特徴的。
熱気と何となく退廃感が漂い、マズレクがモノトーンなソロをとります。
ベースのファットな音がクラブ/ジャムバンド的。
私は「セツネ~」は感じませんね。

tommyさん的「セツネ~」トランペット。
雲さんは「ラッパはしょぼくれた感じでドーハムに通じるかもしれないが、
ベースの音がファットでダメ。メロディーが村の祭りのようで嫌い。」
とケチョンケチョン、ダメだそうです(笑)。
「ださいところが「セツネ~。」なのかな~?」と雲さん。

なるほど、そう言われてみれば確かにその通りです。
まっ、私は村の祭りも好きです(笑)。
他の曲はもっと抽象的。でも”和”の響きを感じさせる曲もありますね。
シカゴっぽくもあると思います。
この曲だけでアルバムを判断されても困りますので、ヨロシク!
ところで、これ日本で人気があるんですか?

雲さんのドーハムを感じさせるトランペッター、ジョニ・コールズ。
チャールス・ミンガス『タウンホール・コンサート』より《ソー・ロング・エリック》
長いので途中まで。

ロブ・マズレクが大不評だったので動揺中。
曲を聴いても心ここにあらず(笑)。
この人、私も好きです。

消え入りそうな頼りなさそうな感じがドーハム似。
「アンサンブルに溶け込むトランペット。」と雲さん。
「ドーハムより都会的。「セツネ~」ではドーハムに勝てない。」とtommyさん。

番組冒頭に話が出たアルバム。
『ショート・ストーリー』からタイトル曲

これはイイですよね。私も大好きな演奏です。
まずは哀愁のメロディーが良いです。

ドーハムの力強いトランペット・ソロ。
続くアラン・ボッチンスキーも健闘しています。
テテ・モントリューのピアノ・ソロがキレキレで素敵。
途中で《ソーラー》のメロディーがチラリと。

アレックス・リールのドラムの煽りもホットです。

「シチュエーションがNYでなく、コペンハーゲンのカフェモンマルトルで
真冬に録音されているところがより「セツネ~」を感じさせる。」と雲さん。

NYの熱い演奏でしめくくります。
『アット・ザ・カフェボヘミア』から《メキシコ・シティ》。オルターネイト・テイク。
力強いドーハムと言うとこれに尽きる。
以前プロデューサーの行方さんがゲスト出演した際にもこれをかけて、
アーサー・エッジヒルのドラム、特にシンバル・ワークに注目という話があり、
雲さんは、これが発展するとトニー・ウィリアムスになると思ったそうです。

渋いスタッカート節のJR.モンテローズのテナーが先発。
続くケニー・バレルのドライヴが効いたソロが良いですね。
で、ドーハムは確かに力強いです。

本日雲さんに大不評だった《シナモン・ツリー》収録アルバム。

ロブ・マズレクの『サウンド・イズ』。
私のオススメです!
ジャケ写がカッコイイ!最高っ(笑)!
「トータス」のドラマー、ジョン・ヘーンドンが新感覚楽器”TENORI-ON”使用。
日本で何人の人がこのアルバムを買ったのだろうか・・・。

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