「快楽ジャズ通信」のテーマは「女子ジャズ」
今回の「高野雲の快楽ジャズ通信」、テーマは「女子ジャズ」。
ゲストは「Something JAZZY」の著者 島田奈央子 さんです。
番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。
番組収録の模様はYou Play JAZZ?にもUPされています。
コチラ⇒快楽ジャズ通信 ゲスト:島田奈央子
島田さんの喋りは軽快です。
以前番組のディレクターをしていたA嬢に喋り方が似ています。
ポッドキャスト編で比較してみて下さいね。
ポッドキャスト編ラストの告知がディレクターA嬢です。
tommyさんが考えるジャズを聴く女子のイメージ話から。
島田さんによれば今のジャズを聴く女性はまじめで普通とのこと。
その後はtommyさんのジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」の話へ。
「女性にはジャズを聴きたい気持ちが潜在的にあるのではないか。」と雲さん。
島田さんも女性から「ジャズを聴きたい。何から聴いたらいいの?」と
尋ねられるそうです。
島田さんの本「Something JAZZY」は、雲さんと高良さんが書いた
ウェブ書籍「初ジャズ」と切り口(~ジャズ)は同じという話へ。
島田さんはコルトレーンやマイルスは持ってるし、ロリンズも聴いていて、
基本としてそこにリスペクトはしているが、
今回は敢えてそういう従来紹介されてきたものを外してセレクトしたとのこと。
本を出すにあたり、それでは軽く思われるかもしれないと凄く悩んだそう。
スイングジャーナル誌にも書いているので軟派なイメージが付いちゃうかな?
と物凄く気にしたそうです。
ますは島田さんオススメの曲。
島田さんは90年代初頭にクラブとかに遊びに行って、
ジャズは踊れるしリラックスできるし楽しいとわかったそうです。
で、それはジャイルス・ピーターソンというイギリスのDJが
昔のブルーノートやプレスティッジがから厳選されたものいいと思ったものを
紹介したアルバムがあり、それを聴いて刺激を受けたそう。
そんな中で”踊れる”よりこんな曲いいかもと思ったのがデューク・ピアソン。
デューク・ピアソンの『ハウ・インセンシティヴ』から《サンダリア・デラ》。
サンバの曲ですね。
こういうのを聴くと、私は小野リサに直結します。
私、小野リサをカー・オーディオで一時期よく聴いていました。
まあ、いわゆるジャズじゃないとは思いますがこういうの好きです。
なかなかいい曲。気分が軽やかになります。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)
「ゆるいな~、気持ちいい。」とtommyさん。
「ピアソンはピアニストだけれど、ピアノをガンガン弾くよりは、
アレンジやプロデュース能力などエスコートの仕方が好き。」と島田さん。
「女性は自分をエスコートしてほしく、ピアソンはその能力に長けている。」
と続けます。
「ジャズオタクは顕微鏡聴き、部分聴きみたいなところがある。」と雲さん。
「一方女子ジャズは鳥瞰的、雰囲気を聴いているんじゃないか?
対する自分はもっと細かいところを聴いているが、そんな自分も
ジャズを聴いた最初は全体を見ていた。」と続けます。
次はtommyさんが考える「女子ジャズ」。
サラ・ガザレックの『ユアズ』から《ユア・マイ・サンシャイン》。
ジャジーな女性ボーカル+ピアノ・トリオですね。
ノリがちょっともっさり系かも。
微妙にあか抜けていないような(笑)?
ピアノはカクテル・ピアノ風。
ラストのスキャットもジャジー。
「聴きやすい。肩に力が入らず聴けていい。」と島田さん。
結構気に入ったそうです。
「70年代にはジャズを聴くともてるという経験がある。」とtommyさん。
「女子ジャズを理解できればもてるだろう。」と続けます。
ジョージ・ベンソンのライブを観に行こうと誘った経験もあるとか。
「ジャズを聴くともてるというような経験はない。」と雲さん。
私が知っているそういう”こまし”(下品で失礼)ジャズ(フュージョン)は、
リー・リトナーの《シュガーローフ・イクスプレス》(笑)?
次は雲さんの奥さんが「これいいじゃん。」と反応した曲。
なんてマニアックな思いつつ、ピアニストの松本茜さんがフィニアス好きで、
このアルバムの《シュガー・レイ》を聴きながら通学したというのもあるので、
ソウル・フィーリングが意外と女性に受けるのかもしれないとのことで。
ロイ・ヘインズの『ウィ・スリー』から《シュガー・レイ》。
このアルバム、島田さんは聴いたことがないそう。
私にとってこれは男子ジャズだと思うのですが・・・。
でも、今聴くと確かにメロディーは意外とかわいいです。
ピアノ・ソロも音の転がり具合が結構チャーミングかも?
基本はブルージーなジャズですね。
「女子ジャズでO.K.です。」と島田さん。
「音がきれいで明るくメロディアス。」と続けます。
tommyさんもこの曲は好き。
実は雲さんの奥さんはこのアルバムの最初の曲《リフレクション》に
反応したそうですが、以前番組でかけたので、
松本さんの話もありこの曲をセレクトしたそう。
次は島田さんが聴きたいアルバム。
ドラマーの平井景さんです。
島田さんは平井さんのことを「ドラマーにもかかわらずとてもメロディアスで
ワールド・ミュージックやクラシックの要素もあり、クロスオーバーな感じで、
私にとってはサムシング・ジャジーな感じ、ストレート・アヘッドなものより
色々なニュアンスが入っている。」と思ったそう。
そんな平井さんはライブばかりやっていたので、
ちょっと作品にしたらどうかという話になり、
島田さん自身のレーベル「ブライト・サンズ・レコード」で、
島田さんが選曲や曲の構成をアドバイスして一緒に作ったアルバム。
このレーベル名もあまりジャズジャズしていないものにしたかったそう。
ジャズと言ってもちょっと南国やクラシックの雰囲気も漂わせているとか。
平井景の『SORA』から《月の虹》。
バイオリンの響きがなかなか心地よいですね。
報道系テレビ番組のエンディング・テーマのような曲?
葉加瀬太郎がやっていそう(笑)。
バイオリンは寺井尚子風にも聴こえます。
後半はちょっとテンポ・アップしてデビッド・ベノワ風ピアノ・ソロも。
まあこれはいわゆるフュージョンです。
フュージョンいいじゃないですか(笑)。私は好きです。
「ジャケットがいい。」とtommyさん。
ジャケット写真は島田さんが撮ったもので、こういうところにも拘ったそうです。
「だんだん盛り上がっていくピアノがドラマティックで良かった。」と雲さん。
「結構大人の感じなんですね。」とtommyさん。
平井景さんのライブは99%女性で満席、チケットも即完売とのこと。
「女性はわかりやすい、フュージョンじゃないものかなと思いきや、
わりとこういうものにお客さんが集まったりする。
そういうことを今回本を書く上で参考にしました。」と島田さん。
「僕ら分かりにくい?」とtommyさん。
「僕らは面倒くさくなってきていると最近思う。反省している。」と雲さん。
「俺も時々面倒くさいと思う。体質がオバサン・ジャズなんですよ。
細かいところがオバサンなんです。ジャズ好きはオヤジじゃない。」とtommyさん。
tommさんが会ったジャズ・ファンはほとんどオバサンとのこと。
お見合い写真をすすめるありがた迷惑オバサンの雰囲気に近いという話へ(笑)。
「長く聴いているジャズ・ファンほどオバサン。」とtommyさん。
ということは私もオバサンです(笑)。確かに思い当たる節があります。
「そうなると、ジャズ喫茶のオヤジじゃなくて、あれはオバサン。」と雲さん。
次はtommyさんオススメ。
tommyさんのところのデザイナーが好きだという
アイク・アイザックスの『アット・ザ・パイド・パイパー』から『ソウリン’』。
ブルージーで軽快なジャズ。
メロディアスで聴きやすいですね。
私は男子ジャズだと思います(笑)。
ベースの刻みもいい感じです。
でも、ちょっとあか抜けていない気がするんですよね~。
女子ジャズはもっとお洒落感がほしい?
「どういうところが女子ジャズですか?やっぱり元気?」と島田さん。
「女子は割り切りが早い、そういう感じの元気が出る女子ジャズ。」と続けます。
次は雲さん選曲。
「ノリノリじゃないやつ、こういうのも受けるんじゃないかなあ?」と雲さん。
類家心平さんもライブには女性客が多いので。
そんな類家さんはシリアスで難解なところもあるが、
ストイックなところがカッコ良さが女性にも受けるのではないか?
「でも、それって男性的。」と島田さん。
類家心平の『ディストアード・グレース』から《Role Lettering 「交換書簡」》。
やっぱりこの人、基本はマイルスですね。
途中軽いフリー・インプロの展開も含み、かなりのカッコ良さ。
男が感じるカッコ良さです。
音の隙間や空間性を生かした展開がいいですね。
後半高速4ビートでのソロもスリリング。
男はこういうスリルにカッコ良さを見出すんだと思います。
「これはどうなんでしょう。これは男子ジャズ。」と島田さん。
雲さんはが凄く好きな曲だそうです。それっ、私はよくわかります。
「ストイックな感じ。女性は男性のストイックな部分に惹かれない。」と島田さん。
類家さんのライブに行った島田さんは、「女性客は多いけれど、
皆さんはこういうのをどう感じているんだろう?」と思ったそうです。
「照明も含めてナルシスティックな部分もカッコいい。」と雲さん。
この後tommyさんからお話があったのに聴きそびれました。m(_ _)m
島田さんは、「女性は押しつけられるより、自分で見つけにいく楽しみがほしい。
自分でいいな~っと感じたところから入ってほしい。」と言っていました。
今日の放送を聴いて私が思った「女子ジャズ」は、
一言で言うなら「お洒落なフュージョン」でした(笑)。
う~ん、レポートはやっぱ疲れる。
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コメント
いっきさん
こんばんは!
レポートお疲れさまでした!
これで安心して寝れる(笑)。
おやすみなさい(*^.^*)
投稿: 雲 | 2010年5月 7日 (金) 01時59分
いっきさん、サンキューでした。
難儀な作業、お疲れさまでした。
最近、どうもフュージョンがのさばってきていますね(笑)。
でも、みんなフュージョンを知らないようですよ。
ジャズをエレクトリック楽器でやっているくらいの
認識ではないでしょうか?
最近、多くなっているような気がします。
投稿: tommy | 2010年5月 7日 (金) 02時15分
こんばんは。
雲さん。
番組がリニューアルしてから少々苦労しています。
3人のトークをリアルタイムでフォローするのは結構大変です。
プロフィール紹介やアフター・アワーズ編他がなくなり、
手を抜いていた部分が減ったのも影響大です。
ミスリードもありますし(涙)、慣れるまで当分ヨレヨレは続くと思いますが、
ご容赦願います。
tommyさん。
>最近、どうもフュージョンがのさばってきていますね(笑)。
う~ん、どうなんでしょう。
脈々と流れていたものが、私達の目にとまるようになっただけかもしれません?
>でも、みんなフュージョンを知らないようですよ。
フュージョンって廃れましたからね。
話題に上らないので、知らないんでしょうね。
>ジャズをエレクトリック楽器でやっているくらいの
認識ではないでしょうか?
確かにそんな感じがします。
私の中では、ジャズを聴く場合とフュージョンを聴く場合で、
自然にモードが切り替わります。
ジャズは細かいところを聴き、フュージョンは雰囲気を聴いている感じです。
女子ジャズの聴き方って、フュージョンの聴き方のように感じます。
投稿: いっき | 2010年5月 7日 (金) 19時48分
>私の中では、ジャズを聴く場合とフュージョンを聴く場合で、
>自然にモードが切り替わります。
>ジャズは細かいところを聴き、フュージョンは雰囲気を聴いている感じです。
これは、好きな音楽がある幸せツーもんですよ(笑)。
多くの人が「音楽は好き!」とはいうでしょうが、
モードが切り替わるくらい、そこまで音楽が好きな人も少ないのでは?
自分のエネルギーを消費してまで、音楽を聴く分けではない!
それが現状なのだと思います。
投稿: tommy | 2010年5月 7日 (金) 20時37分
tommyさん。
>モードが切り替わるくらい、そこまで音楽が好きな人も少ないのでは?
少ないと思います。
普通ではないと思います(笑)。
そうでもなければブログを書いていないんじゃないかと?
>自分のエネルギーを消費してまで、音楽を聴く分けではない!
そうでしょうね。
でも私としてはあんまりエネルギーを使っている感じはないんですよ。
もっと自然な感じです。
投稿: いっき | 2010年5月 7日 (金) 23時09分