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今日は激渋アルバムですよ。

ピアニストのジョン・ステッチ、あなたはご存じですか?

P157 このアルバムは知っているでしょ?ジョン・ステッチの『グリーン・グローブ』(1998年rec. Jstein Time)。寺島靖国さんがオーディオ・チェック盤として一時期激プッシュしていたアルバムですよね。ジャズ・ファン、オーディオ・ファン、寺島ファンは必携のピアノ・トリオです。

2曲目《チップス・フォー・クランチ》のシンバルとベースを聴け!とのことでした。演奏より音(笑)。私もジャズ/オーディオ/寺島ファンのはしくれなのでおっしゃることはよ~くわかります。時々引っ張り出してきて聴いたりしますからね。でも私はトニー・ウィリアムス作《シスター・シェりル》のがほう好きですよ(笑)。そしてラストの《ZABAVA》はアーティスティックなピアノ・ソロ、素敵です。

さて、今日紹介したいのはこちらのアルバムなのです。

P158 ジョン・ステッチ『カルパティアン・ブルース』(1993年rec. Terra Nova records)です。メンバーは、ジョン・ステッチ(p)、シーマス・ブレイク(ts)、ジェシ・マーフィー(b)、ホルヘ・ロッシー(ds)、ウゴンナ・オケゴ(b)、ジーン・ジャクソン(ds)です。ベースとドラムは曲によって交代します。

わけのわからないジャケットですが、配色は好きです(笑)。アルバムのトーンはこのジャケットの配色に意外とピッタリかもしれません。

テナーのシーマス・ブレイクが目を引きますよね。彼の初期の頃の演奏を聴くことができます。現代要注目テナーの一人ですが、この頃は意外と普通ですね。白人”フガフガ”系の現代モダン・テナーで、これという個性みたいなものはまだないです。ただし、しっかり地に足の着いた落ち着いた演奏を聴かせてくれます。

アルバム全体のイメージはちょっと暗めでオーソドックスなハードバップ。私の好きなシダー・ウォルトン作曲の《ボリビア》でさえウキウキというよりドッシリ感が漂います。ステッチのピアノも落ち着いたトーンの音使いになっています。結構熱く弾いている場面においてもどこか沈みこむ感じが漂っています。なかなか渋いピアニストだと思います。

ベースとドラムはマーフィー&ロッシー、オケゴ&ジャクソンのどちらの組もきっちり4ビートをこなしていますね。甲乙は付けがたく、なかなか良いサポートぶりです。

で、そんな演奏なのですが、私は決して嫌いじゃあありません。むしろこの落ち着いたトーンが好きなくらいです。噛めば噛むほど味が出てくる感じがします。最近ありがちな形だけの軽めのハード・バップというのとは違うように思います。1990年代のハードバップは今よりはしっかりしていたんじゃないかと思えてくる好演奏です。

このアルバムを持っている人が日本にどれほどいるかは知りません。
マイナー盤だとは思いますが、わけのわからないレア盤を聴くよりは、
こちらの方がず~っといいと私は思います。

アルバム名:『Carpathian Blues』
メンバー:
John Stetch(p)
Seamus Blake(ts)
Jesse Murphy(b)
Jordi Rossy(ds)
Ugonna Okegwo(b)
Gene Jakson(ds)

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