今日の「快楽ジャズ通信」はマニア向けでした。
本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「スコット・ラファロとビル・エバンス」。
今回から番組リニューアルです。
番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。
今回から、
ジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんがレギュラーゲストです。
tommyさんのブログにも番組のことがUPされていますので、要チェック!
最初はジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」の話から。
ジャズ友オヤジトーク全開ですね(笑)。
雲さんによれば、tommyさんが番組にグルーヴを持ち込むそうです。
私、この手の会話を何度も聴いているので、
ラジオ番組だということを忘れてしまいそうです(笑)。
前にtommyさんゲストでスコット・ラファロ特集をやっているのですが、
今回はビル・エバンスとの演奏にスポットを当てます。
まずはベタな1曲。
ビル・エバンス・トリオの『ワルツ・フォー・デビー』からタイトル曲。
ここでちょっと余談。
私が持っているのは26年前に買ったビクターのレコード。
2枚目のエバンスです。
最初に買ったのは『シンス・ウィー・メット』。
28年前の再発廉価日本盤。
3枚目は『アット・ザ・モントルー・ジャズ・フェスティバル』。
エバンスはこの3枚という時期が10数年続きました(笑)。
『ムーン・ビームス』はオリジナルのモノ盤を持っていますよ。
この演奏については最早説明不要でしょ(笑)。
さて、どんな解説をしてくれますやら?
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)
「聴けば聴くほど発見がある。やっぱりいいですよね。」と雲さん。
「テーマでラファロが遅れて入るのがいい。」と続けます。
これがいいというフレーズを雲さんがベースを弾いて実演。なるほどね~。
話はベースの弦へ、ラファロが使っているのはガット弦です。
特徴は、音の立ち上がりが遅い。音が暖かい。ガット弦を弾くのは力がいる。
ラファロのベース・フレーズを雲さんがベースで弾いてみます。
これをガット弦でスラスラ弾くのは凄い技術だそう。
で、そのフレーズはスケール練習に近いんだとか。
ラファロはスケール・オタクだったなんて話へ。更に話は展開して、
ジャコ・パストリアスが教則ビデオで同じようなフレーズを弾いていると。
ジャコもスケール・オタクだそうです。
そこからフレーズ展開の仕方の話へ。もう書くのが追いつけません(笑)。
ソニー・ロリンズのソロにおけるフレーズ展開の話にまで及びます。
で、そのフレーズが聴ける『ワルツ・フォー・デビー』から《マイルストーンズ》。
なるほどね、ベースのラインを中心に聴くのもいいかも?
ベース・ソロも楽しく聴ける感じがしますね。
まっ、ベースを弾かない人はそこまで聴く必要はない気がしますが。
普通は雰囲気で聴けばいいと思います。
「これって、エバンスの印象が薄い。」と雲さん。で、「凄い指の動き。」
ノリは4ビートなのに、ラファロの体感は16ビート。確かにそうですよね。
この速さで立ち上がりの遅れを考慮して弾くのは凄い技術と体力だそうです。
このソロをエレベで弾くとそのままジャコのベースになっちゃうそうです。
その例をジャコの演奏で示します。
『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ vol.1』から《ティーン・タウン》。
そう言われてみれば、確かに同じような感じです。
「テーマの複雑なリフ、符割、リズムが似ている。」と雲さん。
「スケール・オタクですからね。」とtommyさん。
次はエバンス・トリオのインタープレーの話へ。
tommyさんが「雲さん、インタープレーってどういうこと?」と質問。
雲さんは「「快楽ジャズ通信」の番組での話題の発展・展開と同じ。」と回答。
tommyさんは「そういうのもあるが、エバンス・トリオにおいては、
インタープレーは練習のたまもの。皆さんの夢を壊すようですが。」と言い、
雲さんが「自然発生的だけど、プロレスに近い。あらすじが決まっている。」と
続けます。
tommyさんによると「ラファロはビル・エバンスの音に当てて行っている。」とのこと。
「そういうことを事前に練習でやっていて、それを引き出しに入れて、
ライブで繰り出しているんではないか?」とtommyさんが言います。なるほどね~。
では、初期のエバンス・トリオはどんな感じだったかということで、
トニー・スコットのアルバムから《ミゼリー》。
トニー・スコットのバックがエバンス・トリオです。
エバンス/ラファロ/モチアンの初顔合わせ演奏。
こちらは淡々と伴奏しているエバンス・トリオ。
このシンプルな演奏ではエバンスの良さが際立っていますね。
ベースはあくまで寄り添う感じです。
続いて、tommyさんから雲さんへ質問。
「エバンス/ラファロ/モチアンのトリオによる演奏ではどのアルバムが好き?」
雲さんは『ポートレート・イン・ジャズ』と回答。
このアルバムは雲さんが最初に買ったジャズ・アルバムなので思い出深いそう。
tommyさんは「このアルバムではまだラファロが閃いていない。」と言います。
話がどんどん展開していっちゃいますね~。
「この『ポートレート・イン・ジャズ』から『ワルツ・フォー・デビー』までに
ラファロはフリー系のオーネット・コールマンなどと演奏していた。」とtommyさん。
「そこでの自由にベースを弾くという発想が、その後の演奏に生かされているん
じゃないか?」と続けます。
参考音源として、オーネット・コールマンの『ツインズ』から《チェック・アップ》。
なるほど言われてみれば、その後のラファロ的フレーズの元があるかも?
「チャーリー・ヘイデンにそっくり。」
「ラファロがヘイデンのマネをしていた?」
「これを聴いて寡黙なヘイデンと饒舌なラファロが繋がった。」と雲さん。
「こういうふうなフリーの経験が伴奏をあきらめちゃったラファロになる。」と
tommyさん。
以上のtommyさんの見解に対しする雲さんの意見がブログにUPされています。
放送第79回「スコット・ラファロとビル・エヴァンス」(3)
なるほど、雲さんのご意見にも一理あると思いました。
次は《グロリアズ・ステップ》。
タイトルになったグロリアの写真が、スコット・ラファロの妹が書いた伝記本に
載っているという話へ。
この本にはジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」についても書かれているそう!
《グロリアズ・ステップ》と言えば、『サンディー・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』
の1曲目として有名ですが、今日はちょっと変わり種バージョン。
途中で停電になっちゃうんだそうです!
『コンプリート・ライブ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード1961』から。
録音が中断しているんですね~。面白いです。
今更説明不要の演奏ですね。
ここでいきなり新コーナー「トミーとクモのB級オーディオ・グルメ」。
”トミーとクモ”はミュージックバードのチューナー表示。
”tommyと雲”になおしたほうがいいような気もしますが(笑)?
バックロード・ホーン・スピーカー談義でした。
今日は疲れたのでこの内容については割愛(笑)!
tommyさんのブログには何度かに分けてUPされていますので、
興味がある方はtommyさんのブログをさかのぼって見て下さ~い。
私には耳タコ話でした(笑)。
今日の一言「オーディオはまずスピーカーを決めろ!」
で、またラファロの話。
「バッキングを放棄している。」とtommyさん。
tommyさん曰く、「ラファロは飽きたらバッキングをする。」(笑)。
色々趣向を凝らしてベースを弾いて飽きたら普通にバッキングをやるそうです。
今日は結構疲れました。
どう展開するか予想がつかないうえ、話が急展開なので書くのが大変でした。
フゥ~ッ。
今日の内容はジャズ上級者向けでしたね。
マニアな私としては面白かったです。
おしまい!
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コメント
いっきさん、こんばんは。
いっきさんのレポート面白いよ。番組より10倍面白い!!(笑)。
もう本にしたいくらい面白い!!
なるほど〜。雲さんが面白がる理由がリアルに分りました(笑)。
いや〜十分楽しみました・・・大変だけど、続けてください。
これを、本にしたいなぁ〜、ね、雲さん。印税3等分(笑)。
投稿: tommy | 2010年4月 5日 (月) 01時28分
tommyさん。こんばんは。
>いっきさんのレポート面白いよ。番組より10倍面白い!!(笑)。
楽しんでいただけたなら嬉しいです。
10倍は大袈裟だと思いますが(笑)。
>なるほど〜。雲さんが面白がる理由がリアルに分りました(笑)。
そうなんですか~。
>大変だけど、続けてください。
できるだけ頑張ってみます。
>これを、本にしたいなぁ〜、
雲さんの番組ですからね。
雲さん主体で、私はちょっとフィーチャーしてもらえれば嬉しいです(笑)。
投稿: いっき | 2010年4月 5日 (月) 20時39分