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渋いトランペット・カルテット

明日からゴールデンウィークですね~。
明日は久しぶりに桜座へライブを見に行きます。
超絶ギター・トリオ「ウンベルティポ」がやって来ます。
前回来た時に見て、そのタイトで強烈なサウンドにビックリしました。
さて、今回はどんなパフォーマンスを見せてくれるやら。楽しみです。

今日のアルバム紹介行ってみよっ。

P140 『エリック・ル・ラ/アル・フォスター/デヴィッド・キコスキ/ダグ・ワイス』(2008年rec. harmoniamundi)です。メンバーは、エリック・ル・ラン(tp)、デヴィッド・キコスキ(p,rhodes)、ダグ・ワイス(b)、アル・フォスター(ds)です。ディスクユニオンのスタッフ推薦盤だたのですが、これも買いそびれていました。忘れ去る前にいつものHMVのマルチバイ特価で購入。

レーベルが「ハルモニアムンディ」。懐かしいです。今から26年前、オーディオ評論家の故長岡鉄男さんが書いた「外盤A級セレクション」で推薦していた盤のいくつかがこのレーベルでした。私は山梨からはるばる秋葉原の石丸電気まで、その本に掲載されていた外盤を買いに行きました。当時は貧乏学生だったので、特急列車に乗らす普通列車で確か3時間以上かけて買いに行ったんですよ。宗教音楽と古楽の2枚を持っています。

話が脱線してしまいました。このアルバムの話に戻ります。ル・ランはフランスのトランペッター、MOONKS本にも別のアルバムが掲載されていました。私は初めて聴きました。どちらかというと渋いトランペッターです。派手な吹奏はせず落ち着いて歌心ある吹奏をします。う~ん、ちょっと音程不安定でトホホ感もありますが、そこがこの人の味であり、こういうのが嫌いな人もいるでしょうね(笑)。

アルバムの雰囲気としては、ナタリー・ロリエの 『モーメンツ・ド・エタニティ』 に似ている感じがします。センスが良く小粋で味わいがある点ですね。まあ、こちらのほうがよりバップ度は上がって編曲よりはアドリブを重視していますが。そして温度感も高め。このくらいのリラックスと緊張がほどほどにバランスして、ヨーロピアンな匂いがほのかに漂うジャズ、結構好きです。

キコスキのピアノは新鮮で心地よいハーモニーとクリアなトーンが魅力。非常に安定した演奏をしています。ベースのワイスは始終安定してリズムを支え、ドラムのアルはいつものセンスの良い繊細なシンバル・ワークで演奏に彩りを添えていきます。このトリオがル・ランの歌うトランペットを見事にサポートして、演奏に品と深みを与えているところはさすがだと思います。

スタンダード《イエスタデイ》《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ》以外はル・ランのオリジナルが6曲。ル・ランのオリジナル曲はどれもメロディアズな佳曲なのでスタンダードと2曲と見事に馴染んでいます。6曲目《トゥデイ・アイ・フェル・イン・ラブ》だけは、キコスキがエレピ(フェンダー・ローズ)を弾いていて、ネットリ・マッタリのスロー・ファンク。その上で味わいのあるトランペット吹奏が気持ち良いですよ。3曲目《C'est la nuit Lola》は深情けな演歌を感じる曲でちょっと苦手(笑)。

これは大人のジャズですね。
このアルバムの良さがわかればあなたはもう大人です(笑)。
そしてこれは「(大人の)女子ジャズ」でもあると思います。

アルバム名:
『ERIC LE LANN/AL FOSTER/DAVID KIKOSKI/DOUGLAS WEISS』
メンバー:
ERIC LE LANN(tp)
DAVID KIKOSKI(p)
DOUG WEISS(b)
AL FOSTER(ds)

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