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日本人ジャズを聴こう!懐かしい(笑)。

ピアノトリオ好きが求めているのは癒しなのか?
ジャズ友の雲さんとtommyさんのブログで第2回戦がありました(笑)。

雲さんのブログ
ピアノトリオに求める要素

tommyさんのブログ
ピアノトリオ好きが求めているのは癒しだ(2)

面白いじゃありませんか?
こういうことを書くお二人が好きです(笑)。

さて、今日もアルバム紹介。

P136 BOZO(ボゥゾ)『デュエンデ』(2005年rec. イーストワークスエンターテインメント)です。メンバーは、津上研太(as,ss)、南博(p)、水谷浩章(b)、外山明 (ds)です。セカンド・アルバム。

BOZOのファースト・アルバム『1st』は持っていて、その独特な雰囲気が良いのか悪いのか?微妙に馴染めないでいました。で、棚上げのままだったのですが、昨年5月「高野雲の快楽ジャズ通信」にBOZOのリーダー津上さんがゲスト出演した 「快楽ジャズ通信、恐るべし!」 のをきっかけに、BOZOを見直すことになりました。あれからもう1年くらい経ってしまいました。

改めて聴くと、その独特な浮遊感と一抹の孤独感が身にしみます。ここにもやっぱり第2期マイルス黄金クインテットの影響がありますよね。津上さんが影響を受けたと言っているウェイン・ショターが参加したクインテットです。あそこまでの緊張感はないと思いますが、そこに現代の洗練が加味されているように感じます。

そしてもう一つ、津上さんが参加している大友良英のONJQやONJOで得たものの成果がここにあるのだと思います。個々のアドリブの前にバンドのサウンド/トーンというものが重視されていて、曲が醸し出すイメージにそって演奏が展開していきます。比較的スロー・テンポでサウンド/トーンに陰影感を持たせることに主眼を置くソロ。それこそがマイルスが打ち出したモードと言えばそうなんですが、そこに大友の音響的な感覚が入ってきます。

津上のアルト・サックスの音はブライトでクリアなところが素敵です。非常にストレートに音が飛んできます。で、メロディーが微妙に捻じれているから、快感と不快感の絶妙なバランスの上に立っていると思います。私が馴染めなかったのはそこなんです。でもこういうのって一旦馴染むと結構癖にんるようなものです。一方ソプラノ・サックスは音やフレージングからはデイブ・リーブマンを彷彿とさせます。

ラストのウェイン・ショーター作《ザ・アルバトロス》以外は全て津上が作曲しています。基本的に落ち着いたトーンの曲ばかり、哀愁漂う曲調だと思います。でも”哀愁のラテン”みたいな品の悪さは一切なし(笑)。非常に洗練されたメロディーばかり、そのイメージはスマートな都会であり大人なのです。”男の美学”を感じます。

南のピアノ、水谷のベース、外山のドラム、3人は非常にバランスが良く、津上が持つ世界を過不足なくサポートしていきます。それから南のハーモニー・センスは津上と相性抜群ですね。嵌まり過ぎている感じで他のピアニストは考えられないと思います。ラスト1曲前の《イクイリビリウム》だけが軽快な曲になっているのも気になります。なんでここに1曲だけ?謎です。

う~ん、BOZO渋すぎ!

アルバム名:『DUENDE』
メンバー:津上研太(sax),南博(p),水谷浩章(b),外山明(ds)

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日本人ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

いっきさん

こんばんは。
BOZOはいいですよね。
クロフツの『樽』を読んでいるときのような気分というか。
つまり、古いミステリー小説にも通ずる、謎解きと文学的要素が気持ちの良い按配で配合されている故、知的興奮が心地よく誘発される快感。これが、たまらんのです。
いっきさんが書かれているとおり、特異なメンバーのセンスと持ち味が、際どいバランスで成立しているアンサンブルも絶妙です。
ほんと、素晴らしいです。

投稿: | 2010年4月22日 (木) 00時45分

雲さん。こんばんは。

>BOZOはいいですよね。

はい、かなりお気に入りです。

>知的興奮が心地よく誘発される快感。これが、たまらんのです。

さすがは雲さん。上手い表現をされますね。
そのとおりだと思います。

>アンサンブルも絶妙です。

ですよね。素晴らしい!

投稿: いっき | 2010年4月22日 (木) 01時12分

いっきさん、こんばんは。

"日本人ジャズを聴こう!"
そういえば、そういうのもやろ〜ってありましたね。
「ブログ削除事件」があって、すっかり忘れていました。

今でも時々、'70年代の和ジャズ聴いているのですが、
マイルスの影響が大きいですね、和ジャズは。
中国じゃないけど、コピー商品みたいのが多い(笑)。
今耳で聴くとハッキリ分かるのが何ともです。
かなり情けない〜。今もそうかも?(笑)。

投稿: tommy | 2010年4月23日 (金) 00時12分

tommyさん。こんばんは。

>そういえば、そういうのもやろ〜ってありましたね。
>「ブログ削除事件」があって、すっかり忘れていました。

忘れないで下さいねっ(笑)。
私は時々日本人ジャズを紹介していますよ。

>かなり情けない〜。今もそうかも?(笑)。

ダイレクトにやっちゃってるのもあれば、今時なりのやり方でやっているのもあると思います。
菊池成孔さんをはじめとして、「快楽ジャズ通信」に出演したゲストの皆さんもマイルスをリスペクトする人は多いですよね。
それだけ人を引き付けるジャズをやっていたってことなんでしょう。

投稿: いっき | 2010年4月23日 (金) 00時52分

いっきさん

>菊池成孔さんをはじめとして、「快楽ジャズ通信」に出演したゲストの皆さんもマイルスをリスペクトする人は多いですよね。
それだけ人を引き付けるジャズをやっていたってことなんでしょう。

マイルスは自伝で、
「初めてディズとバード聴いたフィーリング、あれが欲しい。もう少しというところまではいったことはあるが、いつもあとちょっとだ。近いところまではいくんだ。でもやっぱり違う。それでも俺は、毎日演奏する音楽に、あれを求めている」
と書いていますが、いつのまにかマイルスは後世のジャズマンに、同じような気持ちを抱かせる音楽を作る人になっていたんでしょうね。

投稿: | 2010年4月23日 (金) 12時49分

雲さん。こんばんは。

>いつもあとちょっとだ。近いところまではいくんだ。でもやっぱり違う。それでも俺は、毎日演奏する音楽に、あれを求めている

マイルスの飽くなき創作意欲がジャズマンの心を捉えるんじゃないかと思います。

投稿: いっき | 2010年4月23日 (金) 20時55分

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