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2010年4月

ウンベルティポのライブを観てきました。

昨日は大失態をやらかしてしまいました。
甲府「桜座」でのウンベルティポのライブ、開演時間がいつもより早かったのです。
私は余裕をかましてブログを書いていました。
そしたら電話が・・・、桜座からだったのです。
「今日はいつもより開演時間が早いんですよ。いらっしゃらないので
ひょっとしたら勘違いされているのかと思って電話しました。」というような内容。
慌てて「桜座」のホームページを見るともう開演していました!
「今からき来ますか?」との問いに、「はいっ。すぐに行きます。」と返事。
慌てて「桜座」へと向かいましたが、30分以上遅れてしまったんです(涙)。
桜座の方には感謝です!ありがとうございました。
何度も行っているので私の顔と名前を覚えていて下さったんですね~。
これが地方の親切であり世間の狭さです(笑)。

P141 ウンベルティポのライブを観るのはこれが2度目。前回 昨年観た「桜座」ライブから「ウンベルティポ・トリオ」 楽しかったので、今回も楽しみにしていたのに、上記のとおり出鼻をくじかれてしまったのです(笑)。

ウンベルティポはギターの今堀恒雄さんをリーダーに、ドラムの佐野康夫さんとエレクトリック・ベースのナスノミツルさんが組んだギター・トリオです。自在に伸縮するリズムを操るマニアックなトリオ。ジャズ・ファンよりは楽器をやる方に受けそうな演奏です。

私が入ったときにやっていた曲が終わるとMC。ナスノさんを主体にまったりぼそぼそ呟き系のMCは何とも力が抜けてしまう内容。これがいい味出していました。演奏再開、UBT(ウンベルティポ)#21、曲名が付いていないので番号で呼んでいるんです(笑)。

曲構成の違いはわかるのですが、今堀さんのギターのメロディーはほとんど同じことの順列組み合わせに聴こえてしまう私(涙)。ナスノさんは色々な弾き方やエフェクターを駆使して演奏を多彩にグルーヴさせます。佐野さんは小柄でやせているのにパワフルでタイトなドラミング。このバンドのサウンドはロック・インストですね。テクニックは高度。リズムがどんどんチェンジしていくのでとても楽しいです。でもこのリズムがかなりの曲者。乗れる部分とどう頑張っても乗れない部分があります。

次はUBT#23。先ほどの曲もそうですが1曲15~20分くらいの長さです。遅れてきたけれど40分くらいは聴けたので満足。ファースト・セットは終了。お客さんの入りはまあまあ良いほうで30人くらい。やっぱり若い人が多かったです。年寄りには辛いサウンド(笑)。女性が意外と多くてビックリ。彼と一緒の娘もいれば、女性のグループもいました。休憩中にCD『ライブ2007』を購入。

P142_2 シンプルなドラムセットを中心に向かって右にギター左にベース。足元にはエフェクターがずらりと並んでいましたが、ベースもギターも持ち替えなしの比較的シンプルなセットです。ボケ写真ご容赦。左右には大型PAスピーカーが配置され、大音量で腹に響く低音と刺激的なギターとシンバルの高音を全身で浴びるのが快感でした。

セカンド・セット最初のMCで、ファースト・セットは1時間20分くらいで予想以上に長くなってしまったなんて言っていました。なんでもライブで演奏を重ねると曲が色々いじれるようになるらしく、それをやりだすと演奏が長くなってしまうんだとか。セカンド・セット最初は一番新しい曲UBT#25、これは完成して間もないそうで、演奏後に今堀さんが「ね。あっさり終わったでしょ。」とか言ってました(笑)。

次はUBT#24、ナスノさんが「あれっ、誰から始めるんだっけ?」と、「曲を早く作り過ぎると困るんですよ。新曲が出来るとどんなに大変か皆さん分かります?」と、今堀さんに苦情を言っていました(笑)。前回のライブ後、CDにサインしてもらった時にちょっと聞いた話によると、曲自体は簡単な決め事だけのようですが凄く練習するとのこと。

この曲では途中ナスノさんのベースがエレクトリック・マイルス時のマイケル・ヘンダーソンに聴こえるような部分があり、かなり気持ち良かったです。次のUBT#20は最初にシーケンサーを使って演奏を初めました。そしてラストの曲(曲名は言わなかったはず)へ。

それぞれ曲構成やサウンドのイメージは違うのですが、どの曲がどれとは言えません。ジャズを聴き始めた頃に、皆同じ曲に聴こえた感じに近いです(笑)。まっ、難しいことは言わずにサウンドを全身で浴び、リズムに乗って楽しむのが正解でしょう。

P58 アンコールは《フェズンティズム》。前アルバムのタイトル曲です。写真のアルバム(前回のライブで購入して今堀さんからサインをもらいました)ね。ちなみにこのアルバムはもう品切れ。で、次のアルバム作りを去年末に始めたけれどなかなか進まないそう。早く完成させて近いうちに出したいとのことでした。新作が出来上がれば全国ツアーに出るとか。

こういうバンドなので誰にでもオススメというわけにはいかないかもしれませんが、職人技を感じさせる非常にカッコいいバンドであることは確かです。

明日はいよいよ「快楽ジャズ通信」の番組収録。
私がゲストなんですよ!
さてどうなることやら。

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「PCMジャズ喫茶」のゲストはプロデューサーの伊藤八十八さん。その2

「PCMジャズ喫茶」レポートの続きです。
ゲストはプロデューサーの伊藤八十八さんです。

前回のレポートはコチラ↓
「PCMジャズ喫茶」のゲストはプロデューサーの伊藤八十八さん。その1

前回のレポートは5万円のクリスタルCDを聴いたところで終了。

今度は寺島さんの選曲で、伊藤さんへのブラインド・フォールド・テスト。かけた曲はグレイト・ジャズ・トリオ(以降GJTと略)の《アマポーラ》。ライブ録音です。寺島さんお得意の”哀愁のラテン”。いかにも寺島さんが好きそうな演奏でした。あ~っ、また”哀愁のラテン”ですか。

曲終了後、寺島さんが「わかると思いますが、これ誰でしょう?」と質問。「GJT。」と伊藤さん。伊藤さんがプロデュースしているんだからわかりますよね。多分これは寺島さんが好きなGJTの演奏なのでしょう。素直にそう言ってかければいいのに(笑)。

この曲は伊藤さんがハンク・ジョーンズにリクエストして演奏してもらったとのこと。ハンクは曲は知っていたが、タイトルは知らなかったそうですよ。ラテンがいいので入れてほしいと頼んだそうです。今は前番組レポートに出た《カンタループ・アイランド》や《クレオパトラズ・ドリーム》をリクエストしているそうです。《カンタループ・アイランド》は去年リクエストして2年越しでやっと実現したとか。寺島さんは「ハンクが《カンタループ・アイランド》をやりたくない気持ちがわかる。」と言っていました(笑)。今回のアルバム(まだ未発売?)では、サックスを入れて雰囲気を和らげて《マーシー・マーシー・マーシー》をやらせたとか。こういう選曲については賛否があるところだろうと思います。

ドラムの話へ。ドラム好きな寺島さんとしては、今の曲のオマー・ハキムのバネのあるドラムがいいとのことでした。それは私も同感。ウェザー・リポートに加入した時に聴いて、一発でこの人のバネのあるドラムが好きになしました。

伊藤さんはウェザー・リポートの最後の来日時によみうりランドでこのオマーを聴いて、当時のウェザーには4ビートの曲もあったので、この人は4ビートができるはずだと思っていたそう。ドリカム(ドリームズ・カム・トゥルー)のバックで叩いていた時に聴いて、GJTに誘ったとのこと。オマーは「なんで4ビートなの?」という感じだったが、マーカス・ミラー(ベース)と同じ高校の同級生で高校時代は一緒に4ビートをやっていたとのことで、「ハンクさんとならいいよ。」と受けてくれたそうです。ドリカムのライブでオマーが叩いていたとは知りませんでした。さすがはドリカム。私、ドリカムも好きですよ。

ここからハンク・ジョーンズは破滅型ではないという話へ。「ハンクは健康的で優等生的。だから91歳までの長生きにつながる。」と寺島さん。伊藤さんによれば実際もまじめだそうです。でも貪欲さがあり、そうでなければトニー・ウィリアムスとはやらないということでした。

寺島さんの「ハンクのライブ後の拍手がカッコ良かったけど、アメリカでも同じなのか。」という質問から、ニューヨークでもジャズ・オブ・レジェンドとして尊敬されていて、ミュージシャンからも尊敬されているなんて話へ。日米のミュージシャンの先輩に対する尊敬の違いについての話もありました。日本はアメリカのジャズマンに影響されているので、日本のジャズマンへの尊敬はあまりないと岩浪さんが説明していました。この岩浪さんの話、もう何度か聞いています(笑)。

ハンクのブルーノート・ライブのセカンド・セットにロイ・ハーグローブが参加したが、都合によりファースト・セットだけで帰った寺島さんは、観られなくて残念だったという話も。なんでも、翌日のライブのために来ていたロイが楽屋でハンクと合い、意気投合してセカンド・セットへ飛び入り参加したんだとか。その場で数日後に録音するハンクのアルバムへの参加も決まったそうです。岩浪さんからは、「ジャズは一緒に合わせるのがいい。上手い下手ではない。そこがクラシックよりジャズが優れているところ。」なんて意見もありました。

次は伊藤さんの選曲。前からカウント・ベイシー・オーケストラをいつか録りたいと思っていて、それがかなったアルバムから。ブッチ・マイルスがドラムに復帰したのを機に、ジャズ喫茶「ベイシー」の菅原さんと共同プロデュースで録った仙台でのライブ・アルバムです。菅原さんは早稲田の先輩だそう。

2006年の『ベイシー・イズ・バック』から《ワーリー・バード》。ブッチ・マイルスのドラムがフィーチャーされた演奏です。「最近、『ビッグ・バンドが好きなのはドラムがいいから。』と言ったら、『ビッグ・バンドはハーモニーです。』と言われてがっかりしたが、今のはドラムですよね。」と寺島さん。寺島さんらしいご意見(笑)。

次は岩浪さんの選曲。ジョエル・フラームの新譜(ヴィーナスレコード)から。伊藤さんは新譜も聴くようにしているそうですが、アルバム全部を聴く時間はないので1,2曲聴くそうです。寺島さんが「ヴィーナスレコードをどう見ますか?」と質問。伊藤さんは「頑張っている。音の作り方やジャケットに対するコンプトは違う。」と回答。「いい悪いじゃなくね。」との寺島さんのフォローに伊藤さんも同意していました。伊藤さんの意見に共感する私です(笑)。

ここから日本のジャズ・レーベルの話へ。インディー・レーベルは別として、今日本のジャズ・レーベルは世界のジャズ・マーケットを支えているんだそうです。全世界の50%は日本のジャズ・レーベルが作っているんだそうですよ。ヨーロッパのピアノ・トリオとか現代音楽的なものは除いて、正統的なものはほとんど日本とのこと。いや~っ、ビックリしました。ここで言うところの日本のジャズ・レーベルのアルバムはほぼ買わない私です(笑)。

岩浪さんによると日本からイタリアへたくさん録音に行くものだから、「じゃあ自分達で。」ということで、今イタリアのレーベルが伸びているなんて話もありました。それはわかりますね。伊藤さんも最近はヨーロッパで録音するそうで、それが前番組レポートに出た新人のトーマス・エンコ。フランスで録音したそうです。エンコは今あまり売れていないが、末永く育てていきたいとのことで、3作で勝負だとか。なるほど。

「”売れる”と”演奏がいい”どっちをとるか?」という寺島さんの質問に対して、伊藤さんは「お金をかけて作るので、売れるものを考えないとまずい。選曲が大事。なぜなら曲で買う人がいるから。70%くらいスタンダードで10~30%オリジナルが好ましい。ミュージシャンの名前が売れてきたらオリジナルを増やす。ミュージシャンが知られていないオリジナルを入れたがるのはミュージシャンのエゴ。」という回答でした。フムフム。

「リスナーの中にはハイ・ブロウな人がいて、オリジナルが良いとしてスタンダードを一段下げて見て、アカデミックなものを良しとする人もいますがどうですか?」と寺島さんが質問。伊藤さんは「ミュージシャンもお金が入ったほうがいいわけで、プロデューサーとミュージシャンの関係は売れることで丸くおさまる。関係がぎくしゃくしたら売ってやるのが特効薬。」なんて言っていました。なるほどね~。

ここでやっとジョエル・フラーム・カルテット《デライラ》をかけます。

伊藤さんは「あまり感じない。このテナーは僕のタイプじゃない。」とのことでした。寺島さんの「八十八さんはワン・ホーン・テナーは作らないの?」という質問に、伊藤さんは「テナーはコルトレーンから流れているのを作りたい。エリック・アレキサンダーが好き。エリックに『いつソプラノ・サックスをやるんだ。』と言っているけれど、エリックは『ソプラノはやらない。』と言っている。」と回答。寺島さんが「今エリックはどうなんですか?」と言うと、伊藤さんは「エリックはいい。音色が好き。ジョシュアもいい。」ということでした。「僕はエリックよりグラント(スチュワート)。」と寺島さん。「グラントよりエリック」と伊藤さん。お二人の好みは何となく察しがつきました(笑)。

次は寺島さん選曲で、スティーブ・キューン・カルテット《メキシコ》。ECMレーベルにしては珍しい演奏。寺島さんは「僕はこういう曲がめちゃくちゃ好き。」とのことでした。またしても”哀愁のラテン”(笑)。

ラストは寺島さんのリクエストで、もう一度5万円のクリスタルCD 『Jam at BASIE featuring Hank Jones』 から、《ツイステッド・ブルース》。サックス入りの伊藤さん推薦演奏。なかなか良い音でした。

更に伊藤さんの話も少々。若い頃にアービー・リンカーンを録った時に、マイルス・デイビスがスタジオに遊びに来て皆緊張して大変だったという話や、伊藤さんはフュージョンも好きで、マリーンや笠井紀美子も録音したという話がありました。

以上で終了。
プロデューサーならではの興味深いお話を聞けました。
にしても、寺島さんと岩浪さんがかける曲はいつも似たような傾向ですね~(笑)。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

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渋いトランペット・カルテット

明日からゴールデンウィークですね~。
明日は久しぶりに桜座へライブを見に行きます。
超絶ギター・トリオ「ウンベルティポ」がやって来ます。
前回来た時に見て、そのタイトで強烈なサウンドにビックリしました。
さて、今回はどんなパフォーマンスを見せてくれるやら。楽しみです。

今日のアルバム紹介行ってみよっ。

P140 『エリック・ル・ラ/アル・フォスター/デヴィッド・キコスキ/ダグ・ワイス』(2008年rec. harmoniamundi)です。メンバーは、エリック・ル・ラン(tp)、デヴィッド・キコスキ(p,rhodes)、ダグ・ワイス(b)、アル・フォスター(ds)です。ディスクユニオンのスタッフ推薦盤だたのですが、これも買いそびれていました。忘れ去る前にいつものHMVのマルチバイ特価で購入。

レーベルが「ハルモニアムンディ」。懐かしいです。今から26年前、オーディオ評論家の故長岡鉄男さんが書いた「外盤A級セレクション」で推薦していた盤のいくつかがこのレーベルでした。私は山梨からはるばる秋葉原の石丸電気まで、その本に掲載されていた外盤を買いに行きました。当時は貧乏学生だったので、特急列車に乗らす普通列車で確か3時間以上かけて買いに行ったんですよ。宗教音楽と古楽の2枚を持っています。

話が脱線してしまいました。このアルバムの話に戻ります。ル・ランはフランスのトランペッター、MOONKS本にも別のアルバムが掲載されていました。私は初めて聴きました。どちらかというと渋いトランペッターです。派手な吹奏はせず落ち着いて歌心ある吹奏をします。う~ん、ちょっと音程不安定でトホホ感もありますが、そこがこの人の味であり、こういうのが嫌いな人もいるでしょうね(笑)。

アルバムの雰囲気としては、ナタリー・ロリエの 『モーメンツ・ド・エタニティ』 に似ている感じがします。センスが良く小粋で味わいがある点ですね。まあ、こちらのほうがよりバップ度は上がって編曲よりはアドリブを重視していますが。そして温度感も高め。このくらいのリラックスと緊張がほどほどにバランスして、ヨーロピアンな匂いがほのかに漂うジャズ、結構好きです。

キコスキのピアノは新鮮で心地よいハーモニーとクリアなトーンが魅力。非常に安定した演奏をしています。ベースのワイスは始終安定してリズムを支え、ドラムのアルはいつものセンスの良い繊細なシンバル・ワークで演奏に彩りを添えていきます。このトリオがル・ランの歌うトランペットを見事にサポートして、演奏に品と深みを与えているところはさすがだと思います。

スタンダード《イエスタデイ》《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ》以外はル・ランのオリジナルが6曲。ル・ランのオリジナル曲はどれもメロディアズな佳曲なのでスタンダードと2曲と見事に馴染んでいます。6曲目《トゥデイ・アイ・フェル・イン・ラブ》だけは、キコスキがエレピ(フェンダー・ローズ)を弾いていて、ネットリ・マッタリのスロー・ファンク。その上で味わいのあるトランペット吹奏が気持ち良いですよ。3曲目《C'est la nuit Lola》は深情けな演歌を感じる曲でちょっと苦手(笑)。

これは大人のジャズですね。
このアルバムの良さがわかればあなたはもう大人です(笑)。
そしてこれは「(大人の)女子ジャズ」でもあると思います。

アルバム名:
『ERIC LE LANN/AL FOSTER/DAVID KIKOSKI/DOUGLAS WEISS』
メンバー:
ERIC LE LANN(tp)
DAVID KIKOSKI(p)
DOUG WEISS(b)
AL FOSTER(ds)

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ホーンやピアノに飽きるとギターが聴きたくなる。

最初は高野雲さんの予定を少々。

年明けそうそうにフルーティストMIYAさんをゲストに迎え、アップルストアー銀座にて「快楽ジャズ通信」公開収録があったのですが、6月と7月にもまた公開収録があるそうです。
コチラを参照⇒アップルストア銀座での番組公開収録のお知らせ
見に行こうと思っています。

そしてもうひとつ、雲さん主催の「JAZZ聴き会」なるイベントを始めるそうです。
コチラを参照⇒高野雲の「JAZZ聴き会」
隔週金曜日の20時~22時かぁ、残念ながら私は行けないですね。

雲さんは色々仕掛けてますね~。私はと言えば相変わらずダラダラ(笑)。

さて、今日紹介するアルバム。

ジャズというとどうしてもホーンとかピアノのアルバムが多いのですが、そればかり聴いていると違った音が聴きたくなります。そんな時に聴くのがギター。ギターの音がなぜか心を軽くさせてくれるんです。ギンギンのロック・ギターはダメですよ。暖かい、もしくは、爽やかなジャズ・ギターがいいんです。

P139 今日のはそんなアルバム。ウォルフガング・ムースピールブライアン・ブレイド『フレンドリー・トラベラーズ』(2006年rec. MATERIAL RECORS)です。メンバーは、ウォルフガング・ムースピール(g,vo)、ブライアン・ブレイド(ds,g,vo)です。デュオですが、多重録音でギターが複数演奏している曲がほとんどです。

これはディスクユニオンの吉祥寺ジャズ・クラシック館で聴いて結構気に入っていたのですが、当時はギター&ドラムのデュオという音の少なさが物足りない感じでした。結局買いそびれてしまいました。でも最近は逆にありふれたトリオやカルテットのようなフォーマットより、デュオやソロに触手を伸ばすようになったのです。

ということで買いました。ブレイドはギターも弾いていますが、これがなかなかお上手。さすがはブレイドですね。プロデュースはブレイドとムースピールですが、ブレイドが先にきていることやサウンドの傾向からしてブレイド主導なのかな?という気がします。

ムースピール作5曲、ブレイド作1曲、2人の共作5曲の全11曲。アメリカのフォーキーな匂いと自然や田舎を感じさせる曲が多めかな。私の好みでは、ムースピールのギター・ソロを中心にブレイドが躍動的なリズムで伴奏していく曲がいいと思います。

ムースピールのギターはベン・モンダーに近い感じがします。ちょっと個性が乏しい感じはしますが、押しつけがましくないのに心に響く心地よいギターを弾くと思います。そんなギターにはブレイドのドラムがよくマッチします。

ブレイドは手数が少なくない方だと思うのですが、パーカッション的というか、シンバルやスネアやタムやバスドラがほどよくほぐれているので、押しつけがましさはあまりないんですよね。それでいて生み出されるしなやかなグルーヴにはやっぱりパワーがあるんですよね。いいドラマーだと思います。

ドラムなしで、ムースピールとブレイドのギター・デュオも1曲あります。これがなかなか味わい深いです。

気分を爽やかにしたい時に聴いてみて下さい。

アルバム名:『Friendly Travellers』
メンバー:
Wolfgang Muthspiel(g,vo)
Brian Blade(ds,g,vo)

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妹尾美里さんは美人だなぁ~、パート・ツー(笑)。

本日の「高野雲の快楽ジャズ通信」「妹尾美里さんを迎えて」
ジャズ・ピアニスト 妹尾美里 さんがゲストです。
リンク先の妹尾さんのブログには今日の放送の感想もあります。
妹尾さん真面目な方ですね~。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

まず最初にお礼から。
前回この番組出演時レポのブログタイトルが 妹尾美里さんは美人だなぁ~。
おかげさまでGoogle検索で常に上位、検索して来てくれる人多数なのです。
妹尾さんには大変お世話になっております。感謝(笑)!

番組最初、きれいな妹尾さんがゲストで、異様なテンション(笑)?

妹尾さんのアルバムを聴いた雲さんの感想は、
「1枚目はコロンで言うと動物系で2枚目は柑橘系。」
2枚目『ラヴィ』は切り口も色々でバリエーション豊かな内容。

ますはその『ラヴィ』から《黒猫》
この曲にした理由は
「妹尾さんの雰囲気が猫系だから。それも海外の猫。」と雲さん。
「猫が大好きなので似るんですかね~。」と妹尾さん。

今、この手のピアノ・トリオはファンが多いのです。
躍動的なリズムと哀愁のメロディーはお約束。
私も結構好きです。
ラストの繰り返しとドラム・ソロがなかなか面白いです。
妹尾さんのイメージとちょっと違うのです。結構コテコテ(笑)。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

妹尾さんはミシェル・ペトルチアーニが好きということで
前回この番組にゲスト出演。
ペトルチアーニと同じくらいミシェル・カミロも好き。
ということで、今回アルバムを持ってきていただいたそう。

前回の番組で、雲さんはダークなペトルチアーニを選曲。
一方、妹尾さんは明るく陽気でブライトなタッチのものを選曲。
雲さんは、そんな妹尾さんなのでカミロも好きなんだと繋がったそう。

「パフォーマンス的に凄くて引き付けられる部分もあるけれど、
その前に凄く感動して、ライブを観て涙が出たこともあるんです。」と妹尾さん。
凄くゴリゴリいくんだけれど、きれいで繊細な部分もあって好きとのことでした。

妹尾さんのおすすめ曲。
哀愁漂う感じとラテンの感じが合わさったのがお好きだそう。
ミシェル・カミロ『ランデブー』から《フロム・ウィズィン》

なんとなくチック・コリアのスペインに通じる曲。
松岡直也っぽいところもあります。
アンソニー・ジャクソンのエレクトリック・ベースが重くてイイ感じ。
対するカミロとドラムのデイブ・ウェックルは軽快に。
私的には、上手さは認めつつもカミロの軽さが今一なところではあります。
”哀愁のラテン”寺島さんが好きなパターンです(笑)。
昨日の「PCMジャズ喫茶」ではこのパターンを2曲もかけました。
もちろん寺島さんはカミロのような弾きまくるピアノは嫌いですけどね(笑)。

「弾きまくりで気持ちいい。アンソニー・ジャクソンの小技も効いてる。」と雲さん。
「アンソニー・ジャクソンが気持ちいい。」とtommyさん。
「アンソニーのようなエレクトリック・ベースと共演したいですか?」と雲さん。
「エレベの方としばらくやったことがあるけれど、今の自分の音楽には
ウッド・ベースが合います。」と妹尾さん。

雲さんのミシェル・カミロのおすすめ曲。
以前ペトルチアーニ特集の帰りの打ち上げで、パエリアを食べに行ったそう。
そこの店では雲さんの顔を見ると《スペイン》と思うらしく、かけてくれたとか。
昔はリクエストしたのに、今は行けばかけてくれるとのこと。
ミシェル・カミロ&トメティート『スペイン』からタイトル曲。

私、これ新宿のタワーレコードの試聴機で聴いて、
一時期買おうと思っていたのですが買わずじまい。
こういう曲調はカミロの得意とするところなんでしょうね。
トメティートのギターとのマッチングはなかなかいいです。
ギターとのデュオなので、カミロは幾分控えめに弾いている感じ?
聴いていて気分が爽やかになるので私はこの演奏がいいと思います。
まっ、《スペイン》という曲が単に好きなだけかもしれません(笑)?

これは妹尾さんも大好きだそう。
「ギターとやりたいと思いませんか?」と雲さんが質問。
「なかなか敷居が高そう。」と妹尾さん。
ここでちょっと雲さんがプロデューサーする妹尾さんとギターの共演話。

次はメロディアスなピアノということでブラッド・メルドー。
「妹尾さんのツボに響くんじゃないかと思い感想をききたかった。」と雲さん。
ブラッド・メルドーの『エルゲイア・サイクル』から《レジグネイション(放棄)》

P138_2 

私はメルドーの新譜『ハイウエイ・ライダー』を聴いて、
メルドー探求心が湧きあがり、最近このアルバムを買いました。
クラシックのピアノ曲を聴いているような感じです。
メルドーのほの暗い美意識の曲ですね。
ちょっと心が沈んでいく感じですが、こういう”美”も悪くないです。
さすがはメルドー、ピアノが上手いです。

「妹尾さんはクラシックを勉強してきたので、これはどうでしたか。」と雲さん。
「このアルバムは聴いたことはないです。抑えていてクールな感じがします。
きれいで素敵。バッハを思わせます。カミロとは対照的。知的な感じ。」
と妹尾さん。
「妹尾さんはこういう曲を弾きそうですよね。
それとも弾いていくとどんどん熱くなったりしますか?」と雲さん。
妹尾さんはどちらっとも言えなそうな返事でした。
最近はソロを中心にライブ活動をしているとのことです。

「ピアノ・ソロはジャズっぽくするのが難しいんじゃないですか?」とtommyさん。
「ソロは楽しいです。弾きながら次の展開を考えるのが楽しい。
弾きながら作っていくところがジャズ?即興部分が強くなって面白いです。
自分としてはジャスを意識していません。」とのお答えでした。
即興部分が強くなるのがジャズ。私はその通りだと思いました。

妹尾さんと同じ神戸出身ということで、橋本一子のピアノ・ソロ。
『ヴィバン』から《遊園地の恋》

P13

この曲、私が持っているレコードには収録されていません(涙)。
私はこういう遊園地を思わせる懐かしい曲が好きです。
映画に出てきそうな懐かしくロマンティックな曲。
これはまたまた出ましたの雲さんと私の”胸キュン”メロディー(笑)?
この曲を聴いていると私は”ウルウル”になります。
もちろんジャズではありません。
余談ですが、カシオペアの25周年記念アルバム『マーブル』の中の
《ブレッシング》が似た曲調。ウルウルものです。私的名曲だー(笑)!

「こういうピアノが嫌い。これならクラシックを聴いた方がいい。」とtommyさん。
「そういうところでなく、一子さんのピアノは生で聴くと音がフワッと広がる。
空気感、広がり感を感じてほしいかったです。それが一子さんの本領。
表現力が凄いんです。」と雲さん。
「そこまでいけない。これはジャズのエリアに入れられない。
こういうのを聴くのは嫌いではない。一子さんは激しいのがいい。」とtommyさん。

「次にかける妹尾さんの曲もtommyさんは嫌いと言うかもしれない。」と雲さん。
妹尾さんの『ラヴィ』から《マロングラッセ》

ピアノ・ソロです。
これもクラシック的ですね。
曲調はJ-POPだと思います。TVドラマの主題歌になりそう。
こういうのはジャズとして聴いてもしょうがないです。
これはこれで妹尾さんの曲としていいと思います。

「旋律がかわいくて好き。」と雲さん。
これは1枚目の『ローズ・バット』にも収録されている曲です。
「2枚のアルバムにアレンジを変えて入れるのは思い入れがあるからですか?」
と雲さん。
「メロディーがかわいく親しみやすい。デザートみたいな感じで入れている。」
と妹尾さん。
「インストゥルメンタルとして気持ちいい。カテゴリーはジャズではなく新しい
カテゴリー。」とtommyさん。
「この曲はジャズじゃなくラヴです。」と雲さん(笑)。
「これはジャズというカテゴリーじゃない。新しいカテゴリーが出来るといい。」
とtommyさん。
「『ジャズじゃない』という表現には、『これはジャスじゃないから認めない。』
という蔑視の視線があるから嫌い。」と雲さん。
「昔はそうだったけど最近はそうでもない。」とtommyさん。
微妙に噛み合っていないかも?

ここのtommyさんのご意見は以下の私の記事へのコメントも参照願います。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-4e04.html
こういう曲をジャズにカテゴライズしちゃうと、今の保守的なジャズ・ファンには
受けないだろうと。
それならジャズ以外にカテゴライズして、広く音楽ファンに聴いてもらったほうが
良いのではないか?
という意味のことを言おうとされていたのではないかと思います。

妹尾さんおすすめのカミロの曲。
『ミッシェル・カミロ』から《スイート・サンドル・パート1》

これは軽快なテクニカル・フュージョン(笑)。
これはこれでいいとは思います。
この曲も《スペイン》の匂いがする曲ですね。
妹尾さんは意外とラテン系がお好き?
カミロのピアノは良くも悪くも軽いんですよね~。
まあ、これは重く暑苦しいのをたくさん聴いちゃったジャズ・マニアの戯言(笑)。
tommyさんはこの辺りを熱く語っています(笑)。

「ピチピチ元気ですね。元気なカミロが好きなんですか?」と雲さん。
妹尾さんは最初にカミロを聴いて、この曲がカッコイイと思ったそう。
tommyさんは「いや~っ、ちょっとって感じ。僕はペトルチアーニが大好き。
こういうラテン・アプローチはペトルチアーニもしていて、
ラテンとしてはカミロが上手いが、ラテン・ジャズとしてはペトルチアーニに
”グッ”とくる。僕的にはちょっとしたフレーズの回し方にジャズ濃度が薄い。
ペトルチアーニは腰の座り方、こぶしの回し方、フレージングの仕方が
昔から聴いているジャズに触れるところがある。対してカミロはそれが少ない。」
との感想。
「尻が軽いと?」と雲さん。
「極端にそういうことではないがちょっと軽いかな~というところがある。」
とtommyさん。
tommyさんの感想。よ~くわかりますよ(笑)。

今日は面白かったです。
tommyさんも色々思うところがあったようです。
私は何でもありだから今日かけた曲は特に否定すべきものはないですが、
正直に言えばやっぱりカミロは軽い(笑)!
言い回しに注意して書いたらかなり時間がかかりました。
表現に誤りがあればメール下さい。tommyさん。雲さん。
疲れた。ふぅ~。

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「PCMジャズ喫茶」のゲストはプロデューサーの伊藤八十八さん。その1

今回の「PCMジャズ喫茶」のゲストは伊藤八十八(いとう やそはち)さん。
知る人ぞ知る日本のジャズ・プロデューサーの草分けですよね。
スイングジャーナル5月号の寺島さん対談記事も相手は伊藤八十八さん。
最近は番組と対談記事が連動して作られているんですね。

ちょっと気になることが・・・。
スイングジャーナル5月号の山中千尋さんのエッセイに、「PCMジャズ喫茶」での寺島さんへの批判があり、「誰もが簡単に手に入れられない装置でしか聞けない(略して、誰も聞かない)ラジオ番組で・・・」と書いていらっしゃるのですが、どうやって番組を聴いていらっしゃるんでしょうね?まさか私の番組レポートなんかお読みになってはいませんよね?
もしお読みなら責任重大(笑)!

収録日はハンク・ジョーンズの新潟公演の次の日だったそうです。ハンクの日本公演は伊藤さんが連れて回っているんだとか。ハンクは91歳。こけると困るので車椅子で移動しているそうですよ。

伊藤さんは今、エイティーエイツ・レーベルのプロデューサー。エイティーエイツ・レーベルはソニー・ミュージック・グループのヴィレッジミュージックで作ったレーベルだそうです。伊藤さんはここでのプロデュースだけでなく、他のレーベルの請負プロデュース(平賀マリカなど)もしているとか。で、伊藤さんと言えば、日本フォノグラムのイースト・ウィンド・レーベルを立ち上げた方として、ジャズ・ファンからはよく知られた存在です。

伊藤さんは早稲田大学のニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属していて、ピアノを弾いていたんだそうです。寺島さんの後輩でもあるわけすね。寺島さんは、以前「ピットイン」で伊藤さんがドン・フリードマンを聴きに来ていて、「フリードマンがまだいけるかチェックしにきた。」というのを聞いてこの人は凄いと思ったそうですが、本人がピアノを弾いていたと知り、今日は納得したみたいです(笑)。

伊藤さんによると、NYから10人のピアニストを招くコンサート「100フィンガーズ」は毎年聴きに行くそうで、そこでは商売上の理由からどの人がいいかチェックするとのこと。フリードマンの場合も「100フィンガーズ」で聴き、もう一度「ピットイン」で聴いて、その後レコーディングの商談をしたんだそうです。「若手は録音しないの?」と寺島さん。「オースティン・ペラルタやトーマス・エンコを録音してますよ。」と伊藤さん。

「今ピアノ・トリオしか売れないけど、なぜピアノ・トリオしか売れないんでしょう?」と寺島さんが質問。伊藤さんは「聴きやすいから。」と回答。寺島さんが「管ものは聴きにくい。」と言うと、「最近はブラスバンドが出てきましたよ。」と返事。すかさず寺島さんが「それはブラス系の人達。我々はディスク系。今のものは売れないが昔のものは聴かれている。」と言うと、伊藤さんは「今の若手のCDもライブも聴かれていない。ネームド・アーティストを買っちゃう。お店でブルーノートやプレスティッジが¥1100や¥1000で安く売っているとそれを買ってしまう。」と返事。寺島さんは「そういうのを聴き終えてひと山越えた時、次に何かを聴かせるように仕掛けないと我々はダメ。」と言い、続けて「ブルーノートが全てとなるのは行方均の功績であり罪悪でもある。」なんて言ってました。寺島さんのそういう気持ちには敬意を表しますが、次に聴かせる寺島チョイスがね~(笑)。

ここから伊藤さんのプロデュース話へ。伊藤さんは「アメリカのプロデューサーと同じことをやってもダメなので、我々がジャズ喫茶でヒストリカルに聴いてきた知識を生かすようにしている。」とのことでした。『ザ・スリー』(ジョー・サンプルのピアノ・トリオ、確かダイレクト・カット盤?)のように、向こう(アメリカ)の人が考えない組み合わせをするとのこと。

話はグレイト・ジャズ・トリオ(以降GJTと略)へ、「GJTは誰が作ったんですか?」と寺島さんが質問。伊藤さんは「誰が作ったかわからない。強いて言えばマックス・ゴードン(ヴィレッジ・ヴァンガードのオーナー)が作った。」と回答。伊藤さんが聞いたトニー・ウイリアムスの話によれば、ライフ・タイムが終わったトニーがロン・カーターとハンク・ジョーンズとやりたいと言ったらしく、ロンは知っていたがハンクは知らなかったので、ハンクに話をつけてくれとゴードンに頼んだのがきっかけとのこと。当時ハンクはホテルのラウンジとかで弾いていたんだとか。50年代後半から60年代、ハンクはCBSのスタッフ・ピアニストをやっていて、その後は第一線から身を引いたような状態だったそうです。

で、そのGJTはあったけれど、アメリカでは誰も目をつけていなかったので、伊藤さんが録音したんだそうです。イースト・ウインドの最初のGJT録音がヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ。寺島さんがその録音のトニーのバスドラが凄かったという話をしたら、伊藤さんが「トニーのバスドラはデフォルメしちゃた。」と発言。ここから話は盛り上がります。当時トニーが24インチのバスドラを使っていて、その音を出そうとデビッド・ベイカーが録音したテープを日本でマスタリングした際に少しブーストしたんだとか。

ここでそれを聴いてみましょうということになったのですが、それは持っていなかったようなので、GJTのスタジオ録音版で《フリーダム・ジャズ・ダンス》をかけました。これはマスタリング時にあまり上げていないそう。これって、前に人妻Aさんがかけてこの演奏を聴いてこの曲が気に入ったということで盛り上がりました。

聴き終わった後に寺島さんが「トゥ・マッチに感じるんですよ。」と言うと、伊藤さんは「トゥ・マッチじゃないんです。さっきデフォルメと言っちゃったけど、ライブで聴いてその音を再現しようとしてやったことなんですよ。」と返します。「テープをいじっちゃいけないと先輩から言われたけれど、向こうの人はいじっている。レコードではカッティング時にレコードになった時の音を想定していじるんです。」と続けます。

寺島さんが「オーディオの原音主義の人はいじるなと言うけれど、伊藤さんにとって原音ってなんですか?」と質問します。伊藤さんは「原音はライブしかない。マイクで録音したら疑似音になってしまう。疑似音をいかに生に近付けるかが大事。最終的にCDもレコードもどういう盤を作るかです。」と回答します。なるほどさすがだと思いました。原音ということに妄信的に拘らず、所詮作ったものでしかないとわかっての大人の判断だと思いました

そんな伊藤さんは録音時に注文も付けるそうで、マイクの位置をご自分で変えちゃたりするそうです。寺島さん(もプロデュースをやってます)はとてもそんなことはとてもできないと言ってました。伊藤さんは録音エンジニアと長い付き合いなのだそうで、それができるんですとも言っていました。

GJTの録音時、オマー・ハキムの”ぼうや”がロック・チューニングのドラム(オマーはマドンナのバンドもやっていたりする)を持ってきて、キック・ドラムにマイクを入れちゃったりしていたので、伊藤さんはそれを外に出したりしたんだとか。オマーも来て見ていて最初は怒ったそうですが、音を聴いたらこれでいいと納得したそうです。「穏やかに主張すれば言葉はネイティブのようにいかないが、気持ちは伝わる。」と伊藤さんは言っていました。伊藤さんはミュージシャンに嫌われたことがないそうです。

話はGJTの『アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』のジャケット(上記の写真参照)へ。内藤忠行さんの写真だそうです。伊藤さんは50,60年代に比べCTIのジャケットが斬新で新鮮に思っていたそうで、このアルバムの時もアメリカの音(特にトニーのドラム)をジャケットにしたいと思い、それは”野球”だろうということになり、内藤さんのポジを何枚も見てこの写真に決めたそうです。ここでジャケット論が少々。ジャケットは10人中10人がいいと言うのはダメで平凡になるそう。6人はイイが4人はダメというのが当たるんだとか。ギリギリ良いが勝るくらいがいいそうです。

ここで寺島さんが「音にも同じようなことが言えませんか?」と言うと、伊藤さんは「音は人それぞれだから難しい。自分で100%と思わないとダメ。」と言っていました。伊藤さんはさっき言ったようにいかに生音に近付けるかが大事とのことで、盤の素材によっても音が変わるので考慮しているそうです。

演奏内容、ジャケット、音の3つが揃わないとダメでという話も出ました。寺島さんはその比率が4:3:3だそうで、伊藤さんはどうかと尋ねたら、答えは何とも言えないとのことでした。伊藤さんはジャケットについてはジャズ喫茶通いである程度知っていたが、音は最初の頃はわからなかったそうで、経験を積んでいくいくうちにわかってきたそうです。

伊藤さんは演奏についてはミュージシャンにあまり言わないそうですが、選曲は全てやるそうです。アルバムには”キー”となる曲があり、それは時代にもよるとのこと。GJTの録音では最近ファンキーな曲を敢えてやってもらうんだとか。ハービー・ハンコックの《カンタループ・アイランド》もリクエストしたそうです。

そこからミュージシャンは意外と曲を知らないという話へ。日本で有名な《クレオパトラズ・ドリーム》や《ユッド・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ》は知らないと言ってました。「向こうはブロードウェイ(ミュージカルの曲)がスタンダード。」なんて話もありました。

5万円のクリスタル(ガラス)CDの話へ。伊藤さんはカラヤン/ベルリン・フィルのやつを初めて聴いて良いと思ったとのこと。それは20万円。伊藤さんは出来るだけ安くなるようにとメーカーに言って5万円にしたんだそうです。オーディオの人もこれくらいなら出してくれるだろうということだそうです。既に300枚以上売れているんだとか。もう少し売れれば”トントン”だそうです。いや~っ、4分の1の価格に設定した伊藤さんはエライと思いました。

伊藤さんによるとCDだけれどCDの音ではないとのこと。今回はアナログ録音。アンペックスのテープ#456を日本中からかき集めて、スチューダのテープ・レコダーで録音したんだとか。一関のジャズ喫茶「ベイシー」でのライブ録音です。アナログ・テープで録るとアナログの音がするとのことでした。それからガラスはピット成形が上手くいので、ポリカーボネートのピット端崩れによる乱反射のエラーでスポイルされることがないというようなことも言ってました。この辺は専門的です(笑)。

「音はどういう特徴ですか?」と寺島さん。伊藤さんは「臨場感とディテールが良く出る。」という答えでした。

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《ハブ・ユー・メット・ディス・ジョーンズ》をかけました。確かに柔らかい音でした。私には録音方法の違いが大きいんじゃないかと思われました。いつものことですが、ミュージックバードがいくら高音質でも、ガラスの効果がどれほどあるのかはちょっとわからないです。

曲終了後、「これまでのCDと全然違う音だった。」と寺島さん。「フワッとしていて力強い。ベルベットのようだ。」とも言っていました。岩浪さんは「金持ちのオーディオ、サロンで聴いている気がする。」と言っていました。お2人は「金持ちになった感じ。音がリッチ。」とも言っていましたよ。寺島さんは「フワッとしてて、ベースの音は解像度がある。」と、この音がかなり気に入ったみたいでした。スイングジャーナル読者のみなさんごめんなさい。「次号までお待ちあれ。」のCDとはこのCDですね、多分(笑)。

今このCDが中国で興味を持たれているとのこと。若くて成金が増えていてからだそうですよ。

ここまでは音楽そのものの話ではなく、プロデュースのことやオーディオのことだったので、特にあまりツッコミを入れるところはありませんでした(笑)。でも興味深い話は色々聞くことができました。

長いので続きはまた後日。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

目指せ!”脱”誰も聴かないジャズ番組!(笑)

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このカルテットもなかなか良いです。

ディスクユニオン界隈では話題になっていた1枚。

P137 『トロティニョン エル・マレク ホール パレマーツ』(2004年rec. naive)です。メンバーは、バティスト・トロティニョン(p)、デヴィッド・エル・マレク(ts)、ダリル・ホール(b)、ドレ・パルメルツ(ds)です。2005年に発売されたのですが、当時はブログはやっていないので、ジャズ・ブロガーの間での反響はどの程度だったか知りたいような。

本作、4人の名前がアルバム・タイトルなのでリーダーはいないのでしょうが、実質ピアノのトロティニョンとサックスのマレクの双頭カルテットだと思います。曲も2人で5曲ずつ提供していますからね。

トロティニョンはピアノ・トリオの『FRUID』で有名になりました。本アルバムと同じくナイーブ・レーベルのアルバムです。私はこの人の現代的でスマートなハーモニー・センスが好きです。で、繊細過ぎないところもいい。結構ガンガン弾いてくれるんです。このくらいの温度感、熱くなる時はなるけれど、クールな視線は残しているところが絶妙のバランス。

マレクは、またまた登場のマイケル・ブレッカー系譜の現代テナー吹き。私って結局こういうサックスが好きなんですよね(笑)。キレのある良く通る音色でメカニカルになり過ぎないフレージングでバリバリ吹いてくれます。いいサックス吹きだと思うのですが、ちまたの評判は上がらないのがおしいところです。

こういう2人なので、バンドのサウンドはコンテンポラリー・バップ。トロティニョンが参加していたムタン・リユニオン・カルテットにも通じます。ただし、あちらはムタン兄弟のベースとドラムがかなり前面に押し出されていますね。ムタン・リユニオン・カルテットについては この双子は只者じゃない! を参照。こちらもカッコいいバンドです。ピアノはピエール・ド・ベスマンにチェンジしています。新作『ソウル・ダンサーズ』がジャズ・ブロガー間で話題なので、気になってはいるのですが未購入(その後購入)。

本作の話に戻ります。曲は2人が書いているけれど、聴き流すとどちらが作った曲かを判別するのは難しいと思いました。バンド・サウンドのイメージは統一されているということです。

気になる曲がいくつかあります。《ベース・オン・トップ》はルー・ドナルドソンがやりそうなファンキーな曲なのですが、この人達がやると当然スマートになります。ただしスマートになっても、マレクが熱く吹いてくれるし、トロティニョンも結構濃く熱くやってくれるものだから薄味にならないところが面白い。こういう演奏はなかなかできないと思いますよ。センスがいいと思います。

《ブイブス》は高速4ビートで、ムタン・リユニオン・カルテットのサウンドにかなり近い感じ(笑)。この曲はトロティニョンの曲ですが、あちらはムタン兄弟が作曲しているのにイメージは近いんです。曲が始まってしばらくしたところのトロティニョンの独奏が強烈。右手と左手がバラバラで右手の高速弾きに左手の低音メロディー被せるのは、上原ひろみなんかも得意とする弾き方。現代精鋭ピアニストのテクニックは凄い!続くマレクのソロも熱い熱い。で。ピアノ・ソロは右手のウネウネ高速フレーズがこれまた強力。

《イン・ア・ドリーム》はドラムがマレットで叩くスピリチュアルなバラード。マレクもトロティニョンも結構ブラックなジャズをよくわかっています。ヨーロッパ系にありがちなクラシックの匂いは控えめなのです。それは全般に言えることで、このくらいのクラシックの滲み具合が私にはとても心地よいです。《334》は美しいバラード。トロティニョンが冴えまくってます。

4曲しか取り上げませんでしたが、いずれもカッコいい曲でメロディーも美しいです。このアルバムはヨーロッパのコンテンポラリー・バップに描く私の理想型かも?

パティスト・トロティニョンの今度出る新作『スイート』は、マーク・ターナーとジェレミー・ペルトが全編に参加したクインテットのライブ盤。これは買いですよね!楽しみにしています。

アルバム名:『DRE PALLEMAERTS』
メンバー:
BAPTISTE TROTIGNON(p)
DAVID EL-MALEK(ts,ss)
DARRYL HALL(b)
DRE PALLEMAERTS(ds)

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私的胸キュンメロディー(笑)

今日はアホネタです(笑)。
私的胸キュン・メロディー!

まずは以前盛り上がった今井美樹《幸せになりたい》
今井美樹『ルトゥール』最高!

いや~っ、素晴らしい。

続きまして谷村有美《がんばれブロークン・ハート》

これも追加!谷村有美《最後のKISS》

次、平松愛理《一夜一代に夢見頃》

この人は《部屋とYシャツと私》が一番ヒットしたのに敢えて外すのがいい(笑)。

同じく平松愛理《素敵なルネッサンス》

もういっちょ、森川美穂《チャンス》

懐かしいこれも。太田裕美《木綿のハンカチーフ》

これっ、今井美樹の《幸せになりたい》と雰囲気がかぶってないですか(笑)?

これも追加!岩崎宏美《思い出の樹の下で》

いい声ですよね~。岩崎宏美。素晴らしい!

まっ、こんな具合ですがな(笑)。

お付き合い下さりありがとうございました。 m(_ _)m

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日本人ジャズを聴こう!懐かしい(笑)。

ピアノトリオ好きが求めているのは癒しなのか?
ジャズ友の雲さんとtommyさんのブログで第2回戦がありました(笑)。

雲さんのブログ
ピアノトリオに求める要素

tommyさんのブログ
ピアノトリオ好きが求めているのは癒しだ(2)

面白いじゃありませんか?
こういうことを書くお二人が好きです(笑)。

さて、今日もアルバム紹介。

P136 BOZO(ボゥゾ)『デュエンデ』(2005年rec. イーストワークスエンターテインメント)です。メンバーは、津上研太(as,ss)、南博(p)、水谷浩章(b)、外山明 (ds)です。セカンド・アルバム。

BOZOのファースト・アルバム『1st』は持っていて、その独特な雰囲気が良いのか悪いのか?微妙に馴染めないでいました。で、棚上げのままだったのですが、昨年5月「高野雲の快楽ジャズ通信」にBOZOのリーダー津上さんがゲスト出演した 「快楽ジャズ通信、恐るべし!」 のをきっかけに、BOZOを見直すことになりました。あれからもう1年くらい経ってしまいました。

改めて聴くと、その独特な浮遊感と一抹の孤独感が身にしみます。ここにもやっぱり第2期マイルス黄金クインテットの影響がありますよね。津上さんが影響を受けたと言っているウェイン・ショターが参加したクインテットです。あそこまでの緊張感はないと思いますが、そこに現代の洗練が加味されているように感じます。

そしてもう一つ、津上さんが参加している大友良英のONJQやONJOで得たものの成果がここにあるのだと思います。個々のアドリブの前にバンドのサウンド/トーンというものが重視されていて、曲が醸し出すイメージにそって演奏が展開していきます。比較的スロー・テンポでサウンド/トーンに陰影感を持たせることに主眼を置くソロ。それこそがマイルスが打ち出したモードと言えばそうなんですが、そこに大友の音響的な感覚が入ってきます。

津上のアルト・サックスの音はブライトでクリアなところが素敵です。非常にストレートに音が飛んできます。で、メロディーが微妙に捻じれているから、快感と不快感の絶妙なバランスの上に立っていると思います。私が馴染めなかったのはそこなんです。でもこういうのって一旦馴染むと結構癖にんるようなものです。一方ソプラノ・サックスは音やフレージングからはデイブ・リーブマンを彷彿とさせます。

ラストのウェイン・ショーター作《ザ・アルバトロス》以外は全て津上が作曲しています。基本的に落ち着いたトーンの曲ばかり、哀愁漂う曲調だと思います。でも”哀愁のラテン”みたいな品の悪さは一切なし(笑)。非常に洗練されたメロディーばかり、そのイメージはスマートな都会であり大人なのです。”男の美学”を感じます。

南のピアノ、水谷のベース、外山のドラム、3人は非常にバランスが良く、津上が持つ世界を過不足なくサポートしていきます。それから南のハーモニー・センスは津上と相性抜群ですね。嵌まり過ぎている感じで他のピアニストは考えられないと思います。ラスト1曲前の《イクイリビリウム》だけが軽快な曲になっているのも気になります。なんでここに1曲だけ?謎です。

う~ん、BOZO渋すぎ!

アルバム名:『DUENDE』
メンバー:津上研太(sax),南博(p),水谷浩章(b),外山明(ds)

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夜こんなアルバムを聴いていた時もありました。

アイスランドの火山噴火の影響が、とうとう私の身近にも及んできました。
4月21日に甲府「桜座」に藤井郷子カルテットが来るというんで、
楽しみにしていたのですが・・・。
何と!藤井さん達は今フランスにいるとかで、
飛行機が飛ばす日本に帰ってこられないらしいんですよ。
今回の公演は延期になってしまいました。残念!

さて、今日の話題。

昨日の「高野雲の快楽ジャズ通信」で、ピアノ・トリオ好きが求めているは癒しだというtommyさんの発言を巡って、番組中ちょっとした論争があったのですが、

ピアノトリオ好きが求めるのは“癒し”なのか!?~放送第81回『プレスティッジ時代のマイルス黄金のクインテット』(3)

その話と、tommyさんのブログにUPされている中域スピーカーのホーン&音響レンズを変えたら、『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』が良く鳴るようになった

いっきさん、タイヘンです!ジャズイメージ。

という話を読んで、思い出したことがありました。

10年ちょっと前、仕事に疲れて帰ってきてからよく聴いたアルバムの話です。
当時はジャズ新譜にあまり興味がなくて、古いアルバムを聴いていました。
で、なぜかコンテンポラリーのアルバム。
このレーベルのストレートな音質が好きでした。
極めてオーディオ的ですよね。

P133 1枚目はこれ、ヴィクター・フェルドマン『ジ・アライバル・オブ・ビクター・フェルドマン』(1958年rec. CONTEMPORARY)です。メンバーは、ヴィクター・フェルドマン(vib,p)、スコット・ラファロ(b)、スターン・リービー(ds)です。当時はCDを持っていましたが、今持っているのはOJC盤レコード。

ジャケットのおふざけを良しとするか否か?私は面白いと思いますけどね。何といってもベーシストのラファロが参加しているのが重要。やっぱりラファロのベースって品位があると思います。このアルバムを聴いていると、この後エバンスのトリオに起用されるのは必然的な気がするんですよね。

フェルドマンがヴァイブラフォンとピアノを弾き分けているとこころがお洒落だと思います。西海岸の爽やかさに程よい情感が漂いつつお洒落というのが良いのです。演奏にはきちんと筋が通っていますしね。A面1曲目《サーペンツ・トゥース》から気分は軽やかになります。ラファロのウォーキング・ベースが特に良いです。仕事疲れにはこれですよ。

私が好きなのはA面ラスト《スポージン》とB面ラスト《サテン・ドール》。ミディアム・テンポの快適な演奏です。美メロな曲、お洒落な演奏、粋なアレンジ。気分が良くなります。《フラミンゴ》のようなしっとり泣かせるバラードも入っていますし最高です。

あと2枚。

P134 『ハンプトン・ホーズ・トリオVol.1』(1955年rec. CONTEMPORARY)です。メンバーは、ハンプトン・ホーズ(p)、レッド・ミッチェル(b)、チャック・トンプソン(ds)です。当時はCDを持っていましたが、今持っているのはビクター盤レコード。

これはブルージーだけれどコテコテにならない、やっぱり西海岸ならではの小気味良い演奏です。私が思うジャズ・ピアノ・トリオのステレオ・タイプは意外とこれだったりします。エバンスの『ワルツ・フォー・デビィ』じゃないんですよ。このエバンス・トリオ、実は一癖ある結構手ごわい演奏なんです(笑)。

P135 シェリー・マン&ヒズ・フレンズ『マイ・フェア・レディー』(1956年rec. CONTEMPORARY)です。メンバーは、シェリー・マン(ds)、アンドレ・プレビン(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)です。これも当時はCDを持っていましたが、今持っているのはコンテンポラリー盤レコード。

これはマンの歌うドラムが何と言っても聴きどころ。なんとも軽快でスインギー。聴くうちに気分が”ホクホク”してきます。そこにプレビンのかなり重厚でかつ品位のあるピアノが加わり。更に”ズンズン”安定したヴィネガーのウォーキング・ベースが支えるという、これもかなり鉄壁なピアノ・トリオなのです。で、演奏しているのがミュージカル「マイ・フェアレディー」の名曲群。文句あるか~っ(笑)!

アンドレ・プレビンいうと、ロンドン交響楽団などの指揮者のイメージのほうが強かった私に、プレビンのジャズ演奏を強く認識させたのがこのアルバムであります。録音も特に良く、マンがブラシでスネアを”スコンッ”と叩く音の気持ち良さといったら、もうオーディオの快楽ここに極まれりなのです。

仕事に疲れて帰ってよく聴いていたのが、コンテンポラリーのピアノ・トリオばかりだったというのが笑えます。ちなみに、これら3枚は決して癒しだけではないと思いますよ。

これらに加えて、なぜか『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマンVol.1』を時々聴きたくなったというのが自分でも不思議です(笑)。

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コルトレーンの出来の善し悪しを再認識。

今日の「高野雲の快楽ジャズ通信」
「プレスティッジ時代のマイルス黄金のクインテット」です。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。
快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

今日は最初に雲さんの本の紹介から。
タイミングが遅くなってしまいましたが。

よろしくお願いします!
紹介トークは割愛。

プレスティッジ時代のマイルスにはたくさんレコードがありますが、
今日は「第一期黄金のクインテット」に絞ります。
”ing4部作”の前に聴いてほしいアルバム”小川のマイルス”。
ジャケットが良い悪いの話から入り。
「緩い和むでしょ。」「”ing4部作”は和めないところもある。」と雲さん。
「ピアノ・トリオに馴染んだ最近のリスナーにはこのアルバムが良いのかも。」
とtommyさん。

『ザ・ニュー・マイルス・デイビス・クインテット』から《ステイブルメイツ》

あははっ、久しぶりに聴いたけれどこれは緩いです。
出だしのところから”ノホホン”。
で、マイルスのソロはさすがにそれほど緩くはないです。
コルトレーンはこの頃は今一ですよね(笑)。
その後ここから飛躍していくわけです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

「これ、持っているけれど聴かない人がおおいんじゃないでしょうか?」と雲さん。
「ピアノ・トリオ好きの人が管が入ったものを聴きたい時に良い。」とtommyさん。
「刺激的なものを聴きたくないのがピアノ・トリオ好き。」と続けます。
「それはピアノ・トリオ好きに失礼じゃないの?」と雲さん(笑)。

ここからtommyさんの”ジャズ好きが求めるものとは?”が展開して行きます。
雲さんの”激薬ジャズ” 対 tommyさんの”癒しのジャズ”(笑)。
どちらがジャズ好きのメイン・ストリーム?
かなり長いトークが展開されていますが割愛(笑)!

以上の部分の詳細な模様と雲さんからの問題提起は以下。
面白いので是非ご覧下さい。

ピアノトリオ好きが求めるのは“癒し”なのか!?~放送第81回『プレスティッジ時代のマイルス黄金のクインテット』(3)

この記事を受けてのtommyさんからの説明もあります。

ピアノトリオ好きが求めているは癒しだ

次は”ingシリーズ”に入ります。
tommyさんは「クッキンが好き。」とのこと。雲さんも同じだそうです。
「2番目以降は皆一緒。」とtommyさん。
「それぞれ雰囲気が違うじゃん。なんであとは一緒なの?」と雲さん(笑)。

tommyさんが大好きな曲『クッキン』から《エアジン》

このアルバム。前にもブログに書きましたがオリジナル盤を持っています。
さすがに緊張感があります。マイルスはさすがのソロ。
コルトレーンのソロは既に”コルトレーン節”を聴くことができます。
あのメカニカルなフレージングですね。凄い進歩!
スピード感溢れるカッコいい演奏でした。

「これは一押しの曲。カッコイイ。」と雲さん。
「ロリンズの演奏が曲線的ならここでの演奏は直線的。」と雲さん。

次は雲さんのオススメでバラード。
『スティーミン』から《サムシング・アイ・ドリームド・ラスト・ナイト 》

実は私が買った”ing4部作”の中の最初の1枚。
これはもうマイルスのミュートを堪能する曲です。
繊細な表現が素晴らしい。
ガーランドのバッキングも必要最小限で品があります。
チェンバースのベース、フィリージョーのブラシも素敵。
ガーランドのソロは美しいです。

勢いのある演奏の後にバラードで一息つく選曲です。
「”ing4部作”の中で2番目に好きなのが『スティーミン』。」と雲さん。
「”ピリッ”とまとまりがあるのが上記2枚。『リラクシン』が少し緩くて、
『ワーキン』は緩い。」と続けます。

”ing4部作”は2回の録音が分散収録されています。
2回とは、1956年5月11日録音と1956年10月26日録音。
「5月11日のものはコルトレーンが緩い。」と雲さん。
「『クッキン』は10月26日の演奏だけなので、
tommyさんがこれを好きなのは分かります。」と続けます。
10月26日はアンサンブルにも一体感があるそう。
「5月11日のコルトレーンはリード・ミスが多く、
アドリブの構成も熱に浮かされている感じがする。」と雲さん。
この5ヶ月の間にコルトレーンが目覚めています。
「ツアーの連続がそうさせたんしゃないか?」と雲さん。

次はtommyさん選曲で『リラクシン』から《イフ・アイ・ワーア・ベル》
「皆好きだと思いますよ。」とtommyさん。
「始まるって感じがするじゃないですか?」と続けます。

この曲は、ジャズを聴き始めた頃にNHK-FMのジャズ番組
「ゴールデンジャズフラッシュ」で聴いて気に入った、私にとっては思い出の曲。
ただしその時かけたのは『マイルス・イン・東京』に収録のバージョンですが。
このスイング感とマイルスにしては陽気でメロディアスなソロが最高。
マイルスの完成度に対して、コルトレーンはちょっと微妙なんですが(笑)。
まあ、それも含めて微笑ましさがこの演奏の良いところだと思います。
ガーランドのソロを聴いて発見が・・・、
高音を転がすフレーズが上原ひろみに聴こえました(笑)。
ガーランドの影響があるのかな~?
スインギーにしてメロディアスなピアノでした。
チェンバースの”ズンズン”ベース。フィリージョーの爆ぜるブラシ。いいです。

「いやっ、マイルスって感じですよね。」と雲さん。
「やぼったいコルトレーンに頑張れと応援したくなる。」と続けます。
「出だしからして構成がカッコイイ。」とtommyさん。
ここからは”デザイン論。
「カッコいいだけなのは、実はカッコ良くない。」とお2人。
「マイルス・カルテットの完成度だけではダメで、そこにダサいコルトレーンが
入るのがいい。」とtommyさん。
「感情移入できるのはダサさ。ダサさがあるのがカッコ良さ。」とtommyさん。
このダサさを雲さんは隙間と表現。隙間があるから感情移入できるそう。
マイルス・クインテットは組み合わせが良い。
キリッとしたマイルス。ダサいコルトレーン。リラックスしたガーランド。
人選のバランスが良いという話になります。
「これは雑誌の作り方にも言える。」と雲さん。その詳細は割愛。
「マイルスは人選が凄いと言われるが、実は成り行きだったんじゃないか?}
と雲さん。
ここからは”人選論”。長いのでこれも割愛(笑)。

これからも長い会話は割愛方向でレポートします。ご容赦!

残りのアルバム『ワーキン』から《フォー》
「一番嫌いなアルバムだけれど、アンサンブルなんかまあいいんじゃないか。」
ということでこの曲。

マイルスはキリッとしたソロです。
コルトレーンはやっぱりフレージングが今一。”ブツキレ”。
アイディアが継続しない感じなんですよね。
ガーランドは快調です。
tommyさんと雲さんが言うバランス。確かにありますね。

今日は「トミーと雲のB級ジャズ・グルメ」はなし。
コミュニティーFM版(5分短い)はどういう編集なんだろう?

いや~っ、今まであんまり意識していなかったし、
マイルスのアルバムも最近はあんまり聴かなかったのですが、
コルトレーンの出来の善し悪しが凄くよくわかりました。

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カート・ローゼンウィンケルもやりますね。

昨年出たカート・ローゼンウィンケルの 『リフレクションズ』 を聴いて、改めてカートの良さに気づいたのですが、そなるとまだ持っていない過去のアルバムも聴いてみたくなります。

そう言えば、前作『ザ・レメディ』もやっとビデオアーツから日本盤が発売になりましたね。1年以上遅れて日本盤が出るなんて、日本のジャズ制作業界の対応の遅さには本当に呆れます。ア-ティストシェアとの間で契約に手間取ったのかもしれませんが、それも含めて最早日本のジャズ制作業界は、海外の旬なジャズマンをフォローできない鈍感体質と言っていいのかもしれません。

P132 さて、今日紹介するのは、だいぶ前に出たカート・ローゼンウィンケル『ハートコア』(2003年、Verve)です。カートが打ち込みも取り入れて自己の音楽性を示したアルバム。メンバーは、カート・ローゼンウィンケル(g,key,ds,per,programming,vo)、マーク・ターナー(ts,b-cl)、ベン・ストリート(b)、ジェフ・バラード(ds)、ゲスト:イーサン・アイヴァーソン(p,key)、アンドリュー・ディアンジェロ(b-cl)、マリアノ・ギル(fl)です。

こういう作品ですから「ジャズはアコースティックだ。4ビートだ。アドリブだ。」という人には受けないアルバムだろうと思います。私みたいにそういうことに拘らない人にとっては非常に面白いアルバムなのですけどね。ブラッド・メルドーの新作 『ハイウエイ・ライダー』 にも同様なことは言えるのでしょう。

このアルバムは、ヒップホップ・レジェンド=Q-TIPとカートの共同プロデュースとのこと。そんな関係でプログラミングが多用されています。カートがプログラミングをしているんですから大したものです。ラストの共同名義の曲を除けば、あとの10曲はカート作。このアルバムを聴いて、パット・メセニーの次の時代のジャズ・ギタリストの最重要人物はカートなのだということを再認識しました。

こういう人達はいわゆるジャズの枠には収まりきらないのですが、私はこの収まらない部分も含めて本当はジャズと呼ぶべきだと思っています。でも世間では変に拘る人ばかりが増え続け、ジャズがタコ壺化して久しいのです。

1曲目《ハートコア》はカートがキーボードやドラムを操り、プログラミングもした曲。多重録音されたサウンドトラックの上に、正にカートというギターとこれぞマーク・ターナーというテナーのソロがノリます。ファンはこの曲を聴けば、もうニンマリすること請け合い。リズムがマーチ風なので、「これからは俺達の時代だ。」と行進しているよう(笑)。

2曲目《ブルー・ライン》はカート、ストリート、バラードのギター・トリオにターナーがテナーで参加。左チャンネルはカートがドラムを叩いていて、右チャンネルのバラードとのツイン・ドラムというとんでもない豪華仕様(笑)。カートはドラムも上手いのでした。左右のドラムのリズムが汽車の”シュシュポポ””ガタガタ”のようで、私的にはメセニーの西部を旅する汽車をイメージさせる曲に繋がります。後半被さるシンセはスペイシー。ザビヌルの音使いにも通じます。

3曲目《オール・ザ・ウェイ・トゥ・ラヤサン》はメセニー・グループのような広い景観をイメージさせる曲。ストリートとバラードとのギター・トリオをコアに、プログラミングによって厚みと広がりを作りだしています。しかし、カートのギターがいつもの音とフレーズを弾き出せば、これはもう紛れもないカートの世界です。

4曲目《ユア・ビジョン》は東洋やインドをイメージさせる曲です。シンセの音が何となくザビヌルの《バディアの楼閣》にも通じます。シンセのひきつる音はインド。そこにカントリー風のギターが被さったりして、後半の壮大なシンセ、ディアンジェロのバスクラリネットが入ると、タイトルの「ユア・ビジョン」は仏教的な悟りのイメージか?いや~っ、これだけの曲を作るカートは凄い!私はこの曲がかなり気に入っています。

5曲目《インタールード》は短かめのレイジーな間奏曲。6曲目《アワ・シークレット・ワールド》はカート、ターナー、ストリート、バラードにキーボードのアイヴァーソン(ザ・バッド・プラス)が加わったクインテットによるコンテンポラリー・ジャズ。プログラミングもないので、ジャズ・ファンには楽しめる曲(笑)?カート、ターナー、アイヴァーソンのカッコいいソロが満喫できます。アルバムの真ん中にこの曲を入れるところがカートのサービス精神(笑)?

7曲目《ドリーム/メモリー?》ではカートがボーカル披露。ボーカルとはいってもサウンド扱い。歌は上手くありませんでした(笑)。これもスピリチュアルで東洋/インド系。キーボードの多重録音による独演です。

8曲目《ラブ・イン・ザ・モダン・ワールド》は、カートのピアノが美しいバラード。ドラム・レスで室内楽風な曲です。シンセによるストリングス・オーケストラも被さります。こういうクラシックな素養も持っているんですね、やっぱり。で、それは前半。後半は打ち込みドラムが入って躍動的でオーケストラルな展開へ。ギルのフルート・ソロ、カートのギター・ソロも素敵です。

9曲目《dcba//>>》は人力ドラムンベース風。カート、ターナーのソロがカッコいいです。アイヴァーソンのピアノもきキレてますよ。10曲目《スルー・アバウト・ユー》はインド~アンデス風なフォーク曲。カートはアコースティック・ギターを弾いています。カートは各種パーカッションを叩き、プログラミングも入れて独演。

ラスト《トーン・ポエム》はカート、ターナー、ストリート、バラードのカルテット演奏。ターナーのバスクラが怪しいメロディーを吹き、歪とエコーを多くかけたカートのギターも怪しく、バラードのシンバルが彩りを添えています。う~ん、美しい(笑)?こういうの好きです。

カート・ローゼンウィンケルの高い音楽性が示されたアルバムでした。必聴!

アルバム名:『Heartcore』
メンバー:
KURT ROSENWINKEL(g,key,ds programming),
MARK TURNER(ts,bcl)
BEN SYREET(b)
JEFF BALLARD(ds)
ETHAN IVERSON(p,key)
ANDREW D'ANGELO(bcl)
MARIANO GIL(fl) etc.

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スケマ・レーベルのCD

全然気付いていなかったけれどそれを持っていたなんてことがあります。
CDが非常にたくさんあるので、1枚1枚について細かいことを覚えていません。
だから、誰それがこのCDに参加していたのか?と、
ある日突然気付いたりします(笑)。

今日のお題はスケマ・レーベル。

「毎日、女子ジャズ。」の「Something JAZZY」で紹介されている数少ないレーベルの中の一つです。ニコラ・コンテが所属していて、イタリアのクラブ・ジャズを中心にリリースしているレーベルだと紹介されていました。初めて知ったレーベル。そして、私の中では”軟弱フュージョン・ジャズ・レーベル”という位置づけになってしまいました(笑)。

そんな私なのですが、今日気付きました!
このレーベルのCDを2枚持っていたのです。

P130 カルテット・ロ・グレコ『リフレクションズ』(2001年rec. SCHEMA RECORDS)です。メンバーは、マイケル・ローゼン(ts,ss)、サンドロ・チェリノ(fl)、マルコ・ビアンキ(p)、エンゾ・ロ・グレコ(b)、ジャンニ・ロ・グレコ(ds)です。ベースのエンゾとドラムのジャンニの兄弟が率いるグループです。兄弟ベース/ドラムと言えば、私の中ではフランスのムタン兄弟なんですが、ここにも居ました。メンバーが5人いるのにカルテット?実はサックス奏者とフルート奏者は同時参加なしで、どちらか一方が演奏しています。

非常に安心して聴けるメロディアスでモーダルなバップ演奏です。ベースとドラムはテクニック的にしっかりしていて、オーディオ的にも気持ち良く録音されています。とてもスインギーで弾力のあるリズムを生みだしているのが好印象。そこにきれいに音を転がすピアノとモーダルな歌心に溢れるテナーが加わって、オシャレで程よく熱いジャズを繰り広げています。普通に良いジャズ(笑)。ちなみにフルート奏者の演奏は少なめです。

《ジャイアント・ステップス》はフルート・バージョンとテナー・バージョンが入っていて、特にフルート・バージョンの品の良いカッコ良さは、コルトレーンのイメージからかけ離れ、難しいコード進行も忘れさせ、ちょっと驚きです。かなり優雅に聴こえるんですよ。テナー・バージョンも聴こえてくるのはカッコ良さのみ。ローゼンがブレッカーのようなメカニカル・フレーズではなく、情緒漂う大らかなサックスを吹いているし、そこにきれいなコードを弾くピアノが絡むと、結構幸せ感満載です(笑)。

NYに入れ込む前は、このCDを結構愛聴していたんです。
今は、ちょっとこれはやっぱり”軟弱者カイ・シデン”という感じか(笑)?
まっ、カイ君はカイ君でいい味出しているので、私は好きなのですが。

P131 もう1枚持っているのもクインテット・ロ・グレコ『ザ・ライト・スピリット』(2007年rec. SCHEMA RECORDS)です。メンバーは、ジャンニ・ロ・グレコ(ds)、エンゾ・ロ・グレコ(b)、シモネ・ダクロン(p)、ジャーマノ・ゼンガ(ts)、ジェンドリクソン・メナ・ディアス・”プチ”(tp,flh)です。こちらはクインテットでの演奏。

カルテット盤が良かったのでこれを買ったのですが、ちょっと期待外れでした。テナーとピアノが今一冴えないのです。トランペットは及第点をあげてもいいです(笑)。で、どこにでもある今時のモーダル・クインテットになってしまっているのが残念。これはDUへ売り払ってしまいました。m(_ _)m

カルテットの方はMOONKS本でも推薦しています。永野さんか~(笑)。

私もカルテットの方をオススメしておきます。

スケマ・レーベルって結局どうなんでしょ(笑)?

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エスニック・ミュージックもたまには面白い。

う~ん、寒いですね~。冬に逆戻りです。

さてっと、ディスクユニオンの通販限定1000円均一セールで買った1枚。
ミュージックバードの「MOONKSTYLE」で聴いて気に入ったアルバムです。
いかにも「MOONKS」好みのエスニック・サウンド。

P129 シロ・バプティスタ・バンケット・オブ・ザ・スピリッツ『インフィニト』(2009年、TZADIK)です。メンバーは省略。シロ・バプティスタはブラジル人のパーカッショニスト。ハービー・ハンコック、ポール・サイモン、スティング、ウイントン、ヨー・ヨー・マなどと共演歴があるそうです。ギターのロメロ・ルバンボやサックス/クラリネットのアナ・コーエンが数曲に参加しています。

ジョン・ゾーンのツァッディーク・レーベルのキー・シリーズの1枚。ツァッディーク・レーベルには色々なシリーズがあるのですが、その詳細はよく知りません。これはエスニック・ミュージックです。

1曲目《インフィニト カミング》は、ブラジリアン・パーカッションとアンデスのケーナのような笛にのってコーラスが歌う楽しい曲。ブラジリアン・アンデス(笑)?これは音楽隊がやってくるようなイメージ。次の《バティダ・デ・ココ》はラテン・パーカッションが軽快でファンキーなフュージョン曲。これ、日野皓正の『メリー・ゴーラウンド』に似た感じです。ルバンボのギターとコーエンのソプラノ・サックスがカッコいいですよ。

3曲目《イン・ヴィトロウス》は、ガムラン風パーカッションが活躍する曲。パーカッション主体の短か目の曲。次の《クワンザ》はウェザー・リポート/ザビヌル系エスニック曲。これにもガムラン風パーカッションが途中に入ります。コーエンのクラリネットが軽やかですね。ビートを強調する部分はウェザー・ファンには受けるんじゃないかと思います。

5曲目《ノイア》は、ガムラン風パーカッションとトロピカル・フュージョンの融合。ルバンボのギターが爽やかに響き。気分は南国です。次の《アデウス・アス・フィラス》はサンバ。当然ですがルバンボのギターが大活躍です。ただし、一筋縄ではいかない捻った展開があります。

7曲目《コボネーション・オブ・ア・スレイブ・クイーン》はスペイシー・エスニック・パーカッションの短い曲。続く《カンタ・クイダドソ》はブラジル・ミーツ・アフリカン・パーカッション。次の《プロ・フラビオ》でまたサンバへ。ルバンボのギター・ソロが優しく美しいですね。さざ波の音も聴こえてきます。世界を飛び回って展開していきますよ。

10曲目《ブリンドマン》はインド系の曲。パーカッションのうえでチェロが中国系の怪しいメロディーを奏でます。ラストは《インフィニト ゴーイング》。前曲と続けて演奏されます。最初の曲と同じ曲で、あちらがやってくるイメージなら、こちらは静かに郷愁感を伴って去っていくイメージ。ワールド・エスニック音楽隊の演奏とともに心の世界旅行(とは言っても、ブラジル、アンデス、インド、中国、アフリカだですが)、楽しいアルバムです。

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今の私にフィットするピアノ・トリオ

最近あまりピアノ・トリオを聴かない私ですが、たまにはピアノ・トリオも聴きたくなります。そんな時は既にコレクションした中から、その時の気持ちにフィットしたものを選んで聴くようにしています。とは言っても、やっぱり新しいものも聴いてみたい。で、先月買ったのがこれ。

P128 FMトリオ『リグネ・リブレ』(2009年rec. altrisuoni)です。メンバーは、ファビアン・M・ミューラー(p)、キャスパー・フォン・グルニゲン(b)、ファビアン・ブァーギ(ds)です。読み方は不正確。スイスのピアノ・トリオです。ディスクユニオン1月度スタッフ推薦盤。

話はちょっと横道にそれます。スイス&FMとくると、オーディオ・ファンが思い浮かべるのは、スイスの超高級オーディオ・メーカーのFMアコースティック。パーツを厳選しているとかで、とにかく目が飛び出しそうなくらい高いアンプを作っているメーカーです。で、その芸術的な音は聴く者を魅了してやまないとか。

更にそれるのですが(笑)、「ハイファイ堂」の通販にそのFMアコースティックのアンプFM711FM266MKⅡが出ていて只今商談中。中古なのに\2,980,000\3,780,000!!!もう笑うしかありません。高級スピーカーもいくつか出ているので、誰かお金持ちの方がオーディオを手放したんでしょう。B級オーディオの私には夢の世界です。

話をこのアルバムに戻します。FMトリオはインタープレーを重視した美メロで落ち着いたピアノ・トリオです。こういう品の良さがいかにもスイス産。前述FMアコースティックといい、腕時計といい、私のスイス・イメージに沿うのが正にこのトリオのサウンドです。

全体的にはクールな印象ですが、各局面においてはホットな展開もあります。クールではありますが、むやみに硬質にならず尖がり過ぎもせず、適度にしなやかさを含んだ陰影感に富む音の表情が非常にカッコいいです。そこに品の良さが加わって、上質なピアノ・トリオに仕上がっています。3者の技も一流。

昨日紹介したようなシカゴの気合い一発ブラック・ジャズも良いのですが、その一方でスイス・メイドの上質ピアノ・トリオも良いのです。雑食で浮気性の私としてはもうその日の気分次第でなんでもあり(笑)。

ピアノ・トリオ・ファンは要チェック!

アルバム名:『LIGNE LIBRE』
メンバー:
FABIAN M.MUELLER(p)
KASPER VON GRUNIGEN(b)
FABIAN BURGI(ds)

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これは黒いです。そしてシカゴは熱いのだ!

昨年、ジャズ喫茶「いーぐる」「年末ベスト盤大会」で聴いた1枚を紹介します。

原田和典さんがかけたアルバムです。マスター後藤さんもかなり気に入っていました。で、このCDを購入したかったのですが、通販で入手難となっていました。それが先月末突然入手可能になっていたので、慌てて購入。

P126 エスニック・ヘリテイジ・アンサンブル『ママズ・ハウス・ライブ 35thアニバーサリー・プロジェクト』(2008年rec. KATALYST ENTERTAINMENT)です。メンバーは、カヒル・エルザバー(ds,per,voice)、コーリー・ウィルクス(tp,per)、アーネスト・カビーア・ドーキンス(ts,per)です。シカゴのライブ・ハウス「ママズ・ハウス」の35周年記念プロジェクトでのライブ録音です。

黒いです!熱いです!たった3人でやっているのにこの濃厚な味は何なんでしょう?アフリカン・アメリカンであるが故になせる技なのでしょうね。ジャズの醍醐味のひとつである”黒さ”が濃縮された演奏が詰まっています。快感です!

エルザバーのうねる反復リズムに乗って、ウィルクスとドーキンスが単にソロをとるだけなのですが、それで何が悪い!人が生きて行くという生命力に溢れているのです。頭で考える必要などないのです。感じるままに音にすればいい。それでジャズになってしまう。カッコいいじゃないですか?こういうのってアフリカン・アメリカンでなければできないのです。

CDを聴いて感じるお店の雰囲気からいくと、日本で言えば荻窪の「アケタの店」?それとも「新宿ピットイン」?地元に密着したジャズの匂いが強烈に香ってきます。シカゴ!ジャズの街なんだろうな~。行ってみたいです。

『Oof』『オール・ブルース』はエルザバーの親指ピアノを主体としたレイジー感漂う演奏。『オール・ブルース』はこのアルバムの中の唯一のジャズマン・オリジナル。ご存じマイルス作のこの曲が黒いブルースとしてゆったり演奏されるのを聴くと、「ブルースってやっぱり黒人の音楽だなあ。」とつくづく思います。そしてその先にアフリカの大地が見えてきます。途中で入るエルザバーの鼻歌が、これまた嵌まりまくり。

『Kari』『Barundi』ではエルザバーがドラムを叩きます。このアルバムを聴いていると、ドラムという楽器が近代的な楽器だというのを実感します。アーシーさが薄まり、都会性が感じられるようになるんです。リズムは腰に来るグルーヴ。

『Kari』は「年末ベスト盤大会」で原田さんがかけた曲。ウィルクスがトランペット2本同時吹きを、ドーキンスがサックス2本吹きを披露しています。ウィルクスのトランペット2本吹きはかなり異色。これが色モノに聴こえないところがシカゴのジャズ。熱さがほとばしりますよ。エルザバーのラフなドラム・ソロも最高。凄いパワーが詰まっています。このアルバムで一番熱くてカッコいい!

『ママズ・ハウス』『オーネット』はエルザバーのボンゴを主体としたアーシーでダウン・トゥ・アースな演奏。アフリカの大地の匂いがします。『オーネット』はタイトルから想像できるルーズで浮遊感のあるテーマの曲。エルザバーの掛け声が何ともいい感じ。火を囲んで周りで歌い踊るような感じの雰囲気がいいんですよ。相手がソロをとっている時のウィルクスのギロ、ドーキンスのホイッスルや笛もなかなかいい味を出しています。

黒いジャズが聴きたい人にオススメします。

アルバム名:『ETHNIC HERITAGE ENSENBLE』
メンバー:
KAHIL EL'ZABAR(ds,per,kalimba)
COREY WILKES(tp,flh)
ERNEST DAWKINS(sax)

実は「年末ベスト盤大会」でちょっと面白い話がありました。

P127 私と高野 雲さんは同じテーブルで聴いていて、上記アルバムと益子博之さんがかけたトニー・マラビー『VOLADORES』のどっちが好きかと言う話になったのです。

マラビーのアルバムはニューヨークならではの非常に考えられた理知的な演奏です。対して上記のアルバムはシカゴならではの体から溢れる演奏。雲さんはマラビーの知性が好きだとのことでした。対する私はというと?どちらも好きなのですが、敢えて言うなら上記アルバムと答えたのでした。

アルバム名:『VOLADORES』
メンバー:
Tony Malaby(ts, ss)
Drew Gress(b)
Tom Rainey(ds)
John Hollenbeck(ds,per, marimba, vib, xylophone, glockenspiel, melodica,
small kitchen appliances)

ジャズ喫茶「いーぐる」に集う皆さん、良いアルバムを知ってますよね。

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アキコ・グレースさんの気さくな本音トーク満載!

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」、テーマは「レニー・トリスターノ」
ゲストはジャズ・ピアニストの アキコ・グレース さん。

番組2回目のゲスト出演です。
前回出演時の模様は以下。
クール・ビューティー!アキコ・グレースさんとの深い音楽話。(1)
クール・ビューティー!アキコ・グレースさんとの深い音楽話。(2)

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

レギュラーゲストのtommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e もご覧下さい。

快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

番組リニューアル後の初ゲストです。

いきなりアキコ・グレースさんの『グレースフル・ビジョン』から
《デランシー・ストリート・ブルース》

P122_2 

突き進むバップ・ピアノです。
私、1年少々前にライブでこの曲の生演奏を観ちゃいました。
ダイナミックでパッショネイトなピアノでしたよ。

「気持ち良かった。いいオーディオで聴いてほしい。」とtommyさん。
グレースさんによると、アリ・ホニックはフェンシングをする感じのドラム。
ラリー・グレナディアとも気が合ったそうです。
このアルバムではピアノに凄く拘って、
5か所回って一番いいところのピアノを使ったそうですよ。
ピアノでは苦い経験もあるそうで、1音鳴らないピアノがあったり、
本番前に弦を切ったこともあったんだとか。

「トリスターノのピアノは厳しさ。シュールな中に意固地なところがある。」と
グレースさん。
「トリスターノはオタクっぽい。」とtommyさん。
トリスターノの多重録音には賛否の声があるが、
グレースさんは、我が道を行くためには必要だったんだろうと肯定。
気になるのはアルバムの中のフェイドアウトとのこと。
「《ターキッシュ・マンボ》が途中で終わるが、最後まで聴いてみたかった。」
なんて言っていました。

話が出たところで『鬼才トリスターノ』から《ターキッシュ・マンボ》

P17

これ、低音をウネウネ弾いているところに高音を重ね録りしています。
独特な雰囲気ですよね。
雲さんって、低音ウネウネ・ピアノが好きですよね(笑)。
山中千尋さんの『アウトサイド・バイ・ザ・スイング』の《クレオパトラの夢》とか。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

「ぜんぜんマンボでなくターキッシュでもない。痺れる。」とグレースさん。
「アートだよね。」とtommyさん。
「フランツ・カフカの「変身」という小説の雰囲気。」とグレースさん。
「テクノに似ている。」とtommyさん。
「スティーブ・ライヒの現代音楽を感じる。」と雲さん。
「このアルバムが出た時は凄く変だと思った。」とtommyさん。
「変なものだけでなく普通のものが入っているのがいい。」とグレースさん。

皆さんそれぞれの感想に逐一頷けます。

「女性のほうがこういうアート的なものに反応しやすい。」と
tommyさんの”女性アート敏感論”がありました(笑)。

これも変ということで、『コンプリート・キーノート』から《アンタイトルド・ブルース》

これは至って明るい演奏ですけど、どこかが変(笑)。
ギターとピアノのメロディーのからみが時々違和を入れるので、
それによって生み出される微妙な浮遊感が気持ちの良さなかな?
私、結構嵌まりそうです。
いきなり終了したあとに、何か弾き始めて終わり。

「今の終わり方あり?」とグレースさん。
「アートですから。昔はこういうアートが許されたが今はダメ。」とtommyさん。
「凄い思い切らないとあそこに行けない。狂気と正気の行き来がいい。」と
グレースさん。
「変な人だったんでしょうね。付き合いにくい人だったんだろうな。」と雲さん。

「ではグレースさんはどういう風に突然キレるのかやって下さいよ。」
といきなりセッション
グレースさんのピアノと雲さんのベースで《アキコ・ブルース》

これ、かなり良かったです。スピード感溢れる演奏でした。

「何を考えて弾いているんですか。」と、雲さんがグレースさんに質問。
グレースさんは「リズムとキー・センター。」と回答。
弾く音がトーナルとどれくらい離れるか判断しているそうです。
「判断にはスポーツ的な反射神経が入りますよね。」と雲さん。
「そうなんですよ。」とグレースさん。

「演奏していると何でここに来ないのという時がありますよね。」とtommyさん。
グレースさんはスタンダードを演奏しているとそう思う時があるそう。
「私のクセ、知っているでしょう。」となるんだそうです。

そういう演奏ということで、『グレースフル・ビジョン』から《ドキシー》

これはベースとドラムとのインタープレーが聴きどころ。
かなり演奏が進んだところでやっとテーマが出てきます。
3人のレスポンスがいいですね。
意表を突くスタンダード演奏。

「ベースが最高に良かった。ベースがいい音。」とtommyさん。
「やっぱりベースを弾く方ですね。ベースの音がいいと言われたことはない。」
とグレースさん。
「ピアノを強く弾くんですね。」とtommyさん。
「握力が強いし意外と肩幅があるんですよ。」とグレースさん。
「もっとクラシック的だと思っていたら、どんどん行きますね。」とtommyさん。
「今日は激しいのをかけているが、しっとりしたものもある。」と雲さん。
「両極があるのが好き。」とグレースさん。

トリスターノに影響を受けた人のアルバムを聴いてもらって感想を聴きたい。
高柳昌行『クール・ジョジョ』から《サブコンシャス・リー》
グレースさんは大学時代にコンサートでこの曲を弾いたんだそうです。
「凄く好きな曲。」とグレースさん。
「この演奏を聴いて《ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラブ》が元だと
わかしました。」と雲さん。
「メロディーの節回しが独特。普通はインプロでやるのに、テーマでユニゾンで
やるのが特殊。」とグレースさん。
「今度やろうかな?レコーディングしてみようかな?」とグレースさん。
「是非やって下さい。リクエストします。ビリー・バウアーのようなギタリストと
どうですか?」と雲さん。
「そういうギタリスト誰かいないかな~?」とグレースさん。

確かに《ホワット・イズ・ディス~》のコード進行ですね。
私は初めてこれを聴いたのですが、
噂どおりでこの時は普通のバップ・ギターだったんですね。
今の私の耳には至って普通に聴こえます(笑)。
クール/ホットが程良いバランスで気持ち良い演奏。

「懐かしかった。またやりたい。」とグレースさん。
「この演奏はテンポが遅めですが、大学のコンサートでは速めでしたか?」
と雲さん。
「速めにやりました。」とグレースさん。
「このラインはユニゾンで決まると気持ち良い。」とグレースさん。
「和ジャズと思えない。モノホン。」とtommyさん。

もう1曲レニー・トリスターノ。
『ニュー・トリスターノ』から《Cマイナー・コンプレックス》
「私達2人が好きなんだけどイッちゃってる。」
「このアルバムは左手がベースラインで右手がメロディーを弾くのが多い。」
と雲さん。
「トリスターノはソロが好き。我が道を行く感じがいい。」とグレースさん。

左手アルペジオ、右手メロディーです。
中盤の右手の執拗な繰り返しとかいいですね。
左手に右手のコードをぶつけるところとかも面白い。
機械的な演奏だったりします。
よく聴くと結構現代的かも?
う~ん、これをあんまり暗いと思わない私なのでした。
最近NYの内省的なのをたくさん聴いていますからね~(笑)。

「トミーとクモのB級オーディオグルメ」

「ケーブルを変えるだけで音がそんなに変わるんですか?」
「寺島さんもよくエッセイで書いていますよね。」と雲さん。
「確かに変わるけどキリがない。東京は電気の質が良くないから
(電源ケーブルを変えれば)変わることはある。
根本を変えないでケーブルを変えるのは、精神衛生上良いという意味(笑)。
ケーブル交換する人はシステムは完成されているので、
ケーブルを変えて、オーディオを先に進める。
システムによっては劇的に変わる場合もある。
値段は高いほうがいい。精神安定剤の意味もあるから。」とtommyさん。
tommyさんは太めのやつを使う程度であまり拘らないそう。
「雲さんはiPodだけど、ヘッドフォンは変えないの?」とtommyさん。
「壊れたら買い換える。消耗品だから高いのは買わない。」と雲さん。

トリスターノの話に戻って。
「これを聴くと深い闇の世界に引きこもる感じ。いいですよね。」と雲さん。
「中低域をグルグルやっているのが堪らない。」
「変な妖気が漂っているのが良い。」とグレースさん。
「アキコさんのは健康的。スポーツ的。」と雲さん。
「バラードは結構内に入っていますよ。陰と陽があるんです。」とグレースさん。

「ラジオを忘れて会話して楽しかった。」とグレースさんでした。

今日の番組。凄く良かったと思います。
ミュージシャンの本音がこんなに自然に聴けるのって凄いです!

今日も結構頑張って書いたでしょ(笑)。

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ブルーノートの行方均さんの番組が始まりました。

音楽専門・衛星デジタラルラジオ・ミュージックバードから

宣伝費をいただいているわけではありませんが(笑)、

今春から始まった新番組を紹介します。

「プロファウンドリー・ブルー」

パーソナリティは、レコード・プロデューサーの行方均さん。

ジャズ・レーベル:ブルーノートを”深~く”楽しむ番組とのこと。

ちなみに番組タイトルになっている《プロファウンドリー・ブルー》はブルーノート初期(1941年)のヒット曲で、エレキ・ギターの開祖チャーリー・クリスチャンが生ギターを弾く室内楽ジャズの名演だそう。

行方さんは「高野 雲の快楽ジャズ通信」

寺島靖国の「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演していました。

その時の私のレポートは以下。

行方さんのジャズ入門も強烈です。
今日の行方さんはノリノリでした。

ゲスト出演では言い足りなかったんでしょうね(笑)。

とうとう番組を持ってしまったんです。

「All About Riverside」というリバーサイド・レーベルの番組もあったので、

「リバーサイドがあってなんでブルーノートがないんだ!」と奮起したのかも?

番組放送時間は、毎週土曜日日曜日(再放送)の13:00~14:00

ミュージックバードのJAZZチャンネルで放送しています。

今日の放送は「青い名曲PART2~ブルーノート4000番台篇」

渋いタイトル&内容の番組でした。選曲も激渋!

トークは必要最低限。曲をかけるのを主体にした番組です。

放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

今これを書くためにミュージックバードのホームページを調べていたら、

「ソングリスト」があることに気づきました。

その日かける曲が全て掲載されていたんですね!

これからは利用させていただきます。

とはいっても、曲名/演奏者/CD番号 しか表記されていないので、

アルバム名がなくて不便です。

CD番号記載があるのは、クラシック流儀なんでしょうね。

クラシックの場合、アルバム名は皆同じになってしまいますから。

ミュージックバードがクラシック主体で構成されたことがわかります。

でも、ジャズ/ロック/ポップスはアルバム名で探すのが普通。

誠に不便なのです!

パーソナリティーの中には、「演奏者名」のところに「演奏者名(アルバム名)」と、

気の効いた表記方法をする方もいます。

こういう方は尊敬しますね。

ちょっとした工夫と手間でリスナーへのサービスが向上するわけです。

ミュージックバードは”CS(顧客満足度)”って考えないんでしょうかね?

こういう地道な努力をしないとリスナーは増えないと思うのですが。

と、敢えて苦言を提しておきます。

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寺島靖国の「PCMジャズ喫茶」は毎度の展開!

今日のミュージックバードの「PCMジャズ喫茶」は、FM福岡でジャズ番組「楽しいジャズ」のDJをされていた日比野幸恵さんでした。
私にとって音楽的には刺激皆無。またかの選曲ばかりでした(笑)。

まずは日比野さん選曲。ビル・エバンス『エクスプロレーションズ』から《イスラエル》やっぱり女性だとこうなるんでしょうね。女性ジャズ・ファンのステレオ・タイプです(笑)。澤野工房も好きだなんて話もありました。

ここで岩浪さんからピアノ・トリオの流行について話がありました。オスカー・ピーターソン、ビル・エバンス、澤野工房という流れだとか。まあ、ずいぶん大雑把ですが、日本ではそうなるんでしょうね(笑)。岩浪さんからは「ビル・エバンスは鍵盤の真ん中の音域ばかり弾いて、広がりのあるピアニスティックなピアノは弾かなかった。それはピーターソンと逆で反動。」なんて話がありました。寺島さんは「ジャズは反動の歴史。」と言っていました。なるほど。そのビル・エバンスに対して寺島さんは「内にこもった暗さが嫌だ。」と言っていました。その美意識が素敵なのに・・・。もう勝手に何とでも言って下さいって感じです(笑)。

寺島さんがエバンスのライブを見に行った時、会場が”チ~ン”となり途中から眠っている人もいたなんて話へ。日本のジャズ・ファン。どうなんでしょうね~。世界一だったはず(笑)。

そこから「ブルーノート東京」の話へ。寺島さんは、ハンク・ジョーンズのライブを見たそうですが、ドラム近くの一番前の席に座ったそうで、気分が良くなってついうっかりステージにビールグラスを置いてしまったんだとか、で、気付いて戻した後に、店員さんが来て怒ったんだそうです。寺島さんは「ブルーノート東京」は大嫌いだと言っていましたよ(笑)。入った瞬間にその権威主義的で「オレが一番だ。」的な雰囲気が嫌いだと言ってました。権威主義をとことん嫌う寺島さんなのでした(笑)。

次は岩浪さん選曲。澤野工房のボーカルが好きということで、ニコレッタ・セーケ『マイ・ソング』から《ユア・ソング》。寺島さんは今一だそうな。またまたアルバムの1曲目(笑)。ここで日比野さんから澤野のジャケットが好きなんて話が出て、山中千尋のファースト・アルバムのカモメが飛んでいるジャケットがイイなんて言うと、寺島さんは「山中千尋知っていますか?気が強くてね~。」と。またまた出ました!最近毎回一度は山中千尋さんの話題になりますね~(笑)。

次は寺島さん選曲で、ウラジミール・シャフラノフ『アイル・クローズ・マイ・アイズ』から《ホエン・ア・ジプシー・メイクス・イズ・ヴァイオリン・クライ》。寺島さんからは、この人のアルバム『ホワイト・ナイツ』からピアノ・トリオに入ったなんて話もありました。かけた曲は「僕のこの1曲。」だそうです。哀愁の曲。なんとなく《枯葉》を思い起こす曲でした。またか~、もうこの手の曲と演奏は耳タコ。

ラジオ番組の話がチラッと。「NHK-FMとかのジャズ番組は「なんとか特集」というのが多いがどうしてかな~。」と寺島さん。ディレクターの太田さんからは「作りやすいから。ある意味やっつけ仕事。」との答えがありました。

日比野さん選曲でブロッサム・ディアリー《ゴー・アウェイ・ウィズ・ミー》。ニューヨークに行った時にライブを見て買ったCDだそう。この曲はディアリーのオリジナルだそうです。オリジナルと聞いてちょっと心配そうな寺島さんでしたが、聴き終わったら気に入ったみたいでした。

日比野さんは名刺の肩書に「ジャズ愛好家」と書いているそうで、「珍しいですね。」と寺島さん。ちなみに寺島さんは名刺の肩書に「全日本ジャズ喫茶発展連盟副会長」と書いているんだそうです。架空の組織なんだそうで、「会長でなく副会長と控えめなところがいいんですよ。」と寺島さん。いかにもらしいですね(笑)。

ピアノ・トリオとボーカルばかりなのでそれ以外という寺島さんのリクエストを受け、岩浪さん選曲でアーネット・コブ《ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥ・ミー》。次の寺島さんの選曲に合わせて、岩浪さんがジャズを好きになってからの原点。黒人ソウルテナー好きということでの選曲です。テキサス・テナーです。なんともソウルフルでゆったりした演奏がなかなかいい感じでした。「新鮮でした。」と日比野さん。「アメリカの中心は牧場があり石油が出るテキサスのような田舎にある。ニューヨークは違う。」と岩浪さん。なるほどね。

今CDは売れないので、ディスクユニオンは店が終わったら行商したらどうか?なんて話も出てきました。アメリカではミュージシャンがライブにCDを持ってきてサインして売るので、日本でも皆そうしたらいいのになんて話も。この手のCD販売不振話も最近番組で頻繁にしてますね。う~ん、深刻だ!

寺島さん選曲。寺島さんのジャズの原点。かけるのを躊躇するものがあると言いつつ、「10歳の頃聴いて脳裏に入ってジャズの原点になったのではないか。」というもの。松尾和子《君待てども》。「番組始まって以来の快挙で愚挙。」と寺島さん(笑)。これは私もテレビの懐メロ番組で聴いたことがあります。隔世の感がありますね。これに近い私の曲はビリー・ジョエルの《ストレンジャー》かな?私にとってのジャズはこの頃からニューヨークなのでした(笑)。

「ジャズ・ファンは歌謡曲を下に見ている。今かけたのも歌謡曲という人がいる。」と寺島さん。歌謡曲でしょ(笑)。「情緒を低く見る。若い頃は私もそうだったが、ジャズが分かってきたところで、ジャズは”情”だと思った。だから力任せに弾く女性ピアニストはダメ。」と続けます。ジャズを思い入れで聴くのが寺島さん。アリだとは思いますが、それって相手無視の自分勝手でもありますよね?どうもこの論旨には”エゴ”が感じられて好きになれない私なのです。少なからぬ影響力を持つ寺島さんだけに、もっと音楽(ジャズ)に対しては謙虚でもいいんじゃないかと・・・。

習っているトロンボーンの話もチラリ。寺島さんはもう10年やっていて、最近どうも行き詰っていて、習いにいくのも滞りがちなんだそうです。習っている先生に今後はどうしたら良いか相談したら、譜面を読めるようになったらいいんじゃないかと言われたそうです。なんかそこまでして習うのもどうかと・・・?トロンボーンをやってて楽しそうじゃないもん。「メグの会」で寺島さんにお会いした時、「楽器をやったほうが良いですよ。」と勧められた私なのですが、ちょっと説得力にかけるような・・・(笑)?

寺島レーベルから出た松尾明トリオの新譜に《ホテル・カリフォルニア》が入っているのが、寺島さんらしくないので他の人が選曲したんじゃないかと、巷で話題にっているそうです。これは寺島さんが選曲したそうで、寺島さん的には自然で、人を一面でとらえてほしくないというようなことを言っていました。

日比野さん選曲でチェット・ベイカーの歌。1986年のライブ録音で《アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー》。これを聴いて日比野さんはチェットが好きになったそうです。この味がなんとも良い感じだと私は思います。寺島さんはダメだそう。寺島さんも岩浪さんも渋谷のパルコ劇場で晩年のチェットを観たそうですが、椅子に座ってうつむいたままで演奏し、アンコールもしなかったそうです。人の凋落をまざまざと感じたと言っていました。チェット観たかったな~。

この選曲に関連して番組での選曲の話へ。「PCMジャズ喫茶」ではプロデューサーもディレクターももうちょっとマニアックで良いと言うそうです。でも寺島さんはオーディオ・ファンやマニアでない人など色々な人が聴いてるので、マニアックなものは控えているそうですよ。そのご意見には賛同しつつも、この番組での寺島・岩浪両氏の選曲、私的には今一です(笑)。

「メグの会」にマニアックな人が来て、¥50,000のヨーロッパEP盤をかけてほしいと言ったなんて話も。その人から、スイングジャーナル誌3月号のEP盤特集で寺島さんがポピュラーなアメリカ盤ばかり紹介していたのを暗にダメ出しされたそうです(笑)。寺島さんは上記と同様にマニアックに過ぎるのでなくポピュラーなほうが良いとのご意見でした。なるほどね。

先程のハンク・ジョーンズのライブ話。「ハンク・ジョーンズは基本的に哀愁ではない。ジャズではない。人の醜さや哀しさがない。単にピアノの音が出てくる。」と寺島さん。それがハンクのピアノなんで、そこに機微を聴き取らないと良さは分からないと思います。

岩浪さん選曲でニッキ・パロットのベース弾き語りで《ブラック・コーヒー》。「名前が良くない。」と寺島さん。それはあんまりです(笑)。日比野さんはレイチェルZ・トリオのベーシストとして、パロットが好きとのことでした。聴いた寺島さんは「1回聴けばいい。」とのこと(笑)。岩浪さんは今度ジャズ批評誌にこれのレビューを書くそうです。

日比野さんはライナーを読みたいので輸入盤でなく日本盤を買うという話からライナーの文章の話へ展開。岩浪さんが「寺島さんのライナーは面白い。」と言ったことから、青木和富さんのライナーの話へ。岩浪さんは、青木さんが自分のことばかり書くので、10年くらい前に「自分のことばかり書くな。」と言ったことがあるんだそうです。でも、青木さんはそんなことは意に介さなかったとのことです(笑)。私は青木さんのフリー・ジャズのライナーは昔から嫌いじゃないので、この話は面白く聞きました。

青木さんは下町のせんべい屋さんの息子なんだそうですね。ジャズ喫茶「タカノ」に入り浸っていたせいで、スイングジャーナル誌に推薦されたそうですよ。

続いて寺島さん選曲でアービー・グリーン《ラブ・レター》。「トロンボーンは人間の声に聴こえてダメ。」というトロンボーン嫌いの日比野さんに、「艶っぽい音色を聴けばトロンボーン嫌いがなくなるんじゃないか。」と寺島さん。ポップスですな~。聴いた日比野さんは「いいですね~。ロマンティック。」とトロンボーン嫌いが少しは払拭されたみたいです。めでたしめでたし(笑)。

ラストは日比野さん選曲で何度か話に出たレイチェルZの93年録音から《ナーディス》をかけようとしていたのですが、その後トークが長くなって番組の残り時間がなくなってしまい、ボツ。次回ゲストに来た時にかけるそうです(笑)。レイチェルZはエバンス的なところから始まりフュージョンに行ったりしています。「堅い人が多い日本のジャズ・ファンには色々やる人は好まれない。」と寺島さん。堅いジャズファンね~。

渋谷の「Ours/Hours」の店主との話。このお店はオリジナル盤やアナログ機器を売っているお店として知る人ぞ知るお店です。なんでも一番人気がないミュージシャンはチャーリー・ミンガスとのこと。「ベースは魅力だが、自分の音楽性を前面に出すところが良くない。」と寺島さん。あははっ、それはそうなんでしょうけど。メルドーの『ハイウエイ・ライダー』とかは絶対嫌いですよね(笑)。人気がない2番目がマッコイ・タイナーで3番目がハービー・ハンコックだそうですよ。ハービーについても寺島さんはかなり嫌っていました(笑)。

今回の放送は考えさせられること多数でした。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

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音に身を任せて旅に出る。

矢野沙織のライブを渋谷に観に行った日。
上京した時の常でディスクユニオンへ行ってきました。
今回は吉祥寺ジャズ&クラシック館と新宿ジャズ館へ。

まず吉祥寺ジャズ&クラシック館から。入口付近のレイアウトなどが少し変わったんですね。数年間レイアウトはほとんど変えていなかったはずなので、ちょっとビックリ。新譜の棚を見たんですが、最近はもっぱらHMV通販購入なので様子見だけ。中古CDを一通り見たけれど、特にほしいものはなし。今回は荷物になるレコードを買う気はなかったんですが、一通り新着中古の棚を見てしまいました(笑)。いつもなら買いたいものが出てくるのに、この日はなぜか不発。

で、大事件発生!何も買わずにお店を出てしまったのです。こんなこと今回が初めてじゃないでしょうか?自分にビックリ(笑)!

ちょっと言いたいことが。吉祥寺の店内でかけているCDについてです。なぜか今一なものばかりかかっているんですよ。かかっているものを買おうと思ったことはほとんどありません。店員さんの好みと私の好みが合わないのか?それとも吉祥寺のお客さんに合わせてかけるものが私の好みと合わないのか?多分後者でしょうね。吉祥寺は女性ボーカル、マイナー・ピアノ・トリオ、お決まりハード・バップなんていうのがほとんど。だからかかっているのをチェックして、「これか~、なるほどね~、×。」となってしまいます。×をチェックすることになっちゃう(笑)。

お店を後にした私は新宿ジャズ館へ、まずは新譜売り場から、通販で売っていないCDを探すことに(吉祥寺店にはなし)、探しても見つからないので店員さんに聞いたら在庫切れとのこと。残念!探していたのはリンダー・オー『エントリー』。女性ベーシストがリーダーで、注目トランペッター、アンブローズ・アキンムシーレが参加したトランペット・トリオなのです。アヴィシャイ・コーエンの『ザ・トランペット・プレイヤー』に匹敵する出来栄えだとか。結局何も買わないことに。

ちなみにこちら新宿ジャズ館の店内でかけているCDはなぜか私の耳にひっかかります。ここで聴いて買ったCDは多数。新宿店のお客さんのほうがやっぱり私に合っているのでした。それに、吉祥寺ではほぼ見たことがないけれど、こちらでは必ずフリー・ジャズの棚に人が来ます。ジャズ・マニア度が高いんでしょうね。新宿ジャズ館ラブな私です(笑)。

そして2階の中古売り場へ。「あ~っ。」私がブログで推薦したサモ・サラモンの新譜やMKMBカルテットの新譜がもう中古になっていました。「分かってないね~、君達!」と嘆きつつ物色(笑)。今日はヒットしないな~なんて思いながら、それでも「これ聴いてみようかな~。」となったのが今日の本題なのでした。結局この日の収穫はこの1枚。

P125ヤン・ガルバレク『トゥエルブ・ムーンズ』(1992年rec. ECM)。メンバーは、ヤン・ガルバレク(ss)、レイナー・ブリュニンガウス?(key)、エバーハルト・ヴェーバー(b)、マヌ・カッチェ(ds)、マリリン・マズール(per)、アグネス・ビュエン・ガーナス?(vo)、マリ・ボイネ?(vo)です。読み方がわからないのでご容赦。

これはフュージョンと呼ぶんでしょうね。そして、即興演奏ではなくコンポジション重視。ガルバレクは凄いですよね。音一発でその世界に引きこんでしまいます。音に身を任せれば気分は北欧。ジャケ写のような風景が頭に浮かんできて、曲にあわせて私は北欧の旅へといざなわれてしまうのでした。ガルバレク・ワールドとしか呼びようがない世界へ。

私が惹かれるジャズマンはこういう自分のサウンドを持つ人。音楽というのは結局のところ演奏しているその人に行き着くと私は思うので、カッコいいと思う”形 ”の上っ面だけをなぞって演奏しているような人には、どうもあまり共感できていないように感じる今日この頃。

先日紹介したブラッド・メルドーの『ハイウエイ・ライダー』もメルドー・ワールドを提示しているという意味で、私はとても共感できるのです。音楽が分かるってことは、結局は音楽に共感できるということだと私は思うのですが、違いますか?

なお、「共感できるものは、メロディーだ。4ビートだ。短いソロだ。」なんて言っている人がいるとしたら、それは非常に表層的な部分でしか共感できない人だと思います。それって感性の貧しさなのかもしれませんよ(笑)?

当たり前のことを敢えて言えば(最近言う人がいないようなので)、音楽を聴くってことは豊かな感性を養うってことですよね。そう考えると、最近音楽を聴かないってことは、「豊かな感性なんていらない。もしくは生活に追われてしまい、豊かな感性なんて言っていられない。」ってことですよね。心が貧しくなるばかりなのでしょう。最近の犯罪を見てもそれは分かりますよね。

提言!
音楽(ジャズ)を聴いて豊かな感性を養いましょう(笑)!
”音楽推進党”でも立ち上げましょうか(爆)。

やばっ、話がどんどんあらぬ方向へ暑苦しくなって行ってます(笑)。
ここらでやめておきます。

明日これを読んだら消すかもしれません!おやすみなさい。

アルバム名:『Twelve moons』
メンバー:
Jan Garbarek(ss, ts, synthesizer)
Rainer Bruninghaus(p, synthesizer)
Eberhard Weber(b)
Manu Katche(drums)
Marilyn Mazur(percussion)
Agnes Buen Garnas, Mari Boine(vo)

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時々オーディオの話題。

たまにはオーディオの話題も混ぜておきましょう。

サブシステムのレコードプレーヤーのカートリッジを交換しました。
いくつかカートリッジを持っているので、たまに交換して使ってやります。
今までオーディオテクニカのAT15Eaを使っていたのですが、

P123 今回はシュアーのM-70Bに交換。
M-44Gの上位ランクの廉価カートリッジ。

針はメキシコ製の丸針N-70B。
秋葉原の平方電気で売っています。\3,500
ボディーはオークションで安く落札。
ヘッドシェルはオーディオテクニカAT-LA13a。
シェルリードはオーディオテクニカAT6101。
安い定番品ばかりです。

おおらかな音のカートリッジなので、あまり細かいことを考えずに聴くには良いです。
シュアーのカートリッジの廉価品定番はM-44Gですが、
敢えてあまり人気のないこれを選ぶのがマニアってやつです(笑)。

これは丸針ですが、楕円針N-70EJも上記平方電気で売っています。
これらの針に対する平方電気の売り文句が以下。
「抜群のCPを誇ります。レンジは狭いが、その分楽器の力強さがよく、
シュアーの特徴が一番出ている。ジャズ愛好家にぜひ。」

お店のケーブル職人中村さんも「これはいいですよ。」とおっしゃっていました。
どうです。このカートリッジを使ってみたくなりませんか(笑)?

今時のウン十万円MCカートリッジを使うのは野暮。
ジャズはシュアーの廉価カートリッジを使うのが粋ってやつです。
ここでもB級オーディオが出てしまいました(笑)。
オーディオは金にモノを言わせて高級品を使うだけじゃない楽しみもあるのです。
B級オーディオ万歳!

この前上京した時にうっかり買ってしまったオリジナル盤でも聴きますか。

P124 ジーン・アモンズ『オール・スター・セッション』(1950,51,53年rec. PRESTIGE)。モノラル、N.Y.C.黄色ラベル、溝あり、RVG手書き、コーティングジャケット、底抜け、盤質B+。底抜け&人気薄盤なので、価格は程々でした。盤はA面頭から数分、ちょっと”プチパチ”がありますが、その後は良好でした。

新宿ディスクユニオンで3枚買うと10%OFFセールだったので、数百円盤2枚(私の購入チェックリストのもの)と一緒にこれを購入(笑)。プレステッジのあまり脚色しないバン・ゲルダー録音が今の私のお気に入りです。

演奏内容は、A面がジーン・アモンズ(ts)、アート・ファーマー(tp)、ルー・ドナルドソン(as)、フレディ・レッド(p)、アディソン・ファーマー(b)、ケニー・クラーク(ds)によるセッション。B面がジーン・アモンズソニー・スティットのバトルです。これ、故油井正一さんの「ジャズ ベスト・レコード・コレクション」にも載っています。ジャス喫茶「いーぐる」でも聴いたことがあります。これらをもって内容は保証済み。

シュアーの廉価カートリッジでオリジナル盤を聴く。極楽極楽(笑)!
そして今宵も更けていくのでありました。

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今日もいきます。ニューヨークのジャズ(笑)!

これを聴いた人は日本にいったい何人いるのだろうか?
エ~イッ!そんなことはもうどうでもイイのだ。
NYダウンタウンを紹介し続けるゾ~ッ(笑)!

ディスクユニオンの通販限定1000円均一セールで買った1枚。
未だに売れ残っています(涙)。
誰か買ってあげて下さい。お願いっ!

P121 レズ・アバシ『シングス・トゥ・カム』(2008,9年rec. SUNYSIDE)です。メンバーは、レズ・アバシ(g)、ルドレシュ・マハンサッパ(as)、ヴィジェイ・アイヤ(p)、ヨハネス・ウェイデンミューラー(b)、ダン・ワイス(ds)、ゲスト:カーン・アルマリア(indian vo)、マイク・ブルック(cello)です。アバシはパキスタン出身、パット・メセニーから”ユニークで美しくオリジナリティーを持つ”と言われているそうです。

このアルバムには、アイヤ、マハンサッパのインド系が参加しており、アバシの弾くインド系旋律と相まってインド音楽への接近がみられます。とは言っても全体的な印象は、M-BASEにインド・フレーバーをまぶして食べやすくした感じです。全曲アバシが作曲。

1曲目《ドリーム・ステート》の出だし、シタールのようなギター音から始まり、ちょっと引いちゃうかも(笑)?いざ始まってしまうとインド系というより、M-BASEの発展系です。間違っても美メロとは言いませんが、意外と難解度は低めで、インド・フレーバーのおかげかもしれません。で、お決まりの変拍子。アイヤのダークなピアノ・ソロから、カート・ローゼンウィンケルをちょっとダークにした感じのギター・ソロ、数学者マハンサッパにしては幾何学度控えめなアルト・ソロと展開します。

次の《エアー・トラフィック》は、抽象的なテーマの後インディアン・ボーカルへと続きます。この辺りの浮遊感とダーク感が融合しつつ意外と”美”なメロディーが、このアルバム全体を通しての基調トーン。マハンサッパの上記同様のソロから始まります。バッキングのギター・コードもなかなかいい感じ。で、ギター・ソロはメセニーの言うとおりユニークで美しく、カートを甘さ控えめにした感じと言えばいいんでしょうか?

3曲目《ハード・カラー》も前曲と似たような雰囲気。続く《シングス・トゥ・カム》は更にインド色が強まりつつ、ボーカルとアコースティック・ギターのデュオ。なかなかの美しさですが、2分j弱の短い曲。《ウィズ・ミー・ホワイ・ゼム》はM-BASE系で、マハンサッパのウネウネ・アルトとアバシのウネウネ・ギターが交互に炸裂します。アイヤも鋭く和音をぶつけて煽ってくれていますね。その後曲調がちょっと変わって短めのピアノ・ソロへ、う~んダーク。

こんな感じで全8曲。一時期もの凄く不安感溢れたアイヤだったのですが、最近は不安感控えめ、聴きやすくなっていると思います。マハンサッパのソロもここでは幾何学度控えめに聴こえるところが私としてはお気に入り。でも、全体的にはウネウネ浮遊するメロディーとダークさで、”ポップス耳”には辛いでしょうね(笑)。”ジャズ耳”を持った人は聴いてみて下さい。心にひっかかる何かはあると思います。

アルバム名:『Things to Come』
メンバー:
Rez Abbasi(g)
Rudresh Mahanthappa(as)
Vijay Iyer(p)
Johannes Weidenmueller(b)
DanWeiss(ds)
Kiran Ahluwalia(indian vocal-M2,3,4,6)
Mike Block(celloM-2.7)

P122 私が持っているアバシのもう1枚も紹介しておきます。『アウト・オブ・ボディ』(1999年rec, Feroza Music)です。メンバーは、レズ・アバシ(el-g,ac-g,tablas,per)、トニー・マラビー(ts,ss)、ロン・ホートン(tp,flh)、ジョン・エイベア(b)、ブルース・ホール(ds)です。イースター島のモアイ像と連動したタイトルが奇抜。

これは、ディスクユニオンのアウトレットで買いました。売れないのもわかりますよね(笑)。私の場合これはもうトニー・マラビー買いです。ジャズ喫茶「いーぐる」界隈で”トニー・マラビー凄し!”を知り、マラビーが参加していれば片っ端から買っている時期に遭遇した1枚。

こちらはインド控えめで、正当?M-BASE派かつフリー色が強い曲もあります。いかにもNYダウンタウンのジャズですね。今のように進化する以前、約10年前のマラビーを知りたい方は要チェックです。

今日は超マニアック・アルバムの紹介でした。
皆さん引かないでねっ(笑)。

アルバム名:『Out Of Body』
メンバー:
Rez Abbasi(el-g, ac-g, tablas, per)
Tony Malaby(ts, ss)
Ron Horton(tp, flh)
John Hebert(b)
Bruce Hall(ds)

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デカイ音で聴くとスカッとする1枚。

昨日、楽器をやるなら”めざせロック・ギタリスト”と、冗談で書いたのですが(笑)、
今日紹介するのは聴くとスカッとするロックなフュージョンです。

P119 『バイタル・テック・トーンズ』(1998年rec. TONE CENTER)。メンバーは、スコット・ヘンダーソン(g)、スティーヴ・スミス(ds)、ヴィクター・ウッテン(b)です。

チック・コリアの「エレクトリック・バンド」や「ザビヌル・シンジケート」に参加したギターのヘンダーソン、「ジャーニー」や「ステップス・アヘッド」で叩いていたスミス、テクニカル・ベーシストのウッテンと、凄腕揃い。

お茶の水のディスクユニオンで安く売っていた中古CDを買いました。私、時々この手の”バリバリ”(死語)ハード・フュージョンを聴きたくなってしまうのです。私には絶対出来ない演奏。非日常の快感を味わえます!作曲者を見ると3人の名前が併記されているものがほとんどなので、簡単なテーマを決めて即興演奏しているんでしょうね。凄いです。

オリジナルばかりの中に1曲だけコルトレーンの《ジャイアント・ステップス》が入っています。このとんでもないコード進行の曲。フュージョンの人達も結構好んで演奏していますよね。このアルバムが録音された時はコルトレーンの初録音から約40年。今や50年以上経つのですが、未だに愛されるているテクニカル曲です。コルトレーン、やっぱり偉大です。

気分が落ち込んでいる時などに、こういうのを大音量(ヘッドホン)で聴けば気分爽快(笑)!

P120 こんなのも持っています。私のフュージョン・コレクションの1枚。安いフュージョン中古レコードです(笑)。上記のアルバムとメンバーの被りもあります。『プレイヤーズ』(1986年rec. ビクター)。メンバーは、T・ラヴィッツ(key)、ジェフ・バーリン(b)、スティーヴ・スミス(ds)、スコット・ヘンダーソン(g)です。

このメンバーですからテクニカル・フュージョンです。上記のアルバムよりはロック度控えめ。各メンバーの曲が2曲ずつ、計8曲収録されていますから誰がリーダーという感じではないんでしょう。ライナーによれば中心人物はベースのジェフ・バーリンというこになっています。A面がスタジオ録音で、B面がライブ録音。

それにしても、どうしてこの手のフュージョンの人達はジャケットに自分のポートレートを使うんでしょう?ファッションといいルックスといい、それほどカッコよくないんですけどね~(笑)。

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マッキャスリンもなかなかやってくれます。

最初に四方山話から。

NHK教育で「めざせロック・ギタリスト」という番組が始まったのですが、なかなか面白いですね~。ギターが弾きたくなってきました(笑)。もし楽器をやるならギターでロックが楽しそう。バンドを組むのは大変なんでしょうけど、ジャズよりロックがカッコいい(笑)。

今、HMVの通販で「輸入盤CD1000円/1500円セール」をやっています。数か月前に買ったのが1500円になっていたりしてショックでした(笑)。パット・メセニーの『オーケストリオン』や最近話題の女性ボーカルが1500円です。買いそびれていた話題のCDを買うチャンスだと思います。

P118 本日紹介するのはダニー・マッキャスリン『デクラレイション』(2009年、Sunnyside)です。メンバーは、ダニー・マッキャスリン(ts,alto-fl)、エドワード・サイモン(p,org)、ベン・モンダー(g)、スコット・コリー(b)、アントニオ・サンチェス(ds)、パーネル・サターニョ(per)、ブラス・セクション5人です。NY注目株勢揃い!プロデューサーはアルト・サックスのデビッド・ビニー。ビニーはこの周辺の人のプロデュースをたくさん手がけています。先月ディスクユニオンの1000円均一セールで買った中の1枚。

全曲マッキャスリンが作曲して編曲をしています。ブラス・セクションも加わったコンテンポラリー・ジャズ。クリス・ポッターもブラス・セクションを加えた『ソング・フォー・エニワン』を作りましたが、メルドーの『ハイウエイ・ライダー』といい、今時のジャズマンは編曲もこなせる人達が多いですね。

このアルバムでのブラスはあくまでサウンドに厚みを加える程度、基本はワン・ホーン・クインテットです。1曲目《M》はミディアム・テンポでマッキャスリンが熱いソロをかまします。ここでのフレージングを聴いて思ったのですが、この人はマイケル・ブレッカーとクリス・ポッターの中間くらいに位置していますね。マイケルからクリポタへの現代テナーの系譜がわかって面白いです。続くサイモンのピアノ・ソロはダーク・ビュティーです。

2曲目《ファット・キャット》は熱いラテンのリズムにのってマッキャスリンが飛翔します。この曲のみパーカッションが参加。この手のリズムでのサンチェスのドラミングは最高!ブラスが熱さを演出。3曲目《デクラレイション》は牧歌的で荘厳な感じも漂うバラード。マッキャスリンはなかなかスケールの大きなテナー・ソロを聴かせてくれます。

4曲目《アッパー・カット》。タイトルからいって何かカマしてくれそうでしょ(笑)。4ビートのコンテンポラリー・バップ曲です。コリーの歌うベース・ソロから入ります。バックでのモンダーのコード・ワークはセンス良いですね。キターッ!マッキャスリンのメカニカルで熱いソロが炸裂します。これはかなりマイケル寄り。私って結局この手のやつが好きなのね~っ(笑)。

5曲目《ロック・ミー》。これはタイトル通り8ビート。モンダーがギンギンのロック・ギターを弾きます。ブラス・セクションのチューバがいいアクセント。マッキャスリンのテナー・ソロにギターのバキングが加わると、さながらボブ・バーグ/マイク・スターンの双頭カルテットの雰囲気。これも好きです。テーマのブレイクを挟んで始まるモンダーのギター・ソロが気持ちエエ~ッ!バックではサイモンがオルガンで煽って、ロケンロー!その後ブラスが加わって牧歌的になり適度にヒート・ダウンして終了するのがユニーク。

6曲目《ジェニーナ》はバラード。メセニー風フォーキーな曲調でのモンダーのギターが素敵。となるとマイケルの影がチラチラしてしまうのはしょうがありません。7曲目《セカンド・アワー》は幾何学的なテーマ&変拍子が今時。こうなるとマッキャスリンはクリポタ寄りに。サンチェスの個性的なドラム・ソロもフィーチャー。ラスト《レイト・ナイト・ゴスペル》は、郷愁感漂うフォーキーなバラード。サイモンのピアノ、マッキャスリンのテナーがゆったり歌い上げた後、徐々に盛り上がって終焉へ。

私、イタリアがどうの、NYがどうのとか言ってますが、結局のところ、ジャズを聴き始めた頃に出会った80年代コンテンポラリー系。チックの『スリー・カルテッツ』、、「ウェザー・リポート」、「ステップス」、「クエスト」、ボブ・バーグ、マイク・スターン、カーラ・ブレイ、オーネット・コールマン・プライム・タイム・バンドとかのサウンドが好きだというのを、今痛感しています(笑)。

アルバム名:『Declaration』
メンバー:
DONNY McCASLIN(ts,a-fl)
EDWARD SIMON(p,org)
BEN MONDER(g)
SCOTT COLLEY(b)
ANTONIPN SANCHEZ(ds)
PERNELL SATURNINO(per) etc.

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今日の「快楽ジャズ通信」はマニア向けでした。

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「スコット・ラファロとビル・エバンス」

今回から番組リニューアルです。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

今回から、
ジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんがレギュラーゲストです。
tommyさんのブログにも番組のことがUPされていますので、要チェック!

最初はジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」の話から。
ジャズ友オヤジトーク全開ですね(笑)。
雲さんによれば、tommyさんが番組にグルーヴを持ち込むそうです。
私、この手の会話を何度も聴いているので、
ラジオ番組だということを忘れてしまいそうです(笑)。

前にtommyさんゲストでスコット・ラファロ特集をやっているのですが、
今回はビル・エバンスとの演奏にスポットを当てます。

まずはベタな1曲。
ビル・エバンス・トリオ『ワルツ・フォー・デビー』からタイトル曲

P117_2 ここでちょっと余談。
私が持っているのは26年前に買ったビクターのレコード。
2枚目のエバンスです。
最初に買ったのは『シンス・ウィー・メット』。
28年前の再発廉価日本盤。
3枚目は『アット・ザ・モントルー・ジャズ・フェスティバル』。
エバンスはこの3枚という時期が10数年続きました(笑)。
『ムーン・ビームス』はオリジナルのモノ盤を持っていますよ。

この演奏については最早説明不要でしょ(笑)。
さて、どんな解説をしてくれますやら?
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

「聴けば聴くほど発見がある。やっぱりいいですよね。」と雲さん。
「テーマでラファロが遅れて入るのがいい。」と続けます。
これがいいというフレーズを雲さんがベースを弾いて実演。なるほどね~。
話はベースの弦へ、ラファロが使っているのはガット弦です。
特徴は、音の立ち上がりが遅い。音が暖かい。ガット弦を弾くのは力がいる。

ラファロのベース・フレーズを雲さんがベースで弾いてみます。
これをガット弦でスラスラ弾くのは凄い技術だそう。
で、そのフレーズはスケール練習に近いんだとか。
ラファロはスケール・オタクだったなんて話へ。更に話は展開して、
ジャコ・パストリアスが教則ビデオで同じようなフレーズを弾いていると。
ジャコもスケール・オタクだそうです。
そこからフレーズ展開の仕方の話へ。もう書くのが追いつけません(笑)。
ソニー・ロリンズのソロにおけるフレーズ展開の話にまで及びます。

で、そのフレーズが聴ける『ワルツ・フォー・デビー』から《マイルストーンズ》

なるほどね、ベースのラインを中心に聴くのもいいかも?
ベース・ソロも楽しく聴ける感じがしますね。
まっ、ベースを弾かない人はそこまで聴く必要はない気がしますが。
普通は雰囲気で聴けばいいと思います。

「これって、エバンスの印象が薄い。」と雲さん。で、「凄い指の動き。」
ノリは4ビートなのに、ラファロの体感は16ビート。確かにそうですよね。
この速さで立ち上がりの遅れを考慮して弾くのは凄い技術と体力だそうです。

このソロをエレベで弾くとそのままジャコのベースになっちゃうそうです。
その例をジャコの演奏で示します。
『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ vol.1』から《ティーン・タウン》

そう言われてみれば、確かに同じような感じです。

「テーマの複雑なリフ、符割、リズムが似ている。」と雲さん。
「スケール・オタクですからね。」とtommyさん。

次はエバンス・トリオのインタープレーの話へ。
tommyさんが「雲さん、インタープレーってどういうこと?」と質問。
雲さんは「「快楽ジャズ通信」の番組での話題の発展・展開と同じ。」と回答。
tommyさんは「そういうのもあるが、エバンス・トリオにおいては、
インタープレーは練習のたまもの。皆さんの夢を壊すようですが。」と言い、
雲さんが「自然発生的だけど、プロレスに近い。あらすじが決まっている。」と
続けます。

tommyさんによると「ラファロはビル・エバンスの音に当てて行っている。」とのこと。
「そういうことを事前に練習でやっていて、それを引き出しに入れて、
ライブで繰り出しているんではないか?」とtommyさんが言います。なるほどね~。

では、初期のエバンス・トリオはどんな感じだったかということで、
トニー・スコットのアルバムから《ミゼリー》
トニー・スコットのバックがエバンス・トリオです。
エバンス/ラファロ/モチアンの初顔合わせ演奏。

こちらは淡々と伴奏しているエバンス・トリオ。
このシンプルな演奏ではエバンスの良さが際立っていますね。
ベースはあくまで寄り添う感じです。

続いて、tommyさんから雲さんへ質問。
「エバンス/ラファロ/モチアンのトリオによる演奏ではどのアルバムが好き?」
雲さんは『ポートレート・イン・ジャズ』と回答。
このアルバムは雲さんが最初に買ったジャズ・アルバムなので思い出深いそう。
tommyさんは「このアルバムではまだラファロが閃いていない。」と言います。
話がどんどん展開していっちゃいますね~。

「この『ポートレート・イン・ジャズ』から『ワルツ・フォー・デビー』までに
ラファロはフリー系のオーネット・コールマンなどと演奏していた。」とtommyさん。
「そこでの自由にベースを弾くという発想が、その後の演奏に生かされているん
じゃないか?」と続けます。

参考音源として、オーネット・コールマン『ツインズ』から《チェック・アップ》

なるほど言われてみれば、その後のラファロ的フレーズの元があるかも?

「チャーリー・ヘイデンにそっくり。」
「ラファロがヘイデンのマネをしていた?」
「これを聴いて寡黙なヘイデンと饒舌なラファロが繋がった。」と雲さん。
「こういうふうなフリーの経験が伴奏をあきらめちゃったラファロになる。」と
tommyさん。

以上のtommyさんの見解に対しする雲さんの意見がブログにUPされています。
放送第79回「スコット・ラファロとビル・エヴァンス」(3)

なるほど、雲さんのご意見にも一理あると思いました。

次は《グロリアズ・ステップ》
タイトルになったグロリアの写真が、スコット・ラファロの妹が書いた伝記本に
載っているという話へ。
この本にはジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」についても書かれているそう!

《グロリアズ・ステップ》と言えば、『サンディー・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』
の1曲目として有名ですが、今日はちょっと変わり種バージョン。
途中で停電になっちゃうんだそうです!
『コンプリート・ライブ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード1961』から。

録音が中断しているんですね~。面白いです。
今更説明不要の演奏ですね。

ここでいきなり新コーナー「トミーとクモのB級オーディオ・グルメ」
”トミーとクモ”はミュージックバードのチューナー表示。
”tommyと雲”になおしたほうがいいような気もしますが(笑)?

バックロード・ホーン・スピーカー談義でした。
今日は疲れたのでこの内容については割愛(笑)!
tommyさんのブログには何度かに分けてUPされていますので、
興味がある方はtommyさんのブログをさかのぼって見て下さ~い。
私には耳タコ話でした(笑)。

今日の一言「オーディオはまずスピーカーを決めろ!」

で、またラファロの話。
「バッキングを放棄している。」とtommyさん。
tommyさん曰く、「ラファロは飽きたらバッキングをする。」(笑)。
色々趣向を凝らしてベースを弾いて飽きたら普通にバッキングをやるそうです。

今日は結構疲れました。
どう展開するか予想がつかないうえ、話が急展開なので書くのが大変でした。
フゥ~ッ。

今日の内容はジャズ上級者向けでしたね。
マニアな私としては面白かったです。
おしまい!

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ブラッド・メルドーの叙情曲集

ブラッド・メルドー話題の新譜いってみよう!

これ、日本盤はボーナス・トラック&メルドーの解説付きで¥3,570です。
私はと言えば、もちろん安い輸入盤を買いましたよ(笑)。
HMVマルチバイ特価ならば約半額で買えるんです。

P116 『ハイウエイ・ライダー』(2009年rec. NONESUCH)です。メンバーは、ブラッド・メルドー(p,pump organ,key)、ジェフ・バラッド(ds,per)、マット・チェンバレン(ds,per)、ラリー・グレナディア(b)、ジョシュア・レッドマン(ts,ss)、オーケストラです。ブックレットのメンバー表記が適当です(笑)。ジョシュアがソプラノ・サックスを吹いているのに、テナーと記載されていたり、ジョシュアが参加しているのに記載されていなかったりと・・・、ノンサッチさんしっかりして下さいよ。

と、ノンサッチ・レーベルにダメ出しから始まったわけですが(笑)、このレーベル、最近話題盤を連発しています。なんたってメセニー、メルドー、ジョシュア、フリゼールなどがレーベルのアーティストですからね。このレーベルはもともと現代音楽、宗教音楽、民族音楽などを取り扱っていたのですが、ワーナーのジャズ部門閉鎖の関係でジャズマンの受け皿になったんですよね。ジャズマンに好きなことをやらせてしまう姿勢に拍手!

ジョシュアの『コンパス』、フリゼールの『ディスファーマー』、メセニーの『オーケストリオン』ときて、今回はメルドーの『ハイウエイ・ライダー』。ひと癖あるコンセプチュアルなアルバムのオンパレードです(笑)。

さて、このアルバム、『ラーゴ』以来久々のジョン・ブライオンとのコラボレーション・アルバムとのこと。スイングジャーナル誌のインタビュー記事によれば、このアルバムは旅をイメージしたもので、家から出発して道路を走り、最後には家に戻るということらしいです。2枚組CDの1枚目は”行き”で、2枚目は”帰り”のイメージ。

聴いてみると確かにそういう感じになっていました。曲のタイトルもイメージに沿うものになっていて、なかなか壮大なアルバムでした。旅の風景を綴る一大叙情曲集と言ったら良いでしょうか。メセニーが自分の頭の中にあるメセニー・ワールド(桃源郷)をサウンド化しているのが好きな私としては、このアルバムのメルドー・ワールドも気に入ってしまいました。

DISC1の1曲目《ジョン・ボーイ》の出だしを聴いてちょっとビックリ!なんかめちゃくちゃ優しいメロディーを弾きはじめちゃったのです(笑)。まっ、よく聴くとやっぱりちょっと捩れてますけどね。バックにはパーカッションが軽く被さっています。そこにホーン&ブラスが被さってくるとフォーキーな室内楽風。途中で突然短く咆哮するホーン&ブラスが違和感ありあり。さすがはメルドー、一筋縄ではいきません。

続く《ドント・ビー・サッド》は郷愁フォーク。オーケストラも加わっています。同レーベルのフリゼール、メセニーにといい、やっぱりアメリカンフォークは皆さん共通の基盤としてあるんでしょうかね~。ジョシュアのテナーがフィーチャーされるのですが、この人あんまり個性が無いですよね(笑)。クラシカルに淡々と吹いているのは確かに曲に沿うものだとは思いますが・・・。メルドーが弾くポンプ・オルガン(足踏み式オルガン?)は懐かしい響きです。《アット・ザ・トールブース》は前曲に連なる短いピアノ・ソロ。

《ハイウエイ・ライダー》はメルドー・トリオで演奏。人力ドラムンベース。e.s.t.に通じるサウンドです。マット・チェンバレンはドラムンベースが上手い!この手のリズムはやっぱりチェンバレンですよね。バックに薄く被さるシンセの音がオシャレですよ。なんとも繊細で陰影感漂う美メロ曲とサウンドが私のお気に入り。カッコイイです!DISC2の《イントゥ・ザ・シティ》も同傾向の曲。で、こちらはドラムがジェフ・バラード。バラードのドラムンベースのほうが躍動感があるかも?バラードも凄いドラマーなのでした。

《ザ・ファルコン・ウィル・フライ・アゲイン》は、ジョシュアのソプラノを含むカルテットでの演奏。曲調もあるのでしょうが、キースのヨーロピアン・カルテットに通じるサウンドです。個人的にはこの手のサウンドが好きです。ジョシュアの軽やかなソプラノはとても気持ち良いのですが、ヤン・ガルバレクのような個性とは無縁。全編パーカッションなのが曲を軽やかにしています。後半はボイス群(子供の声含む)も加わっていかにもナチュラルに。

《ナウ・ユー・マスト・クライム・アロン》はストリングス&ベースの室内楽曲。静かな内なる決意表明?そのまま続けて《ウォーキング・ザ・ピーク》へ。ピアノとドラムが加わり徐々にピーク(頂上)へと盛り上がり、ゴングが”キンコンカン”。そこへおもむろにジョシュアのテナーが入ってきます。音は良いんだけどひたすらクール。続くメルドーはワールド全開。左右バラバラ弾きをかまします。ジョシュアとは好対照ですね。で、再びゴングが”キンコンカン”。正に頂上から辺りを見下ろす感じの雄大さで終了。

41分19秒。一挙に聴けます。
いわゆるジャズだけでは括れないメルドー・ワールド。素敵です!

DISC2は62分53秒と長め。旅先の状況と帰ってきてからの旅の回想も入っているからでしょう。もうめんどうなので解説はしません(笑)。と言っておきながら、気になる曲もありますのでちょっと解説。《カプリチオ》はユダヤ?東欧?ジプシー?風なエスニック・サウンド。手拍子が入っているので、まるで民族舞踊のような曲です。これなんか聴くと、メルドーもニューヨーク系一派だというのを実感します。いわゆるジャズ度は2枚目のほうが高いということも付け加えておきます。

オーケストラのアレンジもメルドーがしているんですよ。ちょっと普通のアレンジと違う感じですが、これこそメルドー・ワールドなのでしょう。メルドーの音楽家としての実力が遺憾なく発揮されたアルバムだと思います。

メルドー恐るべし!必聴!

スイングジャーナルさん!
これをゴールドディスクにしなきゃダメだって(笑)!

と言っておいて。
その後、何度か聴いたら、DISC1はいいのだけれど、DISC2はネタ切れに思えてきました。2枚目のいわゆるジャズ度が高いのはネタ切れのせいで、ありがちなジャズになっちゃったのではないかと思う次第。

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「快楽ジャズ通信」ゲストの矢野沙織さん。ご機嫌斜め(笑)?

「高野 雲の快楽ジャズ通信」にアルトサックス奏者の矢野沙織さんが
ゲスト出演した時の模様がジャズ動画サイト「You Play JAZZ?」にUPされました。

こちら⇒快楽ジャズ通信【ゲスト 矢野沙織】

番組出演時の私のレポートは⇒ビバップにかける矢野さんでした。

動画を見てみると、矢野さんは、ちょっとご機嫌斜め?ちょっと緊張気味?

判断はご覧になったあなたにお任せします(笑)。

ジャズにかける熱い思いを淡々と語る矢野さんでした。

いや~っ、雲さんも気を使っていますね~。お疲れ様でした(笑)。

矢野沙織さんのライブレポートは⇒矢野沙織のライブへ行きました。

Img_8614_3                   (写真撮影tommyさん)

「快楽ジャズ通信」が4月から番組リニューアル!

4月より番組リニューアル。どこが変わるか「7つの変化」

ジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんがレギュラーゲスト!

楽しみです。

放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

全国コミュニティーFMでも放送しています。

そして、番組パーソナリティー、高野 雲さんの本も面白いですよ。

Photo

音楽聴き指南はこの本にお任せです!

話は変わりまして、ブラッド・メルドー話題の新譜。

P116 『ハイウェイ・ライダー』なかなか良いですね~。
気に入りました。
音楽家メルドーの実力を示すアルバムです。

スイングジャーナルさん、ジョエル・フラームじゃなくて、
メルドーが「ゴールドディスク」じゃないの(笑)?

ノンサッチ・レーベル、さすがですね~。

後ほどレビューします。

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ロザリオ・ジュリアーニの新譜&イタリアのジャズ

今日はエイプリルフールなので、かわいい嘘でも書こうかと思ったのですが、
気の効いたかわいい嘘が思い浮かばないのでやめます(笑)。

2月に、ロザリオ・ジュリアーニが参加したフュージョン・サックス・トリオ 『トリオ・オスティコ』 を聴いて、私の中でちょっとしたロザリオ・ジュリアーニ・ブームが来たのですが(笑)。その頃予約しておいた新譜が届きました。

P115 『レニーズ・ペニーズ』(2009年rec. DREIFUS JAZZ)です。メンバーは、ロザリオ・ジュリアーニ(as)、ピエール・ド・ベスマン(p,Rhodes)、ダリル・ホール(b)、ジョー・ラ・バーベラ(ds)です。レニー・トリスターノに挑んだアルバムだとのことでしたが、いざ蓋を開けてみるとトリスターノの曲は冒頭の1曲のみ、全体的な雰囲気はかろうじてトリスターノ?

1曲目はトリスターノの《レニーズ・ペニーズ》。確かにトリスターノのウネウネ・メロディー全開なのですが明るいのです。トリスターノと言えば、研ぎ澄まされた暗さとクールネスが売りだと思うのですが、ジュリアーノが吹くともうこれはイタリアの国民性だと私は思うのですが、ホットで明るくなってしまうのでした(笑)。テーマはベスマンのエレピとのユニゾン。その後はサックス・トリオでのソロ。これが前述のとおり明るい。まあ、これはこれで楽しい(笑)。ラバーベラのブラシの爆ぜ具合が良く、聴きどころになっています。

2曲目はハイマン&ヤングの《ラブ・レターズ》。ちょっと物悲しげなしっとりバラード曲。明るさが災いしてか深みに欠けるきらいがあります。ベスマンのピアノはしっとりいい味を出しているので、全体としてはいい塩梅。3曲目はバーリンの《ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン》。哀愁漂う美メロ曲。ジュリアーノのバックで対位法的クラシカルなメロディーを弾くベスマンがカッコいいです。ミディアム・テンポで快適な演奏。

4曲目はザビヌルの《74・マイルス・アウェイ》。7拍子でダークなメロディー、これは渋い選曲です。ジュリアーニはトリスターノ系ウネウネ・ソロをカッコよく決めます。ベスマンの美メロ・モーダル・ソロはこの人ならでは。私はこういうベスマンが好きです。これは美意識がトリスターノに重なる部分もあるし、どことなくファンキーの匂いが漂うのがいかにもザビヌル。

ここから3曲はジュリアーニのオリジナル曲。レイジーなメロディーのバラードにベスマンのエレピが嵌まり、ジュリアーニの憂い漂うソロが素敵な《ピッチ》。トリスターノばりのウネウネ・メロディーをアップ・テンポで飛ばす《オーバー・ライン》は、いつの間にかテーマからジュリアーニのソロに入り、ベスマンの尖がったエレピ・ソロが続きます。ドラム・ソロやバース交換ではドラムが元気に飛び跳ねます。美メロなワルツ《ディア・ファーザー》は、タイトルどおりの優しい演奏。ベスマンがピアノで水を得た魚の如く、生き生きとクールなハーモニー感覚でソロをとります。

ジミー・ロウルスの《ザ・ピーコック》。私はこのダークで憂いを帯びた曲が好きです。明るいジュリアーニもここでは神妙に迫ります。元が明るいので深刻になり過ぎないところが良くも悪くもこの人。私的にはこのくらいの明度は結構好みです。ベスマンの短いピアノ・ソロは、この曲を香高くします。これがフランス人の気質なんだと私は思います。フランスのエスプリ!

次はベスマンの《UN DES SENS》(何と発音するの?)。モーダルでカッコいい曲をアップ・テンポで飛ばします。これがまたいかにもベスマンらしい現代クールネス。畳み掛けて疾走するベスマンのピアノが最高。ジュリアーニの《ゴールドフィッシュ》は、明るく楽しいラテン・リズムの曲。ベスマンのピアノはここでは楽しく軽やかです。ジュリアーニは高音ハイ・ノートも交えて至って楽しそう。続くベース・ソロも弾みます。ラストはベスマンの《ペイシェンス》。ダークなバラード曲をアルトとエレピでクールに進めます。この3曲の展開はジュリアーニのホットとベスマンのクールの対比がよく分かって面白いです。

このアルバムは、ホットなジュリアーニがやはりトリスターノ的クールに挑んでいると言っていいでしょう。私的には暗くなり過ぎないところが、心地よくもあり物足りないところでもありますが、かなり気に入りました。さすが、ベスマンはイイ仕事をしてます。ベースとドラムはホット/クールの微妙なバランスをこなせる手堅い人選だと思いました。

アルバム名:『Lennie's Pennies』
メンバー:
Rosario Giuliani(as)
Pierre De Bethmann(p, Fender Rhodes)
Darryll Hall(b)
Joe La Barbera(ds)

ここでいきなりですが、イタリアのジャズについて。

私が色々聴いた感じでは、イタリアのジャズは明るくてメロディアス。そして、明るさがともすると何も考えていないようで軽薄にも感じられてしまいます。これは私が抱くイタリア人のステレオ・タイプなんです(笑)。もちろん例外もあります。傾向としてです。そして”メロディアスで明るく軽め”これが今の日本に受けているんだと私は思います。

私はヘソ曲がりなので、今日この頃はそんなイタリア・ジャズよりも”内省的で神経質な傾向のNYダウンタウンのジャズや黒くて熱いシカゴのジャズ”の方に迫って来るものを感じて好んでいます(笑)。

で、モーダルなハードバップ演奏をイタリア(日本でも同じ)と60年代で比較した場合、今の人達がいくら熱くやってもどこか軽く感じてしまうのは、やはり”表面的な熱さ”だからだと思います。だってそうでしょ。60年代は時代の空気が切羽詰まっていたので、熱くやればその内面から”芯の熱さ”が自然と出てしまうわけです。これは比較してもしょうがないことですよ。昔のようにやりたくても今を生きる人達にはできないんだと思います。

60年代のジャズをたくさん聴いてしまったジャズ・マニアにとって、同じフォーマットでやられている(イタリアにはその傾向が強いと思います)のを聴くと、今のジャズはやっぱり緩いというのが正直な気持ちだと思います。だから私はそれはそれで良しとしつつ、今の時代なりにもっと迫って来るものをとなった時に、私的にはNYダウンタウンやシカゴなんだろうと思っています。

あははっ、久しぶりに戯言をカマしてしまいました(笑)。
エイプリルフールだからかも?

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