斬新感覚ピアノ・トリオ
石丸電気のハイエンドオーディオ店「レフィーノ&アネーロ」が移転。
http://www.phileweb.com/news/audio/201003/09/9782.html
噂で「レフィーノ&アネーロ」が閉店するらしいと聞いていたのですが、2月14日(バレンタインデー、笑)に従来の店舗は閉店し、2月20日には石丸電気本店6階に移転オープンしたらしいです。
一応「レフィーノ&アネーロ」の名前は残っているみたいです。ハイエンド・オーディオから撤退というわけではないようですね。「移転後も好調」って、そんなに需要はあるのかいな?そのうち縮小自然消滅なのかもしれませんが・・・。
「レフィーノ&アネーロ」には3回行きました。うち2回はミュージックバードの番組の公開録音。1回はジャズ・ミーティングの途中に冷やかしで寄っただけです(笑)。
「B級オーディオ命!」な私には無縁の世界でした。
オーディオもいよいよ転換期を迎えているのかもしれませんね?
さて、新譜(とは言ってもだいぶ経ちますが)紹介です。
フォーマット・ア’・トロワの『シンク』(2009年rec. altrisuoni)です。メンバーは、Alexis Gfeller(piano, nordstage, MS-10)、Fabien Sevilla(double bass, big muff)、Patrick Dufresne(drums, TR-808, Pearl DRX-1, Kaosspad)です。これはこのグループの5枚目のアルバム。前作 『-PIRATE-』 を聴いて気に入ったので買いました。
前回の路線の延長線上にあるサウンドです。歪んだエレピでのジャム・バンドを意識したロック・サウンドが私は好きです。弦の音を意識させるアコースティック・ベースがレトロ&ファンキーさを醸し出すのがいい感じです。シンセによるサウンド・エフェクトも多からず少なからずの絶妙な塩梅。プログレを洗練させた感じと言ったら良いかも。
アコースティック・ピアノでの演奏は、バッド・プラスからエグさを程よく抜いてポップになっているところが、万人に受け入れやすいのではないかと思います。途中に挟まれるエフェクターをかけたアルコが結構胸をエグッてくれるところが好きです。ベーシストはサウンドのかなりの部分を担っています。ドラムの比較的シンプルなロック・テイストが、親近感を増しているのではないでしょうか。
それにしてもメランコリックな良いメロディーで溢れています。”胸キュン”メロディー好きな人には迫ってくる場面は多々あるのではないかと思います。でも決して甘さ過多にはならず、憂いを帯びた独特の音世界。《TROTINETTE》なんかは郷愁感に溢れるバラードで、これを聴いていると下校時の夕暮れの情景が浮かんできます。なんとなく《蛍の灯》や《家路》の感じに繋がります。《L' OPTIMISTE》はかなりフュージョン。和フュージョン「ネイテイブ・サン」みたいですが、まあこれは御愛嬌ということで(笑)。
全体をとおしてエレクトリックやアコースティックが違和感なく混在し、バッド・プラスやE.S.T.の先にあるような斬新感覚溢れるピアノ・トリオです。で、決して頭でっかちにならず、ポピュラリティーを備えているところが、私としては高評価になります。是非聴いてみてほしいアルバムです。
ほんとに色々なジャズがあるものです。
アルバム名:『SYNC』
メンバー:
FORMAT A'3
Alexis Gfeller(piano, nordstage, MS-10)
Fabien Sevilla(double bass, big muff)
Patrick Dufresne(drums, TR-808, Pearl DRX-1, Kaosspad)
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