イケイケなライブ盤
ADLIB誌が37年目にして5月号で休刊になるとのことです。
私はADLIB誌は購読していなかったので実害はないのですが、
出版業界不況とCD販売不振は危機的な状況になりつつあるようです。
昨日の石丸電気レフィーノ&アネーロ閉店といい、
2010年代に突入し、色々と変化が訪れそうな予感がします。
さて、私は今のところ特に変化の兆しもなく、
今日も新譜(とは言ってもだいぶ経ちますが)紹介です(笑)。
クレメンス・マークトゥルの『フリー・スピリット・カルテット・ライブ』(2008年rec. alessa records)です。メンバーは、クレメンス・マークトゥル(ds)、ヨハネス・エンダース(ts,ss)、ピーター・マドセン(p)、ミラン・ニコリク(b)です。タイトルは「フリー」となっていますが、王道ハードバップなのでご安心を(笑)。ジャケットの縦/横比が通常のCDとは逆なのですが、どうしてこういうことをするんでしょう?普通のケースにしてほしいです。
これもいつものようにディスクユニオン・ジャズ館の新譜紹介でチェックしていました。購入を決めたのは ミュージックバード の番組「Brand-new CD」で聴いて気に入ったからです。熱い演奏が詰まった”イケイケ”なライブ録音盤です。
このアルバムでまず注目すべきはテナーのヨハネス・エンダース。この人のアルバム 『ドーム』 はブログで紹介済みです。ヨーロッパの宗教音楽にインスパイアされた異色作でした。今回はストレート・アヘッドでかなりの熱演を見せてくれます。コルトレーン系現代テナーですね。現代はこの手のテナーばかりなのがちょっと気になりますが、エンダースもその中ではかなりの実力の持ち主です。
ピアノのピーター・マドセンもなかなかいいですね。レア盤本で紹介されているこの人のアルバム『スリー・オブ・ア・カインド』は、その本の中では珍しく?まともなピアノ・トリオだったのですが(笑)、ここでもマッコイ系モーダルなピアノで”ガンガン”盛り上げてくれます。ソロでの熱演は暑苦しさ満載。好きです(笑)。
ベースのミラン・ニコリクは職人的にきっちりリズムをキープ。最後にリーダのクレメンス・マークトゥルですが、手数も多く”ビシバシ”と演奏を盛り上げていきます。煽りはかなりの迫力です。タイプとしては古いタイプのバップ・ドラムになるんでしょうね。たまにはこの手のドラムもいいものです。安心して聴いていられます。マークトゥルが全曲作曲していますが、あくまでアドリブの素材としての曲。
このアルバムは熱演王道ハードバップとしてオススメできるものです。
なんも考えずに音に浸りましょう(笑)。
アルバム名:『Free Spirit Quartet live』
メンバー:
Klemens Marktl(ds, com)
Johannes Enders(sax)
Peter Madsen(p)
Milan Nikolic(b)
*
高野 雲さんの「超・音楽鑑賞術!」がいよいよ書店に並んでいるようです。
買いましょう!
Amazonでも購入できます。
| 固定リンク
「ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事
- 明けましておめでとうございます!(2023.01.01)
- 今日はこんなの聴きました。(2022.01.01)
- 追悼、チック・コリア。(2021.02.14)
- このアルバムのこの曲が好き!(2021.02.07)
- こんなの聴いています。(2021.01.03)
コメント
いっきさん、おはようございます。
オイラの知人が時々「Stereo Sound」誌を送ってくれるのですが、
昨日、2010年春号No.174が届きました。
「特集:いい音を身近に」がいいです。
高級オーディオのカタログのような「Stereo Sound」誌も、
多少路線変更なのか?これはこれで良い傾向です。
そうは云っても、やはり高級オーディオではあるけど・・・。
是非、書店で見てください(笑)。
投稿: tommy | 2010年3月20日 (土) 09時35分
tommyさん。こんにちは。
「Stereo Sound」は一時期「ステレオサウンドグランプリ」の号だけ買っていた時期もありましたが、最近は全く買っていません。
今継続しているかどうかわかりませんが、和田博巳さんの「ニアフィールドリスニングの快楽」は、タイトルどおり狭い部屋で比較的安いコンポを扱った記事だったので、楽しく読んでいました。
Stereo Sound社の「管球王国」も去年とうとう継続購読をやめてしまいました。
「特集:いい音を身近に」面白そうですので、今日本屋さんへ行って見てきます。
雲さんの本が出ているかどうかも見てくるつもりです。
ついでにスイングジャーナル4月号も買ってきます。
休刊にならないように(笑)。
投稿: いっき | 2010年3月20日 (土) 12時39分
それから、もう一冊!
「ジャズ喫茶論-戦後の日本文化を歩く」マイク・モラスキー・著
これもチェックしてみてください。
いや〜、かなりのページを割いて「スコット・ラファロ」が
ベタボメなんですよ。オイラ、照れちゃうぜ〜!!(笑)。
現在"日本ーの新しいジャズの店"と言わんばかりの扱いなんです。
どこが気にいったのか?オイラにはわかりません(笑)。
「第4章 基地の町から響くジャズ」のページです。
店長ユタカがフィーチャーされていてイイ感じですよ。
投稿: tommy | 2010年3月20日 (土) 17時36分
tommyさん。
実はその本前回本屋さんへ行った時にチェックしました。
ほんとにパラパラ程度ですが、今日もパラパラやったのに、気付きませんでした。
褒めてもらえるなんて凄いです。良かったですね。
次回本屋さんへ行ったらチェックします。
「特集:いい音を身近に」は斜め読みしてきました。
今更ながらの啓蒙記事でしたが、内容はまともだと感じました。
どうなんでしょうね~。
和田さんの「ニアフィールドリスニングの快楽」は相変わらず連載されていました。
この記事こそ「いい音を身近に」の思想で以前から書かれていた記事だと思います。
投稿: いっき | 2010年3月20日 (土) 19時39分