« エソテリックの大間知社長のご意見に頷く。 | トップページ | ディスクユニオンの通販限定1000円均一セール。 »

原さんの落ち着いた語り口の解説が素敵でした。

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ルイ・アームストロング特集」
ゲストはジャズ・トランペッターの 原朋直 さん。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

ルイ・アームストロング(サッチモ)のプロフィールはディレクター嬢から。
内容についてはウィキペディアなどを調べて下さいな。

原さんの内に熱さを秘めつつも落ち着いた語り口が渋い!

原さんにとってのサッチモは、個人的にはトランペットをやるきっかけだそうです。
ニニ・ロッソとルイ・アームストロングが最初に知ったトランペッターだとか。
そこからジャズのルーツにいる人として強く認識していくようになるそうです。
子供の頃にニニ・ロッソを聴いた辺りは私と一緒です(笑)。

「楽器をやる人は体を使って表現。トランペットは特にそういう傾向がある。」と
原さん。
雲さんは「原さんのトランペットを、強い。重い。一球入魂みたい。」と表現。

まずは原さんのおすすめの《ポテトヘッド・ブルース》
アドリブが良いので注目して聴きましょう。

デキシー・スタイルの軽やかで楽しくなる演奏です。
普段こういうのは聴かない私なので、たまにはいいものです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

聴いた原さんは「優雅だよな~。」と一言。

原さんはバンドが上手くいかなかった時にデキシーを聴いて、
気付いたことがあるとか。
それは「全員でインプロビぜ―ション。皆で参加して作りあげている。」こと。
こういうのがジャズ(音楽)の根っこにあると気付いたそうです。
ドラムとかベースとかが自分のテクニックなどを見せるだけでなく、
全員参加でインプロを発展させていくのが重要。
アカデミックになり過ぎずに皆で演奏したいとのことでした。
この演奏は「1人1人にデリカシーがある。それがないと皆がぶつかっちゃう。」
なんて言っていました。

今度は歌あり。最初のスキャット曲と言われている曲《ヒービー・ジービーズ》

これまた古い演奏ですね。
針音があるのでSPから起したんでしょうね。
味のあるスキャットが聴きどころです。

このスキャットには色々なエピソードがあるそうです。
強く、勢いがあるスキャットです。

次は強い原さんのトランペットを聴きましょうということで、
原さんのアルバム『ピノキオ』からタイトル曲
童話のピノキオと勘違いして買っていく人がいるらしいですよ(笑)。
音響効果を考えて録音しているそうです。

確かにトランペットが超デッド(残響無)に録音されています。
まるで広い空間にトランペットが浮かんでいる感じです。
ピアノ、ベース、ドラムは普通に録られているので、対比が面白いですね。
やっぱりマイルスの演奏が基本にあると思います。
現代流モーダルでスリリングな演奏。

「小細工をしないストレート勝負。トランペットの音が生々しく強い。」と雲さん。

サッチモに戻ります。《ウエストエンド・ブルース》
イントロが凄く有名なんだそうです。
音のインターバルとカデンツ/構成が良く、歌いっぷりが堂々。
原さんもよく練習したそうですが難しいんだそうですよ。
トランペットの奏法からくるらしいですが、吹くのに度胸がいるそうです。
奏法上、特に高音は体で歌う感じで吹かないと吹けないそうです。
トランペットは箱を鳴らす/音を響かせる訓練が最初に来ます。
他の楽器もいづれ音色にぶち当たるが、トランペットはそれが最初に来るため、
音楽がよくわからないうちにそうなるので難しいとのこと。
値段が安いから買いやすいそうですが途中であきらめる人も多いらしいです。

原さんは「高音をどうやって出すか。どうしたら長時間吹けるか。」
とよく質問されるんだそうですが、
そういうのは音楽が成熟してからでないと生きてこないので、
そこまで行ってない人は、最初は出る音域で楽しむのが良いそうです。

なるほど楽器をやらない私が聴いたのでは、
原さんが言ったことはあまりわからないです(涙)。
なかなか落ち着いてリラックスした良い演奏です。

「このイントロはサッチモのインテリジェンスが窺える。」と原さん。
譜面どおり吹いてもこういう風にならないそうです。
歌うつもりで吹くと技術が気になるし、技術を意識するとこうは歌えないそうです。
ウィントンもサッチモは全て盗めないと言っているんだそうですね。

ここからはサッチモは素晴らしい談義でした(笑)。

最後は原さんが大好きな曲《ホェン・イッツ・スリーピー・タイム・ダウン・サウス》
ほのぼのしていてちょっと悲しくて昔から好きなんだそうです。

レイジーな雰囲気のトランペットがいいですね。
原さんの言う通りほのぼのしてちょっと悲しげです。
サッチモの歌がまたいい雰囲気です。
古き佳き音楽の温もりに溢れた曲。
胸がちょっぴり”キュン”となります(笑)。

今日はトランペッターの心構えやトランペッター目線ならではのサッチモ解説が
凄くためになりました。
こういう情報を知っているとより音楽が楽しめるのではないかと思います。

<アフターアワーズ編>

原さんのトランペットと雲さんのベースでセッション。ブルースです。
原さんのトランペットはヤマハ製の原朋直モデルなんだそうですよ。

トークと同じで内に熱いものを秘めつつ落ち着いた語り口で進みます。
で、時々ハイノートを果敢に入れ、一挙に高速フレーズを吹いたりと、
自ずと熱さも噴出(笑)。カッコいい演奏でした。
歌う感じで吹いているのが良くわかりました。
番組中に言っていた通りの演奏。さすがです。

|

« エソテリックの大間知社長のご意見に頷く。 | トップページ | ディスクユニオンの通販限定1000円均一セール。 »

ラジオ快楽ジャズ通信2」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 原さんの落ち着いた語り口の解説が素敵でした。:

« エソテリックの大間知社長のご意見に頷く。 | トップページ | ディスクユニオンの通販限定1000円均一セール。 »