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ビバップにかける矢野さんでした。

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ルー・ドナルドソン特集」
ゲストはアルトサックス奏者の 矢野沙織 さん。

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

矢野沙織さんの写真はtommyさんのブログ
快楽ジャズ通信「ルー・ドナルドソン」特集 をご覧下さい。
矢野さんの笑顔が見られます。

ルー・ドナルドソンのプロフィールはディレクター嬢から。
内容についてはウィキペディアなどを調べて下さいな。

矢野さんはかねてからルーさんの大ファンなんだそうです。
雲さんは矢野さんのアルトにビバップよりソウルを感じだとか。
なので、バックはピアノよりオルガンの方が合うとホームページに
書いたこもあるそうです。
「今回の矢野さんのアルバムはオルガンとギターがバックなので
矢野さんのサウンドにピッタリ。」と雲さん。

矢野さんが最初に聴いたルーさんのアルバムは、
アート・ブレイキーの『バードランドの夜』。
矢野さんは無意識にルーさんのことが好きで、
ピアノ・トリオとオルガン・トリオとの差をあまり感じていないとか。
自分の3枚目のアルバムでオルガン・トリオとやった時も違和感はなく、
サウンドの想像がついていたので、矢野さんにとってオルガン・トリオは
自然な編成だそうです。

雲さんも、ルーさんについてはピアノ・トリオとオルガン・トリオとの差は
あまり感じずに聴いていて、自然と”フワッ”と滲み出るソウルフルな感じが
矢野さんにも似ていると思ったそうです。

矢野さんは「そんな恐縮です。」と返事。
チャーリー・パーカー派と言われていることもありがたく思っているし、
誰かに似ていると言われるのはとても嬉しいとのこと。
「誰かに似ていると言うと、私は私だと怒るミュージシャンもいるのに。」と雲さん。

矢野さんは「聴いた人がどう判断するかだと思う。私がやっている音楽を
フュージョンだと感じれば、それで楽しんでもらえれば嬉しいですし、
ソウルだと言われたらそれでいいし、ビバップと言われたらそれもいい。
私は単純にジャズを発信しているだけだと思っている。発信している側が
どう聴いてほしいとズケズケ言うものではないと思っている。」とのことでした。

アート・ブレイキー『バードランドの夜Vol.2』から《ルーズ・ブルース》

ドナルドソンのアルト、ブラウニーのトランペット、
共に勢いに溢れたこれぞバップな演奏が素敵です。
ピアノも文句なく、ブレイキーの煽りもいいですね~。
今更言うことはありません(笑)。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

矢野さんが「凄い、凄い。」と言っていたそうです。
矢野さんは16歳でデビューして今23歳。
14歳からジャズクラブでライブを始めたけれど、まだ若いと言ってもらえるそう。
今の演奏当時、ルーさんは26歳、クリフォード・ブラウンは18、9歳と考えると、
矢野さんは「もう若いみたいな感じですみません。」となっちゃうそうです(笑)。

「当時はビバップが最先端で若い人達が踊りに来ていたのは凄いと思う。
それ以前も以後も最先端の音楽がインストものだった時代はあまりないと思う。
歌であり、誰もが覚えやすいものが流行していくのが音楽だと思うが、
この時代、全然覚えにくいビバップが流行っていたのは凄い。」と矢野さん。

雲さんは「そういう覚えにくいビバップを聴いて燃えるのは熱量というか勢い、
火の出るような感じ。」と言います。

矢野さんは「かなりガチガチに規制された状態で、何でこんなにスピード感があり、
勢いがあるのか。特にアレンジされているわけでなく、32小節とかの中を
ひたすら繰り返しで普通なら飽きるところなのに、前に前に行く熱気は凄い。
それがこの時代のものに限ってあると思う。だから素晴らしい。」と言います。

これを聴いて、矢野さんのビバップへの熱い熱い情熱を感じました。

次はオルガン入り。

『ホット・ドッグ』から《フーズ・メイキング・ラブ》
ドナルドソンが電気サックスにトライしている珍しいアルバム。
「歌も入って和めるんじゃないか。」と雲さん。

これは和めますね(笑)。
ルーズな演奏がなんとも心地よいソウル・ファンクです。
ラフなコーラスがまた緩~い(笑)。
電気サックスとは言いながら普通のアルトとそんなに変わりません。

矢野さんはこれを初めて聴いたそうです。
「ビバップから始めて、これが録音された1969年には時代とともにこんなに変わり、
またバップに戻るのは感慨深いものがある。」と矢野さん。
電気サックスの音色は雲さんも矢野さんもやっぱりよくわからないそう。

次は矢野さんのおすすめ。
ビバップをやっているのが好きということで、
『カルテット・クインテット・セクステット』から《チーク・トゥ・チーク》
矢野さんはこの曲がもの凄く好きなんだそうです。

アップ・テンポでの軽やかな演奏です。
テーマの崩し具合、アドリブも気持ち良いですね。
こういうメロディアスでジャジーな演奏は矢野さんも目指すところなのでしょう。

雲さんは「軽やかで好き。」と言っていました。

矢野さんのアルバム『ビバップ・アット・ザ・サボイ』から《ザ・キッカー》
「勢いのある演奏がいい。」と雲さん。

私もこの曲は好きです。
ここまで聴いてきて、確かにドナルドソンとの共通性は感じますね。
勢いに溢れた演奏です。
続くトランペットも快調そのもの。
快適で楽しいバップ演奏になっています。

「ノリノリで勢いがありますよね。吹いていくうちにヒート・アップしていく演奏が
多いですね。」と雲さん。

矢野さんは「ビバップというジャズをするにあたって、自分でビバップの曲を
作曲しようとは正直思わない。昔のものが正義だと私は思っているから。
だからなるべく昔のまんまもう一度やることにかけている。
そうなってくるとレコーディングが早く終わっちゃう。1,2回録って”ア~ッ”
みたいな感じになるので、その時の集中力・緊張感が良くも悪くもある。
1回録ったあと集中力がほぐれてとり返しがつかなくなる場合もあるが、
それが楽しみでもある。」と言っていました。なるほどね~。

そんな感じで今回のアルバムは2日で録ってしまったそうです。

「ビバップな精神で本当に短い時間に完全燃焼。集中力を凝縮させて爆発させる
感じですね。」と雲さん。
「それがいいことか分からないが、少なくともビバップをやるにあたっては正しいと
思っている。」と矢野さん。

矢野さん。とことんビバップに拘っています。

このアルバムのツアーは現在開催中です。

最後の曲。矢野さんのおすすめ。
『グレイビー・トレイン』からタイトル曲
「ジャケットがいい。この時代のジャケットは反則。撮りっ放しで絵になっちゃう。」
と矢野さん。

こちらはミディアム・テンポで闊歩するかの如くの演奏がいいです。
『ブルース・ウォーク』と同系の演奏。
コンガ入りでブルージーに、臭く成り過ぎないのがいいです。
ブルージーなピアノもいいな~。
私、結構この手のやつも好きなんです。

矢野さんのサックス・ケースは年季が入っているんだそうです。
コーン(CONN)のサックスが入るのはこのケースしかなく、
ボロボロなんだけどやむなく使っているそうです。

このサックスケースの写真はtommyさんのブログを見てね。
快楽ジャズ通信「ルー・ドナルドソン」特集

今日は矢野さんのビバップにかける熱い思いがヒシヒシと伝わってきました。
23歳の矢野さんはしっかりとした主張をお持ちです。
始終落ち着いた受答えなのですが、時折見せる笑いがキュートでした。

<アフター・アワーズ編>

矢野さんのアルトと雲さんのベースのデュオで《ブルース・ウォーク》
テーマーは本家とほぼ同じでした。”昔のものが正義”の矢野さんらしいです。
コードに沿った部分と、エモーショナルな部分がありますね。
エモーショナルになると一挙にソウルフルな歌い回しになると思いました。

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