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やっぱりドルフィーって難しいかも?

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「エリック・ドルフィー~アルトサックス編」
だったのですが、雲さんは納得のいく説明をされていました。

今でこそ「ドルフィーはいいよね~。」なんて言う私ですが、
実は長い間その良さがわからなかったのです(汗)。

ジャズを聴いてかなり経ってからドルフィーのアルバムを買いました。
名盤と言われる2枚です。
『アツト・トゥ・ランチ』『ラスト・デイト』
2枚とも輸入盤の廉価CD。
買ったのはいいのですが、数回聴いたあとはCD棚に入りっ放し。

ではいつドルフィーに開眼したのかというと、5年くらい前です。
ジャズ喫茶「いーぐる」へ行くようになり、マスター後藤さんの本をまた読みはじめ、
それでドルフィーをちゃんと聴いてみようと思ったのです。
それまでのマイブームが寺島靖国さん推薦ユーロ・ピアノ・トリオだったんですから、
かなりのギャップです(笑)。

で、聴き直してみたら、これがいいのです。
寺島さんが「馬のいななき。」と言って嫌うドルフィーのアルトが胸に来るのです。
きっとこれまでのジャズ聴きの蓄積が私を変えていたんでしょうね。

一旦良さが分かってしまえば、”分からなかった自分”が分からないから不思議。
これは自転車に乗れてしまえば、乗れなかった自分が分からなくなるのと同じで、
人間の感覚なんてそんなものなのです。

「いーぐる」連続講演「エリック・ドルフィー特集」(原田和典さんの講演)にも参加。
原田さんの的を射た解説と選曲に納得し、
「いーぐる」のオーディオで大音量のドルフィーを堪能しました。

今ドルフィーのアルバムを8枚持っていますが、その中で何が好きかというと、
実は上記の2枚なのです。

P88まずは『アウト・トゥ・ランチ』(1964年rec. Blue Note)。
今持っているのはキング盤LPです。
メンバーは、エリック・ドルフィー(as)、フレディ・ハバード(tp)、ボビー・ハッチャーソン(vib)、リチャード・デイビス(b)、トニー・ウィリアムス(ds)です。

これはさすがのブルーノート、ジャケットも含めコンセプトがしかりしたアルバムです。メンバー全員が一丸となってドルフィーならではのクールでカッコいい世界を創造しています。ハバード、ハッチャーソン、デイビス、トニー、皆最高のパフォーマンス。どれもいいと思います。

P89 次は『ラスト・デイト』(1964年rec. fontana/LIMELIGHT)。
今持っているのはポリグラムの再発盤LP。
ジャケットが色々ありますが、この絵のやつが好きです。
メンバーは、エリック・ドルフィー(fl,b-cl,as)、ミシャ・メンゲルベルグ(p)、ジャック・ショールス(b)、ハン・ベニンク(ds)です。

ミンガス・バンの一員としてヨーロッパに渡った後、1人ヨーロッパに残ってオランダで録音(ファーラー放送のジャズ番組として制作/収録)したものです。地元のミュージシャンをバックにしたライブ録音というのは皆さんご存じのとおり。
録音日が1964年6月2日。ナナなんとっ!私1歳の誕生日でございます。

ドルフィーの3つの武器(アルト、バスクラ、フルート)を聴くことができるのも良いところ。ミシャのピアノ・トリオも良い演奏をしています。その後のミシャやハンの活躍も頷けます。ラストには皆さんご存じの感動の名セリフ(インタビューの一部)が入っています。ドルフィーの人柄をあらわしているかの如きジェントルな声がまた染みるのです。

”When you hear music, after it's over, it's gone in the air.
You can never capture it again ---”

なんてジャジーなんでしょ!

エリック・ドルフィーはいいよね~。

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コメント

ドルフィーのアルトだと、アンドリュー・ヒル「ポイント・オブ・デパーチャー」の一曲目のソロがブッ飛んでて凄いと思います。

投稿: | 2015年11月 4日 (水) 12時32分

こんばんは。
なるほどそうきますか。
私はブログに書いた2枚が好きです。

投稿: いっき | 2015年11月 5日 (木) 22時52分

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