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山中千尋さんが2008年ベスト盤に選んでいました。

そう言えば、「ジャズ批評2009年3月号」が私の「ジャズ批評」誌デビューでした。
あれからもう1年経つんですよね。
だんだんずうずうしくなってきて、今年はベスト盤まで掲載していただきました(笑)。
感謝の気持ちを大切にしないといけないですよね。

さて、その「ジャズ批評2009年3月号No.148」では、山中千尋さんが2008年ベスト盤を寄稿していました。今日紹介するのはその中の1枚です。

P92 ジャリール・ショウ『オプティミズム』(2007年rec. CHANGU RECORDS)です。メンバーは、ジャリール・ショウ(as,hand per)、ラーゲ・ルンド(g)、ロバート・グラスパー(p,rhodes)、ジョー・マーティン(b)、ジョナサン・ブレイク(ds,hand per)、ジェレミー・ペルト(tp,flh)2曲のみ、です。現代精鋭メンバーで固めた1枚。

これ、買いたかったのですがネット通販にもなかったんです。ディスクユニオンにも在庫がなかったので半ばあきらめかけていました。それが今年に入ってからディスクユニオン新宿ジャズ館で売っていたのです。再入荷したんでしょうね。こういうアルバムは買い逃すと次はいつ買えるか分かりません。即購入を決めました。

ジャリール・ショウは、なかなかガッツのあるアルト奏者です。前にブログで紹介したロイ・ヘインズの『ホェアーズ』にも参加していました。ヘインズにも鍛えられたんでしょうね。いいアルト奏者になってきました。アップテンポで飛ばすだけでなく、バラードでは落ち着いた表情も見せてくれます。ちょっとスモーキーでメリハリのはっきりした音色も気持ち良いです。

現代注目株のグラスパーがピアノとローズで活躍しています。ピアノではバップ系の演奏を、ローズではコンテンポラリー系の演奏を見せてくれます。自身のアルバム『ダブル・ブックド』でも見せたように、バップ系とヒップホップ系の両刀使いなのが、この人の現代性と柔軟性を示しています。私はこの人の甘めでスマートなメロディーセンスがなかなかヨロシイと思っています。

ギターのルンドって、もっとバップ寄りなのかと思っていたのですが、カート~フリゼール系コンテンポラリー・ギターなんですね。個性という意味ではもう一息だと思いますが、しっかり存在感を示すプレーをしています。

クリポタ参加のアルバム『ノット・バイ・チャンス』が話題になったマーティンのベースもいいですね。派手さはありませんがきっちりとリズムをキープしつつ、味のあるフレーズを刻んでくれています。ドラムのブレイクもしっかりリズムを支えてくれます。煽りは程々ですが、レスポンスの速いドラミングがイイ感じです。

2曲のスタンダード以外の9曲はショウ作曲(1曲ルンドとの共作)。いづれもなかなかの佳曲で作曲の才能も大したものだと思います。《ラブ・フォー・セール》のアレンジもいかしていて、フレッシュな感覚で曲を蘇らせていると思います。この曲が好きな私としてはかなりの高得点をあげたいです。ここにはペルトがトランペットで参加して盛り上げてくれます。

私としては、山中千尋さんにこういうアルバムを作ってほしいのです。
『アビス』の時のように、ピアノもエレピも弾いてもらいたいのです。
今年はショパン生誕200年。
山中さん、まさかショパン・トリビュート・アルバムなんか作りませんよね(笑)?

アルバム名:『OPTIMISM』
メンバー:
Jaleel Shaw(as, hand per)
Lage Lund(g)
Robert Glasper(p, fender rhodes)
Joe Martin(b)
Johnathan Blake(ds)
Jeremy Pelt(to, flh)

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