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ドルフィーのアルトは3つのキーワードで聴け!

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「エリック・ドルフィー~アルトサックス編」

番組詳細は jazz blog 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。
今回のポッドキャストは雲さんの”シーツ・オブ・トーク”が聴けます(笑)。
ドルフィー愛!

雲さんはドルフィーのアルトが大好きです。
ドルフィー・アルトの3つのキー・ワード。
「超スピード」「無重力」「肉感的」。

掴みの1曲。
『アウト・ゼア』からタイトル曲
バップ・イディオムを基本にしつつ、発想がわからないアドリブを聴きましょう。
ロンカーターのピッチ(音程)の悪いチェロが怪しくいい味を加えています。

ロンのチェロのソロから入ります。
雲さんが言うように怪しいです(笑)。
続くドルフィーのアルト。
飛翔するアドリブだと思います。確かに無重力。
アドリブに身を任せ、一緒に心を飛翔させれば極楽(笑)。
ブラシの煽りもなかなかなのです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

どこまでも未知の空間へ突き進んでいくアドリブ。
このアルバムは雲さんの愛聴アルバムです。

ドルフィーのアドリブはウネウネなメロディーで音程が#(シャープ)ぎみ。
パーカーのアドリブの発展系です。
「パーカーがマジンガーZならドルフィーはグレート・マジンガー」と雲さん(笑)。

比較のためにパーカーのアドリブをチラッとかけたうえで、
「ドルフィーはこのウネウネ感の振幅を大きくして疾走していく。」と雲さん。

『ベルリン・コンサーツ』から《アイル・リメンバー・エイプリル》
ドルフィーのアドリブ部分のみでカット。

なるほどね~。
パーカーの発展系。
凄く疾走しています。

このスピード感。ウネウネの上下の振幅を激しくしたのが特徴。
この演奏をリアルタイムで聴いていた人はアバンギャルドと思ったらしいが、
雲さんはあまりアバンギャルドとは思わなかったそうで、
パーカーを聴いていたので、ドルフィーはその発展系としてわかったそうです。

次のテーマ。無重力。

コレトレーン・グループにドルフィーが参加した時の演奏。
『インナー・マン』から《MR.P.C.》
コルトレーンのソロを喰ってしまうドルフィーのアルト。
コルトレーンのソロの途中から割って入るドルフィーが聴きどころです。
ドルフィーのソロが終わったところでカット。

コルトレーンのソロも熱いんですよ、かなり。
シーツ・オブ・サウンドで正に鬱陶しいソロをとります。
ソロが続きそうなのにいきなり入ってきますね。ドルフィー(笑)。
こちらもシーツ・オブ・サウンドです。
なんかイッちゃってます(笑)。
にもかかわらず芯はクール?なのがドルフィー。

「2人の資質の違いがはっきりわかります。」と雲さん。
喰うサイドマン。ドルフィー。

コルトレーンは地球の重力に足を引っ張られている。
突き抜けられないもどかしさがあり、そこが良いところでもあります。
対してドルフィーは最初から大気圏外で高速運動をしています。

3つ目のキーワード。肉感的。

ジョージ・ラッセルの『エズ-セティックス』から《ラウンド・ミッドナイト》

これは出だしからかなりの怪しいサウンドですよね。
そこへドルフィーのアルトが登場。
雲さんが言うとおり確かに肉感的です。
でも私から敢えて言わせてもらえば、”艶(なま)めかしさ”だと思います。
ドルフィーは艶めかしいオーラを放っているのです。

人間が呻いているかの如く、内臓を振り絞るかの如くバラードを演奏。

かけたい曲がたくさんあるが、時間の都合で無理。
ということで、外せない1枚。
『アット・ザ・ファイブ・スポットVol.1』から。
ドルフィーのグループが素晴らしい演奏を展開。
このグループは興業収入が悪くて短期で解散してしまいました。
このライブ盤はVol.1、Vol.2、メモリアル・アルバムがあるがVol.1がいい。
雲さんは《ザ・プロフェット》が一番いいとのことですが、22分なのでカット。
負けず劣らず素晴らしい演奏。マル・ウォルドロン作の《ファイアー・ワルツ》

ここではマルもアグレッシブなアドリブを展開。
マルのピアノ・ソロはギター的な発想でリフを繰り返します。
「ロック・ファンが聴いても燃えるんじゃないか。」と雲さん。
熱い演奏をお聴きください。

ドルフィーのアルトはやっぱり凄いですね~。
上記で説明してきたとおりのアルト・ソロです。
続くブッカー・リトルのトランペットもいいです。
ドルフィーのイディオムに接近を試みた果敢な演奏。
マルのソロはリフの繰り返し的と言われてみれば確かにそうですね。
今まで意識していませんでした。なるほどね~。

「この演奏には先に挙げた3つの要素が入った素晴らしいものです。」と雲さん。

ドルフィーのアルトが大好きな雲さん。
めいっぱい内容を詰め込んだ今日の放送でした。
”熱い”雲さんでした(笑)。

<アフターアワーズ編>

1月10日に銀座アップルストアーで行われた
ジャズ・フルーティストMiyaさんとのトーク&セッションから。
セッション曲《ストレート・ノー・チェイサー》

いつものスタジオ録音よりベースの音が断然良いです。
MIyaさんのフルートは素朴で優しくてちょっと攻撃的でいい味わい。
雲さんのウォーキング・ベースも”グーッ”。
ライブの時はMiyaさんに見とれてよく演奏がわからなかったのですが(笑)、
これはいい演奏でしたね。

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コメント

いっきさん

こんばんは。
いつもレポートありがとうございます。

特に、今回のドルフィー・レポートは、私が番組を通して主張したかったことを、的確にまとめていただいているので、とても嬉しいです。

いっきさんのレポートを読めば、60分かけて説明したドルフィーの魅力が、端的に凝縮されているので、
言葉を費やす私がコルトレーンタイプだとすると、短い言葉でまとめてしまう いっきさんはマイルスタイプなんだな~と思いました(笑)。

投稿: | 2010年3月 8日 (月) 00時10分

雲さん。こんばんは。

>いつもレポートありがとうございます。

いえいえどういたしまして。
いつも得るところがある番組なので、聴いた時の気持ちを文にしておきたいのです。
漫然と聴いてるのではなく、書くことによってイメージもしっかり頭に残ります。
これって、雲さんがおっしゃる「ジャズは紙に書け!」効果ですよね。

>いっきさんはマイルスタイプなんだな~と思いました(笑)。

それは褒めすぎです(笑)。
気質的に字数を減らしたいというのはありますが。

投稿: いっき | 2010年3月 8日 (月) 00時57分

いっきさん

>ライブの時はMiyaさんに見とれてよく演奏がわからなかったのですが(笑)

じつは、私もなんです(笑)。>見とれ

何弾いたのか、全然覚えてません。

改めて聴くと、なんかハイポジションばっかり弾いてますね(汗)。


投稿: | 2010年3月10日 (水) 00時24分

雲さん。こんばんは。

雲さんも見とれてたんですか(笑)?
Miyaさんは美人だからというのもありますが、アクションが結構気になりましたよね(笑)。

>改めて聴くと、なんかハイポジションばっかり弾いてますね(汗)。

そうですか。
私はかなりいいマッチングだと思って聴きました。
”楽器に関する低音への拘り”からくる相性の良さなのかな?っと思いました。

投稿: いっき | 2010年3月10日 (水) 00時38分

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