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やっと来ました!クリポタ盤

今日はアルバム紹介行ってみよう!

先週やっと届きました。
これ値段が高かったのでHMVマルチバイ特価で予約していました。
再入荷のタイミングで入ってきたようです。
入手に時間はかかりましたが、ディスクユニオンで購入するより
800円以上安いので良しとしましょう。

P110 ダニエル・サボ・トリオ・ミーツ・クリス・ポッター『コントリビューション』(2009年rec. BMC RECORDS)。メンバーは、ダニエル・サボ(p,Rhodes)、クリス・ポッター(ts,ss,b-cl)、マーチャーシュ・サンダイ(b)、フェレンク・ネメス(ds)です。「SZABO」の読み方は?なんてのもありましたが、ハンガリー出身ギタリストのガボール・サボと同じ綴りですよね。このジャケットが凝った造り、そのせいで高いのかも?CD収納部がCDサイズギリギリになっているので、CDを取り出しにくいことこのうえなし。

このCD、ジャズ・ブロガーの間ではかなり話題になり、皆さん高評価のアルバムなのです。私は1月末にディスクユニオン新宿ジャズ館で聴いて気に入っていたのですが、前述のとおりで入手は遅れに遅れてしまいまいた(涙)。

サボはハンガリー出身のピアニスト。ヨーロッパのピアニストに共通するクラシックを消化したうえでのジャズ・ピアノ・テイストです。共演する現代注目テナー、クリポタがNYテイストなので、相性やいかに?と思うところですが、これがかなり良いのです。全曲サボの作曲なのに、まるでクリポタが自分のために作曲したような感じなのが凄いです。

1曲目《アタック・オブ・ザ・インターバル》からクリポタ節全開にもかかわらず、これにサボが絶妙な和音を添えて曲を彩っていくのです。いいです!このサウンドが何かに似ていると思っていたのですが、わかりました!マイルス『ソーサラー』に収録されている《ザ・ソーサラー》なのでした。

ショーターとハービーの関係性に近いものがあります。このアルバムでは、ショーターのアドリブ中はハービーはピアノを弾いていませんが、短いテーマ部での合奏やショーターのソロとハービーのソロを重ねればかなり近いことがわかると思います。曲調も似ていますよね。で、私がこのサウンドをかなり気に入った理由もそこにあることがわかりました。マイルス・クインテットの影がここに見えてきました。いや~っ、面白いです。

2曲目《ストレンジ・ウインド》は、15分に及ぶストーリー性を感じる曲。途中にあらわれるテーマが映画「マルサの女」のテーマに似ているのが面白いです。本多俊之作曲のあの不安感を醸すメロディー(笑)。このサボのメロディー感覚というのが意外と日本人の琴線に触れるのではないかと思う次第です。ダークでちょっと切なげなフレージングのクリポタと微哀愁で陰影感のあるサボが絶妙なマッチングだと思いませんか?これもかなりカッコいい!

3曲目《キャメル・ギャロップ》は、タイトルどおりらくだ(キャメル)が走る(ギャロップ)感じの変拍子曲。結構ウネウネなメロディーはどことなくバルカン音楽にも通じるものがあると思います。ハンガリーとバルカン諸国はお隣さんですからね。あの辺りのメロディーなのでしょう。バルカン音楽というと私が思い浮かべるのはボヤンZ。私、ボヤンZも好きなので、サボもその流れで親しみが湧くのです。

4曲目《メロディック》は、クリポタのバス・クラリネットが切なく歌う哀愁のバラード。これはクラシカルなサボのピアノが美しい!これもバルカン系のメロディーです。コテコテではなくどこか枯れた感じのバラード。5曲目《ホイリーギグ》は、珍しいクリポタのソプラノ・サックスが聴けます。変拍子の今時メカニカルな曲(ピアノの練習曲っぽいパートもあり)に、ソプラノが甘さを添えます。サボのピアノの響きが美しくて素敵。

6曲目《ゼア・ワズ・ザット・トゥー》は落ち着いた曲調。クリポタのダークなウネウネ・ソロが炸裂。続くサボがやっぱり美しい。ラスト曲《バブル・ソング》のみ、サボがエレピ(フェンダー・ローズ)を弾いていますが、これが怪しくて良いです。このサウンドはクリポタのグループ「アンダーグラウンド」とほぼ同等ですね。クリポタも水を得た魚の如く気持ち良さそうに吹奏。私的にはエレピ曲がもう1曲くらいほしいところでした。

ベーシストのサンダイのしっかりした技術による堅実強靭サポートとネメスのフレキシブルなドラミングが演奏の質を上げていることを付け加えておきます。クリポタが抜けてサボのトリオになる場面も多々ありますが、これもいいです。ピアノ・トリオ・アルバムも聴いてみたくなりました。ドラマーのネメスのリーダー作 『ナイト・ソングス』 もオススメです。

評判どおりの素敵なアルバムでした。

アルバム名:『Contribution』
メンバー:
Daniel Szabo(p, fender rhodes)
Chris Potter(ts, ss)
Matyas Szandai(b)
Ferenc Nemeth(ds)

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ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

おぉ。。やっと、来ましたね!
いっきさまのレビューを読みながら、イチイチ頷いてしまいましたよ。
わたしも、エレピ曲ももう1曲くらいあってもいい気がしました。
質も高いし、面白いアルバムだと思います。

ブログのリンク先ではおおむね好評なのですが、
なんつうか、、やっぱ、売れ筋にはならないものですねぇ。。

>全曲サボの作曲なのに、まるでクリポタが自分のために作曲したような感じなのが凄いです。

ホントにそうですよねぇ。
クリポタが踊りまくるのもわかる気がします。

トラバしました。届いてますように。。

投稿: すずっく | 2010年3月26日 (金) 18時19分

すずっくさま。こんばんは。

トラバはちゃんと届いていますよ。
すずっくさまのトラバが届かなかったことはないです。
私は公開するのが遅れがちなので、すみません。

やっと来たんですよ~。長かった~。

>いっきさまのレビューを読みながら、イチイチ頷いてしまいましたよ。

そう言っていただけると嬉しいです。

>わたしも、エレピ曲ももう1曲くらいあってもいい気がしました。
>質も高いし、面白いアルバムだと思います。

そうですよね。これはいいです。

>なんつうか、、やっぱ、売れ筋にはならないものですねぇ。。

そうなんですよね~。
こういうのが売れ筋にならないということは、やっぱりジャズに明日はない(笑)?

>クリポタが踊りまくるのもわかる気がします。

上手いっ!確かに踊りまくっています(笑)。

投稿: いっき | 2010年3月26日 (金) 19時53分

私もちょっと前に入手していたのですが、ハンガリー録音ということで、順番を後回しにしているうちに、周りのブログで、スゴいことになっておりました(笑)。あわてて昨夜聴いて、大満足です。

変拍子バシバシで、ここまでやってくれると、これぞニューヨークの香り、なんて思ってしまうのですが、ハンガリーのジャズも恐るべし、ですね。愛聴盤になりそうです。

TBさせていただきます。

投稿: 工藤 | 2010年3月30日 (火) 17時32分

工藤さん。こんばんは。

>周りのブログで、スゴいことになっておりました(笑)。

ほんとにそうですよね。皆さん高評価。

>あわてて昨夜聴いて、大満足です。

やっぱりそうですよね。

>ハンガリーのジャズも恐るべし、ですね。

確かに恐るべしです(笑)。
NYの香も実はエスニックなものも含んでいるんじゃないかと思います。
最近はユダヤ系やアメリカン・フォークが強いように感じますが、東欧も意外と親和性が高いのかもしれません。
そして最近は世界のどこでもジャズ演奏者のレベルはあまり変わらないですよね。

TBありがとうございました。

私からもTBさせていただきます。

投稿: いっき | 2010年3月30日 (火) 22時31分

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