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ウェザー・リポートは凄いバンドだったのだ!

今日は雨降りなので、ゆっくりCDやレコードを聴いていました。
ジョー・ザビヌルとWDRビッグ・バンドとの共演『ブラウン・ストリート』を聴いていたら、急にウェザー・リポートのライブ盤『8:30』を聴きたくなりました。

P62 『8:30』は、スイングジャーナル誌の1979年ジャズディスク大賞:金賞受賞アルバムです。メンバーは、ジョー・ザビヌル(key)、ウェイン・ショーター(ts,ss)、ジャコ・パストリアス(b)、ピーター・アースキン(ds)、他です。誰が何と言おうとウェザー・リポート(以降略してウェザー)最強メンバーです。この時が一番輝いていたのだと、私は思います。ところで、これもライナーノーツは岩浪洋三さんでした(笑)。

かなり久々にこれを聴いたわけですが、聴き始めたら一挙にラストまで、レコード3面を裏返したり取り換えたりして聴いてしまいました。私が持っているのはレコードなので、ライブ録音が1枚目A面、B面、2枚目A面に分散収録されています。2枚目B面のみはスタジオ録音、ライブで総括した上で、今後のウェザー・リポートの方向性を示していると言われました。ここに《ブラウン・ストリート》が収録されていたんですね。忘れていました。

今日スタジオ録音のトラックを聴いてわかったのですが、次作『ナイト・パッセージ』やその次の『ウェザー・リポート』より、ベースとドラムが入れ替わってからのウェザー、つまり『プロセッション』以降のサウンドに生かされていることが分かりました。面白いです。こういう方向性をやるためにはジャコの呪縛を離れる必要があったのではないかと、私は推測します。ただし、メイン・ストリーム回帰の《サイトシーング》は、次作から取り入れられていきます。

さて、ライブの話に戻りますが、この熱気とパワーは凄いですね。最近の中・高年好みのピアノ・トリオやマイナー感にばかり共感する四畳半的ジャズとは次元が違います。最近のジャズがどんどん衰退していくのも頷けます。それが時代だと言えばそうなのでしょうが、ウェザーみたいなジャズが注目をされないと、ジャズのパワーって戻ってこないような気がします。つまり、ジャズの隆盛はもう来ないのではないかと思うのです。

まっ、それはそれでしょうがないとして。このライブ、見せ場は随所にあります。《ブラック・マーケット》でのアースキンのドラムだけを伴奏にしたショターの熱狂的なテナー・ソロ。《ティーン・タウン》でのジャコのうなりを上げるベース。後半メンバー一丸となって突き進むスピードとパワーは、どこまで盛り上げるのかそら恐ろしくなります。演奏後の拍手はそれはそれは盛大です(笑)!

《スラング》はベース・ソロ。ジャコのシーケンサーに記憶させたリズムに合わせての奔放なソロが聴けます。私はこれをどういう風に演奏しているのか、数年前に見たジャコのライブDVDで初めて理解しました。《イン・ア・サイレント・ウェイ》はザビヌルとショーターのデュオ。限りなく美しいです。ウェザーはパワーと美を兼ね備えていたと思います。

《バードランド》はご存じのとおりウェザーのオハコ。シャッフルビートに乗せて、ジャコの鼻歌交じりのウォーキング・ベース、おなじみのメロディーの繰り返しは会場を歓喜の渦に落とし入れます。これまた演奏後の拍手は凄いです。《サンクス・フォー・ザ・メモリー》はテナー・ソロ。このソロを聴くとショーターがいかに豪快なテナー・マンかわかります。こんな音が出せるんですよ。テクニックとかの次元ではない音の説得力。参りました!

ラストは《バディアの楼閣/ブギウギ・ワルツ》。これは、以降ザビヌル生涯のオハコとなるわけです。これを聴いて改めてザビヌルの極めて高度でファンタスティックなキーボード・ワークを再認識しました。ライブでこれだけ完璧にやっているんですから、ザビヌルこそ世界最高のキーボーディストだったことがわかります。大袈裟(笑)!ドラマーのアースキンにも触れておかないと怒られますよねっ。とにかくパワフルなビートを叩きだしていますよ。

笑ってしまうのが効果音。”打ち上げ花火”に”ロケット打ち上げ”に”列車が目の前を通り過ぎる音”。こんな効果音をライブで大々的に取り入れて、それが違和感なくマッチしてしまうジャズ・バンドって、きっと後にも先にもウェザーだけだと思います。

今日聴いてウェザー・リポートの凄さに唖然!最近のジャズ・アルバムにはこれほどのパワーと楽しさはありません。このバンドはエンターテインメントとアートを非常に高次元で実現していたんですね~。久々に聴いてビックリしました。

このアルバム、出来る限り大きい音で聴いて下さい。
デカイ会場の熱気に包み込まれる気分になりますよっ。
”クゥ~、タマラン!”

あっ、そうだ!これを言っておかねば。
以上はジャズを聴き始めた頃からの重度のウェザー・ファンの戯言です(笑)。

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コメント

いっきさん、こんばんは。

オイラ、以下の意見同感です。

>最近の中・高年好みのピアノ・トリオやマイナー感にばかり共感する
>四畳半的ジャズとは次元が違います。最近のジャズがどんどん衰退
>していくのも頷けます。それが時代だと言えばそうなのでしょうが、
>ウェザーみたいなジャズが注目をされないと、ジャズのパワーって
>戻ってこないような気がします。

オイラ、「振出しに戻る」で、ウェス・モンゴメリーを聴いています(笑)。
今日は『インクレディブル・ジャズ・ギター』『フル・ハウス』を、本を読みながら聴いているのですが、やっぱりジャズが熱いです(笑)。
これから暫く、CTIのコマーシャルなアルバムまで行く予定。
「コマーシャルな、聴きやすいアルバムも聴こう!」がテーマです(笑)。ウェスもだいぶ悩んだようですが・・・。

投稿: tommy | 2010年2月12日 (金) 01時48分

tommyさん。こんばんは。

>オイラ、「振出しに戻る」で、ウェス・モンゴメリーを聴いています(笑)。

振出しに戻るのっていいかもしれませんね。
ジャズが好きになった頃に戻れます(笑)。

>今日は『インクレディブル・ジャズ・ギター』『フル・ハウス』を、本を読みながら聴いているのですが、やっぱりジャズが熱いです(笑)。

確かにその2枚は熱いと思います。

>「コマーシャルな、聴きやすいアルバムも聴こう!」がテーマです(笑)。

たまにはコマーシャルもいいですよね。。
私の場合はコマーシャルということなら、フュージョンやJ-POPを聴きます。
楽しいですよ。

投稿: いっき | 2010年2月12日 (金) 20時21分

ブラックマーケットいいですよね。
私は、ピアノトリオが好まれても仕方ないと思うの。
昔に比べて、今って、神経とがることが多すぎるもの。

でも、最近はチト、、限度超えてるかもしれませんネ。
って、大してピアノトリオ買ってないので、そんなことはいえないけどね。

昔から、興味あるものしか聴けなくて、、体系的に聴くとか、、コンプリ目指すとか、、意志薄弱で全然だめ。(恥)

投稿: すずっく | 2010年2月16日 (火) 17時41分

すずっくさま。

>ブラックマーケットいいですよね。

はい、いいです。かなりいい。

>私は、ピアノトリオが好まれても仕方ないと思うの。
>昔に比べて、今って、神経とがることが多すぎるもの。

確かにそうですよね。
こういう私も一時期ピアノトリオに嵌まっていました(笑)。

>でも、最近はチト、、限度超えてるかもしれませんネ。

そうですそうです。

>って、大してピアノトリオ買ってないので、そんなことはいえないけどね。

そうなんですか?
ピアノトリオも結構買っていらっしゃるのかと思っていました。

>昔から、興味あるものしか聴けなくて、、体系的に聴くとか、、コンプリ目指すとか、、意志薄弱で全然だめ。(恥)

いいじゃないですか。
私は好奇心だけで聴いているので、他人が聴いているものは皆聴いてみたいです(笑)。
まあそれは無理なので、最近はある程度方向性はしぼるようにしていますが。
ちなみに「ジャズ選曲指南」のコンプリを目指したのは私にとって異例です。

投稿: いっき | 2010年2月16日 (火) 21時00分

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