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爽快フュージョン・サックス・トリオ!

フィギュアスケート男子シングル、高橋大輔は頑張りましたね~。
4回転に挑戦したところがエライ!男です。
失敗してもいいじゃないですか。
果敢にチャレンジしての堂々の銅メダル。
すがすがしいですね。

さて、今日は私がチェックしているジャズ・ブロガーの間で話題になったアルバム。
すずっく さまが「ききなはれ。」っておっしゃるんで(笑)、早速聴いてみました。

P71 『トリオ・オスティコ』(2009年、Via Veneto Jazz)。メンバーは、ロザリオ・ジュリアーニ(as)、ピッポ・マティーノ(el-b)、ベンジャミン・エノック(ds)です。これは珍しいサックス・トリオです。エレクトリック・ベースが入っていることから予測ができると思いますが、8/16ビートを主体としたフュージョンなんです(笑)。

冒頭ショーターの《フットプリンツ》からいきなり疾走する演奏がカッコイイです。ロザリオ・ジュリアーニが生きの良い”プリプリ”のエビのような音で熱いソロを展開していて爽快です。リズムも快調にとばしていますね。

エノックは「プリズム」というピアノ・トリオのドラマーだった人で、ジュリアーニのサックス・トリオのメンバーとしての付き合いもあります。ただし過去のトリオはベースがアコースティック。エノックのドラムはかなり前ノリで忙しいリズムです。ベースのマティーノは初めて聴きましたが、ジャコ・パストリアスの影響がかなり強いようです。テクニシャン系エレベ奏者ですね。

ジュリアーニのアルバムは『モア・ザン・エヴァー』だけ持っていましたが、これはいきなりのフュージョン・サックス・トリオなのでビックリ!今時の人はこういうフュージョン的要素を持っているということなのでしょうね。”テクニックの快楽”を求めるフュージョンも楽しいですよ。

マティーノはジャコ的な部分がかなりあります。スローな曲でのハーモニクスの使い方とか、4ビートでのベース・ランニングはモロにジャコ(笑)。まあ、スラッピングとかもやるので、ジャコそっくりさんとまでは言いませんがかなり似ています。私的にはこの人のベースは今一。リズムの腰が据わっていないのです。

で、エノックのドラミングも手数、足数が多い割に単調なリズム・パターン。これはこういうフュージョン演奏なので、敢えてそうしているのかもしれません。というのも、4ビートの時やもう少し攻撃的な8/16ビート演奏の時はもっと凝ったこともやっていますから。まあ、この程度のドラミングなら日本のフュージョン・ドラマーにもたくさんいると思います。

というわけで、私的にはリズムにもう少し腰を据えてほしいのですが、逆に言えば軽やかなリズムなわけで、そこが爽快感に繋がっていて良いとも言えます。でも、全体をとおして聴くとやっぱりちょっと聴きやす過ぎるように思います。わがままな私ですね(笑)。まっ、ジュリアーニのアルトは終始快調で、曲も分かりやすいので楽しめることは事実。

エレベのサックス・トリオと言えば、思い出すのがジーン・パーラー、アイアート・モレイラ、スティーブ・グロスマンの「ストーン・アライアンス」。そう言えばグロスマンがジュリアーニをドレフュス・レーベルに推薦したらしいですね。ジュリアーニはグロスマンに影響されたのかも(笑)?

8/16ビートやエレベのジャズを認めない人はこういうのはダメでしょうが、拘らない人は是非聴いてほしい、楽しいフュージョン・サックス・トリオです。

アルバム名:『TRIO OSTIKO』
メンバー:
Rosario Guliani(sax)
Pippo Matino(b)
Benjamin Henocq(ds)

さて、私はこちらのほうが気に入っています。

P72『モア・ザン・エヴァー』(2004年rec. DREYFUSE)。メンバーは、ロザリオ・ジュリアーニ(as,ss)、レミー・ヴィグノロ(b)、ベンジャミン・エノック(ds)、ゲスト:ジャン・ミシェル・ピルク(p)、リシャール・ガリアーノ(accord)です。ドラマーはエノックですが、こちらはガッツのあるアコースティックベースなので、演奏は締りがあるものになっています。

で、ピアノのピルクがいることでもだいぶ違います。この人の瑞々しくも逞しいピアノが入るだけで、演奏に”ピシッ”と1本筋が通るだけでなく、華が加味されていると思うのです。さすがはピルクですね。

アコーディオンのガリアーノも数曲に参加しているのですが、こちらはアコーディオンの哀愁とジュリアーニの艶のあるアルトが上手い具合に溶け合い、情感を盛り上げています。《アイ・リメンバー・アストル》ではタンゴの香が漂う中、ガリアーノ、ピルク、ジュリアーニのソロが熱く燃えます。

他にサックス・トリオでの熱さ+知的な演奏あり、ジュリアーニのアルトとピルクのピアノで抒情的なデュオありと、色々な演奏があるのですが、ジュリアーニ色という意味では筋が通っているとこが私は気に入っています。こちらも是非一聴をオススメします。

P75 ついでに、『トリオ・オスティコ』と『モア・ザン・エヴァー』の間に出た『エニシング・エルス』(2006年rec. DREYFUS)まで購入する羽目に(笑)。ちょっとした”ジュリアーニ祭り”になってしまいました。

こちらはフラビオ・ボルトロ(tp)、ダド・モロニ(p)が参加したクインテットによる演奏で、ストレート・アヘッドで熱い、文句なく楽しいハード・バップになっています。ジュリアーニも絶好調!アップ・テンポではエノックのドラミングも冴えわたっていますよ。これは普通のジャズ・ファン向けかな(笑)?

更に続きがあります。3月には『レニーズ・ペニーズ』というアルバムの発売が控えています。これはタイトルからも分かるとおり、レニー・トリスターノに挑んでいるんだとか。「プリズム」のピアニスト、ピエール・ド・ベスマンが参加したワン・ホーン・カルテット。これも買わねばなるまい!

今、私にはプチ・ジュリアーニ・ブームが来ています(笑)。

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コメント

おっと、コレ僕も買いましたよ。僕的にはぜんぜんOKな世界、というよりむしろ好きかも…。好みは別でも買うモノ、カブりますネェ。

投稿: じゃこのめ | 2010年2月20日 (土) 22時48分

大事なこと書くの忘れてました。買ったのは『TRIO OSTIKO』です。

投稿: じゃこのめ | 2010年2月20日 (土) 22時53分

じゃこのめさん。こんばんは。

これ買っていたんですか?意外です。
この手のマイナーなやつはお聴きにならないのかと思っていました(笑)。
これ楽しいですよね。
最近私が聴く内省的&ネクラなものからすると、
あっけらかんとし過ぎなのですが、
これはこれでありだと思います。

>好みは別でも買うモノ、カブりますネェ。

好みもカブっていますよ(笑)。

投稿: いっき | 2010年2月20日 (土) 22時56分

『TRIO OSTIKO』の参加のベースマンPippo Matinoは“イタリアのジャコ”と呼ばれているらしいので、私的要チェックベーシストになっています。
彼のリーダー作『Joe Zawinul Tribute』も同時に買いました(これは未開封です)。というか、このザヴィヌル・トリビュート盤で彼の名前を知りました。
『TRIO OSTIKO』を聴く限り、なかなか良いベーシストだと思いました。

投稿: じゃこのめ | 2010年2月21日 (日) 00時25分

どーもでっす。
今日は、一部人気のクランツ聴いてきました。
凶悪!

と、私も『モア・ザン・エヴァー』好きです。
これも、メンバー的に私としてはすごすぎる。。

で、エノクの軽さは、私的にはオッケーー。
ディープな感じはないけど、妙に気に入ってます。

ねぇ?エニシングエルスって、モア・ザン・エヴァーの前でなかった?

>「プリズム」のピアニスト、ピエール・ド・ベスマンが参加したワン・ホーン・カルテット。

ギョェ〜〜〜〜〜
買う。(爆)
って、エノクもいるんでしょ?ベース誰なんでしょう。。。

三月は物いりだなぁ。クリポタ関連も二枚出るし、バティスタも出る。。。

投稿: スズック | 2010年2月21日 (日) 00時37分

じゃこのめさん。こんにちは。

>Pippo Matinoは“イタリアのジャコ”と呼ばれているらしいので、

でしょうね。似ていますもんね。
テクニックも凄いと思います。

>私的要チェックベーシストになっています。

さすがはジャコ・サイトの管理人。
色々なベーシストをフォローしているんですね。

>彼のリーダー作『Joe Zawinul Tribute』

ザビヌルもリスペクトしているんですね。
なんか興味が湧いてきました。

>なかなか良いベーシストだと思いました。

テクニックはありますよね。
頑張ってほしいです(笑)。

投稿: いっき | 2010年2月21日 (日) 12時30分

スズックさま。こんにちは。

トラックバックありがとうございます。
どうもです。

>今日は、一部人気のクランツ聴いてきました。

コットンクラブに来ていたんですよね。
カッコ良かったんでしょうね。

>と、私も『モア・ザン・エヴァー』好きです。
>これも、メンバー的に私としてはすごすぎる。。

いいですよね。
私もこのメンバーはなかなかだと思います。
さすがはドレフュス・レーベル。

>で、エノクの軽さは、私的にはオッケーー。
>ディープな感じはないけど、妙に気に入ってます。

エノクは私も好きです。
俊敏なところは良いと思います。

>ねぇ?エニシングエルスって、モア・ザン・エヴァーの前でなかった?

『モア・ザン・エヴァ』日本盤のライナーによると、ドレフュスでの1枚目が世界デビューの『ラゲッジ』、2枚目が日本デビューの『ミスター・ドゥドゥ』、3枚目が『モア・ザン・エヴァ』となっています。

>って、エノクもいるんでしょ?ベース誰なんでしょう。。。

う~ん、エノクは残念ながらいません。
ドラマーは、ジョー・ラ・バーベラなんです。
で、ベースがダリル・ホール。
これまでとはちょっと違う感じなので楽しみです。

>クリポタ関連も二枚出るし、

1枚はポール・モチアンとのやつですよね。
鍛えられた師匠との再演。
これはじゃこのめさんも注目していますよ。
私も買うと思います。
ゲゲッ、もう1枚あるんですか。
参ったなあ。

投稿: いっき | 2010年2月21日 (日) 12時59分

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イタリアノのアルトサックス吹きといえば、私的にはスティファノバティスタでっす。(命)が、、ひいき目に見ても、最近のバティスタのアルバムはエンターテイメント色が強くなってきてル気がしてマスです。まぁ、でも、、好きなナントカといいまして、今のところは我慢で...... [続きを読む]

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