こちらも強力メンバーです。
昨日に続きまして、こちらも強力メンバーです。
ジョナサン・ハフナーの『ライフ・オン・ウェンズデイ』(2008年rec. Cachuma Records)です。メンバーは、ジョナサン・ハフナー(as,cl)、クレイグ・テイボーン(p,wurlitzer,electronics)、ウェイン・クランツ(g)、アイヴィン・オプスヴィーク(b,el-b)、ヨッヘン・ルカート(ds)、ケニー・ウォルスン(ds)です。NYダウンタウンを追いかけている人にはわかる凄いメンバーですよねっ。プロデューサーは現代重要アルト・サックス奏者のデヴィッド・ビニー。
これだけの人が揃ってプッシュするこのアルト・サックス奏者は一体何者?私は初めて聴きました。NYには要注目アルト奏者が目白押しです。デヴィッド・ビニー、ミゲル・セノーン、スティーヴ・リーマン、アンドリュー・ディアンジェロ、ロレン・スティルマン、ルドレシュ・マハンサッパ・・・、スイングジャーナル誌ではほとんど紹介されない人達です(笑)。今や自分で積極的に情報を集めないとジャズの先端からどんどん取り残されていきますよ。「井の中の蛙大海を知らず。」 マイナー・ピアノ・トリオなんか聴いている場合じゃないのです(笑)。
話はこのアルバムに戻って。ハフナーも上記のアルト奏者に連なる人だと思います。音色やフレージングからはスティーヴ・リーマンに一番近いように感じます。もう少し分かりやすい人を例にとるなら、クリス・ポッターのアルト版的かも?結構ファナティックに盛り上がる場面もあります。全曲ハフナー作曲。変拍子を取り入れたちょっとウネウネ系のメロディーやフォーキーな感じはまさに今時のNYダウンタウン。
想像はつくと思いますが、テイボーンのウーリッツァとクランツのギターが凶暴です(笑)。演奏に違和やアクを注入しまくっています。好きな人にはこいつらの音が堪らないんですよねっ。一種の中毒性を持っています。で、これまた凶暴なのがツイン・ドラム、左右に分かれて熱いビートを撒き散らしているんです。オプスヴィークが曲によってアコースティック・ベースとエレクトリック・ベースを持ち替えているところもミソ。
頭の《タイム・タイム》から、クリス・ポッター・アンダーグラウンドとの共通性を感じます。この手のサウンドと思っていただければと思います。《ニュー・メキシコ》は郷愁漂うバラード・ナンバー。ハフナーのアルトに続いて、クランツのギター・ソロとテイボーンのピアノ・ソロが続くのですが、この2人さすがに深いです。
《ウェスタン・ウレン(ザ・バード・コール)》はフリーの演奏。ハフナーの雄叫びを中心にメンバー一丸の暴れっぷりが気持ちイイです。サブ・タイトル「鳥の呼びかけ」って、なんでこんなに荒々しいの??《フォーミガス》は曲構成が凝っていって、エレクトリック・マイルスの旨味を抽出して現代の感覚で調理したような感じが好きです。静かに入って後半は怒涛の盛り上がり、カッコいいです!後半は1分程度のアルト・ソロ2曲、ロック/フォーク系2曲などがあります。
4ビートのバップではなく、アドリブ至上主義でもありませんので、念のため。こういうジャズを輸入するディスクユニオンはエライです。ちなみにこのアルバムはジャズ喫茶「いーぐる」の新譜特集(私は行かなかったので選曲リストでチェック)で益子さんが紹介しています。
この手のジャズがお好きな人は聴いてみて下さいな。
アルバム名:『Life On Wednesday』
メンバー:
Jonathon Haffner(as, cl)
Craig Taborn(wurlitzer, electronics)
Wayne Krantz(g)
Eivind Opsvik(b, el-b)
Jochen Rueckert(ds)
Kenny Wollesen(ds)
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