今日はアフロ・アメリカンな1枚。
音楽専門・衛星デジタルラジオ「ミュージックバード」JAZZチャンネルの番組
「MOONKSTYLE」を聴いていると結構気になるものがかかります。
でも最近はNHKの「ブラタモリ」を見ているので、
同時間放送の「MOONKSTYLE」はほとんど聴いていません。
今日紹介するのはだいぶ前に「MOONKSTYLE」でかけたものです。
これが入手に手間取りました。
HMVの通販にも載っているのですが、入手にやたら時間がかります。
なので、発注をためらっていました。
先月ディスクユニオン新宿ジャズ館で別のCDを探していたら、
こいつが出て来たのですかさず購入。
メルマガ読者10%OFFでした。とにかく少しでも安く買いたい(笑)!
ブルーイット・ジャクソン・エルザバーの『ザ・コーリング』(2000年rec. Justin Time Records)です。メンバーは、ハミエット・ブルーイット(bs,wooden-fl,contra-alto-cl),D.D.ジャクソン(p,org,bass-syn,key)、カヒル・エルザバー(ds,per,bell,kalimba,vo)です。
これ、フリー・ジャズの棚に入っていました。エルザバーがシカゴAACMの人だからなのでしょうが、内容はフリー・ジャズではありません。エルザバーのアフリカン・リズムにのって、なんともスピリチュアルで歌える楽しいジャズが展開しています。こういうのって聴かないと分からないので、入れる棚をなんとかしてほしいです。”フリー・ジャズ=難解=聴かない”となってしまいますからね。そういう意味では「MOONCSTYLE」のような番組で紹介してくれることはありがたいと思います。
オープニング《オープン・マイ・アイズ》。パーカッション&ドラムによるアフリカンな16ビートにのって、ブルーイットのファンキーなバリトン・サックスで始まります。ジャクソンのオルガンはアーシーなんだけどコテコテ度は控えめで、温泉に浸かっているような塩梅。続いて出てくるのがエルザバーのファンキーなボーカル。ちょっと緩めに歌うのがイイ味出していて、そこにバリトンが軽くからみます。アフリカの大地の匂いと都会の夜の風景の両方が浮かぶようなところが面白いです。これを聴いただけで相当イイ気分になりますよ。
続く《サイ・ワ》はバラード。ブルーイットのバリトンとジャクソンのピアノが甘くスピリチュアルな歌を歌い上げます。曲調やサウンドは意外にもデビッド・サンボーンのようなフュージョンなんですよ。それが都会を感じさせるんですね。でも、この人達の魂はアフロ・スピリチュアルなわけで、それが滲み出てきてしまうところが何ともいい味になるわけです。聴いていると心がおおらかになってきますよ。心はアフリカの大地につながるスケールのデカサなのです。
次の《ホエン・ザ・エレファント・ウォークス》。タイトルの「象」からも分かる通り、こちらはかなりアフリカンな曲。エルザバーのカリンバ(親指ピアノ)や鈴、ブルーイットのウッド・フルートがアフリカの乾いた空気を醸し出し、そこにエルザバーのアフリカン・スキャット?が入ります。目を閉じるとアフリカへトリップできます(笑)。
《ブルース・フォー・ザ・ピープル》は陽気なブギウギ。後半のパーカッション・ソロが快適快適!ジャクソンはこのソロをはさみ、最初はピアノで後はオルガンの弾き分け方、う~ん、ナイスです。《メイク・アップ・アンド・ドリーム》はスピリチュアル・フュージョン(笑)?エレピがアーシー&クールです。スピリチュアルとフュージョンの”フュージョン(融合)”、混ざり合わないような感じもしますが、これが上手い塩梅にフュージョン。この人達のセンスには唸らされるものがあります。
こんな感じで全10曲。
エルザバー5曲、ジャクソン2曲、ブルーイット1曲、コリンズ1曲、3人の共作1曲。
とにかく難解さは微塵もない楽しいアルバムなのです。必聴!
なぜ?このアルバムが凄く気に入ったのか分かりました!
ジャズを聴くようになって数年後によく聴いた
ジョージ・アダムス/ドン・ピューレンの『メタモルフォシス』に
似ているところがあるからです。
このアルバムについては以前ブログにUP済み↓
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-89ed.html
こういう最初のほうの体験って、結構好みに強く残っています。
アルバム名:『THE CALLING』
メンバー:
Bluiett(bs, wooden fl, contra-al cl)
D.D.Jackson(p, org, bass syn, key)
Kahil El'Zabar(all ds, per, bells, kalimba, vo)
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