スイングジャーナルの「ジャズ・ブック」は面白い。
いよいよ冬季オリンピックですね。メダルはいくつとれるのでしょう?
今日はスイングジャーナル誌の別冊「ジャズ・ブック」のお話し。
これは毎年1冊出る、その年を総括した雑誌です。
私は76年から94年まで(85年除く)持っています。
全て古本で購入。
オーディオ・コーナー目当てで買ったものです。
今読むと当時の状況がわかって面白いんです。
「ジャズ・ブック’90」。
89年末の発売なので、89年の総括です。
80年代の総括でもあります。
スイングジャーナルの評論家27人にアンケートをとった
「’80s BEST10」という記事があります。
BEST10といっても、新録音BEST5、旧録・初登場BEST5。
新録音BEST5だけここに書きます。
1、ウイントン・マルサリス『スタンダード・タイム』
2、ウイントン・マルサリス『ライブ・アット・ブルース・アレイ』
3、キース・ジャレット・スタンダーズ・スティル・ライブ『枯葉』
4、『ギル・エバンス・アット・スイート・ベイジル~集大成版~』
5、キース・ジャレット・トリオ”スタンダーズ”ライブ『星影のステラ』
ビックリですね。
ウイントン、キースが80年代の主役。まあ、そうなのかもしれません。
ギルのライブは川島重行さんプロデュース。
1967年~1988年のジャズ・ディスク大賞一覧も掲載されています。
こんな記事もありました。
覆面座談会
「 ジャス評論家に物申す!!こうあってほしいジャズ評論」
後藤雅洋、ラズウェル細木、大西米寛、寺島靖国。
司会・進行:柳沢てつや
覆面なので、座談会の発言はA、B、C、Dと表記されいます。
でも、私には分かりました。
Bが後藤さんで、Cが寺島さんであることが(笑)。
内容は、最近の事情にも違和感なくあてはまります。
つまり、20年前から同じ状態だったということです。
最近はそれらがさらに悪化しただけにすぎません(笑)。
結局20年前に問題視していたことがあまり変わっていないという事実。
後藤さん、寺島さんの主張は当時から変わらず(笑)。
お2人はかなり奮闘されていらっしゃっているのに・・・。
「日本の敏腕ジャズ・プロデューサー大いに語る」
五野洋、川島重行、木全信、行方均。
司会・進行:中山康樹
五野洋さんは初めて知ったのですが、バンブー・レーベルの
プロデューサーだったんですね。
ゲイリー・トーマスの『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』を
プロデュースしています。
後のお3方は、あまりにも有名。
マンハッタン・ジャズ・クインテットの川島さん。
ケニー・ドリュー・トリオ、ヨーロピアン・ジャズ・トリオの木全さん。
ブルーノート(サムシンエルス)の行方さん。
「PCMジャズ喫茶」にこのお3方がゲスト出演した時のレポートを書いてますが、
番組で語っていらっしゃったことも、ここに書いてありました。
この20年でジャズはかなり変わったと思うのですが、ジャズに関わる人達って、
ここに出てきた方々の次が、あまり見えてこないですね~。
今年、2010年を迎え、いよいよ世代交代はあるのでしょうか?
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コメント
いっきさん、こんばんは。
ひょえ〜、今日は寒いですね。バンクーバーも盛り上らず(笑)。
20年経っても、何も変わりませんね(笑)。
これはジャズ自体がディスク媒体(商売)の範囲でしか語られないからではないでしょうか?
今一度ジャズ=ディスクではないことを考えないといけないのでは?
ライブレポートやミュージシャン・インタビューがメインになると、多少は変わるかもしれません(笑)。
もっとミュージシャンが主人公にならなければいけない気がします。
投稿: tommy | 2010年2月13日 (土) 20時07分
tommyさん。こんばんは。
>ひょえ〜、今日は寒いですね。バンクーバーも盛り上らず(笑)。
今日は甲府も寒いです。
バンクーバーもそれなりに盛り上がってませんか(笑)?
私が一度だけ行った海外旅行が、ウィスラー/ブラッコムのスキー・ツアーです。
で、スキー場に着いたその日がガルフ・ウォー(湾岸戦争)の開戦日。テレビはそのニュースばかりでした。当時カナダ軍も参戦していました。
帰りの飛行機(ユナイテッド航空)がなかなか飛び立たず、客室乗務員は半分以上男になってしまったという思い出があります。
バンクーバーにも1泊しましたよ。大橋巨泉のO.K.ギフトショップでお土産を買いました。
>今一度ジャズ=ディスクではないことを考えないといけないのでは?
>もっとミュージシャンが主人公にならなければいけない気がします。
おっしゃるとおりだと思いますが、地方の状況ではジャズ=メディア(CD、配信)がメインにならざるを得ないですよ。
大都市(特に東京)に住んでいる人達が羨ましいです。
ジャズの地域格差。考えてほしいです(涙)。
投稿: いっき | 2010年2月13日 (土) 21時09分
もっと、海外のジャズ情報が的確に入ってくる状態になればいいのですが・・・。
ジャズメディアは、海外特派員に力を入れないとダメですね。
せめてニューヨーク、ロス、シカゴには専任の記者がいていいですよね。
そういう意味では、東京も海外ジャズ情報は乏しい。
投稿: tommy | 2010年2月14日 (日) 01時54分
tommyさん。こんにちは。
>もっと、海外のジャズ情報が的確に入ってくる状態になればいいのですが・・・。
>ジャズメディアは、海外特派員に力を入れないとダメですね。
それは必要だと思います。
ジャズは多様化しているので、現地の状況を細かくレポートしないとダメなんでしょうね。
とは言え、そこまで必要とするジャズ・ファンは極少数だと思いますので、なかなか実現しないんだと思います。
で、最初に戻ってしまいますが、tommyさんがおっしゃる
>今一度ジャズ=ディスクではないことを考えないといけないのでは?
をジャズ・ファンが自覚しないといけないということですよね。
おっしゃることはわかるつもりなのですが、これまでず~っとメディアが主体だった日本においては、なかなか難しいのかな~という気がします。
投稿: いっき | 2010年2月14日 (日) 12時32分