やっぱりエリック・アレキサンダーはイイよねっ!
2000年くらいでしょうか?
ジャズの近況に疎い自分に気付き、慌てて色々聴きに走った時期がありました。
寺島靖国さんが「新しいJAZZを聴け!」としきりに提唱していた頃です。
その頃買ったCDは新譜で買ったのか中古で買ったのかよく覚えていません。
たくさん買ったので買った時のシチュエーションは記憶にありません。
これ、寺島さん著「聴かずに死ねるか!JAZZこの一曲」に掲載されていたので
買ったんでした(笑)。久しぶりに本を見て気付きました。2010,2,26
その頃買ったものを久々に取り出して聴いてみました。
トム・ブリガンディの『アフター・アワーズ』(2002年、Confetti Entertainment)です。サブ・タイトル「アンド・ザ・レイト・ニュー・ヨーク・バンド」。メンバーは、トム・ブリガンディ(b)、エリック・アレキサンダー(ts)、ジョー・マグナレリ(tp)3曲のみ、ディノ・ロシト(p)、ダニー・ドルンペリオ(ds)です。カタカナ表記は目安程度ということでご容赦。
エリックとマグナレリがいることからも分かる通り、現代ハードバップ・アルバムです。ベーシストのリーダー含めピアノとドラムはほとんど知りません。人物調査もめんどくさいのでやりません(笑)。”ザ・レイト・ニューヨーク・バンド”と名乗っていますが、ニューヨークでは当時一緒にライブをやっていたのかもしれませんし、もしくは、アルバム知名度を上げるためにレコーディング用にエリックとマグナレリをフロントに連れてきただけかもしれません。
全8曲中、3曲にマグナレリが参加。他の5曲はエリックのワンホーン・カルテットです。エリック・ファンには嬉しい1枚です。多分ディスクユニオンのポップ(宣伝文句)を見て新譜を買ったのではないかと思いますが、エリック参加を売り文句にしていたのだろうと思います。当時の私は寺島さんに感化されていたので、寺島さん大プッシュのエリック参加のこのアルバムを買ったのだろうと思います。
やっぱりエリアレ(エリック・アレキサンダー)はイイです。エリアレの男気ある堂々とした吹奏は魅力的ですよね。で、フレージングはマイケル・ブレッカー(ジョン・コルトレーン)を消化した上でのスマートさを兼ね備えています。エリアレは、男気ロリンズとスマート・コルトレーンのいいとこ取りだと思うのですよ。そういう意味ではジャズの2大テナーのハイブリッド。非常に現代的です。かつ難しいところがないので分かりやすい。
今の私のアイドルは、クリポタ(クリス・ポッター)やトニー・マラビーに移行してしまいましたが、エリアレは依然として魅力的だと思います。数多いる最近のヨーロッパの”エリアレ系”ハードバップ・テナーにはあまり興味は湧かないんですが、エリアレはやっぱり別格。
リーダーのブリガンディそっちのけで、エリアレの話ばかりになってしまいました(笑)。リーダーのベースもガッツがあって良いですよ。でも何か他から秀でるものはないです。ピアノもドラムも同レベル。なので、余計エリアレの良さが目立つ感じになります。トランペットのマグナレリも「ここがいい」ってのはあまりないですよね。あくまで、演奏にバリエーションを付けるために参加した感は否めません。
最後に選曲が気に入っています。1曲目と2曲目がジョー・ザビヌルの曲なんです。で、2曲目が《ヤング・アンド・ファイン》!私はこの曲が大好きです。モーダルでモダン。ザビヌルの名曲は数あれど、私は上位に位置すると思っています。テーマに続きエリアレのソロが始まったかと思うといきなりベース・ソロにかわり、”アレッ”とずっこけます。その次はピアノ・ソロなんですよ。「エリアレはどうしたんだ!」と叫びたくなります(笑)。満を持してエリアレ登場、徐々に盛り上がって後半は”ブリブリ、ズリズリ”と、溜飲を下げてくれます。《トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ》の堂々たるバラードも最高です。
たまには王道現代ハードバップもいいものです。最近のこの手の作品、2000年初頭に持っていたパワーを失ってしまった感じがするのは気のせいかしら?まっ、最近のこの手の新譜はあまり聴いていないので的外れな印象かも?
アルバム名:『After Hours』
メンバー:
Tom Brigandi(b)
Erick Alexander(ts)
Joe Magnarelli(tp) 1,3,6
Dino Losito(p)
Danny D'lmperio(ds)
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コメント
えりあれは私も好きです。
私的に決別したレーベルから、コルトレーン集でてるんです。聴いてみたいな、って、おもいましたが、やめました。
そー、私もロリンズとコルトレーンのいいとこどりだとおもってまあす。
投稿: すずっく | 2010年2月12日 (金) 22時41分
すずっく様。こんばんは。
いいですよねっ。
まあ、さすがに最近は追いかけてはいませんが、リーダー作5枚、サイドメン参加5枚持っています。
>私的に決別したレーベルから、コルトレーン集でてるんです。聴いてみたいな、って、おもいましたが、やめました。
お気持ちは分かります。
で、私は決別された(私も決別した)レーベルの『マイ・フェイバリット・シングス』というベタ企画盤を持っています(笑)。
>そー、私もロリンズとコルトレーンのいいとこどりだとおもってまあす。
ですよね。
これほど上手く取った人は、ジャズ・テナー多しと言えどあまりいません。
投稿: いっき | 2010年2月12日 (金) 23時10分