コルトレーンのバラード表現の解説に納得!
昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「コルトレーンのバラード特集」。
番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」ブログ編 を参照願います。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。
(注)緑字以外は雲さんの番組中トークの要約です。
コルトレーンのバラード表現は多彩。
でも、多くの人がコルトレーンのバラードと言えばこれ。
まず最初は『バラード』から《セイ・イット》。
このアルバムはジャズを聴き始めてしばらくして買いましたよ。
私は『至上の愛』のほうが好きでしたけどね(笑)。
なんだかんだ言って、やっぱりこれはこれで良さがあります。
まじめなコルトレーンらしい誠実なバラードだと思うのです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)
はっきり言ってコルトレーンは下手です。
でもB級バラードのほうが染みてきます。
A級はベン・ウェブスター、コールマン・ホーキンス、ソニー・ロリンズなど。
こういう人達がやるバラードはご立派。
そうでなくて、どこかなんか弱さがあるほうが泣けます。
ガトー・バルビエリ、スタンリー・タエンタインなどB級も良いのです。
デビュー・アルバム『ジョン・コルトレーン』から《コートにすみれを》。
メロディーを大事にしたアドリブ。メロディーをフェイクしています。
コルトレーンに続く、フワッと出てくるレッド・ガーランドのピアノも聴きどころ。
確かにバラードについてはB級なんでしょうね。
そっけない感じがします。
私はそこにコルトレーンのまじめさを見ます。
コルトレーンは愛をささやくようなバラードはできません(笑)。
どことなく人ごとのように淡々と語ります。
だから「愛してるよ。」と素直に言えない日本人には受けるのかも(笑)?
ガーランドのピアノがロマンティックでいいですね~。
雄弁じゃないから染みるコルトレーンでした。
表現はホーキンスが王道、同じ土俵では勝負できないと考えたコルトレーン。
そこで生きてくるのがモード奏法。
明るくも暗くもない和音の中を縫って行きます。
モード奏法を手に入れたコルトレーンのうっとうしいくらいのバラード。
新時代の斬新なバラードを提示。
『コルトレーンズ・サウンド』から《ボディ・アンド・ソウル》。
このアルバムは持っていたのに、この演奏にはあまり記憶がありません(涙)。
ピアノの響きがフレッシュでまさにモード。マッコイです。
なるほど斬新なバラード表現ですね。言われて気付きました。
ピアノのマッコイが弾き出すモーダルな表現により、
コルトレーンのモード奏法が更に際立っています。
明るさ暗さの響きを含んだピアノの中でコルトレーンのモードが生きます。
次はオリジナル曲によって、さらに独自のバラードになっています。
『ジャイアント・ステップス』から《ネイマ》。
これはもうコルトレーンの世界。
コルトレーン・バラードとしてオリジナリティーがあります。
やっぱり、ジャズってオリジナリティーが大切。
染みます。モードの良さが出たバラードですよね。
先の《ボディ・アンド・ソウル》は煮たり焼いたりして、
コルトレーン・バラードにしていましたが、
こちらは浮遊感、寂寥感、他のジャズ・マンに出せない味を出しています。
《ネイマ》を発展させて、スパニッシュ・モードを取り入れるとこうなります。
『オーレ』から《アイシャ》。
これもコルトレーンの独特なバラードですね。
曲が独特な哀愁を漂わせています。
ドルフィーのアルトも独特な寂寥感を出してますね~。
オリジナル曲で本領発揮のコルトレーン・バラード。なるほどね。
コルトレーンの表現とバックのサウンドとメロディーがよくマッチングしています。
フレディ、ドルフィー、マッコイの御立派なソロの後に、
コルトレーンがフワーっと緩く出てくるのが良いのです。
雲さんは個人的にこういう演奏も良く聴いています。
マッコイのピアノがガンガン来ていたので、次はピアノが抜けたピアノレス・トリオ。
フワーッと素朴に染みてきます。
コルトレーン独特の緩さ、心にスルスルと入って来るところを聴いて下さい。
『ラッシュ・ライフ』から《ライク・サムワン・イン・ラブ》。
これ、ほんとに素朴なコルトレーン。
淡々と愛を語るコルトレーンはまじめです(笑)。
染みる演奏だと思いますよ。
コルトレーンのバラード、私はボケーッと聴いてきました(涙)。
今回の雲さんの解説には「なるほど!そういうことか。」と納得しました。
解説していただくとより深く聴くことができると思います。
熱く語っていましたが、最近は鬱陶しさはないと思うのですが・・・。
トークがスマートになったと思うのです。
それとも私が雲さんの熱トークに慣れちゃったから(笑)?
<アフター・アワーズ編>
ジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんがゲストです。
沖縄コザのジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」のオープン日。
最初にかけたのがコルトレーンなんだそうです。
tommyさんもコルトレーンが好きです。泣けるところが良いそうですよ。
「コルトレーンはわかるわかると肩を叩いてくれるバラード。」とtommyさん。
上手いこと言いますね!
その後はオーディオ話。
「iPodでジャズは分かるの?雲さん。」とtommyさん。
お2人のジャズ・オーディオ・ライフ雑談でした(笑)。
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コメント
いっきさん
>熱く語っていましたが、最近は鬱陶しさはないと思うのですが・・・。
本当ですか? それは嬉しいです(笑)。
>コルトレーンは愛をささやくようなバラードはできません(笑)。
>どことなく人ごとのように淡々と語ります。
>だから「愛してるよ。」と素直に言えない日本人には受けるのかも(笑)?
ほんと、その通りだと思います。
面と向かって、気の効いた言葉をストレートに言えないかわりに、外堀の状況を説明したりするほうが得意だったりするような感じは確かにしますね。
「部屋、とってあるから」(=意味わかるよね?)
みたいな(笑)。
コルトレーンの場合も、
「今、君に吹いてる曲は《コートにすみれ》だから。」(=意味わかるよね?)
みたいなところは、たしかにありますね(笑)。
投稿: 雲 | 2010年2月 9日 (火) 05時25分
雲さん。こんばんは。
>本当ですか? それは嬉しいです(笑)。
そう思いましたよ。
>面と向かって、気の効いた言葉をストレートに言えないかわりに、外堀の状況を説明したりするほうが得意だったりするような感じは確かにしますね。
ですよね。
そう言えば、《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ》特集の時に、雲さんも仰っていましたよね。
今回の「コルトレーンのバラード」は面白いテーマでした。
投稿: いっき | 2010年2月 9日 (火) 20時54分
この回聴きたかったなぁ。
雲さまのブログみてきたけど、選曲に文句はないけど、、
私的には、Crescentあたり、、界隈、、、。。。
って、番組聞けないことには、どうしようもないな。
投稿: すずっく | 2010年2月16日 (火) 18時07分
すずっくさま。
たくさんコメントいただきありがとうございます。
>この回聴きたかったなぁ。
雲さんの熱い喋りが楽しかったですよ。
ミュージックバードに加入しませんか(笑)?
で、ヤマハのHDレコーダーを買って録音。
>私的には、Crescentあたり、、界隈、、、。。。
《ロニーズ・ラメント》なんかいいですよね。
投稿: いっき | 2010年2月16日 (火) 21時13分
我が家ねぇ。。
基本的にジャズは受け入れられてないんです。(爆)
でも、これは、ほんと。
ハードおかなくちゃ聞けないとか、絶対、だめ。
だから、あきらめたのです。
Crescentはみんな好き。
昔は、Bessie's Blues、 Drum Thingって、個人的に今ひとつだったのですが、、今は、みんな好き。。。
投稿: すずっく | 2010年2月16日 (火) 22時13分
すずっくさま。
>我が家ねぇ。。
>基本的にジャズは受け入れられてないんです。(爆)
なるほど。
私は独り身だから好き勝手にできますが、
家族がいるとそう簡単にはいかないですよね。
>ハードおかなくちゃ聞けないとか、絶対、だめ。
ハードが一番嫌われちゃうわけですね(笑)。
わかります。
>だから、あきらめたのです。
残念ですが、しょうがありませんね。
私の駄レポをお役立ていただければ幸いです。
>Crescentはみんな好き。
>今は、みんな好き。。。
いいですね~!
私もいつのまにか好きなアルバムになっていましたよ。
村井康司さん著「ジャズ喫茶に花束を」の中で、ジャズ喫茶「ベイシー」の菅原さんが、このアルバムを推薦していて「インパルスの中で力みの抜けたコルトレーンで、エルビンのシンバル・レガートやコルトレーンのサウンドがオーディオ的に理想。」と書いています。
投稿: いっき | 2010年2月16日 (火) 23時21分
すずっくさん
ごめんなさい。
クレッセント、大好きなので、
忘れたわけではないのです。
ただ、時間の関係と、
番組1時間を通して
主張したかった趣旨がありまして、
それを裏付けるための選曲をしていたら、
クレッセントのナンバーの入る余地がなくなってしまいました。
この番組内容を通してお聞きいただければ、ご納得いただけるのではないかと。
(それでも納得いただけなければ、本当にとめんなさい)
▼コチラ
https://www.youtube.com/watch?v=oGDbespop2A
投稿: 雲 | 2015年8月31日 (月) 01時42分
雲さん
こんばんは。
最近すっかりブログ熱が冷め、自分のブログすら見ていません(笑)。
「快楽ジャズ通信」をYouTubeに上げている方がいるんですね。
懐かしいです。
著作権的には問題ありですね。
投稿: いっき | 2015年9月 4日 (金) 23時35分